”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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第2章に突入です!!!

よろしくどうぞ!!


あら、魔王襲来のお知らせ?
招待状と置手紙


”ノーネーム”地下三階にある書庫

 

ジンと十六夜、祭は連日夜はこの書庫にこもり知識を蓄えていた。

 

「十六夜もそろそろ限界じゃないか?」

 

二人ほどの体力がないジンは既に眠りの中。

 

「まあな、祭もつらそうじゃないか?」

 

「朝食まで少し休むかな」

 

「その意見に賛成だ」

 

そうして二人は積み上げられた本を枕に、読みかけの本をアイマスク代わりに眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

早起きした頼華は飛鳥と耀、リリの三人が一緒にいるところに出くわした。

 

「へーいそこの彼女たち~

何読んでんの~?」

 

「ああ頼華、これなんだけど」

 

「んん?」

 

飛鳥が読んでいた紙を受け取る。

 

「”火龍誕生祭”、よし行きますか~!!」

 

「そうね祭君と十六夜君も誘わないと」

 

「二人なら書庫」

 

「リリちゃんも来な~」

 

口止めされているため、うかつに止めるわけにもいかず

リリは黙ってついていくしかなかった。

 

 

 

 

(さてさてやってまいりました~)

 

(どうして小声で話すのかしら?)

 

(飛鳥は寝起きドッキリは初めて?)

 

(とても素敵な響きね!)

 

(うう~ジンくんゴメンね)

 

(おやおや~?三人ともぐっすり眠ってますね~

それでは耳をふさいでね~)

 

頼華はフライパンとお玉をどこからか取出し構える。

飛鳥と耀とリリは自分の耳を押さえた。

 

「まずは『音量倍化』からの~~

 

”死者○目覚め”~~!!!」

 

 

ガンガンギャンガンギャンギャンギャンガンガンガンガンガンギャンギャンガンギャンガンギャンギャンギャンギャンギャンガンガンギャンガンギャンガンギャンガンガンギャンギャンガンガンガンガンギャンギャンガンガンギャンガンギャンギャンギャンガンガンガンガンガンガンガンギャンガンギャンギャンギャンガンガンガンガンガンギャンガンギャンガンギャンガンガンギャンギャンガンギャンガンギャンガンガン

 

 

「うるせーーーー!!!!」

「うああああああ!!!!」

「ごめんなさーーい!!!」

 

 

「せーの」

 

「「「おはようございます」」」

 

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

頭を抱えてぐったりした様子の三人。

 

「因みにこの技はレティシアに伝授してあるので、

寝坊はゆるされないよ~」

 

「そういうことじゃねえ・・・・・」

 

「できればもっとましな方法で・・・・・・」

 

「「シャイニングウィザード?」」

 

「それでも致命です・・・・・・」

 

 

三人の要望で回復のため五分の時間が与えられた。

 

 

 

 

「それで、あれほどの事をされたんだからそれなりの理由があるんだろうな」

 

「まずはこれを読んで頂戴」

 

”火龍誕生祭”について書かれた手紙を受け取り読みだす十六夜。

 

「”火龍誕生祭”だと!?

しかもなんだよこの祭典のラインナップは!?

『北側の鬼種や精霊たちが作り出した美術工芸品の展覧会および批評会に加え、

様々な"主催者"がギフトゲームを開催。

メインは"階層支配者"が主催する大祭を予定しております』だと!?

クソが、少し面白そうじゃねえか行ってみようかなオイ♪」

 

「ノリノリね」

 

「これはどうしたんですか?」

 

「黒ウサギの部屋でたまたま見つけた」

 

青ざめていたジンがやっとのことで口を開く。

 

「ちょっと待ってください皆さん!

何処にそんな蓄えがあるというのですか!?

