”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ? 作:バリアリーフ
いろいろあって投稿遅くなったことをお詫びします。
「全く、出会いGaしらにぶん殴るなNて、レディーに対すRu扱いじゃないよ?」
「ほんとほんTo!酷いよNe~!」
ガーリーとロックが喧しく騒ぎ立てる中、十六夜は思考を走らせる。
(分身の類のギフトか?だがそうだとするとこいつらの服の違いの意味は何だ?)
「でMoでも、お兄ちゃん強Suぎない?」
「Uん。あたし達Niげよっかー」
「勝Teないし」
「つーKa、勝つゲームでもないShi」
ケラケラと笑う魔王たち。
姦しいというより、やはり喧しい。
十六夜は特に近くにいたポップを殴りつけ、
カジュアルとスタイリッシュを巻き込んで家屋に激突させる。
「逃がすと思ってんのか?」
「「「ZeNZeん」」」
「なら遊ぼうぜ!ゲシュタルト!」
「時間Giれ迄ならね」
「言ってろ!」
一体一体は、神格を手にする前のヴェーザーにも満たない強さ。
それでもダメージが通っている様子はなく、
いくら殴り飛ばし、蹴り飛ばしても戻ってくる。
知らぬ間に最初に攻撃したはずのパンクまで戻ってきている。
少女たちの攻撃も、攻撃と言えず一人ずつ纏わりついてくるような
明らかな時間稼ぎで、十六夜にとって不愉快で非常につまらないものだった。
「十六夜!何を
レティシアの”影の遺影”が魔王たちを貫いた。
「新たに現れた魔王のせいで、ヴェーザーが
「へえ、ヴェーザーが
それにレティシア、こいつらがその魔王様だぜ」
「なに!」
「あーMoう痛いじゃないKa」
「Yaめて欲しいなHuい討ちなんて」
貫かれたはずの
*
頼華とヴェーザーの戦いは一方的だった。
見えない拳に殴られ、打たれ、叩きつけられ、連撃に次ぐ連撃。
神格を得たヴェーザーであるが休むまなく繰り返される攻撃の前に、
頼華に近づくことがまずできないでいる。
「ほんとごめんね~。勝つ気で戦ったらこうなっちゃうんだ~」
****
「頼華の力ならほぼどんな相手でも戦える。
それほど使い勝手がよく応用範囲が広い」
「でも攻撃力がね~」
「そこは使い方次第、確認だけど”空間信号”は、
ルール指定を口にする必要は無いんだろ?」
「ないね~」
「そして、使用可能時間はルール内容と範囲に反比例ってところ?」
「たぶんそんな感じじゃないかな~」
「最後に使用範囲は移動させられるんだな?」
「よくそこまでわかるね~」
「なら『進入禁止』だけでタコ殴りにできる」
「タコ殴り?」
「球体状の空間にルールを敷いて、それをぶつけ続ける。これだけでいい。
更に、棒状、円錐形なんかの形状次第で多彩な攻撃ができる。
大きな立方体で上から押しつぶしてもいいかもしれない」
「ああ~、絶○の○風ちゃんな感じね~」
「それはよく分からないが」
「ほんと祭の頭んなかってどうなってんのさ~」
「昔切り開いてみてもらったが、面白くはなかったな」
「いやグロイグロイ!!」
****
(オレもちょっとは勉強しようかな~)
「いい加減に、しやがれぇ!!」
「ヴェーザー君なんもそんな青筋立てて怒らんでも」
「うるせえ!もう引き抜きだとか関係ねえ!
頼華、てめえはぶっ殺す!」
「イヤ~ン♪コワイヨ~♪」
*
「耀は風で”死の風”を僕の元へ!
飛鳥とディーンでペストへ攻撃、
漏れた”死の風”をサンドラが焼き払いつつ攻撃も!
