”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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うっかり黒ウサギを対戦相手に指名し、手間取りました。
でもまあなんとか


バトル1

まだ接触すらしていない状態で既に黒ウサギは及び腰になっている。

 

「それじゃあ黒ウサギ、始めようか?」

 

「お手柔らかにお願いします・・・」

 

「仕方ない。優し目で行くかな」

 

祭は渋々ながらプロミネンスを出すことを止め、

轟炎を放った。

 

「わっきゃあああああああぁぁぁぁ!!」

 

ガンヘッドスライディングで迫る轟炎を回避した黒ウサギは

 

「全然優しくないじゃないですかっ!」

 

「いやいや観客の皆さんを焼いちゃまずいだろ?」

 

「優しさを向けてほしいのは黒ウサギの方でございます!!」

 

これに反応したのは十六夜(外野)

 

「まずいぜお嬢様!黒ウサギが略奪愛を企んでる!」

 

「酷いわ黒ウサギ!貴女がそんなウサギだなんて思わなかった!」

 

「黙らっしゃい!!」

 

黒ウサギのツッコミに呼応するかのように”疑似神格・金剛杵”から稲妻が迸る。

それは場外にいた飛鳥たちを目がけて放たれたもので、

祭が前に回り込み全て取り込むことで同志達を守った。

 

「黒ウサギ?」

 

「違うのです違うのです!これは違うのですよ!?

体が勝手にといいますか黒ウサギは稲妻を放つ気なんてこれっぽっちもございませんでした!

信じてくださいお願いします許してください本当なんですまるで糸で操られてるみたいに勝手に出してしまっていたんですなんでもお詫びいたしますからどうか!」

 

「はい白夜叉、言質はとったよ」

 

「へ?」

 

「ウおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっしゃあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「へ?へ!?へ!!」

 

「今ならスーパー○イヤジンにもなれそうだね~」

 

置いてけぼりの黒ウサギと今なお雄たけびをあげ興奮爆発といった感じの白夜叉。

 

「黒ウサギは向こうを気にする余裕があるのかい?」

 

白夜叉の雄たけびに気を取られていた黒ウサギの背後に回り込んだ祭。

掌底を繰り出しそれが黒ウサギに接する瞬間、大量の空気を放出。

逃げ場のない空気が黒ウサギを容赦なく吹き飛ばした。

 

「きゃあ!?」

 

悲鳴を上げるも黒ウサギは身を翻し受け身を取ることでリングアウトを免れる。

僅かな攻防ながらも派手な見た目と予想以上のやり取りに観客は歓声を上げ喜びをあらわにした。

 

「ね~黒ウサギ?負けたかったならリングアウトすれば良かったんじゃないの~?」

 

「しまったーーー!!!」

 

千載一遇の逃げ道(チャンス)を逃した黒ウサギは頭を抱えて後悔している。

 

「やってしまったのです黒ウサギが有能なばっかりに

容姿端麗、鉄心石腸、完全無欠なばっかりにぃぃ!」

 

「黒ウサギってすぐに調子に乗るよね・・・」

 

耀の発言が黒ウサギに刺さる。

 

「早速完全無欠じゃなくなったな」

 

「なんでもいいさ黒ウサギ。

さっき糸に操られてみたいなこと言ってたけど、嘘だろ」

 

「本当です今だって黒ウサギは戦う気なんてないのです!」

 

黒ウサギの言葉と行動が全く合致しない。

金剛杵を振り回し、避けきれない攻撃が祭を襲い続ける。

 

「いくら僕が死なないといっても痛いんだよ?」

 

「ごめんなさぁぁい」

 

祭は防御の構えを取り、攻撃をいなし、回避に徹する。

 

「なんだかんだ言っても”箱庭の貴族”は伊達じゃねえか」

 

「ヤホホホ。それはそうですよ皆さん」

 

「ジャック!アーシャも!どうしてここにいるのよ!?」

 

「得意先の付き合いで来ただけ!ホントはこんな胸糞悪いとこ来たくなかったっての」

 

「またそういう言葉づかいを。

我々は賭け事に興味はありませんからね」

 

「まさかお前らが出てくるなんて思わなかったよ」

 

「賭けもやってるんだ」

 

「じゃあ”ノーネーム”に賭ければジャックたちは稼げるよ~」

 

頼華がとんでもない提案をした。

まるで負けることを想定していないかのような自信たっぷりの発言。

 

「そうだよジャックさんこいつ等なら!」

 

「ダメですよアーシャ。

確かに彼等ならこのゲームでも勝ちをもぎ取れる可能性は高いでしょう。

それでもコミュニティの子供たちを育てるためのお金を賭けるのはいけません」

 

ジャックは諭すように、そして厳しくアーシャを窘める。

 

「大丈夫よジャック。祭君も私たちも決して負けたりしないわ!」

 

「そう言うことではないのです飛鳥嬢。

カボチャなりに信念があるのですよ。

確かに貴女方に賭ければ大金を稼げるかもしれません。

ですが賭け事で手に入れたお金で子供たちを養いたくはないのです。

真っ当に稼いだお金で、後ろめたさのないお金で子供たちには育ってほしいのです」

 

「ジャックさん・・・・・・」

 

「私の我が儘なのですがね」

 

少し恥ずかしそうにカボチャ頭をかくジャック。

 

「そういうことなら仕方ないね~」

 

「せっかくですアーシャ、皆さんの戦いを見て今後の参考になさい」

 

「うん分かったよジャックさん!」

 

ジャックの信念に思うところがあったアーシャは真剣な面持ちで戦いの行方を見る。

 

「思ったよりも苦戦してる?」

 