此処から境界壁までどれだけの距離があると思っているんです!?」

 

「・・・・・・こんな面白そうなお祭りの事を教えてもらえないなんて。ぐすん」

「コミュニティを盛り上げようと毎日毎日頑張ってるのに、残念だわ。ぐすん」

「朝から晩までギフトゲームも大変なんだけどな~。ぐすん」

「ここらで一つ、黒ウサギ達に痛い目を見てもらうのも大事かもしれないな。ぐすん」

 

泣き真似をするその裏側で、ニコォリと物騒に笑う問題児達。

 

「祭さん、お願いです皆さんを・・・・・・」

 

止めてくださいと、ジンは続けられない。

祭の、それは綺麗なアルカイックスマイルの前に、言葉を紡ぐことができなかった。

 

「大丈夫だよジン君。全てわかっている。

皆も許してあげてくれないか、ちょっとしたボタンのかけ違いだったんだろう。

本当に、たまたま、偶然にも、運悪く、言いだす機会がなかっただけ。

そうだよねジン君?」

 

「ハイ・・・・・・」

 

「やっぱりそうだったか。よかったよ。

意図的に隠していた、秘密にしていたなんてことがあるわけないよね。

ジン君とは約束もしたし、この前の略式裁判を見てできるはずがないもんねえ?」

 

「モチロンデス・・・・・・」

 

「でも困ったなあ、招待されて行かない訳にはいかないし。

遅れて参加なんて失礼だから急がないといけない。

そうなると黒ウサギ達には伝える時間がないなあ」

 

「それなら今から

 

「ジン君?」

 

「ナンデモアリマセン・・・・・・」

 

「だからどうだろう?

これからまずは北側へ向かう、黒ウサギ達には伝えずに。

それで僕たちが居ないことにすら気づかないようなら、

僕たちはもう”ノーネーム”に居なくても構わないんじゃないかな?」

 

「あの

 

「ジン君?」

 

「シツレイシマシタ・・・・・・・」

 

「それは駄目よ祭君」

 

「飛鳥様!!」

 

飛鳥の発言に涙目で震えていたリリが感動する。

 

「それじゃあ子供たちが心配するわ、手紙くらいは残しましょう」

 

「確かにそうだね」

 

「じゃあお嬢様、一筆頼むぜ」

 

「でも誰が届ける?」

 

「ジット君?」

 

「ハひぃ!!?」

 

「もうみんな観念しな~」

 

「それじゃあジット君は飛鳥さんが書いた手紙を

黒ウサギに渡してくれるかな?」

 

「任せてくだしゃい!!」

 

「お嬢様、リリと御チビは案内に連れてくって加えてくれ」

 

「わかったわ」

 

 

 

 

 

『黒ウサギへ。

北側の四〇〇〇〇〇〇外門と東側の三九九九九九九外門で開催する祭典に参加してきます。

貴女も後から必ず来ること。あ、あとレティシアもね。

私達にお祭りの事を言いそびれた(・・・・・・)罰として、

今日中に私達を捕まえられなかった場合

”五人ともコミュニティを脱退します”。

死ぬ気で探してね。応援しているわ。

 

P/S ジン君とリリは案内役に連れて行きます』

 

 

 

「な、・・・・・・・何を言ちゃってんですかあの問題児様方あああああ!!!」

 

「ジットもご苦労だったな」

 

泣きそうになるジットを撫でてやるレティシア。

 

「祭のお兄ちゃん、笑いながら怒ってた。

金糸雀様が怒ってるみたいですごく怖かった・・・・・・」

 

「それは・・・・・・・・・・・・

怖かったな、もう大丈夫だぞ」

 

何かを思い出しそうになり、無理やり押しとどめたレティシア。

黒ウサギは思い出してしまったようで、かすかに震えている。

 

「戻ってこい黒ウサギ」

 

「っは!!失礼しましたレティシア様。

無駄かもしれませんが敷地内の捜索を」

 

「みんなも今すぐ取り掛かってくれ」

 

 

 

 

 

 

「食堂にはいなかったよ!」

 

「大広間、個室、貴賓室、全部見てきた!」

 

「貯水池付近もいないっ!」

 

「お腹すいた!」

 

「それはまた後でな。・・・・・・金庫の方は?」

 

「コミュニティのお金に手を付けていません。

皆さんの自腹では境界壁まで向かうことができませんから、外門付近で捕まえれることが可能です!」

 

「なら、黒ウサギは先に外門へ行け。

捕まえれなくとも“箱庭の貴族”のお前なら境界門の起動に金はかからない。

私は“サウザンドアイズ”の支店に向かう。

招待状の贈り主が白夜叉なら無償で北の境界壁まで送り届ける可能性もある」

 

「あの問題児様方は・・・・・・・・・・!!!