アーシャはサンドラの援護を!」
サンドラ、耀、アーシャが合流しペストに攻撃をしかけ、
五対一という状況でやっと互角に持ち込んだ。
しかしペストの攻撃は”死の風”だけに非ず。
「特に貴方、面倒ね」
「そいつは光栄だ、魔王ペスト」
「まさか自ら吸い込んで周りを守るなんてね、でも」
怨嗟の衝撃波を放つペスト。
「春日部さんっ!!」
衝撃波の直撃を受け、吹き飛ばされる耀。
「残念、あの子はこれでリタイア。
即発症のの黒死病よ」
「残念なのは、あなた!」
高速でペストの後ろに回り込んだ耀の一撃が決まる。
「そんなどうして!?」
「私はもう罹らない」
「でもお前、傷は!」
「もう治った」
胸を張り、アーシャに吹き飛ばされた時の傷跡を見せる。
「嘘だろ!?」
「このくらい余裕!」
「はいはい嘘つかない」
黒死病を克服するために祭が用意したイモリ。
イモリから受けられる特性、恩恵を回復力、あるいは再生力と予想して連れてきた。
事実、耀はイモリと友達になりその力で自身の持つ治癒力を底上げし快復した。
「それなら他を殺すまでよ」
「僕を放っておいていいのか?
無視するならラッテンとヴェーザー、先に出会った方に、
”死の風”をプレゼントすることになるけど」
「あなたまさか!」
「吸い込んだんじゃない。
取り込んだんだ」
祭は手のひらから僅かに”死の風”を放出し見せつける。
ペストの顔は驚愕に染まり、苦虫を噛み潰したように歪んだ。
(魔王といえどコミュニティの仲間は大切か・・・)
「取引をしないか?」
「祭君!何を!?」
「乱入した魔王のゲームを終わらせるまでは協力する。
それだけ。十分とかけずに勝利条件の一つをクリアできるはずなんだ」
「私たちにメリットがないわ」
「The PIED PIPER of HAMERUN終了までの時間稼ぎができる。
なんならラッテンとヴェーザーに、”死の風”を使わないと誓おう」
祭の提案に場が膠着状態に陥った。
(ゲームマスターであるゲシュタルトがどんな奴かは分からないが、
十六夜なら打倒できるはず。
飛び交うステンドグラスも減ってきている。
あとは空白となってる三つ目。
それはきっと)
「お前たちはまだ”契約書類”を見てないんじゃないか?
目を通すまではこちらは攻撃しない。皆もいいな」
一同が頷く。
参加者たちはペスト、ゲシュタルト、
そのどちらのゲームに負けてもたどる運命は同じなのだ。
ならば攻略方法の分かっていない”Wiederaufbau der Anerkennung”を、
優先する必要がある。
”The PIED PIPER of HAMERUN”の制限時間までは一応の猶予が存在するからだ。
ペストが”契約書類”を手にし、
「それで、どの勝利条件の事?」
「三つ目だ」
「”五感の誤りを正せ”。これが?」
「「「「!!」」」」
「ああ、そうだ。そしてそれは”グリムグリモワール・ハーメルン”にしか達成できない」
「時間稼ぎついでに理由を聞かせて頂戴」
*
(おかしいのです。ラッテンがヴェーザーの地災の力を行使するなんて。
それに黒ウサギを操りに来ないのはいったい・・・)
「戦いの最中に考え事なんてしていいのかしらウサギさん!」
ラッテンの魔笛が音色を変える。
途端、黒ウサギの周りを取り囲むように地面が隆起し、天を覆うように繋がった。
「これはマズイのです!」
「大正解よ♪」
前後より迫りくる土石流。
黒ウサギは金剛杵より雷を放つが、相性が悪く止めることができない。
「あやややや、っ”
慌てて攻撃対象を造られたアーチに変更し、外壁崩して脱出する。
「流石は”箱庭の貴族”ね」
「帝釈天の眷属を舐めないでほしいのです」
《黒ウサギ、乱入した魔王のゲームを先に終わらせる。
まだ近くにラッテンがいるなら連れてきてくれ》
(祭さん!)
「提案があるのですが聞いていただけますか?」
「私もマスターからだいたい聞いたわ。
でも、信用できるの?その攻略法は」
「YES。貴女方のゲームの謎を解いた一人でございます」
「それはそれは。是非とも手駒に加えたいものね」
「ならば協力を、仮に貴女方が勝ったとしても横取りされるのですよ?」
「仕方ないか。案内してくださる?」
*
「おいレティシア。さっきこいつらを有象無象だとか言ってたな」
「ああ、だがここまで
「なるほど、
「十六夜は分かるのか!?」
二人の会話を聞いていたゲシュタルトに焦りの色が見える。
「Aれあれー、お兄ちゃんMiわけついてたの!?」
「「「こReはマZuイ!!」」」
「ヤハハハ!なんだもう勝ちがみえてきたじゃねえか!
