”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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なんで黒ウサギ弄りだけ筆(キー)が進むのでしょう?
自分だけですかね?


そう・・・・・・巨龍召喚
水難は続く


(ツイてるのかツイてないのか分かんねえな、こりゃあ)

 

十六夜は現在”魔王”のゲームに参加させられていた。

 

 

 

 

少し遡って。

”火竜誕生祭”にて”黒死斑の魔王”を倒して一か月がたったころ。

主要メンバーが本拠の大広間に集合していた。

 

中央に置かれたテーブルに上座から、

ジン、十六夜、飛鳥、祭、耀、頼華、黒ウサギ、レティシア、子供たちの代表としてリリが座っている。

扉の前とジンの後ろにそれぞれヴェーザーとラッテンが立っている。

 

”ノーネーム”ではコミュニティへの貢献に応じて席次を振り分け、その順に上座から座ってゆく。

十六夜は水源の確保に始まり、アルゴールやゲシュタルトなどの強敵を相手に戦い抜いたことが評価され、

次に座る飛鳥は、メルンにディーンという新たな同志を迎え入れ、望地の復興に尽くしたことが、

祭は戦果といったものこそないがコミュニティの活動を潤滑になるように動き、外部コミュニティとの交流を持つための動きも多い。

耀と頼華は上記の三人ほどの特筆できるものがないためこの位置にいる。

 

現在の席次に不満を持つ者は、一人を除いていなかった。

 

「どうした御チビ?その椅子(・・・・)はそんなに座り心地が悪いのか?」

 

「何言ってるんですか!旗本の席ですよっ!」

 

「組織の旗本だからといって、

必ずしも一番の戦果を挙げなければならない訳じゃないだろう?」

 

「それはそうですが・・・」

 

「お前の名を持って”ノーネーム”の存在を知らしめているんだ。

下の俺たちの戦果が丸ごとお前の戦果みたいなものだろ」

 

「流石にそれは言い過ぎのきらいがありますが、

この一か月で”ノーネーム”に届いた招待状全てにジン坊ちゃんの名が記されています!!」

 

そう興奮して黒ウサギが取り出した三枚の招待状にはそれぞれ違うコミュニティの封蝋が押されている。

 

「だけどそれは・・・」

 

「今日集まったのはその招待状についてなのかしら?」

 

話題を断ち切るように飛鳥が尋ねた。

 

「それもありますが、その件を含めた今後の方針とコミュニティの現状をお話ししようと思いまして。

リリ、黒ウサギお願い」

 

「わかりました」

 

「は、はい頑張ります!」

 

ヒョコンと立ち上がり深呼吸をしてリリは現状報告を始めた。

 

「えっと、最低限の備蓄は問題ありません。

普通に生活する分には一年くらいの蓄えになりました」

 

「なんでまた急に?」

 

耀の疑問に答えたのはヴェーザー。

 

「俺達を倒したことで報酬の額が吊り上ったんだよ。

マスターは神霊クラスの実力があったからな」

 

「他にもゲームの難易度などから推定五桁の”魔王”との評価が下され、

規定報酬以外にギフトを戴けるそうなのです!!」

 

黒ウサギが嬉しそうに補足説明をし、ラッテンの顔色が少し変わった。

 

「まあ、そのくらいの評価はしてもらわないとねえ」

 

「っそれから新たに現れた”魔王ゲシュタルト”を倒したことも評価されたとのことで、

続いて農園区の状況なんですがもう全体の4分の1は使える状態で、

この前植えた野菜ももうすぐ収穫できそうですっ!!」

 

空気を察してリリが報告の続きを矢継ぎ早に話した。

これに頼華が無言のグッジョブを送る。

 

「メルンとディーンのおかげで農園区の復興は順調に進んでいます。

そこで農園に特殊栽培の特区を造ろうと考えているのです」

 

「特区?」

 

「霊草や霊樹などの通常の育成法でない物だ。例えば」

 

「マンドラゴラとか?」

「マンドレイクとか?」

「マンイーターとか?」

「世界樹なんかあれば」

「金の成る樹一択で~」

 

「YES!っな訳ありますか!!

