FAIRY TAIL 氷の滅竜魔導士   作:syeid

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どうもsyeidです。
テスト期間で書いている・・・・
まあ、大丈夫でしょう!!!(フラグ)
今回は少し長めに書きました。
戦闘描写が長かったので楽しかったです!!
それではどうぞ!



ぜレフの悪魔

エリゴールが作った魔風壁を突破する唯一の希望、カゲヤマが刺されたことで全員に動揺が走る。

 

「カゲ!!しっかりしろ!!」

 

「頼む!!お前の力が必要なんだよ!!!」

 

エルザとナノが必死に呼びかけるが、カゲヤマは気を失っていて、反応がない。

 

「ちょっと!!死んだらダメだよ!!」

 

「マジかよ!!!くそっ!!」

 

「あ・・うあ・・ああ・・」

 

グレイは毒づき、フェイも必死に呼びかける。そしてカゲヤマを刺した張本人であるカラッカは、声を震わせていた。そんな中、ナツはただ一人呆然としている。

 

「仲間じゃ・・・・ねえのかよ・・」

 

「ひっひいいっ!!!」

 

カラッカは悲鳴を上げ、再び壁の中に逃げていく。

 

「同じギルドの仲間じゃねえのかよ!!!」

 

ナツは怒鳴ると、拳に炎を纏わせる。

 

「このヤロォオッ!!!」

 

「あぎゃあ!!」

 

壁を破壊して中にいたカラッカを床に叩きつける。

 

「カゲ!!しっかりしないか!!!」

 

「エルザ・・・ダメだ・・・・意識がねえ」

 

「死なすわけにはいかん!!やってもらう!!」

 

「やってもらうって、こんな状態じゃ魔法は使えないだろっ!!」

 

「やってもらわねばならないんだ!!!」

 

「それがお前たちのギルドなのかっ!!!」

 

「目的の為に仲間に手を出すなんで・・・・絶対に許さない!!!」

 

一同が動揺する中、カラッカを追っていたはずのルーシィとハッピーが合流するが・・・・

 

「お・・お邪魔だったかしら・・・・?」

 

「あい」

 

あまりにも殺伐とした雰囲気に、そう声を漏らしたのだった。

 

 

 

「エリゴールの狙いは定例会なの!!?」

 

事情を知らないルーシィ達にエリゴールの目的を告げながら、全員は再び魔風壁の前へと戻って来た。

 

「あぁ・・・・だけどこの魔風壁をどうにかしねえと駅の外には出られねえ」

 

バチィッ!!

 

「ぎゃああああ!」

 

「な?」

 

「あわわ・・・・」

 

グレイの説明を聞いてもなお、魔風壁から出ようとしたナツだが、簡単に弾かれる。

 

「カゲ・・頼む、力を貸してくれ・・・・」

 

カゲヤマは応急処置で一命を取り留めたが、まだ意識が戻らない。

 

「くそぉおおっ!!!こんなモン突き破ってやるぁっ!!!」

 

そう言って、再び魔風壁に突っ込むナツだが、やはり跳ね返される。

 

「バカヤロウ・・・・力じゃどうにもなんねえんだよ」

 

「急がなきゃマズイよっ!!!アンタの魔法で凍らせたりできないの!?」

 

「出来たらとっくにやってるよ」

 

どうやら魔風壁にはグレイは魔法も通じないようだ。

 

「ぬぁあああっ!!」

 

すると、ナツが再び魔風壁に突っ込む。

 

「ナツ君!!やめて!!バラバラになっちゃうよ!?」

 

「かっ・・!!」

 

フェイが静止の言葉を掛けるが、ナツは構わず魔風壁を突き破ろうとする。だが、突き破れるわけもなく、ナツの体だけが傷ついていく。

 

「お願いだからやめてよっ!!ナツ君!!」

 

フェイは見ていられず、ナツを魔風壁から引き離す。

 

「くそっ!!どうすればいいんだ!!!」

 

万策尽きたかと思われたその時、ナツが突然声を張り上げ、ルーシィの肩を掴んだ。

 

「そうだっ!!星霊!!」

 

「え?」

 

「エバルーの屋敷で星霊界を通って場所移動できただろ!!?」

 

