”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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完全なオリジナル
展開を考えるのが大変なので分けて投稿します。




企み事

「というわけで”主催者権限”を貸してください」

 

「そんなことをせずとも、

おんしが普通にギフトゲームを開催すればよかろう?」

 

企み事がまとまった祭はジンと共に”サウザンドアイズ”白夜叉の元を訪れていた。

 

「確かに僕たち”ノーネーム”には必要なことかもしれませんが」

 

「いやジン君、これは必須だよ。

子供たちをギフトゲームに巻き込むには”主催者権限”が絶対に必要だ」

 

「なるほどおんしの考えは大体理解した。

じゃが利益のある話とは方便じゃったか、翠が聞いたら怒りおるぞ?」

 

「いえ、どれほどのものになるかは”サウザンドアイズ”次第ですが、

この企画、そのものを商品化すれば売れることはまず間違いないでしょう。

全てのコミュニティに需要があるはずですから」

 

「確かに”魔王”の恐怖にさらされるのは全てのコミュニティに共通していますからね」

 

「”主催者権限”を貸すのもまあよいじゃろ。

じゃがその前に問う、本当に”打倒魔王”を掲げるのじゃな?」

 

白夜叉の少(幼)女のような風貌におよそ似つかわしくない威圧感がジンを襲う。

 

「・・・・・・!

・・・・・・僕たちは

”ノーネーム”は前へ進みます。

今はまだ同士となってくれた皆さんに頼るばかりですが、

必ず”名”と”旗印”を取り戻します。

その邪魔をするなら、どんな”魔王”でも倒すだけです」

 

この宣言に白夜叉は気をしまい、祭もリーダーの成長を喜ばしく思う。

 

(手加減していても白夜叉さんの気当たりの中で、

これだけ言えれば申し分ないね)

 

 

「あい分かった。では取り決めといこうかの、

そちら側の要求はあるか?」

 

「二つあります。

一つ。商品化後に販売時、『ジン=ラッセルの”ノーネーム”協力』の一文を明記する事。

一つ。テストケースとして協力する”ノーネーム”への報酬。

以上です」

 

「祭さん!一つ目はありがたいですが、二つ目の報酬要求は無茶です。

僕たちは白夜叉様にお願いをしに来たんですよ!!」

 

「要求を言うまでは自由だよジン君。

相手が応じるかどうか、応じさせられるかはそれぞれ別問題だけど」

 

「小僧の言うとおりじゃジン。

じゃがそう簡単にワシは折れんぞ?」

 

「分かっていますよ、ですが下請けに報酬を出すのも親会社なら当然だと思いますね。

商品開発は双方が力を合わせて作るものですから」

 

「一理あるのう」

 

「ああそれと、袖の下(・・・)から出したもので申し訳ないんですが、

個人的に(・・・・)にお渡ししたいものが」

 

そういって取り出したのは一つのカメラ。

 

「コレは?」

 

「もともと僕がいた世界でエンターテイメントに使われていたものです。

パフォーマーの邪魔にならないように撮影するため、

極限までの消音と遠隔操作、光学迷彩を施したカメラです」

 

「とても素晴らしいカメラじゃな!!」

 

「はい素晴らしいカメラです」

 

「お主も悪よのう」

 

「いえいえ白夜叉様ほどでは」

 

定型文のようなやり取りを見つめるジンは、深く考えないでおこうと悩むことをやめた。

 

 

 

 

 

 

「よかろう、その条件をのんでやる」

 

「ありがとうございます白夜叉様!」

 

「ルール設定を終えたら、また伺います」

 

「うむ、ではまたの」

 

ジンと祭は白夜叉の私室から退出した。

支店の前で翠に挨拶をする。

 

「いいプレゼンになりました」

 

「まさか本当に商談を持ってくるとは思いませんでした」

 

「嘘をついて、また信用を失うなんて真似は避けたいですから」

 

「商業コミュニティでも生産工業関係でもないコミュニティが

”サウザンドアイズ”商談を持ってくるなんてことはありませんでしたから」

 

「僕たちは魔王にケンカ売る異端ですから、ねえリーダー」

 

「同士達が迷惑をかけてしまうと思いますが、今後お世話になりますのでよろしくお願いします」

 

「こちらこそオーナーのセクハラ行為をお詫びしておきます」

 

「お気遣いありがとうございます、それでは僕たちはこの辺で」

 

「また近いうちに経過報告?に伺わせていただきますので」

 

「その時はお買い物もなさってくださいね」

 

「はははは・・・・・安いものでよければ」

 

力なく笑い手を振る祭とジンを、翠は見送る。

 

