”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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エクストラ

「さて皆さん!いよいよゲームも大詰めです!

相手は取り込まれたコミュニティの方々!

迂闊に手を出せない以上作戦会議を行うべきで・・・

 

って、やっぱりガンガン行ってるー!!!」

 

「こんな大混戦じゃ策なんて通用しないわよ!」

 

「口より体を動かしたい!」

 

「ジャックもアーシャも暴れとけ~!」

 

「上手くすれば白夜叉さんが報酬をくれるかもしれませんよ」

 

「よかろう!存分に暴、戦うがよい!!」

 

「そう言うことでしたら、アーシャ!」

 

「OKジャックさん!おい耀、どっちが多く倒すか勝負だ!!」

 

「負けない!!」

 

大混乱の大乱戦。

とばっちりを受けた観客たちもおり、

逃げ出すもの、やり返すもの、のんきに見ているもの様々だ。

 

「うう、そうして皆さんはそうやっていつも・・・

黒ウサギの言うことを聞いてくれないのですかー!

ええい、憂さ晴らしキック!!ストレス発散パンチ!!」

 

「黒ウサギ、意外と役に立ってるわね」

 

「常人よりは強いですから」

 

「強さ余って残念百倍?」

 

「「「それだ!!」」」

 

「うわあああああぁぁぁぁんん!!」

 

素敵耳がとらえた言葉に自棄になって、遂に暴れ出した。

 

「おーおー!いい感じに盛り上がってんなぁ!」

 

「君も余裕かましてる場合じゃ無いと思うよー?

こっちは総動員なンだカラね!」

 

ピエールは残念イケメンの姿から絵の具の流動体の姿に変わり十六夜に襲い掛かる。

 

「十六夜!」

 

祭が電撃を放ち、ピエールはそれを回避して見せる。

 

「おいおい、一気に燃やしちまえよ」

 

「悪いが炎は弾切れだ。また何か補充しないと」

 

「プロミネンスは論外か」

 

「ああ」

 

「まったク怖いジャないか。

でも燃えてもイいようにスレばいいのか!!」

 

地面から絵の具が湧き出て残念イケメンを多数形作る。

 

「パンクロリみてえな真似を!」

 

「地面からか、思ってる以上に面倒だ」

 

「「「「「なにより狭い!!」」」」」

 

いくら大乱闘でもテント内という限られた空間でやることではない。

 

「空に向けてなら・・・」

 

「祭~足場~」

 

頼華が色を付けた『進入禁止』を階段状に作りだし、

祭が駆けあがった。

 

「まずはテントを吹き飛ばす!」

 

一番上に登った祭が天に目がけプロミネンスを放った。

 

「馬鹿者!箱庭の天幕まで吹き飛ばすつもりかっ!!」

 

慌てて白夜叉が制御し、テントと周り少しだけに被害を抑えた。

 

「意外と簡単に壊せるんですね」

 

「そのものの強度ではなく攻撃範囲の問題だろ」

 

プロミネンスは数千から数万kmにも及ぶガスの柱。

 

「でもおかげで動きやすくはなったわ」

 

耀やジャックたち、空を飛べるメンバーが生き生きとしている。

 

「あれ?あの子」

 

空を飛んでいた耀が何かに気付いて降りてくる。

 

「みんな さーかすに いかない?」

 

「フェルナ?」

 

「チケットを てにいれることが できたから」

 

虚ろになり歩いてくるフェルナ。

体に服に髪にひびが入り、朽ちていく様は見ていられなかった。

 

「ぜひ みんな にと おも って」

 

「もういいんだよ」

 

耀はフェルナを優しく抱きしめてやった。

 

「もう大丈夫だから、頑張ってたんだね」

 

「春日部!」

 

耀に迫る瓦礫を十六夜が殴り飛ばした。

 

「よそ見してる場合か!」

 

「でもこの子ほっとけない!!」

 

「ッチ、だったらお前がそいつを守れ!」

 

「うんっ!!」

 

「祭!白夜叉!ジャック!手伝え!!」

 

十六夜に呼ばれ三人が集まった。

 

「何を手伝えば?」

 

「この町をぶっ壊すぞ!!」

 

「町をですか!?住民の方たちは!」

 

「大丈夫だ、さっきの余波でメッキが剥がれておる。

元々ゴーストタウンだったんじゃろうな」

 

白夜叉の言うように町は寂れた姿で、

人の気配も感じられなかった。

 

「あのグロピエロをやるにはちっとばかし火力が必要でな」

 

「そう言うことでしたら」

 

「そんじゃま、行くぞ!!」

 

「ちょっとお待ちを!!

