”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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なんというか、一気に詰め込んでしまいました。


ではではご覧ください!


ペルセウス

その後、挑戦権を求めすぐに出発。

とはならず、本拠に戻り黒ウサギを軟禁。

 

「どうしてですか!?」

 

「億分の一くらいだけど取引しかねないから」

 

「というわけでジン~、見張りよろしくね~」

 

「子供たちにも頼んでおいたわ」

 

「御チビ、ついでにペルセウスに関する資料も集めとけ」

 

「まとめておいてくれると助かる」

 

「分かりました。皆さんもお気をつけて」

 

こうして問題児たちは旅立つ。

 

 

 

 

 

 

クラーケンとグライアイで二手に分かれることとなった。

 

十六夜、飛鳥、耀の三人がグライアイを

祭、頼華の二人がクラーケンを担当する。

 

 

 

 

 

 

グライアイに挑むためやってきた三人。

 

「グライアイって?」

 

「メデューサの居場所を唯一知っていたとされる、

一つの目と一つの歯を代わる代わる使っていたとされる三人の老婆だそうだ」

 

「言っている意味がよく分からないのだけれど?」

 

「実際見りゃ分かんだろ」

 

そう言いグライアイの住む岩屋に向かって石を投げ込む。

第三宇宙速度で最奥に当たり岩屋を崩壊させてゆく。

 

岩屋が崩れきる寸前に三つの影が飛び出した。

影の内の歯を持つものが叫ぶ。

 

「挑戦だとしても礼儀を知らんのか!?」

 

その後ろで目を持つものが、どちらも持たないものを助け起こしていた。

 

「とても気持ち悪いわ」

 

「グロい」

 

「この通り、礼儀なんか持ち合わせちゃいないんでね」

 

「その態度後悔させてやるぞ小童ども!」

 

襲い掛かるグライアイ、それを耀が蹴り飛ばした。

 

「あれ?終わった?」

 

「ダメみたいだな、

ペルセウスは目を奪い弄んでメデューサの居場所を聞き出したらしいが」

 

「なら試してみましょう。

『目をよこしなさい』」

 

飛鳥の”威光”に逆らえないグライアイは、

自分たちがするように目を飛ばした。

 

 

グチュァ

 

 

飛んできた目を飛鳥が避け、地面に落ちてつぶれた音である。

目があるであろう辺りをおさえて、グライアイがのた打ち回っている。

 

「避けるなよお嬢様」

 

「目玉が飛んできたら気持ち悪くて仕方なかったのよ!」

 

「ペルセウスはそれを弄んでたんだよね?

下衆な性格は遺伝?」

 

「「ああ、納得!」」

 

思わぬところで歴史的、新事実が明らかになる。

ちょうどその時つぶれたグライアイの目が輝き、

”ペルセウス”の紋が入った紅玉へと変化した。

 

「まさか、いや違うよな?」

 

「まさかこのような形で試練をクリアされるとは。

持って行くがよい、それが”ペルセウス”への挑戦資格の片割れだ」

 

「嘘だろ。嘘だよなあオイ!

まだ何もやってねえんだが!?」

 

不完全燃焼の十六夜、

その八つ当たりで辺り一帯見るも無残な更地となった。

 

 

 

 

 

一方クラーケンに挑む二人。

 

「クラーケンってイカの化け物でしょ~

強いの~?」

 

「一応海竜や、ヒトデっていう説なんかもあるみたいだよ。

伝説の怪物としてはメジャーだから強いんじゃないかな」

 

「で、どうやって見つける~?」

 

海岸の前で途方に暮れる二人であった。

 

「船を襲う怪物だからなあ」

 

「取り込んでないの~?」

 

「あったら出してるよ」

 

「それもそっか~」

 

突然風が凪ぎ、海面が激しく泡立ち始めた。

 

「向こうから来てくれたみたいだ」

 

「親切設計ありがたやありがたや~」

 

伝承通りに姿を現したクラーケン。

二人はその余波で海水を頭からかぶってしまった。

 

「KYYYYRRRRREEEEeeeee」

 

「何言ってるか知らないけど、頼華」

 

「何~?」

 

「アレの周りの海から僕まで『漏電禁止』にできる?」

 

「『漏電禁止』。張り切ってどうぞ~」

 

祭が手を海に浸し、放電した。

 

「QRRRUUUUUIEEeee!?」

 

「ちょっと祭~!そこは

『バスタ○コレダー!うわあああああぁぁぁぁ!!』

ってやんなきゃ~」

 

「何かの様式美なのかなそれは?

