”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

28 / 63
ふと思いました

もっとふざけてみようかな?と


おふざけ増していくZ
町へ行こう


「こうしてゲーム以外で汗を流すというのもいいものです」

 

”ノーネーム”の農園区画。

復興作業も進み、少しではあるが作物を育てられるようになった。

 

黒ウサギは珍しく審判業が無く休日といってもよい一日。

そんな日にも畑仕事を行う黒ウサギは本当に献身的である。

 

「黒ウサギのお姉ちゃーん!」

 

「はーいっ!何でございましょうかー?」

 

狐耳の少女リリが大きな葉っぱにおにぎりをのせやってきた。

 

「そろそろ休憩にしたらどうかな?

お腹のすくころだと思っておにぎりを持って来たの」

 

「わぁ!ありがとうございますリリ!

でもご心配には及びませんよ!」

 

黒ウサギは汗をぬぐいリリに応える。

 

「コミュニティのためならこのくらいの畑仕事など、

それに今日は皆さんも手伝ってくださると約束をしたのです!」

 

「大変でーす!」

 

とても焦った様子のジンが駆けてくる。

 

「ジン坊ちゃん!?

どうされたのですか?」

 

「いいからこの書置きを見て!」

 

ジンからカワイイ兎の落書き付の紙を受け取り、読む黒ウサギ。

 

 

 

 

『そうだ、町行こう。

 

 

      五人より』

 

 

 

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

「あの問題児達はまったくもーーーーーっ!!!」

 

 

 

 

 

 

「行けども行けども知らない町並み。

相変わらず無駄に広いなこの箱庭ってヤツは」

 

「私たちが箱庭に呼び出されて

もう2~3ヶ月はたったのかしら?」

 

「ちょうど2ヶ月半ですね」

 

「でもまだ見たことのない物だらけで

なかなか慣れないね」

 

「毎日楽しくていいんじゃな~い」

 

「だな。すぐ飽きちまうような所じゃ来た意味がねぇ!」

 

問題児五人はプラプラと町を散策中。

 

「なんだか随分と楽しんでるみたいね」

 

「さっき買ったこの食い物もわりと美味い。

サーカスが来てるらしく屋台が賑わってたぞ」

 

「何時の間に買ったの?

私も欲しい」

 

「ケバブみたいで美味しいよね~」

 

「ねーねーそこ行くかわいいお二人ィ!

良ければウチのコミュニティに入らないー?」

 

突然チャライ感じの男が飛鳥と耀の肩を掴んで話しかけてきた。

 

「え・・・あの・・・」

 

「見たところ君達旗印の刺繍がないよね。

どうせ未所属か大したコミュニティに入ってないかのどっちかなんでしょ?」

 

「彼女たちは、僕たち”ノーネーム”の同志です」

 

「下手な勧誘は止めとけば~?」

 

「うるせえ野郎にゃ興味ねえんだよ!

君たちみたいな可愛い子は大歓迎!

名無しなんかよりよっぽどうちの方がいいよ!」

 

「お駄賃あげるからもう帰ってくれるかな?」

 

祭はナンパ男に手榴弾を握らせた。安全ピンを抜いて(・・・・・・・・・)

 

「だから止めとけばって言ったのにさ~」

 

「さあ行きましょうか」

 

がたがたと震えるチャラ男をしり目に歩き出す。

 

「ありがとう助かったわ」

 

(アン)ちゃんも恐ろしいな~』

 

「うん。でも偽物だよね火薬のにおいがしなかった」

 

「閃光型のスタングレネードだよ。

流石に殺すわけにはいかないし」

 

「ペストの”死の風”を出しといて言うことか」

 

「素直に『オレの女にちょっかい出すんじゃねえ!』

って言えばかっこよかったのにさ~」

 

「ちょっと頼華君!///」

 

赤くなりながら抗議の声をあげる飛鳥。

 

「耀さんも絡まれてたのにそれは」

 

「飛鳥の可愛い姿が見られるなら、

私は無視して構わない」

 

「おう!どんどん言ってやれ祭!」

 

「もう二人とも!!」

 

「確かに照れた飛鳥さんは可愛いですが、

嫌がることをする気はありませんよ」

 

(((いやそれトドメだから))~)

 

真っ赤になった飛鳥は背を向けている。

 

無自覚イケメン(ナチュラルジゴロ)は気にも留めず出店へ向かう。

 

(別に嫌というわけでもないのだけど・・・」

 

自分の中での言葉のつもりが、飛鳥は口に出してしまっていた。

 

「へ~嫌じゃないんだ~。

祭~飛す

「『黙りなさい!』///」

 

ガチンと頼華の口が閉じられ、その上、手で押さえこまれる。

 

「お嬢様、自分で口に出しといてそれはないんじゃないか?」

 

「だとしても祭君には聞かれたくないの!!」

 

「何がですか?」

 

買い物を終え戻ってきた祭が問いかける。

 

「なんでもないわ!絶対に追究しないで!」

 

「分かりました。

それにしてもすごいですね!頼華に”威光”が効くなんて。

飛鳥さんの霊格が上がったんですかね」

 

飛鳥を褒め称えながら、手にした饅頭をみんなに配ってゆく。

 

「祭ありがとう」

 

「せっかくだから貰っとくぜ」

 

そして再び歩き出そうとしたときに

一つの影が五人の間を駆け抜けた。

 

「どいてどいてーー!」

 

「待てやっ!クソガキー」

 

エプロンを付けミートハンマーを手にした男が少女を捕まえる。

 

「この俺様にギフトゲームをけしかけといて逃げるたぁ言い度胸だな!!」

 

「やめて離してよ!!あんなルール絶対おかしいのよ!!