皆さん最大限の防御をっ!!」

 

黒ウサギがいい終わるとほぼ同じく、

弩轟音と衝撃、巻き起こる熱風の嵐。

 

「やり過ぎでしょ~~~」

 

「助かったわ頼華君」

 

「ウィラ姉よかマシだけどコレは酷いな」

 

飛鳥とアーシャは頼華の作り出した、『断熱』の空間に避難していた。

ついでにお菓子の残りをパクついていた。

 

「さっきの大乱闘いらなかったよね~」

 

「「まったくもって同感」」

 

フェルナを抱えた耀と黒ウサギは上空に飛び(跳び)あがって回避していた。

 

「と っても たのし」

 

「耀さんその子は・・・」

 

耀はただ黙ってフェルナの頭を撫でてやっていた。

 

そして嵐は収まった。

 

 

 

 

「団員たちのようにサーカスに取り込まれたほとんどが幻影だったとはな」

 

「怪我をしたものや、ゆく当てのなくなったものは、

一度”サウザンドアイズ”で治療と事情聴取を行うでな」

 

「それで春日部さん、その子はどうする気なの?」

 

「助けてあげたい・・・けど・・・・・・」

 

沈鬱な空気の中、ジャックが歩み寄る。

 

「春日部嬢、私たちにその子の事を任せていただけませんか?」

 

「え?」

 

「”ウィル・オ・ウィスプ”は幼子の魂を救うことを活動の主としています。

御旗に誓ってその少女を救ってみせます」

 

「心配すんな。他にもたくさんの子供を引き取ってるからな」

 

「・・・・・・うん。

フェルナを、お願いします」

 

ジャックの大きな手の中でフェルナが眠っている。

 

「帰りますよアーシャ」

 

「うん」

 

「うちの支店に行くとよい。

今の時間なら境界門を待つより早く戻れるだろう」

 

「感謝いたします」

 

アーシャがジャックの背に乗り、

二人は新たな家族と共に帰って行った。

 

 

そして廃墟へと戻った町に朝日が差し込む。

 

 

 

 

数日たって”ノーネーム”では再びバーベキューをしている。

 

「かつて滅ぼされた魔王の遺留品か」

 

「俺たちも元は似たようなもんだが、

よくまあ稼働し続けてたもんだな」

 

「そのコミュニティなら知ってるわ、

前のマスターと同じようなことを言ってたしね」

 

「でも切ない話ね、

あの子あちこちで今回と同じことを繰り返していたんでしょう」

 

「白夜叉さんに聞いた話では、

捕らえられていたのは北や南のコミュニティの人たちばかりだそうです」

 

「まったくとんでもねえ寂しがり屋がいたもんだぜ。

なあ黒ウサギ」

 

「そうですねー

何で黒ウサギだけはんぺんなんでしょう?」

 

「「「「心配かけたペナルティ」」」」

 

「今回は私達が散々迷惑を掛けられたもの」

 

「手ひどく殴りまわされました」

 

「この箱庭の貴族(迷)」

 

「無駄に正論でツッコミ返せない・・・」

 

「黒ウサギも今のうちにお肉食べときな~」

 

「頼華さん!!」

 

「スタミナ付けとかないとこれから大変だからね~」

 

「ありがたくいただくのですよ!」

 

((最後の晩餐・・・))

 

ヴェーザーとラッテンは黒ウサギの運命を聞いている。

 

「ほら黒ウサギ、よかったら畑で採れた人参も」

 

「ジン坊ちゃん・・・

ありがとうございます」

 

どこか物憂げな黒ウサギ。

 

「私たちのコミュニティも

もしかしたらあのように、か?」

 

「レティシア様・・・」

 

「気にするなとは言わないが、

せっかくのバーベキューの時間にその顔はいただけないぞ」

 

「これは失礼しました」

 

ブンブンと頭を振って笑顔に戻る。

 

「こうして楽しいバーベキューができるのも、

皆様をお呼びしたからこそ。

この調子でコミュニティをもっともっと大きくしていくのです!」

 

「何ぬかしてんだ黒ウサギ。

コミュニティを大きく?

そんな約束した覚えなんてねえぞ」

 

十六夜の突然の否定に黒ウサギは困惑いっぱい。

十六夜は食べ終わった串を叩きつけ構わず続ける。

 

「魔王を倒して最強コミュニティ!!

俺達を呼んだからにはこれくらい豪語してみせろよな!!」

 

「皆さん・・・!!

黒ウサギは、黒ウサギは!!

感激いたしまし

      あ

      あ

      あ

      ぁ

      ぁ

      ぁ

      ぁ

       」

 

それはもう見事な落ちっぷりであった。

 

「ジン君、僕たちが来るまでよく頑張ったね」

 

「箱庭の貴族(ド)の面倒も見ていたのだもの。

今思えばとても立派だわ」

 

「遠慮するな御チビ!

いっぱい食わねえといつまでも御チビのままだぜ?」

 

「だっ、たら頭、を叩、かないでください!」

 

十六夜の弄りを途中で抜け出せるようになったあたり、

ジンはたくましく成長している。

なによりも黒ウサギが弄られているのを華麗にスルーできる点は高評価である。

 

「いい加減にしてくださ「ねえみんな!」フミュ」

 

落とし穴から飛び出そうとした黒ウサギは走ってきた耀に踏まれた。

 

「ジャックたちから手紙が来た!!

あと私なにか踏んだ?」

 

「「「「箱庭の貴族(足)」」」」

 

「足ってなんですかーー!!」

 

「足場?」

 

「本当に・・・・・・

いい加減にしてくださーーーーい!!!」

 

ハリセンを大上段に構えて飛びかかる黒ウサギ。

それから楽しそうに逃げ回る問題児達。

 

耀の持つ手紙から一枚の写真がこぼれ出る。

それを掴みとったレティシアは写真を見て微笑んだ。

 

「どこでも問題児には手を焼かされるのだな」

 

無邪気に走り回るフェルナと、

翻弄され追いかけているジャックとアーシャが映っていた。




Z二巻がやっと終わりました。
あと一回遊んだら巨龍に進みます。

それからそろそろアレです。
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