「いや・・普通は人間が入ると死んじゃうんだけどね・・息が出来なくて。それに門(ゲート)は星霊魔導士がいる場所でしか開けないのよ。つまり星霊界を通ってここを出たいとした、最低でも駅の外に星霊魔導士が一人いなきゃ不可能なのよ」

 

「ややこしいな!!いいから早くやれよ!!!」

 

「出来ないって言ってるでしょ!!!」

 

あまりに横暴なナツの言葉にルーシィが怒鳴る。

 

「もう一つ言えば、人間が星霊界に入ること自体が重大な契約違反!!あの時はエバルーの鍵だからよかったけどね」

 

「エバルーの・・・・鍵・・・・あーーーーっ!!」

 

その話を聞いていたハッピーが突然大声を上げた。

 

「ルーシィ!!思い出したよっ!!!」

 

「な・・何が?」

 

「来る時言ってたことだよぉ!!」

 

そう言うと、ハッピーは背負っていたバッグの中からゴソゴソと何かを取り出した。

 

「これ」

 

「それは・・バルゴの鍵!!?」

 

ハッピーが見せたのは、黄道十二門の鍵だった。

 

「ダメじゃないっ!!勝手に持ってきちゃーー!!!」

 

「違うよ。バルゴ本人がルーシィへって」

 

「ええ!!?」

 

ルーシィは驚愕の声を上げる。それを聞いていたナツ以外の他のメンバーは話の内容がよくわからず、首を傾げている。

 

「なんの話だ?」

 

「こんな時にくだらねえ話してんじゃねえよ」

 

「ルーシィって星霊魔導師だったんだな」

 

「うん、私も今知った 。それより、その鍵がどうしたの?」

 

「バルゴ・・・・ああっ!!メイドゴリラか!!」

 

「エバルーが逮捕されたから契約が解除になったんだって。それで今度はルーシィと契約したいってオイラん家訪ねてきたんだ」

 

「あれが・・・来たのね・・・・」

 

何かを思い出したルーシィは体を震わせる。

 

「ありがたい申し出だけど、今はそれどころじゃないでしょ!? 脱出方法を考えないと!!」

 

「でも・・・・」

 

「うるさいっ!!ネコは黙ってにゃーにゃー言ってなさい!!」

 

「ルーシィ、ちょっと落ち着こうよ」

 

ハッピーの言葉も聞かずにつねるルーシィをフェイは止める。

 

「バルゴは地面に潜れるし・・・魔風壁の下を通って出られるかなって思ったんだ」

 

「何!?」

 

「本当か!!?」

 

ハッピーの言葉に一同は驚愕する。

 

「そっかぁ!!やるじゃないハッピー!!もう、何でそれを早く言わないのよぉ!!」

 

「ルーシィがつねったから」

 

先ほどとは打って変わって浮かれるルーシィにハッピーは皮肉を言うが、無視される。

 

「貸して!!我・・星霊界との道を繋ぐ者。汝・・・その呼びかけに応え門(ゲート)をくぐれ」

 

ハッピーから鍵をを受け取ったルーシィはそれを構えながら詠唱を始める。

 

「開け! 処女宮の扉!!『バルゴ』!!!」

 

すると、現れたのは・・・・

 

「お呼びでしょうか? 御主人様」

 

可愛らしいメイド姿の少女だった。

 

「え!?」

 

目を見開くルーシィ。

 

「やせたな」

 

「あの時はご迷惑をおかけしました」

 

どうやら以前見た姿と変わっているらしい。

 

「やせたって言うか別人!、あ、あんたその格好」

 

「私は御主人様の忠実なる星霊。御主人様の望む姿にて、仕事をさせていただきます」

 

「前の方が迫力があって強そうだったぞ」

 

「では・・・・」

 

「余計なこと言わないの!!」

 

姿を変えようとするバルゴを必死で止めるルーシィ。

 

「時間がないのっ!!契約は後回しでいい!?」

 

「かしこまりました、御主人様」

 

「てか、御主人様はやめてよ」

 

そう言われたバルゴの目に、ルーシィの武器である鞭が映る。

 

「では『女王様』と」

 

「却下!!」

 

「では『姫』と」

 

「そんなトコかしらね」

 

「そんなトコなんだ!?」

 

「てゆーか急げよっ!!」

 

的外れな会話をする二人に、フェイのツッコミとナノの催促が入る。

 

「では!!行きます!!!」

 

