”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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ゲーム開始~招待状~

「「えぇ!?フェルナのコミュニティでも行方不明者がいる!?」」

 

「ごめんなさい、本当はちゃんと言わなきゃいけなかったんだけど・・・」

 

白夜叉と話していると突然フェルナがそう打ち明けてきたのだ。

 

「私たちのコミュニティでも同じようにサーカスを見た後に仲間がいなくなって、

黒ウサギさんと同じように『もう帰らせた』って言って取り合ってもらえなかったの」

 

「ならなぜ僕たちのところへ?

それこそ白夜叉さんに言うことだってできたんじゃ」

 

「それは・・・

私にとって大事な人だったから

一人でもなんとかするってコミュニティを抜け出して・・・」

 

「コミュニティの旗を持たない個人じゃ”サウザンドアイズ”の暖簾はくぐれないよな」

 

「許せフェルナとやら、こればかりはうちのボスが決めたことでな。

知った顔であれば融通もきかれられるのだが」

 

「それでこの人たちならもしかしたらって・・・

本当にごめんなさい!私のせいで黒ウサギさんまで!!」

 

涙を流して謝るフェルナ。

その涙を飛鳥はハンカチを取り出して拭ってやる。

 

「貴女なかなか見る目があるわね」

 

「大丈夫だよ。あなたの仲間も黒ウサギも」

 

「白夜叉、このサーカスに魔王がいる可能性は」

 

「”魔王”とは”主催者権限”を悪用するものを指す。

十中八九居るじゃろうな」

 

「なんであれもう一度テントへ向かいましょうか」

 

 

 

 

「ほーーこれは随分と大仰な装いじゃのう」

 

「灯りがついてるね~」

 

「公演は一日一回のはずよね?

中で何をしてるのかしら」

 

「宴会でもしてんじゃねえか」

 

「まさか、中に入ればわかるでしょうがきっとよくない事でしょう」

 

「きゃっ!?」

 

「春日部さん!?」

 

耀の声を聞きテントの入り口まで駆けつける。

 

「どうした!」

 

「これ!入り口の前に立ったらいきなり現れて・・・」

 

 

『ギフトゲーム名 ”Funny Circus Clowns”

 

 

プレイヤー一覧

 

現時点テント前に現れたもの

 

 

クリア条件

 

円形闘技場にて五回試合での三勝以上。

なお、プレイヤー達は招待状を見つけなければ闘技場への入場を許可されない

 

 

敗北条件

 

上記の条件を陽が昇る前に満たせなかった場合

 

 

 

宣誓

上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します

 

 

“トリックスター”印』

 

 

 

”契約書類”の内容を確認した彼らはすぐに行動を開始した。

 

 

 

 

「みんないきなり走り出したけど招待状ってどこ~!」

 

頼華の唯一ともいえる欠点。

行き当たりばったり。

 

結果として正解や当たりを引くことが多いのだが、

元々深く考えずに行動するため目的や意味のある行動は少ない。

 

「謎解き担当がいなきゃ無~理~」

 

つまり、初手で手詰まりになっていた。

 

 

 

 

「こんなことになるならディーンを連れてくればよかったわ」

 

「まさかサーカスを見に来て魔王戦になるとまでは考えないですよ」

 

現在ディーンは”ノーネーム”の農地で復興作業を

子供たちを起こさないように静かに静かに頑張っている。

 

「祭君”契約書類”を読んで分かったことってあるかしら?」

 

「いえ前回のように謎を解くといった内容ではありませんから、

単純な力比べの類ですね」

 

「そう」

 

シンプルであるが故に祭は手が出せない。

一つには情報不足もある。

ペルセウス戦のように内容を知っていれば対策を立てる。

ペストのように対抗策があればそれを用意する。

 

今回初めて、実力を試される。

 

「だからといって闇雲に探す気はありませんよ」

 

「あら、策でもあるの?」

 

「策とまでいきませんが、そろそろ」

 

「そろそろ?」

 

ドガガアーーン!

 

轟音と共に少し離れた丘の上で土煙が上がる。

 

「もしかしてだけど」

 

「十六夜の方が先だったみたいですね。

耀さんか十六夜の機動力なら時間をかけずに何か見つけるだろうと思っていたので」

 

「本当に策でもなんでもなかったわね」

 

少しだけつまらなそうに飛鳥は走り出した。

 

「何か気に入りませんでしたか?」

 

「なんでもないわ」

 

ここで祭に、

自分の恋人が活躍する様を見れなかったことが原因である。

ということを察せというのは酷だろう。

 

 

 

 

「おい糞ピエロ。春日部に何しやがった」

 

祭りの予想と少し違い、最初に異変を発見したのは耀だった。

現在耀は気を失って十六夜に殴りつけられたピエロの元にいた。

 

「少し落ち着かんか」

 

行動を共にしていた白夜叉に窘められ十六夜は耀を抱きかかえピエロから距離を取る。

 

「何ヲしたか?驚かセてあげたんだよ。

それがピエロのオ仕事だカラねー」

 

「ならお前はお役御免だ。

随分と笑えねえ仕事してくれたんだからなあ!」

 

十六夜が乱打を叩き込むが、ピエロの体が液状化して効果がない。

 

「早速戦闘中~?」

 

