ザーザー、と雨の音がする。うるさい。
その雨は僕の体の熱を奪う。寒い。
側には家族だったはずの物。焦げ臭い。
そこから広がる赤いナニカ。気持ち悪い。
「......」
ポッカリと穴が開いたようだ。
壊れた...全て壊れてしまった。
失った...大切な何かを失った。
僕には何が残っている?
何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が...ナニガ残ッテイル?
「...イヒッ...イヒヒヒ...あぁ、そうか。僕はまだ笑えるじゃないかッ!!まだ、僕には...僕にはッ!!!」
そこで途切れた意識。
大丈夫。僕はまだ笑えるよ。いつか必ず行くから待ってて。
――ニュースです。先ほど*時**分頃。来日していた〇〇代表がISの特訓中、偶然にも近くにいた■■家族らに流れ弾が当たり■■夫婦が死亡し、その息子さんは重症だそうです。〇〇代表に怪我がない模様。〇〇代表は後日その息子さんへ謝りに行くそうです。では、次のニュースです――
◇◇◇◇◇
「......はぁ」
あの事件から早5年。俺は中学2年生になった。あの時からもう色々と諦めてきた。そう、あの時から。
あの後、俺は保護され病院に搬送された。手術費は俺の両親が残した遺産から引かれるらしい。ふざけるな。
意識が回復し1ヶ月後、どっかの国の代表とか言うIS操縦者が来て「あそこにいる方が悪い」だの「私は悪くないだの」言ってきやがった。意味が分からない。
ギャンギャンと鬱陶しかったから、無視して読みかけの本に目を落とした。そうしたらあのクソアマ、俺の右肩を撃ち抜きやがった。いきなりの銃声に慌てて入ってきたこの病院の奴らが来てクソアマに事情を聞き、医者や看護師の奴らは俺に怒鳴り散らしてきた。俺が悪い?あ〜はいはい。そうですか。
それに満足したのか病室から出てった。その後、警察が来て俺は少年院に送致されるらしい。は?
その半年後に出所した。なんでこんな目に。
中学校では犯罪者扱いされイジメ、暴力と色々された。先生からは問題児扱い。
そして3年生は受験シーズンである二月。俺は...いや、俺を含めた中学男子生徒は体育館に集められた。
理由はこの前ニュースで『世界初男性IS操縦者が!』とデカデカと報道され、何やら政府とかの奴らが『他にもいるのでは?』と全男性にあの忌々しきISを触れさせ起動する奴を探している様で、今日は俺の学校らしい。
「ふん。お前で最後だな。早く触りなさい。全く政府のお偉いさんは何の為に...」
一番最後に並ばされていた俺まで回ってきた。
IS――通称 【インフィニット・ストラトス】。
なんとか博士と言う人が作り上げた宇宙空間での運用を目的とした、なんたら・かんたら・スーツだが【とある事件】により軍事の最強の兵器として世界各国から注目を浴びた。但し欠点があり、女性にしか乗れない。それが原因で世界は女尊男卑の世界になった。
そして俺の人生をめちゃくちゃにしたのもコレだ。
早く触れろと急かす女性に言われるがままIS用訓練機 【打鉄】に触れる。
「......もう散々だ」
【打鉄】は突如、光だした。そして流れる途轍もない情報。いつの間にか俺は【打鉄】を纏っていた。
ISの関係者であろう女性は慌しく何処かに連絡を取っていた。
もう揺るがない運命。定められた運命の歯車は周りだし、俺を嘲笑うかのように【我嶺 麗夜《わがみね れいや》】を置いて進み続ける。
ありがとうございました。