新世紀ヱヴァンゲリオン ~アナザーシンジ~ 作:kageto
後悔は無くは無い。
私のもう一つの作品ダークサマーの息抜きが寺で書いているので、更新はダークサマーより遅いかも。
運よく隅に座れたな。とか、割とどうでもいいことを考えながらイヤホンを耳に押し込んだ。まさか出先でシェルターに避難することになるなんて思いもしなかったけど、これも話のネタになるかな。なんて思ってから考え直す。
(僕、友達いないじゃん)
自虐的つっこみに自分の心を折りながら、さらにヘッドホンをつける。イヤホンの上にヘッドホンをするようになったのはいつからだったか。ヘッドホンで音楽を聴くのも嫌いじゃない。けど、意外と音が漏れるから、聴いてる音楽をネタにからかわれることがあった。けど、ヘッドホンをしてると、関わるなオーラがでるらしく、からかわれる頻度や声をかけられる頻度が減るのだ。だからイヤホンで音が漏れないように音楽を聴きながら、関わってほしくないですと言う意思表示にヘッドホンを装着する。逃げの一手だ。
地域の人たちが固まって話をしているのを眺めながら膝を抱えて、ゆっくり眼を閉じた。このまま寝てしまえば、避難命令解除のときに役所の人が起こしてくれるだろう。少し深めに息を吐き、意識を沈めていった。
ガッ!
急に肩をつかまれ、驚きとともに意識が覚醒する。どうやら本気で寝てたらしい。役所の人が起こしてくれたんだろう。なんて思いながら視線を上げて、困惑した。
目の前に黒スーツサングラスのがたいのいい大人が四人。自分を取り囲んでいて、その向こうにはシェルター中の人たちの困惑の目があった。
恐る恐るヘッドホンをはずし、イヤホンを耳から抜いた。遠くから「ヘッドホンの下にイヤホン!?」なんて声が聞こえたが、気にしない。というかそれどころじゃない。
「あの・・・」
「碇、シンジ君だね」
尋ねようと出した声をさえぎられ、名前を確認される。
「え?えっと・・・」
まさか旅先で自分を探している人がいるなんて思いもせず、言葉に詰まってしまう。
「碇シンジ君だね」
「はい、そうですけど。あの、あなた達は・・・」
どちら様ですか?と尋ねようとしたところで、いきなり肩に担ぎ上げられた。
「一緒に来てもらう。時間が無いので、運び方が手荒になってしまうのは了承願おう」
一方的に告げられる。他の黒スーツが旅行鞄を回収していた。
「え、ちょ、なんなんですか?!あなた達」
「我々は、君の御父上の部下にあたるものだ。御父上から急ぎ連れて来るよう指示された」
は、父さんから?でも迎えは女の人が来るって。まさか誘拐?
「ちょ、え?た、助けて!誘拐される!!」
僕の叫びに、困惑していた周囲の大人が動こうとしたけど、黒スーツが、胸ポケットから身分証らしき手帳を取り出して、周囲に掲げて見せた。
「国連機関のものです。我々の機関に所属するVIPの御家族の御迎えにまいりました。といっても、保護ではありません。VIPは現在の非常事態対処の前線に立たれており、皆様の安全を確保すべく全力を尽くしておりますが、万が一のことを考え、最後になる前に一度御子息に会っておきたいとのことだったので、彼をVIPの元までお連れするしだいです。面会終了後、彼は別のシェルターに再度避難いただきますのでご安心ください。それでは失礼します」
黒スーツの言葉に動きかけてた大人達が戻っていく。いや、信じないでよ!なんて思うけど、国連だとかVIPだとか普段関わることの無い単語のせいで判断が追いつかない。
こうして、父に会うための小旅行は、初日に誘拐?されるところからの幕開けとなった。
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