どう見ても公平なゲームじゃなかったでしょ!?」

 

「何だ言いがかり付ける気かぁ!?」

 

男がミートハンマーを振りかぶる。

それが振り下ろされることはなかった。

 

「っはぁっ!?」

 

「!?紙・・・くず?」

 

「ああすまん。ゴミ箱と間違えた」

 

「ゴミにゴミぶつけてどうするのよ」

 

「そうだよちゃんと口に入れないとね~」

 

「マナーは守らなきゃゴミが可哀そう」

 

「ゴミ同士仲良くやって行けるさ」

 

「ならせめてちゃんと集めような皆も」

 

全員の饅頭の包み紙を一塊にして口に押し込む。

 

「それに早く逃げないと・・・

背後に何かいるんだよなあ」

 

「見ーつーけーまーしーたー」

 

黒ウサギが現れた。

 

「「「「「見なかったことにしよう」」」」」

 

「しないでくださいまし!」

 

ハリセン(お約束)が一閃。

 

「まったくどうして皆さんはじっとしていられないんですか!?

毎度肝を冷やす黒ウサギの身にもなってくださいよっ!!」

 

「実は俺『じっとしてると髪が逆立ってしまう病』なんだ」

 

「じゃあ私は『じっとしてるとリボンが本体になってしまう病』」

 

「じゃあ私は『じっとしてるとスライムになってしまう病』」

 

「オレはね~『じっとしてるとじっとしてられない病』」

 

「反省の色なしということは分かりました!

頼華さんは言い訳を考える気もないですよね!」

 

「しくしくしく」

 

一人わざとらしく嘘泣きをしている祭。

 

「祭さんはいったいなんなんですか?」

 

疲れ果てた黒ウサギは渋々相手にする。

 

「だって黒ウサギが、オモシロオカシク生きていくための箱庭に来て、

じっとしていろなんて意地悪を言うものだから悲しくて。しくしくしく」

 

「本当にそのとおりね

私たちをコミュニティの屋敷に閉じ込めておこうなんて。しくしくしく」

 

「成長期にお日様の元で元気に走り回りたいのに~しくしくしく」

 

「それは本当に悲しい

わたし達に自由はないの?しくしくしく」

 

「泣くんじゃねえ皆。

悪いのは黒ウサギじゃねえ・・・ジン坊ちゃんだ」

 

「なんでですかーー!!!」

 

今日(こんにち)ハリセン(斬鉄剣)は活きがよい。

 

「まったく泣きたいのは黒ウサギの方でございます。

せっかく皆さんと畑仕事をしながらお昼ご飯を食べるのを楽しみにしていたのに!

悲しかったんですよ!!」

 

「泣くほどなのか」

 

「さっきはよくもやってくれたな小僧共・・・

こりゃ仕返ししねえと腹の虫が収まらねぇぜ・・・」

 

怒り爆発一秒前といった様子でさっきの男が立っている。

 

「アワワワ・・・・・・

十六夜さん!!誰ですかこの厳ついハンバーガー屋さんみたいな人は!?」

 

「先日リストラにあってムシャクシャしている元ハンバーガー屋さんだ

あとロリコンだ」

 

「違うよ~?

マザコン、ファザコン、ブラコン、シスコン合わせた五重苦の元ハンバーガー屋さんだって」

 

「捏造はなはだしいわ!」

 

「そいつは肉屋のカラッチ・トーロって言うの。

最近この街で好き放題やってる悪党だよ!」

 

「あら貴女まだいたの」

 

先ほどの少女が厳つい男の正体を教えてくれた。

 

「肉屋で悪党。

バリー・○・チョッパー?」

 

「相手に不利なルールのギフトゲームを設定して力で脅して参加を強要させてくるんだ!」

 

「ゲームのルールは『主催者』が自由に決められるシステムだろ?

嫌なら断ればいい。その後は知らねーけどな!」

 

「チンピラ」

 

「小物臭」

 

「ガルド以下」

 

「残念男」

 

「なんで火に油を注ぐんですか!」

 

「さっきからうるさいと思えば”箱庭の貴族”じゃねえか!

面白え、お前ら俺とギフトゲームで勝負しやがれ!!

もちろん『主催者』は俺でルールも決める。

それからそこの黒ウサギにも審判をやってもらうぞ」

 

「そんなの駄目に決まってるよ!」

 

「そうですよ!さっきの話忘れてませんよ!