教えてくれないとさすがにできないよ?」

 

「OK~じゃあ基本からビシバシ行くよ~」

 

二人が打ち上げられた蒼玉に気付くのはこの一時間後。

 

 

 

 

 

 

『ギフトゲーム名 ”FAIRYTALE in PERSEUS”

 

プレイヤー一覧

逆廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

仲邑 祭

周防院 頼華

 

”ノーネーム”ゲームマスター

ジン=ラッセル

 

”ペルセウス”ゲームマスター

ルイオス=ペルセウス

 

 

クリア条件

ホスト側のゲームマスターを打倒

 

敗北条件

プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。

プレイヤー側のゲームマスターの失格。

プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 

舞台詳細・ルール

*ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。

*ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない。

*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけない(・・・・・・・・・・・)

*姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う。

*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行することはできる。

 

 

宣誓

上記を尊重し、誇りと御旗の下、”ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

 

 

”ペルセウス”印』

 

 

「御チビ様の調べたとおりの内容だな」

 

「正式な挑戦権によるゲームですから、

かなりの間、他の挑戦者がいなかったようで

ゲーム内容が変更されていないか心配でした」

 

 

わずか二日(九割以上を移動時間として)で挑戦権を得た”ノーネ-ム”。

すぐさま”ペルセウス”に宣戦布告し、

現在ゲームの舞台である白亜の宮殿正門前で”契約書類”の確認をしていた。

 

 

「そっちも聞いた感じじゃ、あっけない終わり方だったみたいじゃねえか」

 

「祭のワンターンキル、一確余裕でした~」

 

「いえいえ、皆さんのギフトが素晴らしいものであるが故です。

本来はどちらも簡単に倒せる相手ではないのですよ」

 

黒ウサギの言うとおり、彼らが規格外でなのである。

実際に”ペルセウス”は、”サウザンドアイズ”の後ろ盾があるとはいえ、

五桁の外門に本拠を構えるコミュニティ。

本来七桁のノーネームなどが挑戦する事すらできない相手だ。

 

「それに油断などできる相手ではございません」

 

「・・・・・・あの外道、それほどまでに強いの?」

 

「いえ、ルイオスさん自身の力はさほど。

問題は彼が所持しているギフトの

 

「「隷属させた元・魔王」様」

 

二人の言葉に驚く黒ウサギ。

 

「気づいていらっしゃったんですか?」

 

「服装に似合わない、趣味の悪い首飾りでしたから」

 

「お洒落でなくギフトと考えるのが妥当。

ペルセウスの伝承の中で首飾りの意匠に合致するもの」

 

「本拠の庭を石化させたという光などから考えれば自ずと」

 

「アルゴルの悪魔で間違いないだろうな」

 

「お二人はなぜそこまで博識なのでございますか?」

 

「死に関係しそうな情報はあらかた調べたからね」

 

「俺のはただの雑学だ、それより今回は協力プレイでなきゃ攻略できねえ。

役割分担が必要だ」

 

「そのことだけど僕から提案。

 

みんなでイカサマ(・・・・)しない?」

 

とても悪い笑みを湛えた祭が唆す。

 

「ダメです祭さん!!黒ウサギ”審判権限”を持つものが審判を務める以上、

反則は即敗北になるんです!!」

 

「大丈夫。反則じゃなくてイカサマ(・・・・)

正攻法じゃないやり方でクリアしましょうってこと。

むしろ伝承通りに()殺してみようかなって」

 

「今度はどんな面白いことを企んでいるのかしら?」

 

クスクスと笑い興味深そうな飛鳥。

 

「その前に念のために確認。

頼華、この宮殿丸ごと包み込める?」

 

「条件と時間次第かな~」

 

「条件は『暗転』。時間は宮殿の最奥にたどり着くまでだから正確には出せないけど、

頼華が先導して最短ルートを駆け抜ければそれほどかからないはず」

 

「ん~~」

 