そう言うと、バルゴは潜るようにして穴を掘って行く。

 

「おし!!あの穴を通っていくぞ!!」

 

「よっと」

 

「ありがとうナツ君」

 

すると、グレイの視界にカゲヤマを背負っているナツとそれを手伝っているフェイの姿が映った。

 

「何してんだお前ら!!」

 

「「フェイ(私)と戦った後に死なれちゃ後味悪いんだよ(から)」」

 

二人は声を揃えてそう言いながら、バルゴが掘った穴から脱出したのだった。

 

「出れたぞーーー!!!」

 

「急げ!!」

 

「早くエリゴールに追いつくぞ!!」

 

「うわっ! すごい風!!」

 

駅から脱出できた一同。すると、さっきまで気絶していたカゲヤマが口を開く。

 

「無理だ・・・・い・・今からじゃ追いつけるハズがねえ・・オ・・・・オレたちの勝ちだ・・な」

 

途切れ途切れの言葉を言うカゲヤマ。だが・・・・

 

「まだ勝ってねーよ」

 

そんな自信を持った言葉を言うナノ。

 

「な・・・なんだと・・!?」

 

「もう既にエリゴールを追って此処にいない奴が二人もいるぞ」

 

「あれ!?ナツ君がいない!!」

 

「ハッピーもいねえぞ」

 

ナノの言葉にフェイとグレイがナツ達がいない事に気づく。

 

「ハッピーのMAXスピードはギルドの中でもトップクラスだ。今頃エリゴールにおいついてるよ」

 

「ぐっ・・・・」

 

カゲヤマが悔しそうに歯を食いしばる。

 

「それじゃあ、俺達もナツを追いかけるぞ」

 

『おう!!』

 

ナノの言葉に、全員が頷き、ナツ達を追っていった。

 

 

 

あの後、エルザ達は魔道四輪でナツ達を追っている。

 

「これ・・・・あたしたちがレンタルした魔道四輪車じゃないじゃん!!」

 

「鉄の森(アイゼンヴァルト)の周到さには頭が下がる。ご丁寧に破壊されてやがった」

 

「また弁償だね」

 

弁償の言葉にルーシィは落ち込む。

 

「ケッ・・・それで他の車盗んでちゃせわないよね」

 

「借りただけです!!エルザさんいわく・・・・」

 

毒づくカゲヤマに怒鳴るフェイ。

 

「な・・・・なぜ僕を連れて行く?」

 

カゲヤマの問い掛けにナノが答える。

 

「町に誰も居なかったんだ・・・・クローバーの病院につくまで我慢しろ」

 

「違う!!何で助ける!!?敵だぞ!!!」

 

理解できない行動に、カゲヤマは怒鳴る。

 

「そうか・・わかったぞ・・僕を人質にエリゴールさんと交渉しようと・・無駄だよ・・・あの人は冷血そのものさ。僕なんかの・・・・」

 

「なんでそんなに暗くなるんだよ・・・・」

 

ブツブツと呟くカゲヤマにナノはため息をつく。

 

「そんなに死にてえなら殺してやろうか?」

 

「ちょっとグレイ!!」

 

ルーシィが制止の言葉をかけるが、グレイは構わず続ける。

 

「生き死にだけが決着の全てじゃねえだろ? もう少し前を向いて生きろよ、お前ら全員さ・・・・」

 

「・・・・」

 

グレイの言葉に、カゲヤマは押し黙る。するとその時、魔導四輪がガタンッと大きく揺れた。

 

「きゃあっ!!」

 

「・・・・!!」

 

その際に、ルーシィのお尻がカゲヤマの顔に押し付けられる。

 

「エルザ!!」

 

「無理をするな。運転を変わろう」

 

「すまない。大丈夫だ」

 

既に大量の魔力を消費している彼女は傍目から見ても辛そうだったが、グレイとナノは何も言わなかった。

 

「でけぇケツしてんじゃねえよ・・・・」

 

「ひーっ!!セクハラよ!!グレイ、こいつ殺して!!!」

 

「オイ・・オレの名言チャラにするんじゃねえ」

 

「ハァ・・・・もうちょっと静かにしろよ」

 

「あははは・・・・」

 

そんな緊張感のない空気のまま、魔導四輪はナツを追って走り続けた。

 

 

 

