後、ルビは振ってみたのですがまだ慣れそうにないのでこれからも頑張って行きますです。
「う、うーん…」
「あら、やっと起きたのね。」
目が覚めても体は縮んでなかったけど普通に痛い…
「あー…ここ何処ですか?」
「…その体勢で余裕ね。」
「へ?あ、あれ?」
よ、よく見たらこれ縛られて吊るされてんの?
「い、一体どういう。」
流石に困惑を隠しきれない翔真
「紅魔館の住人に貴方の事を紹介し忘れていたのよ、この際ついでに紹介してしまおうと思ってね。」
「そ、そっすか…うぃっす」
そもそも何で吊られてんだっけー?…そうだった、負けたんだよな、咲夜さんに…
彼がそんな感じで密かに落ち込んでいると、勝手に紹介が始まっている。
「そういう訳で、こいつがこれからここで働いてもらう勇薙翔真
紹介と同時に、妖精メイドやメイド達からは何とも言えないような空気が溢れる。簡単に言うと馬鹿にされてる。
…ん?何だろ、この雰囲気…もしかして馬鹿にされてる…?
「じゃあ咲夜、後は任せたわ。」
「はい、お嬢様。」
この勝手に話が進んでいく感覚にも大分慣れてきた気がするなー…流されてる感は好きじゃないけど。
「じゃあ新人への教育係を決めます。そうね…レイチェル、頼めるかしら?」
「は!?へ、あ…何故私なのでしょうか。」
「貴女が他の者よりも仕事が出来るから、以上よ。他に質問は?」
「ぐ…い、いえ…」
うわー、何か凄い嫌がられてないですかね?あれ、あの人って………あっ、やっちまったああああ!!??
「以上よ、各自仕事に戻りなさい。」
その一言と共に、ほとんどのメイドが持ち場に戻って行った。彼女、レイチェル・メイヴ以外は。
二人の間には沈黙しかない。
…気まずい…と、とにかくあれは僕が悪いんだし謝っておいた方が良いのか…どうなんだろう…
そんな感じで翔真が悩んでいると、縄が勝手に解ける。
「あ、あれ?縄が…」
「行くわよ、先ずはあんたのその汚れた服からよ。ついて来なさい。」
「え、あ、はい。」
これ…やっぱり怒ってたりすんのかな?
「えっと、僕の名前は…」
「知ってる、さっき聞いたから。私はレイチェル・メイヴ。」
「あっ、はい、分かりました…」
完全に業務連絡です、本当にありがとうございました…これはご立腹だな…
気まずい沈黙を守りながら、二人は仕事場に向かった。
服を着替え直し、洗濯関係の業務内容を確認している2人だったが…
やべえ、とにかく気まずい…
「で、こっちの洗濯物はこっちの籠に入れるように。…分かった?」
「あ、はい、ありがとうございます。」
「じゃあ次行くわよ。」
さっきからずっとこんな調子だし…まあ明らかに俺が悪いんですけどねぇ!?
「…ねえ、さっきから何?言いたい事でもあるの?」
「いや、言いたい事っていうか何というか…」
「言いたい事ははっきり言ってくれない?私、そういうやつ嫌いなのよ。」
すごい言われよう…敵意剥き出しだな…
「えっと…」
翔真が謝ろうとしていたところに、またもや邪魔が入る。その邪魔は明らかにレイチェルを狙った嫌がらせであり、陰湿な事に投げつけられたのは生卵だった。
生卵は寸分たがわずレイチェルの頭に直撃し、割れる。当然の事だがレイチェルの髪の毛は生卵のせいでベトベトになる。
これはまた…やることがえげつないなぁ…
投げつけてきたのは、先程からこちらをちらちらと覗いていた2人の妖精メイド達だった。
「アハハッごめんねぇ、ちょっと手が滑っちゃってー。」
「あっ、また滑っちゃった!」
今度はバケツ、しかも水入りを放り投げた。最早手が滑っちゃったじゃ言い訳にもならない。
「ごっめぇん、けど生卵でベトベトになってたし丁度良かったよねぇ。あれ、私って優しい?」
何が面白いのか、大爆笑する妖精達。
う、うわぁ…女ってこえぇ…っていうか、ここは調理場じゃないぞ。
そんな妖精メイド達の言動に、翔真は軽く引いていた。
「………別に構わないわ、だからその汚い顔を何処か他のところに持っていってくれない?」
ずぶ濡れのレイチェルは、それでも弱みを見せる事なく2人に啖呵を切る。
…可愛い顔してキツイなー……
それに対して喧嘩を売るレイチェルにもちょっとばかし引いていた。
「へー……そっちは何か言うこと無いの?」
あ、ここで俺に振りますか、そうですか。
