”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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Let`s BBQ!

「作戦会議を行いましょう!

闇雲に動いても無駄に体力を消耗するだけですから

突破口となりうる案を出し合うべきです!!」

 

「気を付けて進む!」

 

「前向きに進む!!」

 

「明日を見据えて進む!!!」

 

「い○り進!!!!」

 

   「皆さん早く進みましょうよーー!!!!!」

 

          「「「「「ガンガン進もうぜ!!」」」」」

 

「作戦会議終わったーー!!」

 

もう黒ウサギはほったらかしで歩んでゆく五人。

黒ウサギの提案は虚しく却下、いやなかったことにされた。

 

「待ってくださいよーッ!!」

 

「ちんたらしてっと置いてくぞ」

 

「初めて会った日の脚力はどこへ行ったのかしら」

 

「飛鳥そんなこと言っちゃダメ。

ウサギはカメにも勝てない生き物だから」

 

「違いますよ!そのウサギと月のウサギは別物です!」

 

「でもカメは話の中じゃアキレスにも負けないからね。

実際に黒ウサギよりも早いカメがいるかも」

 

「そんなことはないのです。

黒ウサギは居眠りも油      パカーン!

          断も   

            致

            し

            ま

            せ

            キ

            ャ

            あ

            あ

            あ

            あ

            ぁ

            ぁ

            ぁ

            ぁ

             」

 

黒ウサギの歩いていた床が突然開き、

落下していった。

 

「「「「「ガンガン進もうぜ」」」」」

 

「助けてくださーい!!」

 

仕方なく引き換えし、黒ウサギのために祭はロープを出してやる。

落とし穴から這い出てきた黒ウサギは完全に拗ねてしまっていた。

 

「さすがに臍曲げちゃったみたいだね・・・」

 

「ほっときゃそのうち治るだろ。

それより春日部、ちょっと上空から迷路の全景を見てきてくれねえか」

 

「うん、分かった」

 

耀がグリフォンのギフトを使い、フワリと跳びあがる。

 

「ダメ・・・霧で遠くは見えない」

 

「そうか、なら仕方ねえな」

 

「そう言えば本で読んだことがあるのだけれど、

壁に右手をついて歩いていけばいつか出口に」

 

「それは平面的な迷路だけだ。

ココみたいな立体迷路じゃ応用できないぜお嬢様」

 

「どっちにしろ時間かかりそうだね~」

 

「十六夜も残念だが平面迷路でもその方法は穴だらけだぞ。

スタートから始めなければ意味がない。」

 

十六夜と飛鳥が揃って不機嫌そうな顔になる。

 

「もういいわ、結局脱出できればいいのでしょう!

来なさい!ディーン!!」

 

飛鳥の掲げたギフトカードから紅い巨人ディーンが召喚される。

その肩に乗る飛鳥はディーンに指示を出す。

 

「壁をなぎ倒し一直線に進むのよ!」

 

命令通り拳を振りおろし壁を破壊する寸前、

 

「だ、ダメーーーー!!」

 

黒ウサギが立ちふさがる。

ディーンの拳が黒ウサギに届くギリギリで十六夜が受け止めた。

 

「なにやってんだ駄ウサギ!」

 

「そうよ危ないでしょう!?」

 

「す、すみません!!反則だったものでっ!!」

 

「反則~?」

 

「はい。このゲームのクリア条件はステージの謎を解き迷宮の突破。

つまり、壁を壊して『迷宮』としての形を崩してしまえばルール違反!

黒ウサギが審判をしている限り違反は見過ごせません!」

 

「黒ウサギに審判をさせたのはそのためだったのね」

 

「申し訳ありません」

 

「黒ウサギが謝ることないよ~」

 

「無理に判定を覆すと爆死しちゃうんでしょ」

 

「空中も破壊も駄目なんてな、

こりゃ地道に行くしかねえわけか」

 

「いや問題ないだろ。

黒ウサギがいるんだから」

 

「はい??」

 

祭の発言に黒ウサギが首をかしげる。

 

「あいつも馬鹿だってこと。

黒ウサギが審判をしてる以上、黒ウサギはゲーム盤全ての情報を得られる」

 

「そう言えばそうだったな」

 

「じゃあ!!」

 

「黒ウサギの案内だけで簡単にゴールできるってわけ」

 

「おい祭」

 

十六夜が口を挟もうとするも、

 

「まあまあお二人とも、この黒ウサギにお任せ下さい。

では皆さん付いて来てください」

 

黒ウサギが元気よく手を挙げ先導する。

 

「こういうことだ十六夜」

 

「はぁ~、マジかよ」

 

「これでゲームクリアだろ?」

 

「あっけない終わりだが・・・」

 

十六夜がこぶしを握りこむ。

 

「気絶しないくらいで頼む」

 