今度という今度は絶対に!!

絶対に許さないのですよー!!!」

 

レティシアの言葉を受け、黒ウサギは怒りで髪を緋色に染め、

境界門へ向け爆走を開始した。

 

 

 

 

朝早くに出発したため朝食をとっていなかった一同は、

”六本傷”のカフェで食事をとりながら話をしていた。

 

 

「さてジン君、どうやって北側まで行けばいいかな?」

 

祭のアルカイックスマイルも治まり普通に問いかけられる。

 

「まさかとは思っていましたが北側の境界壁までの距離をご存じないんですか?」

 

「知っていれば聞かない」

 

耀の回答に、ウンウンと頷く問題児達。

 

「補足的な説明になりますが、この箱庭の世界は恒星級の広さを有していて、

極少数ですが箱庭都市が占める比率は他の都市と比べても最大のモノです」

 

予想外の答えに飛鳥は目を丸くし、耀は口をポカンとあけてしまっている。

 

「ここから北まではおおざっぱですが980000kmくらい、

境界門なしに行くなんて無茶です」

 

「「「「「よし境界門を使おう」」」」」

 

「だから使うお金がないんです!!」

 

境界門の使用料は一人に付き、”サウザンドアイズ”発行の金貨一枚。

問題児五人とジンとリリの七人で、金貨七枚。

”ノーネーム”の貯蓄をオーバーキルできる金額である。

 

「黒ウサギなら『子供たちを餓死させる気ですかー!!ウサー!!』って感じ~?」

 

流石に莫大な距離を前に唸る問題児達。

 

「もう帰りませんか?」

 

「リリの言う通りです皆さん、今なら笑い話で済みます」

 

「断固拒否」

「右に同じ」

「以下同文」

「確定事項」

「だが断る」

 

全員が(一人は特殊なポーズで)提案を却下する。

 

「黒ウサギにあんな手紙を残して引けるものですか!

行くわよみんな!!」

 

「おう!こうなったら駄目で元々!

”サウザンドアイズ”へ交渉に行くぞゴラァ!」

 

「行くぞコラ」

 

「カチコミじゃ~!」

 

「何を渡せば引き受けてくれるかな?」

 

「仕方ないよジン君、行こう?」

 

女の子は早熟とはよく言ったもの。

リリは一つの悟りを開いていた。

 

「分かったよリリ」

 

今の自分にはどうすることもできないと、

ため息をつき、後をついていくことにした。

 

 

 

 

「白夜叉を出しやがれ!」

 

「やがれ」

 

「やがれ~」

 

「お帰り下さい」

 

「相性悪いなあ」

 

「いきなりストを起こすような方は問答無用です」

 

今回ばかりは翠が正しく、飛鳥がまともに対応する。

 

「ごめんなさいね、”サウザンドアイズ”封蝋が入った招待状があるの。

北側へ行くために白夜叉に合わせて頂戴」

 

「そう言うことでしたか、残念ですが白夜叉様は現在

 

「待っておったぞ、小僧どもおおおおぉぉぉ!!!」

 

店内から超回転しライダ○キックからのスライディングで白夜叉降臨。

 

「俺たちが言うのもなんだが普通に出てこられないのか、ここのオーナーは」

 

言葉を失うしかない翠を攻めるものはない。

 

「まあ中に入れ、おんしらの目的も分かっておる」

 

「「「御邪魔しま~す」」」

 

「祭さん」

 

「何でしょう?」

 

翠に一人呼び止められる祭。

 

「あなた以外の四人をちゃんと監督してください」

 

「ごめんなさい、彼らとは対等でいたいんです。

最低限は頑張るので見逃してください」

 

「仕事の邪魔だけはさせないでくださいね」

 

「善処します」

 

そして翠は店先の掃除に戻り、祭も中へ入って行った。

 

 

 

 

「それで依頼って?」

 

祭が中に入ると話は始まっており、何かの依頼を受けるようだ。

 

「その説明にはまず北のフロアマスターの一角が世代交代することを話さねばならん」

 

「世代交代?」

 