「おお小僧か」

 

「耀は大丈夫なの~?」

 

「気絶しとるだけで見たところ外傷はない。問題は」

 

「手を貸すぞ十六夜!」

 

遅れて駆け付けた祭が電撃を放ち、

 

「ギャああああああぁぁぁ」

 

発生した火花から大炎上。

 

「あれ?」

 

「良いとこどりとはのう」

 

「祭空気呼んで~」

 

「いやこれはどうしようもないだろ!」

 

「流石に同情の余地なしだぜ」

 

あっけなく勝ってしまいなぜか責められ、

慌てふためく祭というのも珍しい。

 

「仕方ないんじゃないかな相手は油絵具だったんだから」

 

「春日部さん!大丈夫なの?」

 

「うん死んだふり、擬死だから」

 

「じゃあ罰ゲームはどうする~?」

 

「ちょっと待った!」

 

「一日執事とかでいいんじゃねえか?」

 

「待て十六夜!「「「それだっ!!」」」それだじゃない!!」

 

主導権を失った祭は立て直しを図るために助けを

 

「祭君の執事・・・別に祭君が嫌なら強制はしないわ!本当よ!!」

 

求めようにもキラキラした目で見つめられ何も言えない。

飛鳥の期待を裏切れる祭でもなく観念した。

 

「とにかく黒ウサギを助け出して本拠に戻ってからです」

 

「「「「黒ウサギ忘れてた」」」」

 

「さすがに不憫過ぎんか?」

 

白夜叉が黒ウサギを憐れむという異常事態があり、

ピエロが焼けた後に生まれていた魔法陣に向かう。

 

どうやらこれが招待状らしく六人はテントの内側へと転移した。

 

「意外と早く来やがったぜ」

「白夜叉以外ガキばっかりじゃねえか」

「少しは楽しませてくれるんだろうなー」

 

沢山のヤジが飛び交う中現れたソイツは

 

「おや皆さん!黒ウサギの玉乗り芸を見に来て下さったのですねー!!」

 

のんきに玉乗りをしていた。

 

頼華が即座にステージに作られた円形闘技場から退避。

 

「おい黒ウサギ」

 

「なんですか十六夜さん?」

 

「祭が話があるってよ」

 

黒ウサギが祭へ目を向けると

 

 

満面の笑み(アルカイックスマイル)

 

 

「あわわわわわわわわわ」

 

「黒ウサギはどうして玉乗りなんかをしているのかな?」

 

「公演の後アルバイトをしないかと誘われまして」

 

「へえ」

 

「そうどすえ。

黒ウサギはんは今日に限り”トリックスター”の一員として働いてもらうことになっとります」

 

「そうか。それであなたは昼間もショーに出てましたが」

 

「申し遅れました。うちがこのサーカス一座のダンチョーどす。

あんじょうよろしゅう」

 

「じゃあ初戦で黒ウサギと戦っても問題ありませんね?」

 

「戦うだなんてそんな!それに初戦ってなんですか!?」

 

「はい黒ウサギ」

 

耀から黒ウサギは”契約書類”を受け取る。

 

 

 

。。

 

。。。

 

「一体なんですかこれはーーー!!??」

 

「お前がいなくなって探してたら巻き込まれたんだよ」

 

「さあ祭君の邪魔になるわ下がりましょう」

 

先に退避していた頼華のところへ向かう。

 

「お待ちください黒ウサギを置いていかないでくださいまし!!」

 

「さあ第一戦目のカードが決まりました。

”トリックスター”側から黒ウサギはん、

対する”ノーネーム”からは祭っちゅう坊や!

さあ試合開始や!!」

 

「いや黒ウサギはそん「勝敗条件は?」祭さん!」

 

「リングアウトか戦闘不能にすれば勝ちのシンプルルール。

そのためやったら何しても構へんえ」

 

「どうも」

 

「はいはいはーーい!!

黒ウサギは棄権するのです!!」

 

黒ウサギの必死の懇願は届かない。

 

「黒ウサギ?”審判権限”を持つ君が分からないはずないよね?」

 

「yes・・・・・・」

 

 

「おいアイツ何もんだよ」

「知るかよ!でも”箱庭の貴族”があんなに脅えるなんて」

「いきなり面白くなってきやがったぜ!」

 

ヤジが歓声に変わり試合が始まる。

 

「黒ウサギ、せっかくサーカスでアルバイトしてるんだ。

いろんな芸を見せてお客さんを楽しませようじゃないか!!」

 

「ですから先ほどまで玉乗りを」

 

「それだけじゃ飽きられちゃうからね」

 

祭の両手から高熱による陽炎が生まれる。

 

「次はプロミネンス(火の輪くぐり)なんてどうかな?

”月のウサギ”が火の輪くぐり、なかなかシャレてるだろう?」

 

 

 

 

 

(・・・・・・・・・ああ。

・・・・・・・・・・・・・・・・バーベーキューですね。

・・・・・・それと祭さん、どちらにせよ黒ウサギは笑えないです)

 

 

あきらめの境地にたどり着いた黒ウサギは、

ボロ泣きしながらギフトカードから”疑似神格・金剛杵”を出して構える。

 

 

 




祭の八つ当たりに巻き込まれた黒ウサギの運命やいかに
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