そんな致死率超大な危険植物を子供たちに育てさせるわけにいきませんし世界樹なんて本拠の敷地全部飲み込む大きさになりますし金の成る樹なんてあればだれも苦労しませんよ!!」

 

「「「纏められた・・・」」」

 

珍しく十六夜、飛鳥、耀が落ち込む。

 

「・・・じゃあラビットイーターでがまんする」

 

「黒ウサギが我慢できませんっ!!」

 

「俺毎日水やってちゃんと育てるわ」

 

「鉢に植え替えて散歩でもしましょうか。黒ウサギの部屋でも」

 

「仕返しが容赦なさすぎるのです・・・・・・」

 

「あきらめろ~黒ウサギ~お前は完全に包囲されている~」

 

「ライカ、話を続けたいのだが」

 

「OK~黙る」

 

レティシアの制止のおかげか十六夜たちも大人しく聞く態勢に戻る。

黒ウサギが振り回されるタイプの担任で、レティシアは最後に纏める副担任というところだろう。

 

「つまり主たちには農園の特区に相応しい苗や牧畜を手に入れて欲しいのだ」

 

「牧畜って、山羊や牛のような?」

 

「ああ。そして都合がいいことに南側の”龍角を持つ鷲獅子(ドラコ・グライフ)”連盟から収穫祭の招待状が届いている」

 

「なるほど。そこで俺達に珍しい苗やらを手に入れてきてほしいってことだな」

 

「はい!しかもですよ、前夜祭からすべての日程で交通費から宿泊費の全てが連盟もちという超超超VIPな待遇なのです!!

開催も”アンダーウッドの大瀑布”ですからその景観だけでも楽しめること間違いなしの大祭なのです!!」

 

黒ウサギの言葉を受け再び動き出す問題児。

 

「へえ?”箱庭の貴族”様がこれほど推すってことはかなり期待できるな?」

 

「まだまだ新参の域を出ないにしても僕たちもいろいろ目にしてきましたから」

 

「大丈夫よ二人とも。”箱庭の貴族”絶賛の舞台なんだからそれは素晴らしいものに違いないわ!」

 

「これでガッカリなところだったら、これから黒ウサギは”箱庭の貴族(笑)”で十分」

 

「いやみんなさ~、その”アンダーウッドの大瀑布”?まで一緒にディスってるよ~。

からかうなら笑ウサギだけにしとこうよ~?」

 

「ちょいとお待ちを!

”箱庭の貴族(笑)だけでなくもっと見過ごせないお馬鹿ネーミングが飛び出しましたよ!?」

 

「何かおかしかったか笑ウサギ?」

「笑ウサギの耳でも聞き違いってあるのね」

「私達はそんなことで笑ウサギの事嫌ったりしないよ」

「とにかく笑ウサギが言いたいのは”アンダーウッド”は絶景だということですね」

「”箱庭の貴族(笑)である笑ウサギさんの言うことに間違いなんてあるはずがありませんな~」

 

「い・い・か・げ・ん・に、しなさーーーい!!!」

 

一人に一発ずつ、反転して五人纏めて一振りでハリセンを叩き込む。

 

「黒ウサギの成長も著しいな」

 

「ツッコミにステータス全振りだけどね~」

 

「誰のせいですか~~~!!」

 

ウガーっと泣き怒りで抗議する黒ウサギ。

 

そこでジンがわざとらしく咳払いをして注目を集める。

 

「その収穫祭について問題が一つありまして」

 

「問題ですか?」

 

「はい。この収穫祭は前夜祭を入れて25日と大変長期間開催されます。

その間、主力がコミュニティにいないのはよくありません。

なので誰か

 

「「「「「嫌だ」」」」」

 

早い。

有無を言わせぬ迫力で五人が押し黙る。

一応予想はしていたようで妥協案を提示してきた。

 

「では前夜祭を3人、オープニングセレモニーからの一週間を皆さんで、残りを3人という風に絞らせて下さい。

一応レティシア、ヴェーザー、ラッテンの三人にも交代で残っていただきますがそれでも主力が必要なのには変わりありません」

 

「うん。譲歩案としては妥当なところだね」

 

「でも一人だけ全部出れるよ?」

 

「じゃんけんとかで決めるのは流石にみんな嫌でしょ~?」

 

「なら誰が何日行くかはゲームで決めようぜ!」

 

「具体的なルールは?」

 

「”前夜祭までの期間により戦果を挙げたものが勝者”ってのはどうだ?」

 

「面白そうじゃない!」

 

「絶対に負けない!」

 

「どうせなら全部出たいですからね」

 

「んじゃ明日からスタートってことで~」

 

 

 

 

こうして収穫祭の参加日数を賭けたゲームが開始されたわけだが、彼らの特に十六夜の戦果は芳しくなかった。

”ノーネーム”の活躍と共に彼らの実力も広まり、ゲームへの参加を断られる事態が相次いだのだ。

中でも十六夜は全てのゲームで断られ、みんなの承諾の元で白夜叉にゲームを紹介してもらってやっとちょうせんできるといった有様なのである。

 

逆に現在一番戦果を挙げているのは頼華であった。

他の四人と違い頼華は時々負けるのだ。

更にゲームの規模も小さいものが多くいってしまえば物量作戦。

憎まれっ子世にはばかるというか、人懐っこさ故というか、

参加を断られることが圧倒的に少なかったのだ。

 