その後、しばらく走って渓谷に差し掛かった辺りで、線路上に居るナツの姿を確認した。

 

「ナツーーー!!」

 

「お! 遅かったじゃねぇか。もう終わったぞ」

 

「あい」

 

そう言うナツとハッピーの足元には、気絶したエリゴールが倒れていた。どうやらエリゴールに勝ったらしい。

 

「さっすがナツ君!」

 

「ケッ」

 

「そ・・そんな!エリゴールさんが負けたのか!!?」

 

喜ぶフェイと面白くなさそうに声を出すグレイ。そしてエリゴールの敗北に目を見開くカゲヤマ。

 

「エルザ、大丈夫?」

 

「あ・・・あぁ。気にするな」

 

「魔力を使いすぎだバカ。少し休んどけ」

 

「すまない・・・・」

 

そう言って休ませるナノに礼を言うエルザ。

 

「こんな相手に苦戦しやがって。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の格が下がるぜ」

 

「苦戦?どこが!?圧勝だよ!な? ハッピー」

 

「微妙なトコです」

 

「お前・・・裸にマフラーって変態みてーだぞ」

 

「お前に言われたらおしまいだ」

 

そう言って睨み合うナツとグレイ。

 

「何はともあれ見事だ、ナツ。これでマスターたちは守られた」

 

エルザのその言葉に、全員が笑みをこぼす。

 

「ついでだ・・・・定例会の会場へ行き、事件の報告と笛の処分についてマスターに指示を仰ごう」

 

「クローバーはすぐそこだもんね」

 

一同は定例会場に向かおうとしたその時、突如・・・・魔道四輪が動き出した。

 

「カゲ!!」

 

「危ねーなァ!動かすならそう言えよ!!」

 

「油断したな妖精(ハエ)ども!」

 

カゲヤマは影を伸ばし、地面に落ちていた笛をしっかりと掴む。

 

「笛は・・・・呪歌(ララバイ)はここだーー!!ざまあみろーー!」

 

カゲヤマは呪歌(ララバイ)を手に、定例会の会場に向かった。

 

「あんのヤロォォォ!」

 

「なんなのよ!助けてあげたのにー!」

 

「油断したーー!!」

 

「追うぞ!!!」

 

「あーもー!!面倒くさいな!!」

 

それを見た一同は急いでカゲヤマの後を追ったのだった。

 

 

 

ようやくクローバーの町にたどり着いた一行は、定例会の会場に向かい、カゲヤマを探した。

 

「いた!!!」

 

「じっちゃん!!!」

 

「「「マスター!!」」」

 

見ると、カゲヤマの目にはマカロフが立っており、今にも笛を吹こうとしていた。それを見た一同は飛び出そうとするが・・・・

 

「しっ。今イイトコなんだから見てなさい」

 

一人の女性らしき人に止められる。

 

「てかあんたたち可愛いわね。ウフ♪」

 

ナツとグレイは熱烈な視線を向けられ、背中に寒気を感じた。

 

「青い天馬(ブルーペガサス)のマスター!!」

 

「ボブさん!!」

 

「あらエルザちゃんに。大きくなったわね。ナノちゃんはいい男になったじゃない」

 

エルザとナノは突然現れたボブに驚く。

 

「どうした? 早くせんか」

 

そしてマカロフの方を見ると、カゲヤマは今にも笛を吹こうとしていた。

 

「いけない!!」

 

「黙ってなって。面白ぇトコなんだからよ」

 

「!おっちゃん!!」

 

そう言って飛び出そうとするエルザを止めた初老の男性は、魔導士ギルド・・・・四つ首の猟犬(クワトロケルベロス)のマスターであるゴールドマインだった。

 

「さあ」

 

「・・・・!」

 

射抜くようなマカロフの視線に、カゲヤマは怖気づく。

 

(吹けば・・・・吹けばいいだけだ…それで全てが変わる!!!)