レティシア、好きな奴引っ掴んでぶつけろ!」
「了解、主殿!」
すぐさま飛翔、ガーリーとシックを掴んでぶつけるレティシア。
するとガーリーの中にシックが消えた。
「なるほどそういうことか!!」
「鬼ごっこのルールは分かったなレティシア」
「吸血鬼に鬼をさせるとは、主もシャレている」
十一人となったゲシュタルトが散り散りに逃げ出す。
(そっちは任せたぜ、兄弟)
*
「ことごとく邪魔が入るらしい」
盛大に舌打ちしたヴェーザーがつまらなそうに魔笛を担ぎ、
「一時休戦だ」
「よかった~。ヴェーザー傷の治り早すぎ~。
出鱈目~。反則~」
「うるせえ!出鱈目も反則もそっちだろうが!
お前といい金髪のあの餓鬼といい」
「まあ十六夜はアリエナイィィだから」
「お前らみたいのが”ノーネーム”だとかふざけてるにも程がある」
「くっはっっっっっっ。んでどこ行くの?」
「マスターの呼び出しだ。付いてくる気か?」
「一応ね~」
「勝手にしろ」
ヴェーザーが屋根を駆ける後ろを走る頼華。
(ゲームクリアしてすぐ戦闘再開、なんてことになったら大変だしね~。
レティシア上手くやってくれてよかった~)
勘違いではあるが、恋人の評価が上がるのは悪い事ではない。
*
「シュトロムはまだ呼び出せるのか?」
「ラッテンに聞いて」
「分かった」
「まさかゲームルールが、対象によって異なるだなんて思いませんでした」
「どちらかといえば僕たちは巻き込まれたんですよサンドラさん。
すべての条件を満たす”グリムグリモワール・ハーメルン”と、
一部のみの僕ら、どちらにしても攻略法は変わりません」
「それで、その攻略法とやらをさっさと教えなさい」
「ゲシュタルト崩壊は、基本的に脳の起こす錯覚。
いや脳が意図的に起こしている錯覚を取り除いた状態ともいえる」
「どういうことなの?」
「もともと認識という作業を行う上で、
脳は誤差を勝手に処理するんだ」
「ごめん、まだよく分からない」
耀をはじめとし、飛鳥、アーシャ、サンドラ、ペストまでも疑問符を浮かべている。
「例えば、赤リンゴと青リンゴがあったとする。
僕たちはそのどちらも『リンゴ』として認識できるだろう。
その他にも、大きさや形の誤差も勝手に処理して
別々のものを同じ種類のものとしてしっかりと認識できる」
「なるほどね」
「とても分かりやすいのです!」
いつの間にかラッテンと黒ウサギも一緒になって聞いている。
「ゲシュタルト崩壊はその誤差を処理する能力がマヒして、
その誤差を強く認識してしまう。
結果さっきの例で言えば、誤差のあるリンゴを『リンゴ』として認識できなくなってしまうんだ。
この認識できない状況が本来は正しいんだが、脳は生活の上でそれをあえて、あやふやにしている。
この機能が失われてもっとひどくなると、人の顔を識別することも文字を理解することもできない」
「恐ろしく博識だな。コイツも欲しいなマスター」
「あげないよ~?」
「さて、役者がそろったようだし、攻略を始めようか」
祭がパンと手を叩き、それで人が増えていることに一同が気づく。
「結局”五感の誤りを正せ”ってどういう意味よ」
「単純に考えれば、五感によって引き起こされたゲシュタルト崩壊を正常に戻すこと。
になるが、さっきの説明で本来は違うことは説明したな?」
「ええ」
「ここで質問だがラッテン、今僕を攻撃するならどうする?」
「そんなの地面の隆起で貫くに決まってるじゃない」
「ラッテン!それはヴェーザーの力でしょう!?」
「何言ってんだマスター、俺の力は暴風だろ」
「あなたこそ何言ってるのよ!」
ラッテンとヴェーザーの回答に戸惑うペスト。
「そう、この変化。そして宙を飛び交っていたステンドグラス。
霊格をハーメルンの魔導書内でごちゃ混ぜにされたんだよ」
「だったら私は!」
「本来のハーメルンの考察外からやってきたペストは、