頼華が”空間信号”で宮殿を覆い、内部の様子を探る。

条件を指定せずに範囲指定のみの使用。

これだけでも範囲内を立体的に認識することができる。

因みに、箱庭に召喚された直後に黒ウサギを感知したのも、

この効果によるものだ。

 

「祭や飛鳥の足で十分耐久マラソンって感じだね~」

 

「走り続けるのはいいけれど、

話を聞く限り暗闇なのでしょう?」

 

「そう暗闇を走ることになる。

頼華は大丈夫だろうし、他のみんなはどう?」

 

「光がゼロならどうしようもねえな」

 

「同じく」

 

「うん、だから『暗転』。

頼華、仮でいいから少し出してくれないか」

 

「あいよ~『暗転』っと~」

 

電話ボックス大の暗闇が出現し、十六夜と耀がその中に入る。

 

「なるほどな、これなら目を慣らせば俺は大丈夫だ」

 

「私も、フクロウさんとコウモリさんに貰った力があるから」

 

「ジン君は?」

 

「生憎僕はそれ程までの視力はありません」

 

「なら三つだね」

 

「祭!今こそ特訓の成果を見せる時!!」

 

「分かってるよ。

♪暗視ゴ~グル~♪」

 

”情報収納”によって取り込んでいた秘密道具(・・・・)を取り出した祭。

 

「ちょっと頼華君!祭君に変なこと吹き込まないでちょうだい!」

 

飛鳥が抗議の声を上げる。

 

「ええ~、別にいいじゃ~ん」

 

「やってみると案外楽しいよ、この言い方」

 

その言葉に何を思ったのか耀が真似をし始める。

 

「♪ギフトカ~ド~♪」

 

「ちょっと春日部さんまで!?」

 

自分で思っていたより恥ずかしかったのか顔がほんのりと赤くなっている。

 

「なかなか可愛かったぜ春日部」

 

「からかうの禁止」

 

ふくれる耀。

余計に恥ずかしくなったのだろうか赤みが増していた。

 

「まあとにかく、これを掛ければ暗闇でも見えるようになるから

ああまだ掛けないでね」

 

「暗くなってからですね」

 

「後は進路上の邪魔な兵士たちを躱すなり、

排除するなりしながら最奥にたどり着くだけ」

 

「確かにすばらしい作戦ですが、なぜそこまで?」

 

「わかってねえな黒ウサギ」

 

「答えは簡単」

 

「「「「「みんながルイオス(アイツ)をぶっとばせる!」」」」」

 

問題児たちの気持ちは一つ。

 

「まかせなさい黒ウサギ、あなたの分もしっかり叩き込むわ」

 

「元・魔王様か、楽しみで仕方ねえ!」

 

「十六夜、独占はずるい」

 

「さっさと倒してレティシア助けたいんだけどダメ~?」

 

「もちろんみんなそのつもりだよ。

ついでにいろいろぶっとばして、ウサ晴らしもしようってこと」

 

「それでは皆さん、行きましょう!」

 

「「「ああ!」」」「うん!」「ええ!」

 

「『暗転』!」

 

 

 

 

白亜の宮殿が闇に染まる。

突然の変化に”ペルセウス”の兵士たちは動揺し、動くこともできないものばかり。

最奥につながる階段を守っていた兵士が槍を振り回し道をふさごうとしていたが、

運任せの攻撃でどうにかなる彼らではなかった。

 

そしてルイオスの待つ、最奥へとたどり着く。

 

 

 

「ジン君、飛鳥さん、ゴーグルを外して」

 

「それじゃあ3、2、1、解除~」

 

光が戻った宮殿、円形闘技場のような空間の奥にルイオスはいた。

 

「随分舐めたことしてくれたな!”ノーネーム”!!」

 

ひとりも脱落せずにやってきたことが気に入らないようだ。

 

「舐めてたのはあなたの方」

 

「七光りのギフトで好き勝手やってたんだろ。

ゲームに勝つために知恵を絞るのは当たり前なんだよ!」

 

「ああその通りさ、今回もそうさせてもらうよ。

僕の前にひれ伏せ!目覚めろ、”アルゴールの魔王”!!」

 

 

首飾りの意匠を掲げたルイオス、封印が解かれ光を放ち始める。

やがて光は褐色へ変わり、それは姿を現した。

 

 

「ra・・・・・Ra、GEEEEEYAAAAAAAA!!!」

 

「!!