こちら側に不利なルールを設定されるとわかっていて合意するワケがないでしょう!」

 

「いいじゃねーか。どうせ“ノーネーム”なんて他に相手してくれる奴なんていないんだろ?

お前らみたいな弱小コミュニティなんて大概話にならねーからな」

 

「「「「「!」」」」」」

 

「挑発に乗っちゃダメですよ!

ここはグッと堪えてください!」

 

「ああもちろんだ。言われなくても分かってるぜ」

 

五人全員が顔を見合わせ

 

「そのゲーム受けて立とうじゃねーか!!」

 

「うんうん。

・・・・・・・・・・・・・?

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・ゑ?」

 

たっぷり時間をかけて黒ウサギは気づいた。

 

「いやいやあの待ってください!

今の流れおかしくないですか!?私の話聞いてました!?」

 

「「「挑発に乗るなとは言われたがケンカを買うなとは言われてないので」」」

 

「なんて強引な屁理屈!」

 

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 

「大丈夫だよ黒ウサギ。弱小コミュニティにしか(・・・)ケンカを売れない奴なんて怖くないでしょ?」

 

アルカイックスマイル状態の祭。

頼華は先にそれを見てしまい震動音を起こすだけ。

 

「yes」

 

たった五分でトラウマを刻み付ける祭が何をしたのか。

怖いもの見たさでちょっと興味をそそられる三人がいた。

 

「ふん!やっぱりな!

てめーらみてぇに群れてるガキ共が一番身の程って奴を知らねぇ!」

 

「うるせぇハンバーガー。さっさと、開始の合図を始めろ」

 

「まぁ、待て。ゲームステージの用意が先だ」

 

景色が一変し、石のブロックで積まれた迷宮が現れる。

 

 

『ギフトゲーム名 ”ラビュリントス”

 

 

 

プレイヤー一覧

 

逆廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

仲邑 祭

周防院 頼華

 

 

 

クリア条件

 

ステージの謎を解き迷宮を突破又はステージ内に潜むホストを打倒。

 

 

敗北条件

 

降参もしくはプレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合

 

 

 

宣誓 

上記を尊重し、誇りと御旗の下“ノーネーム”はギフトゲームに参加します

 

 

“カラッチ・トーロ”印』

 

 

 

「わぁすごい・・・巨大迷路だ」

 

「中々楽しそうなステージじゃない。

これだけの異空間を作れるってことはあいつもそれなりのギフト保持者ってことかしら」

 

「どうかな~?

ぼけっとしてないで黒ウサギ、ゲームルールはだいじょうぶなの~?」

 

「あ、はい。今のところ特には・・・

あと気になるのはこのゲームに賭けるチップです 。

それについて契約書類に記載があると思うのですが、

莫大な金品などを要求されでもしていたら」

 

「あーなんか空白だったから俺が書いといたぞ」

 

十六夜から”契約書類”を受け取る黒ウサギ。

 

 

 

プレイヤー側チップ  『ウサギ肉贈与』

 

 

 

自分を指さす黒ウサギ。

 

コクコクと頷く十六夜。

 

 

 

「鬼悪魔ド外道ーッ!!!」

 

「きっと美味しいハンバーガーになるぜー」

 

ヤハハと笑って取り合わない十六夜。

頼華に至っては地面を転げまわりながら笑っている。

 

「大丈夫よ黒ウサギ

勝てば何も問題ないのだから任せておきなさい」

 

「私頑張るよ

黒ウサギがハンバーガーにされないためにもね」

 

「『ヴェニスの商人』の論法で行けば、最悪でも傷つくことはないさ」

 

「なにそれ~?」

 

「詳しくは省くがシェイクスピアの喜劇だ。

自分の肉一ポンドで金を借りた商人と金貸しの話」

 

「なるほどねあげるのは肉だけで血も命も奪ってはダメだというわけね」

 

「もしや十六夜さんもそこまで考えて「るわきゃねえだろ」ですよねー」

 

へにょんと崩れ落ちる黒ウサギ。

 

「ホラ行くぞ黒ウサギ!」

 

十六夜が手を差し伸べる。

 

「”打倒魔王”の俺たちがあんな肉屋に負けるかよ!」

 

「何と頼もしい・・・

黒ウサギは皆さんが来てくれて・・・

本当に良かったです・・・」

 

ズルズル

 

「それで?啖呵切ったはいいけどこれからどうするん作戦なんだ?」

 

ズルズルズル

 

「えっ別に作戦なんて考えてないけど」

 

ズルズルズルズル

 

「私も取りあえず便乗してみただし・・・」

 

ズルズルズルズルズル

 

「なんとかなるって~」

 

ズルズルズルズルズルズル

 

「歩いてれば何か見つかるでしょう」

 

ズルズルズルズルズルズルズル

 

「何だよ勝算ゼロかよテキトーにいくか」

 

引き摺られ続ける黒ウサギ。

 

「ぜ・・・・・・前言撤回・・・・・・

やっぱりとんでもない問題児様たちですっ!!」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。