「急病で引退とか。まぁ、亜龍にしては高齢だったからのう。

寄る年波には勝てなかったってことだ。

此度の大祭は新たなフロアマスターである、火龍の誕生祭での」

 

「「「龍!?」」」

 

十六夜と耀、頼華が反応を見せる。

それぞれ別の事を考えているのだろうが。

 

「五桁・五四五四五外門に本拠を構える、”サラマンドラ”

それが北のフロアマスターの一角だ。

それでフロアマスターについてはどの程度知っておる?」

 

「私は全く知らないわ」

「私も全く知らない」

「興味な~し」

「依然聞いた程度」

「俺もそこそこ知ってる。

下層の秩序と成長を見守る連中だろ?」

 

その役目は、土地の分割や譲渡、

コミュニティの上位の階層への移転を認めるためのギフトゲームの開催。

そして魔王が現れた際に、率先して戦う防波堤の役割も追う。

 

その対価として膨大な権力と最上級特権・”主催者権限”が与えられる。

 

「しかし北は鬼種や精霊、悪魔といった種が混在して複数のマスターが存在します。

”サラマンドラ”とは以前親交があったのですが、

党首が変わったとは知りませんでした。

お継ぎになられたのは長女のサラ様ですか?」

 

「いや火龍を襲名したのは、おんしと同い年のサンドラじゃ」

 

その答えに驚きジンは身を乗り出す。

 

「待ってください!サンドラはまだ十一歳ですよ!!」

 

「あらジン君も十一歳でリーダーじゃない」

 

「それはそうですが・・・・・・」

 

「何だ御チビの彼女か?」

 

「ち、違、違いますよ!!」

 

こういった方面でジンが慌てふためくとは思わず、いい玩具を見つけてしまった問題児。

面白おかしくからかわれるジン。

少し赤面しているリリに気づいた頼華は耳打ちをする。

 

(今度いろいろ教えてくれる~?)

 

(他の皆さんには、黒ウサギのお姉ちゃんにも内緒にしてくれますか?)

 

(わかった約束~)

 

 

「お~い、おんしら続きを話しても良いか?」

 

「すみません、お願いします」

 

「今回の誕生祭は、そのサンドラのお披露目もかねておっての。

そこで私に共同でホストをするように依頼があったのじゃ」

 

「北に他のフロアマスターがいるのに?」

 

「まあそうなんじゃが・・・・・・」

 

「幼いマスターをよく思わない連中がいると、そんなとこだろ」

 

「身もふたもないいい方じゃとそうなる」

 

そんなひどくつまらない理由に、

飛鳥の瞳は怒りと落胆で揺れる。

 

「・・・・・・そう。

神仏の集う箱庭でも、対して人間と変わらないところがあるのね」

 

「手厳しいがその通りじゃ、

私に共同のホストの役が回ってきたのもいろいろな理由があっての」

 

バツの悪そうな白夜叉。

その時、耀が何かに気づいたように声をあげる。

 

「その話長くなる?」

 

「そうじゃな、せいぜい一時間くらいは」

 

「まずい、流石に追いつかれる!」

 

「白夜叉さm

 

ジンが声をあげるより早く、飛鳥と祭がジンの肩に手を置く。

 

「選択肢が三つあります。

飛鳥さんにお願い(・・・)されて黙る。

僕にお願い(・・・)されて黙る。

自分から黙る」

 

ジンの理解力はこの時成長した。

振り向かなくても分かる。

アルカイックスマイル二人分。

 

「・・・・・・・・・」

 

「「よろしい」」

 

「白夜叉、今すぐ北へ連れてけ!」

 

「それは構わんが急ぎの用か?

いやそれより内容を聞かずに受諾しても良いのか?」

 

「構わねえ、事情は追々話すし、

そっちのが面白え!!俺が保証する!!」

 

「面白いか、それは何よりも重要なことの一つじゃな。

あい分かった。では行くぞ!」

 

パンパン

白夜叉が柏手を打った。

 

「着いたぞ」

 

「「「「「はぁ!?」」」」」

 

理解が追い付かないのもわずか。

問題児達もジンもリリも店の外に飛び出した。

 




そして再びタイトル変更を行う馬鹿筆者でございます。

ご迷惑おかけします。
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