避けろ!」

 

十六夜の声に反応し、全員がその場から飛びのいた。

直後、空から様々な形、大きさの岩が降り注ぐ。

 

「ハッハハハハハハ!!

流石だよ、でもこれくらいは対処してくれないと

僕もなぶる楽しみが無くなってしまうからね」

 

そう言って、飛行の恩恵が宿った具足で飛び上がり、

炎の弓を引き絞る。

 

同じくアルゴールも自らの拘束具でもあるベルトをしならせ襲い掛かった。

 

「この程度かよっ!!」

 

十六夜がベルトを殴り飛ばし、それによって炎の矢を弾き飛ばす。

 

「頼華!ヤツを地上

「知ってるぞ、吸血鬼(・・・)!!」

 

 

影が一閃。

 

 

レティシアの手刀が頼華の胸を貫いた。

 

 

「「「頼華!!」」君!!」

 

 

振り返る頼華の目に飛び込んだのは、レティシアの涙。

 

「・・・・・・すまない・・・・・・」

 

 

 

「馬鹿どもが!!僕が()、所有しているのはアルゴールだけじゃない!!

そこの吸血鬼もだ。傷物だろうと売れればいい!

さあ攻撃しろよ、元・お仲間をさあ!!」

 

高笑いと共に、矢を射続けるルイオス。

 

「外道がぁ!!」

 

矢を躱し、祭もベレッタで応戦する。

具足の性能故、銃弾を当てられない、それでも撃ちつづける。

弾切れもマガジンだけを取り込み、出現させることでタイムラグをなくしている。

 

(アルゴールの攻撃を十六夜が引き受けてくれているうちに)

 

 

「みんな~?そっちは任せるね~」

 

 

「頼華君、貴方・・・」

 

「無事だよ~?あとお願いね~

 

『音声遮断』」

 

頼華は自分とレティシアの周りを覆うようにルールを敷いた。

 

「どうして」

 

「後で説明する、耀!グリフォンの!」

 

「わかった!」

 

耀がグリフォンのギフトで風を操り、ルイオスを襲う。

 

 

 

******

 

「泣かないでレティシア」

 

「だが・・・私は・・・・」

 

「もうアイツの命令は届かないよ、安心して」

 

「そうじゃない・・・・・そう・・・じゃ・・・・」

 

”透過”のギフトは自動で発動するものではない。

頼華の意志、認識によって発動し効果を得る。

レティシアの腕を体から出す為には使った。

貫かれた穴を塞ぐことはできない。

 

レティシアもまた理解していた。

幾多の魔物を倒してきた経験が、その感覚を、手ごたえを。

 

傷つけた

 

この手で

 

 

「泣くな!」

 

「ッ!!」

 

「この傷はオレの罰だ!

あの日君を見送ったことへの罰だ!!

だからレティシアは気にするな!!」

 

「だが、この傷は・・・・!!」

 

貫いた胸を見やりレティシアは驚愕する。

出血が止まっている。

それどころではない。

 

貫かれたはずの場所を血液が巡っていた。

 

「レティシアだけに特別教えてあげるね、

『正常循環』と『治癒促進』の二つをここに敷いたんだ~」

 

「じゃあ、頼華は」

 

「ちゃんと助かるよ♪

だからホントにもう泣く必要ないんだよ、レティシア」

 

「ぅっ・・・・ぅあああ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁ!!」

 

「あちゃ、逆効果~!?

ごめんね~、ホントは胸貸してあげたいけどさ~

今は腕で我慢して~」

 

「ぁぁっ・・・・こんなぁときもっっ・・・・・かわらなっいんだなっ。」

 

「それがオレだからね~」

 

 

落ち着くまでレティシアの頭を撫でてやる。

それがいま彼女にできることの精一杯。

 

頼華は耐えていた。

痛くないはずがない。

それでも彼女の心に傷が増えぬよう、耐えきると決めていた。

 

また『音声遮断』『正常循環』『治癒促進』と三つのルールを敷き、

うち二つを傷が塞がりきるまで続けることはできない。

いやできなかった。

意地でやり遂げる。

それだけ。

もう決めた。

限界を今超える。と。

 

そのことを話す必要はない。

だって自分は、ちゃんと助かるのだから。

 

 

 

******

 

 

 