「そう言えば商談を持ってくる例外がありましたね。

あの方も元々は”ノーネーム”の・・・・・・・・・・・・

不思議な巡り合わせもあったものですね」

 

 

 

 

本拠への帰路。突然ジンが声をかける。

 

「ありがとうございます祭さん」

 

「どうしたんんだい?いきなり」

 

「僕に交渉術の勉強をさせるために連れてきて下さったんですよね」

 

「学んでくれればラッキーぐらいだよ。

ジン君に付いてきてもらわないと話もできなかっただろうから」

 

「祭さんはすごいですね、こんなことを考え付くなんて」

 

「文化、価値観の違いかな、

向こうは”災害”に備えることには神経をすり減らすような世界だったから」

 

「でも子供たちを巻き込むためとはいえやり過ぎではありませんか?

年長組の子たちもギフトゲームを見たことはあっても参加経験はありませんよ」

 

「だからこそだよ。

子供たちにとって初めてのギフトゲームが”魔王”のゲームになるかもしれない。

その時に『泣いて動けない』なんてのじゃ目も当てられないからね。

最低限『泣いて逃げ出す』まではいかないと」

 

「!!

僕もまだまだですね・・・・・・

魔王に勝てるだけの実力がある、それだけじゃダメなんですね」

 

「確かにそうだね。でもどちらかといえばそれよりも、

子供たちをギフトゲームに触れさせてあげたかったんだよ」

 

「え?」

 

「せっかくの箱庭なんだから、ギフトゲームをやらないと。

楽しかったらその喜びが、悔しかったら次こそはって成長をうながしてくれるだろう?」

 

「僕も成長できるでしょうか?」

 

「既に成長し始めてるよ」

 

祭の言葉に何を感じたのか、ジンは黙り込んでしまう。

歩みを止めたジンは祭の方に体を向け教えを乞う。

 

「お願いがあります!僕にもっといろんなことを教えてください!!」

 

「皆にそれぞれいいところがある。

僕に教えられるのは”死に方”と”性格の悪さ”ぐらいのモノだよ?」

 

「構いません!それも僕に必要かもしれませんから」

 

「・・・・・・分かった。

そのかわり、隠し事なんかは無しだよ。

そんなことされると教える気もなくなるからね」

 

「分かりました。これからよろしくお願いします」

 

「それじゃあ早速”性格の悪さ”でも教えてあげようかな?」

 

そう言いながらジンの耳元に口を持って行った祭はあることを囁く。

 

 

「収穫祭とその路銀のことは約束前の事だからサービスにしておくよ」

 

 

とたんジンに鳥肌が立った。

元の姿勢に戻った祭はジンに苦言を呈す。

 

「食費を切り詰めるってのは認めないからね。

”減らす”より”増やす”を考えな、リーダー」

 

悪戯を終え楽しそうに笑う祭のあとを、ジンは追いかける。

 

 

 

その五日後、”ノーネーム”の本拠に”契約書類”降り注いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ギフトゲーム名 ”避難訓練~花一匁~”

 

 

仮想防衛プレイヤー一覧

ジン=ラッセル

黒ウサギ

周防院 頼華

レティシア=ドラクレア

 

 

仮想魔王プレイヤー一覧

逆廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

 

 

 

仮想防衛プレイヤー側勝利条件

 

百二十人の子供たちの避難完了。

仮想魔王プレイヤー三人の打倒。

 

 

仮想魔王プレイヤー側勝利条件

 

二時間経過時に避難率70%を下回っていた場合。

仮想防衛プレイヤーの内二名が魔王側に寝返った場合。

 

 

 

舞台詳細・ルール

*舞台は”ノーネーム”本拠の敷地内とし、舞台外へ出ることは禁ずる。

*防衛側、魔王側、それぞれ子供たちに触れることで自分たちの属性へ変えることができる。

*魔王属性となった子供は避難を認めない。

*魔王側プレイヤー二名以上が同時に、防衛側プレイヤーに触れた場合、

 魔王側プレイヤーに寝返らせることができる。

*魔王側プレイヤーは子供たちへのギフトの使用を禁ずる。

 

 

 

賞罰条項

*ルールを破ったものは三日間食事のおかずを没収とします。

*敗北側のプレイヤーは今晩の夕食が無くなります。

*勝利側プレイヤーは今晩の夕食にデザートが追加されます。

*防衛側が勝利した場合のみ子供たちにもデザートが追加されます。

 

 

 

宣誓

上記を尊重し誇りと御旗の下、”仲邑 祭”はギフトゲームを開催します。

 

”サウザンドアイズ”印』




ゲーム本編は次回!

お楽しみに!!

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