「あいよ」

 

黒ウサギの後を歩いていた飛鳥たちを追い越し、

十六夜が黒ウサギに拳を叩き込んだ。

 

吹き飛ばされた黒ウサギが迷路の壁に激突しひびが入った。

 

「どういうつもりなのよ十六夜君!?」

 

「どうして黒ウサギを・・・」

 

「落ち着け二人とも、コイツは黒ウサギじゃねえ」

 

「ただの肉屋にこれほど大きな迷宮のゲーム盤なんか用意できませんよ」

 

ガラスが砕けるように景色が崩れ去り、

ゲームを始める前にいた街並みが顔を見せた。

 

「な・・・・・・どうし・・てだ」

 

黒ウサギが倒れていた位置にいたのはゲームを仕掛けてきた男。

 

「嘘でしょう!!?」

 

飛鳥が青ざめ、耀も苦い顔で後ずさりしている。

 

「まさかさっきまで一緒にいたのって「オッサン(女装)」イヤーーーーッ」

 

「何故わかったか教えてやろうか?カラッチ・トーロ。

さっきも言ったがお前が馬鹿だからだ。

黒ウサギに審判をさせたのが間違いなんだよ」

 

「てゆーかケンカ売る相手から間違えてんでしょ~」

 

「確かにそうなんだが。

審判をしている黒ウサギが迷路の道案内?

百歩譲ってアドバイスや提案くらいならまだよかったが、

やり過ぎたんだよお前は」

 

十六夜はひどくつまらなそうにし、不機嫌オーラをまき散らしている。

 

「何時から気づいてたの?」

 

「黒ウサギが落とし穴に落ちてすぐ。

黒ウサギの身体能力ならあんな落とし穴自分で出られるから」

 

「十六夜はなんでそんな不機嫌なのさ~?」

 

「俺が違和感持ってる時に祭は偽物だって確信してやがったんだ」

 

「違和感?」

 

「そう言えばなんとなく違和感があったかしら」

 

「黒ウサギの髪色だ。終始桜色だったろ?

まあ一番はあんまりアホ面じゃなかったことだな」

 

「「「ああ・・・」」」

 

ぽけ~~~ぇぇ、っとした黒ウサギがデフォルトイメージの問題児達。

 

「さておじさん、出口のない迷路に閉じ込めて疲れさせて勝つとか、

そんな低レベルの戦略だったんだろうけど無駄でしたね」

 

「クソが、さっさとクリア報酬もって消えやがれ」

 

「なあ十六夜、こんなつまらないゲーム今までなかったよな?」

 

「ん?ああ、そうだな」

 

「飛鳥さん、耀さん、こんなゲーム二度とやりたくないですよね?」

 

「そうね」

 

「いろんな意味で」

 

「頼華はこのゲームどう評価する?」

 

「クソゲーヌルゲー」

 

祭の何を言いたいのか分からないカラッチ・トーロは唖然としている。

 

「そうだよなあ。流石の僕もストレスがたまって、

うっかり愚痴を(・・・・・・・)こぼしてしまうだろうなあ」

 

問題児達は何が言いたいのかを即座に理解した。

 

「そうだなあ、どんなにつまらないゲームだったかを喚き散らしても(・・・・・・・)腹の虫が治まるか」

 

「そうよね、本当は壁を壊すだけでもクリアできたのでしょう?

そんなに簡単なゲームだった(・・・・・・・・・・・・・)なんてね」

 

「しかも主催者が女装して女言葉を使う(・・・・・・・・・・・・・・)オマケつき」

 

「まさかとは思うけど、ずっと同じゲームを仕掛けてる(・・・・・・・・・・・・・・)なんてことないよね~?」

 

悪~い顔をした五人に見下ろされ何も言えなくなる。

 

「「「「「「さ・あ・ど・う・す・る・?」」」」」

 

 

 

 

黒ウサギを捜し街を歩く。

 

「あっ、いた黒ウサギ!」

 

「こんなところでのびてたのね」

 

「すぐに見つかってよかった」

 

「おーい黒ウサギ久しぶりだなー」

 

「あっ皆さん!!こちらの親切な方が・・・」

 

黒ウサギが手を振りはしゃいで振り返るが誰もいない。

 

「親切なユウレイとか~?」

 

「まさか、穴に落ちて頭にクリティカルヒットしたんだろ」

 

ちょっとだけ寂しそうな黒ウサギ。

 

「そんなことよりゲームはどうなったのです!?」

 

「ばっちり勝ったわよ」

 

「ということは黒ウサギは・・・

黒ウサギはお肉にならずに済んだのですよね!?」

 

パアァと笑顔になり涙まで流して喜ぶ黒ウサギ。

 

「もちろん」

 

「しかもチップにスゲーものを貰ったぜ!!」

 

「もしや新たなギフトなどですか!?」

 

「これ!!」

 

 

 

 

「パパパパッパ・パーン!!