グリフォンのギフトによる風の攻撃。

だがルイオスはただ移動するだけでたやすく躱す。

 

「所詮は名無しか?まだ一発も当たってないぞ!」

 

今のルイオスは上機嫌だ。

格下を見下し、優位に立ち、自分だけが傷つけることができるとさえ錯覚する状況が、

堪らなく心地よかった。

 

「押さえつけろアルゴール!」

 

ルイオスが狙いを定めたのは十六夜。

命令を受け、ベルトを振り回し叩きつけていたアルゴールが

十六夜に突進を仕掛け組みついた。

 

「力比べか!?上等だ!」

 

十六夜が真っ向から受けて立つ。

その背をルイオスが射る。

 

「十六夜!!」

 

放たれた矢から十六夜を守るべく耀はより強い暴風を繰り出す。

 

「心配ご無用、だぜ春日部!」

 

十六夜はアルゴールを矢と暴風へ向け、投げ飛ばした。

 

「GYAAAAAaaaaa!!」

 

「アルゴー

「『止まりなさい』!!」

 

瞬間、動きを拘束されたが、軽く振り切り飛鳥を睨みつける。

 

「女っ!無駄だと分からないのか?」

 

「ええ、知っているわ隙くらいは(・・・・・)作れるとね」

 

「!!」

 

「『動くな』!」

 

ルイオスが刹那に認識したのは、

ブラウニングM2マシンガンを両手もちで構える祭。

撃ち出される弾幕。

 

「『動くな』!」

「『動くな』!」

「『動くな』!」

 

「『動くなぁぁ』!!!」

 

この戦いで初めて必死となるルイオス。

躱し、撃たれ、躱し、躱し、撃たれ。

 

アルゴールも今、十六夜に一方的に殴られ蹴り飛ばされて。

 

ルイオスは最短の終わりを宣告した。

 

 

やれ(・・)っ!!!」

 

 

アルゴールの石化のギフトを解放した。

 

褐色の石化の光が最初に襲ったのは、今の彼らの弱点。

 

頼華とレティシア。

 

「逃げて下さい!!」

 

叫びは届かない。

頼華が敷いた『音声遮断』によって。

 

声に反応した訳でない。

光を目にした頼華は笑っている。

 

問題ないと。

 

 

 

「今さら狡い事してんじゃねえ!!!」

 

 

十六夜が、褐色の光を踏み抜いた(・・・・・)

 

「馬鹿な!!?」

 

ルイオスは驚愕する。

アルゴールは箱庭最強種である星霊。

その星霊のギフトを物理的に破壊されるなど在りえなかった。

 

「外道!!『地に墜ちなさい』!!」

 

「そんなも

 

 

 

 

 

 

 

 

     のガァッ!?」

 

叩きつけられたルイオス。

想定外の事態に、理解が追い付かない。

 

いくら飛鳥が怒りでギフトの威力を上げようとも、

それは微々たるものでルイオスには効果が薄いことに変わりなかった。

 

彼女は無意識に、ルイオスの具足に(・・・・・・・・)命じたのだ。

 

恩恵を宿す武具にも霊格は存在する。

が意志による抵抗はない。

 

 

 

「プレゼントだ、ゲームマスター!!」

 

 

眼前に迫る巨体はアルゴール。

十六夜は、ギフトを破られ動揺したアルゴールを殴り飛ばしたのだ。

 

(逃げっ、!!風が)

 

耀が風の檻を作り、道を作っていた。

 

ルイオスを巻き込みアルゴールは壁に激突した。

 

「グガァハァッッ」

 

「悪いなルイオス、頼華の分がまだなんだ」

 

最高に笑顔な祭の両手からは、すでに放電が始まっている。

 

「せっかくだから、

バスタ○コレダー!うわあああああぁぁぁぁ!!」

 

「「|GYYAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaa《ぐああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ》」」

 

 

放たれた雷に絶叫をあげるルイオスとアルゴール。

 

祭が放電を終え離れると、力尽きたように倒れこんだ。

否、ルイオスが踏みとどまる。

 

「僕は・・・・・・・

 

僕は・・・・・・負けられない・・・・・・

 

負けてはならないんだあああああ!!!!」

 

ハルパーの鎌を取り出し、ルイオスが駆ける。

 

「やっと楽しめそうだぜ、ルイオス=ペルセウス!!」

 