 

「何も変わらんよ」

 

「!!!」

 

心を見透かされたような言葉に、カゲヤマは目を見開く。

 

「弱い人間はいつまでたっても弱いまま。しかし弱さのすべてが悪ではない。もともと人間なんて弱い生き物じゃ。一人じゃ不安だからギルドがある、仲間がいる。強く生きるために寄り添いあって歩いていく。不器用な者は人より多くの壁にぶつかるし、遠回りをするかもしれん。しかし明日を信じて踏み出せば、おのずと力は沸いてくる。強く生きようと笑っていける」

 

そこでマカロフは一呼吸置いて・・・・

 

「そんあ笛に頼らなくても・・・・な」

 

「・・・・!!」

 

それを聞いたカゲヤマは呪歌(ララバイ)を手放し・・・・

 

 

「参りました」

 

そう言って、膝をついたのだった。

 

「「「マスター!」」」

 

「じっちゃん!」

 

「じーさん!」

 

それを見た一同は一斉にマスターに向かって飛び出した。それを見たマカロフは驚愕する。

 

「ぬぉおぉっ!!?なぜこやつらがここに!!?」

 

「さすがです!!今の言葉、目頭が熱くなりました!」

 

「痛っ!」

 

エルザはマカロフは抱き寄せるが、鎧を着ているので硬い感触しか伝わらない。

 

「じっちゃんスゲェなぁ!」

 

「そう思うならペシペシせんでくれい」

 

「ナツそれぐらいにしておけよ」

 

「一件落着だな」

 

「良かったーー!!」

 

「ホラ・・・・アンタ医者に行くわよ」

 

「よくわからないけど、アンタも可愛いわ~」

 

和気藹々とするメンバー達。すると・・・・

 

『カカカ・・・・どいつもこいつも根性のねェ魔導士どもだ』

 

なんと、突然笛が黒い煙を出しながらしゃべり始めた。

 

『もう我慢できん。ワシが自ら喰ってやろう』

 

そして段々と煙が形を成していき・・・・

 

『貴様らの魂をな・・・・』

 

まるで巨大な大木のような怪物に姿を変えたのだった。

 

「な!!!」

 

「怪物ーー!!」

 

「な・・・・何だ!?こんなのは知らないぞ!?」

 

「あらら・・・・大変」

 

「こいつぁゼレフ書の悪魔だ!!」

 

突然現れた怪物にナツ達はもちろん、ギルドマスター達も驚きを隠せなかった。

 

『腹が減ってたまらん。貴様らの魂を喰わせてもらうぞ』

 

「なにーー!?魂って食えるのかーー!?うめぇのか!?」

 

「知るか!」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないだろバカ!!」

 

ナツの疑問にグレイとナノがツッコム。

 

「一体・・・・どうなってるの?なんで笛から怪物が・・・・」

 

震えるルーシィは目の前のバケモノを見上げる。

 

「あの怪物が呪歌(ララバイ)そのものなのさ。つまり生きた魔法。それがゼレフの魔法だ」

 

「生きた魔法・・・・」

 

「ゼレフ!?ゼレフってあの大昔の!?」

 

「黒魔導士ゼレフ。魔法界の歴史上、最も凶悪だった魔導士・・・・何百年も前の負の遺産がこんな時代に姿を現すなんてね・・・・」

 

ボブは実際に目の前にいる怪物を見てそう言う。

 

『さあて・・・・どいつの魂から頂こうかな』

 

そう言うと、ララバイは不気味な笑みを浮かべる。

 

『決めたぞ。全員まとめてだ』

 

「いかん!!呪歌(ララバイ)じゃ!!!」

 

「ひーーーっ!!!」

 

ララバイが口を開いたその時…ナツ、グレイ、エルザ、ナノ、フェイが動き出す。

 

エルザは天輪の鎧に換装する。

 

「鎧の換装!?」

 

ゴールドマインが驚いている間に、エルザはララバイの足を斬り、呪歌(ララバイ)を阻止する。

 

「ぬ!?」

 

「おりゃぁぁあああっ!!!」

 

そしてその間にナツがララバイの体をよじ登り、炎を纏った強力な蹴りを喰らわせる。それを喰らったララバイは体勢を崩す。

 

「おおっ!!」

 

「何と!!蹴りであの巨体を!!!」

 

「てか本当に魔導士かアイツ!!?」

 

その光景に他のギルドマスターも驚愕する。

 

「小癪な!!」

 

そう言ってララバイはナツに向かって、口から弾丸のようなものを発射する。

 

「おっと」

 

ナツはそれを難なく避けるが、その流れ弾がギルドマスターたちへと向かう。

 

「アイスメイク・・・・〝盾(シールド)〟」

 