完全に影響下にできなかったのか。
それとも神霊クラスの霊格を得ていたからかは分からない」
「それでシュトロムが必要なのね」
「そういうこと」
祭がラッテンに目配せをし、
その意味を理解したラッテンがシュトロムを新たに召喚する。
「『五感』の誤りではなく、
『互換』、入れ替えられた霊格の誤りを正すこと。
正解はそれだろう」
シュトロムの高さに合わせて飛翔するペスト、ラッテン、ヴェーザー。
それぞれが手を重ね、そこから光が生まれる。
(これできっと)
*
この僅か数分前。
「やはり霊格を分割していたか!」
ストリートとパンクの二人にまで数を減らすも、
そのたび力が増していったゲシュタルト。
「全く面倒な奴だ。ひたすら逃げ回りやがって」
「Aははははは!Koこまでおいで~!!」
「はやくShiないと大変Daよー」
逃げに徹するゲシュタルトは互いの距離をつかず離れずにとって、
二人を苦戦させていた。
「レティシア!俺が片方ぶっとばすから押さえこんでろ!!」
「分かった」
第三宇宙速度の超跳躍でストリートに迫り、地面に向け殴りつける。
「gaバハァっ」
叩きつけられた体にレティシアが”龍の遺影”を用いて地面に縫い付けた。
「これでラストだパンクロリ!」
「Iや待「誰が待つかよ!!」
隕石の衝突を思わせる威力に、
かつて腕試しをした時を思い出しレティシアは肝を冷やす。
(私も危うくこうなるところだったのか)
生まれたクレーターの中心は更に地中への穴を穿ち、
その奥にボロボロのパンクな衣装を着たゲシュタルトの姿があった。
*
ブンゲローゼン通りに集まった参加者たち。
かき集められたステンドグラスの欠片が持ち寄られ、ちょっとした山になっていた。
「これをつなげるのか・・・」
「パズルだとしてもこの量じゃ・・・」
元は一三○枚ものステンドグラス、それがバラバラになり幾万、幾十万をも超える量になっている。
集めるだけで精神力を使い果たしてしまっても無理ない量だ。
「安心してください皆さん。
魔王のゲームは二つとも佳境に入りました。
あと少しです頑張ってください」
ジンの激励のとおり、欠片が輝き始めそれぞれのステンドグラスの形を取り戻してゆく。
「気を緩めるな!
偽りの伝承が描かれたステンドグラスも一度修復せよ。
再び砕くのは、数を確認し取り洩らしを無くしてからだ!」
マンドラが参加者を引き締め、最後の確認がなされる。
「マンドラ様、現在一二八枚が揃っています!」
「改めて確認の後、偽りの伝承を砕く。
ヴェーザー河が描かれたステンドグラスは真実の伝承。
間違っても傷つけるな!
残り二枚の欠片を至急捜索せよ!!」
勝利を間近に参加者たちの瞳に活力が戻る。
「小僧、なぜゲームが佳境だと言い切った」
マンドラの問いは、ジンにとって最も簡単なものだった。
「先ほどの轟音と衝撃から戦闘音が聞こえません。
同志たちとサンドラ様が十二分に役割を果たしてくれている証明です」
虚勢から出る言葉でもない。
瞳に恐怖も焦りもない。
勝利だけを確信した眼差しがマンドラを射抜く。
「愚問であった。忘れてくれ」
こんな感じでVSゲシュタルトに決着。
因みにゲシュタルト崩壊の解説は、自分なりになので100%の自信はありません。
文字のゲシュタルト崩壊だと、
止め、跳ね、払い、などの部分部分が気になって、おおもとの漢字が不自然に思えてしまうという感じです。
”木を見て森を見ず”といいますか・・・・・・・・
なんていうかよく分からん!な現象です。
もっともゲシュタルト崩壊が起きやすいとされる『借』の字をご覧ください。
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おかしな感じがするはずです。
だからどうしたっていうね!
はい
新刊発売までに何とか二巻を終わらせるぞ-!!