お手軽バーベキューセット~♪」

 

 

 

 

「             」

 

 

何も言えない黒ウサギ。

 

「追加で高級お肉各部位の盛り合わせも沢山戴いたから」

 

「コミュニティの子供たちもきっと大喜びね!」

 

「たまには肉も食わねーとなー」

 

「おなかすいたー」

 

「ジュースも買ってかな~い?」

 

「「「「もちろん!」」」」

 

一人硬直していた黒ウサギがやっと動き出し、

 

「こちらは黒ウサギの命運を賭けたゲームだったというのに・・・

もっと他になかったのですかー!!!

このお馬鹿さんたちはーっ!!!」

 

 

 

 

「オラ焼けたぞチビどもー!」

 

「順番ぬかしはお仕置きするわよー」

 

ヴェーザーとラッテンが次々と串に刺した肉を焼き、

子供たちに配ってゆく。

 

因みにラッテンの言うお仕置きとは二二八工房に新設された

『祭お兄さんの楽しい楽しいお説教部屋(はあと)』への強制連行のこと。

 

この部屋ができてから子供たちは聞き分けのいい素直な子が増えたらしい。

 

子供たちの命を生け贄に生まれた二人だが、

元々やっかいな問題児(ペスト)がマスターだったため、その世話をするスキルが異様に高い。

また子供自体は大事な霊格の元になってくれているため蔑ろにすることもないのだとか。

 

「二人も”ノーネーム”に馴染んできたね~」

 

「馴染むどころじゃねえ!散々こき使いやがって!」

 

「まったくよ!毎日毎日家事ばっかりで、

ここに来てから外でゲームができたことが無いわ」

 

不満をたれながらも、子供たちにお肉を焼き続ける二人。

 

「そうは言うが、お前たちが魔王のコミュニティ出身だということは知れ渡っている。

この辺りじゃまともに参加させて貰えんのだから本拠で働く以外ないだろう」

 

メイド姿のレティシアが二人を窘め、そして

 

「肉は血が滴るくらいのレアが好みだ」

 

自分の要求を伝える。

先任メイドとして彼女がラッテン、ヴェーザーの監督を任される立場となったのだ。

 

「それは失礼しましたセンパイ」

 

「だがチビどもにレア食わせて腹壊されたら困るだろ」

 

「この勝負ヴェーザーの勝ち~」

 

「ライカ・・・」

 

愛する恋人の判定にレティシアはシュンとしてしまう。

 

「というわけでレティシアの分はオレが焼くね~」

 

機嫌を持ち直したレティシアは頼華の腕にしがみつく。

 

「相変わらずアツアツだね」

 

「アツアツって古くない~?」

 

「私のいた時代では流行語だったよ?」

 

「面白そうな話してんじゃねえか」

 

「耀さんの時代の流行語ですか」

 

「それ以前に突っ込みどころがあるだろうが!!」

 

「なんでその子のお皿串が山積みなのよ!?」

 

耀の持つ紙皿の上には鉄串が正に山のように、

ちょっと芸術的にうずたかく積まれている。

 

「おかわり貰いに来たから」

 

「「まだ食うの!!?」かよ!!」

 

 

 

 

耀の持って来た串に新たに肉を刺し焼きあがるのを待つ間、

話題は耀が話した流行語に。

 

「何周かしてまた流行の最先端に返り咲いたわけか」

 

「たぶん、古典ブームだったから」

 

「オレらの時代も古典扱いなんだ~」

 

「私の時代は流行語なんてなかったわね」

 

「飛鳥さんの居た時代は第二次大戦後でしたし仕方ないでしょう」

 

「ところで春日部他にはどんな言葉が流行ってたんだ?」

 

「『えっ○ぃのは嫌いです』とか『おふざ○は許さない!』とかいろいろ」

 

「なんか」

 

「ええ」

 

「黒ウサギはその言葉を推奨するのです!!」

 

「ならば俺は『前屈みのむっつりスケベより、胸を張ったオープンエロであれ!』という格言を」

 

「そんな格言ございません!!」

 

「あります」

 

「断固ありませんっ!!」

 

「悪いが黒ウサギ、僕の時代に」

 

「あったんですか!?」

 

「それを教義に掲げた宗教がね」

 

「ほれみろ!」

 

「そんな嘘です!嘘ですよね祭さん!?」

 

「事実です」

 

「ハイ黒ウサギは罰ゲームね~」

 

「どうしてこうなるんですか・・・」

 

「そう落ち込まないで、サーカスでも見て元気出して!」

 

「そうですねサーカスでも見て・・・・・・?」

 

町で肉屋に追いかけられていた少女がいた。

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