「氷の造形魔導士か!?」

 

「しかし間に合わん!!くらうぞっ!!」

 

だが、その予想に反して、グレイは一瞬で巨大な氷の盾を造り、全員を守った。

 

「造形魔法?」

 

「魔力に〝形〟を与える魔法だよ。そして形を奪う魔法でもある」

 

ハッピーの説明にルーシィはゾッと背筋を凍らせた。

 

「グレイ、ちょっと貰うぞ」

 

ナノは剣を取り出し氷の盾を少し切り取り、その氷を食べ始める。

 

「氷よ・・・・剣に憑依しろ」

 

食べ終えると剣に魔力を溜めていく。すると、剣に氷が纏っていく。そして、ララバイの体を使って登っていく。

 

「氷竜刀(ひょうりゅうとう)!!!」

 

ナノは氷を纏った剣で、ララバイの右腕を切り落とす。

 

「腕を切り落とした!?」

 

「何という切れ味だ!!」

 

ララバイの右腕を切り落とした事に、ギルドマスター達も驚く。

 

『ぬ・・・・ぬぅ!!』

 

「フェイ!!やれ!!!」

 

怯んでいるララバイを見て、ナノがフェイ合図を出す。フェイは既に魔力を両手に溜めていた。

 

「いくよ!!アクアメイク〝鎖(チェーン)〟!!」

 

『ぐおっ!?』

 

水の鎖でララバイの体を縛り、動きを止める。

ララバイは引き剥がそうとするが、取れなかった。

 

「あの子も造形魔導士なのか!?」

 

「水なのに何という頑丈さだ!!」

 

既にギルドマスター達は唖然としていた。

 

「今だ!!」

 

グレイの号令と共に、エルザは黒い羽の生えた鎧『黒羽(くれは)の鎧』に換装してララバイに斬りかかる。

 

「アイスメイク〝槍騎兵(ランス)〟!!」

 

グレイは氷で造ったいくつもの槍を発射する。

 

「右手の炎と左手の炎を合わせて・・・・火竜の煌炎(こうえん)!!!」

 

ナツは両手に強大な炎を纏って、ララバイに振り下ろす。

 

「氷竜刀〝時雨(しぐれ)〟!!!」

 

ナノは剣に纏っている氷を斬撃にして放つ。

 

ドゴォォォォォォオン!!!

 

『バ・・バカな・・・・』

 

そして全員の攻撃が一斉に命中し、激しい轟音と共にララバイは倒れたのであった。

 

「ゼレフの悪魔がこうもあっさり・・・・」

 

「こりゃたまげたわい」

 

「かーっかっかっかっかっ・・・・」

 

「す・・すごい・・・・」

 

それを見たギルドマスター達は愕然とし、マカロフは高笑い、カゲヤマは感激したように言葉を漏らした。

 

「いやぁ、いきさつはよくわからんが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)には借りが出来ちまったぁ」

 

「なんのなんのー!!ふひゃひゃひゃひゃ!!!ひゃ・・ゃ・・・・は・・・・!!!」

 

すると、高笑いをしていたマカロフが何かを見た途端、突然笑いを止め、目を見開いた。

 

「ん?・・・・!!!」

 

その視線の先を追って、見てみると、そこには・・・・

 

「ぬあああっ!!!定例会の会場が・・粉々じゃ!!!」

 

ララバイが倒れた衝撃で、無残に崩壊して見る影も無い定例会場があった。

 

「ははっ!!!見事にぶっこわれちまったぁ!!」

 

「はあ、またやっちまった・・・・」

 

まるで他人事のように言うナツとため息をつくナノ。

 

「捕まえろーーーっ!!!」

 

「おし、任せとけ!!」

 

「お前は捕まる側だーー!!」

 

「くそ!!これなら来ない方が良かった!!」

 

「あはは・・・・やり過ぎちゃいましたね」

 

「マスター・・申し訳ありません・・顔を潰してしまって・・・・」

 

「いーのいーの。どうせもう呼ばれないでしょ?」

 

口々にそう言いながら、妖精の尻尾(フェアリーテイル)はその場から逃げて行ったのであった。




これで鉄の森編は終了です。
やっと終わったーー!
次は悪魔の島編になります。
このまま読み続けてくれると嬉しいです。
感想・誤字あればお願いします。
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