「そうね、やっぱり祭君黒ウサギに怪我させないように力を押さえてる感じだわ」

 

「それだけじゃねえぜ」

 

「祭殿は何かを探っているようですね」

 

「どういうことジャックさん?」

 

「前回のゲームでの活躍などを聞き思ったのですが、

彼の基本的な戦略は『用意周到』。

最も基本的でそして箱庭ではなかなか難しい戦略です」

 

戦いを見ながらジャックなりの分析が披露される。

 

「前回は休戦期間があったおかげでいろいろとできましたが、

基本的にギフトゲームは瞬発的な対応力が必要です。

魔王のゲームがその最たるものですね」

 

「ああ、それに他のゲームでも祭はいろいろと手を回すような奴だぜ」

 

「確かに、アーシャ達と戦ったときもいろいろアドバイスしてくれた」

 

「マジかよ!!」

 

「ジャックの対策教えてもらってなかったら負けてたね~アレ」

 

「ヤホホホ、これは何時かお返しをしなければなりませんね」

 

「加えてア奴は相当過保護だの」

 

興奮状態が落ち着いた白夜叉が口をはさんだ。

 

「どういうことなの白夜叉?」

 

「情報のない初戦で死ぬことのない自分がまず戦い、

言葉巧みに手の内を知る黒ウサギを相手にすることでリスクを抑える。

この辺りもジャックの申す通り『用意周到』じゃの」

 

「それに祭は黒ウサギが何故操られているかを探ってるんだろ?」

 

「あるいはその限界などじゃな」

 

十六夜や白夜叉の言ったことに注意して見れば、

黒ウサギの発言は黒ウサギの自由になっているが、

体を動かしているのは別の力だと推測できる。

 

「恐らく今後戦うお前さんたちが操られる可能性やその対策を探しておる。

反撃を抑えているのは相手のギフトを暴くため。

少しでも長く戦うことでその糸口をつかもうとしておるのだ」

 

「祭君・・・・・・」

 

基本的には祭は一般人程度の身体能力しか持たず、

黒ウサギの動きに対応することはできない。

”疑似神格・金剛杵”から放たれる稲妻が取り込まれるため、

黒ウサギからの攻撃は打撃が中心となり祭は防戦一方だった。

 

「祭さん!もうこれ以上は祭さんの御体が持ちません!」

 

「その割に攻撃が止まないが?」

 

「だから黒ウサギの意志じゃないんです!」

 

黒ウサギが流す涙は始めの物とは別物になっていた。

 

「だったら黒ウサギ、お前が僕を負けさせればいい!

今のお前はどこかで手加減したまま操られているんじゃないのか?」

 

「そんな!?」

 

祭の指摘通り、黒ウサギが全力で戦えば祭を場外にたたき出すことくらい訳はない。

 

「嫌でも全力を出すしかない状況にしようか!」

 

攻撃を受け流し距離を取った祭は、

右手に轟炎、左手に稲妻を放つ用意をし黒ウサギに向ける。

 

「手加減して防げると思うな!」

 

「っ!YES!!黒ウサギも全力でいくのです!」

 

対する黒ウサギも”疑似神格・金剛杵”を掲げ特大の雷を放つ。

 

両者が放ったエネルギーが衝突し、爆発。

衝撃波がテント内を襲った。

 

生まれた閃光が治まりリングに視線が集まる。

そこに二人の姿はなく、両者対角線の場外に吹き飛ばされたようだ。

 

「この勝負引き分けどす!」

 

 

 

 

「みなざま本当に申し訳ありまぜんでじだっ」

 

「わたし達より祭に謝ったら?」

 

祭は壁にもたれかかり打撲の応急処置をしている。

 

「祭さん本当に申し訳ありません」

 

「気にする必要ないよ」

 

「それでは黒ウサギの気が・・・・・・」

 

「大丈夫、相応の罰があるわ」

 

「?」

 

「ギリギリまで黙ってた方が面白くな~い?」

 

「それもそうね」

 

「あの罰とはいったい?」

 

黒ウサギはすっかりと忘れていた。

雄たけびを上げた白夜叉を。

 

「まあ黒ウサギのおかげでいくつか分かったこともある」

 

「まず黒ウサギは操られちゃいねえってこと」

 

「へ?でも」

 

「最後に自分の意志で戦ってたじゃない」

 

「そう言えば」

 

「そこから考えられるのは催眠術や暗示の類。

黒ウサギ殿の深層心理を利用したギフトでしょうね」

 

「これは”ウィル・オ・ウィスプ”の!

お久しぶりです」

 

「お久しぶりです」

 

「流石はジャックさん!」

 

「ただの経験則から来るものです。

アーシャも多くのギフトゲームに触れればこのくらい朝飯前ですよ」

 

「もしかするとこのテント内でのみ発動する強制力を持ったものか、

先にサーカスの公演中にかどわかした対象に強く作用するもの。

何らかの制約があるのでしょう」

 

「でも私たちまで操られる心配はしなくてよさそうだね」

 

耀の締めに一同が頷く。

もし全員が操れるのならばゲームをする必要などそもそもない。

 

不意に一本の剣がつきたてられた。

 

「何時まで話してる」

 

「次の相手を決めろってか?」

 

「よかろう!この最強の”階層支配者”である白夜叉様が相手をしようではないか!!」

 

「「「「却下」」」」

 

祭以外の問題児四人に拒否され、白夜叉強制連行。

 

「じゃんけんで決めましょう?皆でたいのよね」

 

「うん」

 

「当然」

 

「最初はグーね~?」

 

「「「「最初はグー、ジャーンケーン」」」」




ジャックさんがイケメン紳士!
そして黒ウサギ着せ替え人形化決定のお知らせ!!
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