~紅魔館、図書室~
あの後僕は早速図書室に行き、レミリアさんの友人に会いに行った。彼女の名はパチュリーノーレッジ。
「斯々然々。」
僕は図書室に着くとまずはパチュリーさん、これまでの経緯を話した。
「成る程ね、能力の使い方を学ぶためにここに来た訳ね……」
一通りの説明をすると、パチュリーは納得した様に頷いた。
「良いわ、能力の使い方は教えてあげる、けどその前に貴方は何でフランに挑もうと言うの?」
そんなもの考えるまでも無いと言わんばかりの即答で、彼は答えた。
「そんなもの、悔しいからに決まってますよ。」
「……貴方、結構単純ね。」
「そうですか?」
別に僕にとっては当たり前だ。僕は結構負けず嫌いで、『勝つまでやる』ってタイプだから。だって自分より凄い人が居るって悔しいですし。
「まあ、それは置いておいて、貴方の特技は何かしら?」
「その質問には何の意味が?」
「能力と言うのはその人の『才能』なのよ、だから貴方の能力も特技に関係しているのではないかと思ってね。」
「成る程、分かりました。」
その説明に納得した僕は早速考えを口にした。
「僕の特技は『暗算』です。」
「……は?」
まあ初めて聞いた人は信じられないよな。
「分かりました、じゃあ試しに何か……掛け算の問題を出してください。」
パチュリーは怪訝な顔をすると、頷き問題を出した。
「19635048×72581059=?」
「……18811149499832です。」
パチュリーは驚愕した、3秒程考えただけで答えを弾き出した事、そして彼女は理解した、勇薙翔真が本物の天才である事を。
「……ちょっと待ってなさい、すぐに答えをだすわ。」
~8分後~
合っている……これで彼が暗算の天才だと言う事を認めざるを得ないわね。
「けどパチュリーさん、暗算使った能力って何ですか?」
「…………さあ?」
「まさかの投げっぱなしですか……」
「まあとにかくやって見なさいよ。」
「分かりましたよ、いきますよ……」
翔真が溜めた力を放った瞬間、彼の周囲に電気が流れ、それは少し離れたパチュリーにも届いた。その電気を浴び、パチュリーは確信した。『彼の能力が魔法を使う程度の能力』である事を。
「……何だ、今のは?」
何で電気?暗算じゃなかったっけ?等と色々な思考が頭の中を駆け巡っている。
「ねぇ翔真、この本を読んで見て?」
その本を素直に受け取った翔真が本を開くと、そこには翔真の見たことの無い様な文字が並んであった。
「……何ですか、この文字。こんなもの読める訳が……無……い……?」
翔真は理解出来なかった、知らない筈の文字なのに、理解出来る、何を書いてあるか……それが分かる事が何故だか分からない。
「……何ですか?この本は?」
「その様子だと読めたようね。それは魔導書よ。」
「魔導書?何でそんなものを?」
「貴方には魔法を使う素質があるの、そしてその魔導書には魔法の使い方が載っているわ、だからそれを今から読んで覚えてもらうわ。」
「え?何ですか?要するに僕の能力は『魔法を使う程度の能力』みたいな感じですか?」
「まさしくその通りよ。」
僕に魔法が使えるのか?まあ良いや、今からそれが僕の武器だ。僕はその武器を使えるようになるんだ。
「じゃあ3時間程したら戻って来るわ。」
そう言って、パチュリーは図書室の奥のほうに歩いて行った。
それから僕は、人生で一番集中して本を読み始めた。
「……出来たわ、中々の出来ね。」
パチュリーの手には金色に近い色をした一挺の銃と、紅い手袋、セピアブルーのブレスレットが握られていた。
「後はこれを翔真に渡すだけね、翔真はちゃんと読んでいるかしら。」
そう言って翔真のところに戻ろうとした時、翔真が居た場所から、自分と同等の魔力が突然出現した。
「!?」
パチュリーは即座に臨戦態勢に入り、翔真のところへ向かったパチュリーの目には、その魔力の中心で驚きを隠しきれていない翔真の顔だった。彼はすぐにパチュリーに気がつくと、こう問い掛けた。
「パチュリーさん!これ止まりません!どうしたら良いですか!?」
「落ち着きなさい、魔導書の通りにやりなさい。」
そのアドバイスが効いたのか、翔真は落ち着きを取り戻し、魔力も次第に収まっていった。
「一体どうしたの?」
翔真はばつが悪そうに目を伏せると、こう答えた。
「いや、一通り読み終わったので一度実践してみようと思いまして……見事にへましました。」
あの魔力は相当なものだったが、翔真自身はそれに気づいていないようだ。
「それは良いのよ、そんな事よりも貴方に渡したいものがあるのよ。」
そう言うとパチュリーは先程作っていた物を渡した。
「何ですかこれ?」
「それは貴方の力をサポートする武器よ、ブレスレットは魔力を制御するの。」
「もらって良いんですか!?」
「ええ、結構良い出来映えよ、大事に扱いなさいよ。」
「はい、ありがとうございます!」
「それじゃあ翔真、早速実戦よ。」
「……はい?」
「大丈夫よ、貴方の身体能力と頭脳ならこの館の妖精メイトぐらい訳ないわ。それじゃあ行ってきなさい。」
「え~……」
実戦と練習は違いますよ……
そのまま図書館を出ようとした翔真の背中に、パチュリーの声が聞こえた。
「ピンチになれば『スペルカード』を使いなさい。貴方の銃と手袋に記録しているわ。」
その言葉を背中に受けて、翔真はそのまま図書館を後にした。
中途半端ですが、今回はここで終わりとさせていただきます!次回第七話、スペルカード発動!。次回も良ければ見てください!