十六夜がこぶしを構え、迎え撃つ。

 

 

 

 

______________________________________

 

 

 

 

「えーそれでは、レティシア様帰還のお祝いと新たな同士を迎えた”ノーネーム”の歓迎会を始めます!」

 

”ペルセウス”と決闘から三日後の夜、

パーティー会場は、水樹を供えた貯水池の周り。

 

一二八人と一匹が集まり、とても賑やかな歓迎会となった。

 

「だけどどうして屋外なのかしら?」

 

「私も思った」

 

「楽しけりゃ別に~」

 

「黒ウサギなりに精一杯のサプライズってところじゃねえか?」

 

「お金がないというのに、見栄を張っちゃって」

 

「それだけ感謝しているということだ、主たち」

 

メイド服に身を包み配膳トレーに飲み物をのせ、やってきたレティシア。

 

「ありがとうレティシア、でもよかったの?」

 

「そうね、私たちが言ったことだけど本当に使用人をやるなんてね」

 

「私は皆に言った通り、恩義を感じている。

コミュニティに帰れるとは思っていなかったのだからな」

 

「そうじゃねえさ、俺達全員のってのが二人は気にしてんだよ」

 

「そのことか。何も問題はないよ、

ライカが・・・・

私の好きなようにすればいい。

そう言ってくれたからな」

 

「ははは、ごちそうさまです」

 

「ん~?祭もう食べないの~?」

 

「お前の話だろ聞いとけ!」

 

十六夜がツッコミを入れるという珍事に笑いが起きる。

 

「ちゃんと聞いてたって~、

女の子は笑顔が一番なんだから、好きなように生きてもらった方が

たくさん笑顔を見れるからね~」

 

「ありがとう///ライカ!!」

 

惚気にあてられては敵わないと、空気を読み散らばる問題児たち。

 

 

 

「このご馳走は皆が作ってくれたのかい?ありがとうね」

 

祭は子供たちと楽しそうに食事をしている。

 

 

「どうしたの飛鳥?」

 

「いえね、祭君って不思議だなって」

 

「不思議?」

 

「ええ、ああして子供たちといるところを見てしまうとね。

元は死にたがりでした、なんて信じられないじゃない」

 

「確かにそうかも」

 

「それはきっと理由を見つけられたのでしょう」

 

「黒ウサギ、理由って」

 

「生きる理由生きてしたいこと、

それは祭さん自身にしか分かりませんが、とても素敵な理由なのでしょう」

 

「そうね、今度聞いてみようかしら」

 

「はい、ですが今はこちらへおいでください。

それでは本日の大イベントが始まります!

みなさん、箱庭の天幕に注目してください!」

 

見上げる一同。

 

輝きが線となり星空を彩る。

それはいくつも幾つも流れ、流れては消える。

 

「この流星群は、”ペルセウス”に勝利しコミュニティの再出発を、

”サウザンドアイズ”が祝福し贈ってくださいました」

 

「白夜叉さんも粋な方ですね」

 

「待て黒ウサギ!今ペルセウス座が!!」

 

「はい。”ペルセウス”は先の一件で”サウザンドアイズ”から追放され、

同時にあの星々からも旗を降ろすこととなりました」

 

黒ウサギが説明するやいなや、星空からペルセウス座が消滅する。

 

この世界の全ては箱庭を盛り上げるためのもの。

 

「驚きましたか?」

 

「やられた。これ程までのモノが見れるとは思ってなかった。

だがおかげで良い目標ができた」

 

「ちょうど空席もできたことだし、どうせなら?」

 

「ああ、祭。あそこに俺たちの旗を飾る!」

 

「その話、乗った~~!!」

 

「何としてでも取り返さないとね」

 

「せっかくだし黒ウサギも飾る?」

 

「「「「それはいい!」」」」

 

「なぜそうなるんですか!」

 

 

 

 

 

 

これから進むはとても険しい道のり。

だが今はこの楽しい時間も悪くない。

この仲間たちとならやってやれないことはないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




切りどころが難しく、結局一巻を終わらせました。

対ルイオスでお分かりかと思いますが
この作品は協力プレイばかりになると思います。

ルイオスの扱いは気に入ってるが故ですので、ご了承ください。



次回はユニコーンと魃になるか、オリジナルになるか

それでは次回また
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