「いやー…どうでも良い…」
…悪いけど、こういうのには我関せずって決めてるんだ…
「だよねぇ、今日初めて会ったようなやつの事助けたくないよねぇ」
「ハハハッ、ホントそれ、あんたって周りに味方なんか誰一人居ないよねー」
1人の妖精メイドがレイチェルを笑い、もう1人もそれに同意するように笑う。
そっか……これは昨日今日始まったようなイジメじゃないんだ…きっとメイヴさんはずっとこの仕打ちに堪えてきたんだ…さっきの言いたい事をはっきり言わないやつって言うのもきっとこいつらなんだろう…
それに気づいた瞬間、考えるより先に体が動いていた。
「…やっぱやめた、俺あんたらの事嫌いだわ…」
「はぁ?あんた何様のつもり?新人の癖にあたしらに盾ついてたらここで生きづらくなるよ?」
「俺は、そんな些細な事よりも、言いたい事を言えない方がずっと嫌だ。」
誰にだって、譲れない一線は有る。翔真にとって、今がその一線だった。
「ふーん、そんなに言うならあんた、あたし達より強いんでしょうね?」
「当たり前だ、あんたらみたいな姑息な連中には絶対に負けない。」
「…言ったわね?もう容赦しないわよ…」
「それはこっちの台詞だろ?」
「良いわ…日時は明日の12時丁度、2VS2よ!覚えときなさい!」
そう、三下の捨て台詞を吐いた妖精メイド達は顔を引き攣らせ逃げて行った。
やばい…これ、確実にやっちまったパターンだ…
「…何のつもりなの?」
「さ、さあ?」
「ふざけないでよ!私はこんなになっても今の立場から悪くならない様に頑張ってたのよ!?…それを…貴方は…」
その言葉に、翔真は苛ついた。こんなに一日で苛ついたのは初めてだったように思う。
「…さっき言ったんじゃないか、他でもないあんた自身が!」
「何の事よ!」
何で俺はこんなに腹を立ててるんだ!?所詮今日初めて会ったばかりの女だろ!?違う…分かってる、俺は…
「言いたいことをはっきり言わないやつは嫌いなんじゃなかったのかよ!自分自身がそうなってどうすんだ!自分が嫌いな人種になってどうすんだよ!…もっとちゃんと生きてくれよ…」
一瞬、ほんの一瞬、言い過ぎたという気持ちがよぎった。しかし、次の彼女の言葉でそんな思いは吹き飛んだ。
「…そんなの、あんたに言われなくても分かってるのよ…けど、それでも、そうするしかないのよ。さっきもあいつらが言ってたでしょ?…私に味方は居ないのよ…」
「…い…ぞ…」
「え?」
「ここに居るぞ!俺はあんたの味方だ!そんな悲しそうな顔してるやつを見捨ててたまるか!」
…あれ?何か、一瞬顔赤くなったような…?
「……う、うるさい変質者!へ、変態のくせにそれっぽい事言ったって騙されないからね!?」
そう言って、レイチェルは洗濯場から出て行った。
「あ…あ、またやっちまった…」
(僕っていつもこうなんだ…切れると歯止めが利かなくなって…それでいっつも引かれるんだよね…けどそれにしても、いきなり明日か…どうしようなぁ…とりあえず魔力コントロールぐらいは出来ないとな…ん?何か違和感があるけど、さっき2人って言ってなかったっけ…?)
場面変わってレイチェル、彼女はシャワーを浴びていた。サービスシーンだと思った?小説だから仕方無いよね!
(どうしよう、まだ顔熱い…こ、これはシャワーのせいよね、うん。けど…生まれて初めて言われたな、あんな事…ちょっと嬉しいかも…変質者の癖に生意気よ…)
(やるからには勝つ…僕にだって、天才としてのプライドがあるんだ、あんな奴らには負けられない…けど今はそんなことよりも…)
おそらく翔真は、ここまで本気でやったことも人生の中で初めてなのだろう。だからきっと…
(楽しい!ここまで巧くいかないと逆に乗りこなしてみせたくなる!)
こんな状態の翔真が当然寝つける筈も無く…
(…やべえ、外で鳥が鳴いてる…徹夜してしまった…眠い…)
レイチェルが見ていたら先行きが不安だっただろう…だが、翔真にとってはこれが初めての『ちゃんとした弾幕ごっこ』なのだ…とにかく、今日という日は翔真にとって重要な一日になることは明らかなのだろう。
「…グゥ」
To be continued…
どうだったでしょうか…?さて、翔真(と、自覚無いレイチェル)はどう戦うのでしょうか!
今度の投稿はおそらく木曜日です!それでは次回もよろしくです!