「しっかし最終日までこんな有様だとは思わなかった」

 

箱庭にやってきた日に水樹を得た蛇神のゲーム中。

流石に心配して黒ウサギがついてきたが晩の注文をして魚を捕りに行ったのだろう。

 

「どうした?蕾を見つけただけか?」

 

十六夜が川べりで寝そべっていると女性の声が聞こえてきた。

 

そちらに視線を向けると儚げなまでに白い肌と妖艶で鋭いまなざし、

雅な着物を身に纏い隠された身体の魅力も中々な美女が立っている。

 

「呆けた顔をしおって、まさか我がだれか分からぬわけでもあるまい」

 

「いやお前の顔に見覚えはないな」

 

「人間に変幻するくらい神格保持者にはわけもないわ」

 

「お前あのヘビか!!」

 

この美女こそゲームの主催者であり神格保持者の蛇神”白雪姫”である。

 

「はあ。主催者の名前ぐらい知っておけ。

分かってはおろうがその水仙卵華を開花させてはじめてゲームクリアだ」

 

「承知の上だ。

それにちょうど考察も終わった所だ。

この蕾は水中深度の変化つまり増水などで水かさが増したり、

川の流れの中で深い溝に落ち込んだりした時に開花する特殊な花なんだろ?」

 

「正解だ。だが残念だったな。

この川には開花に必要な深さがある場所はないぞ?」

 

「潜って見て回ったから知ってるよ。

それより約束は覚えてるだろうな?」

 

「ああ勿論だとも。

貴様がクリアした暁にはこの白雪、喜んで隷属しよう。

だがそれは不可能だお前のギフトは知っている。

もう開花に必要な深さのある場所まで行く時間もない。

今までの非礼を誠心誠意謝罪すれば開花済みの花を恵んでやっても良いぞ?」

 

「っは!冗談」

 

降参要求を跳ね除け勢いよく立ち上がる。

 

「春日部なら”世界の果て”の大滝に行って開花させて戻ってくるか、

頼華は水を集めるなり水圧を変えるなりするだろうな。

兄弟()は案外水底の土をひたすら回収するだろうし、

お嬢様はディーンを使って・・・

それが一番手っ取り早いな」

 

「待て貴様、何をする気だ!」

 

「”ヘラクレスの十戒”、”アウゲイアスの家畜”。

これで分かるか?」

 

不敵に笑い空高く跳躍した十六夜は大きく拳を振りかぶった。

それを見た白雪姫は全てを察し青ざめ声を荒げる。

 

「おい・・・嘘だろ小僧本気かっ!!」

 

「俺はいつでも本気だ!!」

 

山河を打ち砕く拳が振り下ろされ生まれたクレーターに、

河の水がなだれ込む。

川の流れは変わりトリトニスの白雪姫の領地は半壊した。

 

 

 

 

(しまったな、ここまで勢いよく流れ込んでくるとは想定外だった)

 

もちろんクレーターの中心にいた十六夜は新たに生まれた湖の底。

加えて周りの土もエグった奔流は濁流へ変わり視界を奪った。

十六夜は岸を目指して泳ぐ。

 

「ぷはっ。クソッタレ結局ずぶ濡れじゃねえか。

それに何だこの煙は?土煙って訳じゃあなさそうだが・・・」

 

水面から顔を出した十六夜は当たりの様子がのおかしさに気付くも、

 

「おお!しっかり花開いてるじゃねえか!

おい白雪!さっさと勝利宣言をしな!」

 

手に持つ水仙卵華が開花し、白雪姫を呼ぶも反応がない。

 

「仮にも水神が溺れて流されてなんかいないだろうなあ。ハァ」

 

あり得ないと思いつつも一つ愚痴をこぼす。

完全に水浸しになってしまった学ランの不愉快さからだろう。

 

「ハァ、ホントにどこ行ったんだアイツ?」

 

岸に沿って歩いているとあるものに目が留まった。

 

 

『ギフトゲーム名  ”開封厳禁”

 

 

ホストマスター

バニティケース

 

 

プレイヤー一覧

逆廻 十六夜

 

 

ホストマスター側勝利条件

・プレイヤーの死亡。

・特別招集者の死亡。

 

 

プレイヤー側勝利条件

・ゲームマスターの打倒。

・隠れし物を見つけ隠されし者を救え。

 

 

 

宣誓

 

上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

 

 

”The Monster Box”印』

 

 

 

主催者権限により作られた黒い”契約書類”。

目を通した十六夜は、チッと舌打ち一つ水中に飛び込んだ。

 

 




ゲームの元ネタは超簡単かと
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