”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ? 作:バリアリーフ
『ギフトゲーム名 ”開封厳禁”
ホストマスター
バニティケース
プレイヤー一覧
逆廻 十六夜
ホストマスター側勝利条件
・プレイヤーの死亡。
・特別招集者の死亡。
プレイヤー側勝利条件
・ゲームマスターの打倒。
・隠れし物を見つけ隠されし者を救え。
宣誓
上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
”The Monster Box”印』
水中に潜り、明瞭さを取り戻したところに留まり、改めて”契約書類”を見直す。
白雪姫が治める水源であるためか、
その加護によって水の濁りがどんどん収まっていくため文字が読みやすかった。
(The Monster Boxか、ならバニティケースはやはり玉手箱とみて間違いないだろう)
玉手箱とは、化粧道具を入れる箱であった『
(あの煙が老いをもたらすものなら地上は危ねえ。
黒ウサギも異常に気付いて避難くらいはしてるだろうが、
いや!黒ウサギが特別招集者で捕らわれてる可能性もあるのかクソっ!)
普段依頼されている審判業とは別であるが、
今回の白雪姫とのゲームの審判をしていた黒ウサギ。
よくよく考えてみればゲームクリアの宣言もこの場合は審判である黒ウサギの役目だ。
それがなかったことで十六夜は黒ウサギにも異常があったと考えている。
(だが同時に白雪のヤツが見当たらないのも気になる。
まさか二人纏めてか?
これが”浦島太郎”の玉手箱に関係しているのは容易に想像がつくが、
伝承の少ない物語の上に解釈もオカルトじみたモノばかりで断定できない)
ゲーム考察を行いながらも水中を泳ぎ、玉手箱らしきものがないか探す。
(”契約書類”の中に記されている『物』と『者』、この違いがカギか。
順当に考えるなら隠れた玉手箱の中に隠された特別招集者ってとこだが・・・)
ここで疑問が生じる。
玉手箱は前述した通り元々は化粧道具入れである。
そこに『者』が入るのか?
入るだけの大きさを有しているということなのか。
その考察の回答に至る前に十六夜の呼吸が辛くなる。
それは十六夜にとって異常事態だった。
かつて外界でイグアスの滝に潜り、滝つぼに潜むという悪魔を探した時はもっと長くも潜っていた。
まだ飛び込んでから体感で五分ほど。
超がつくほど規格外の十六夜にすればまだまだ余裕といえる時間のはずだった。
捜索を一度中断し水面に上がる。
「ハア、ハア、ハァ。
息切れだとか在りえねえぞオイ!すぅぅぅぅぅ」
めいいっぱい息を吸い込み再び水中へ。
(ゲームルールの老化の影響だろうが体にそこまでの変化もねえ。
一体どうなってやがる!?)
かつてないほど十六夜は追い詰められている。
たとえ修羅神仏を打倒する力があろうと、
たとえ難解な問いに答える頭脳があろうと十六夜は人間なのだ。
呼吸によって酸素を取り込んで二酸化炭素を吐く。
この当たり前のことが必要なのである。
これに異常をきたすのは即ち生命の危機に直結すること。
祭のように”不死”の効力を持つギフトや、
ウォーターピープルやマーマンなどの水棲種の持つギフトがなければすぐにでも窒息してしまう。
(クソっ!思考に酸素が持って行かれる。
闇雲に探してる余裕はない。
”契約書類””竜宮伝説””浦島太郎”何かヒントは?)
ここで十六夜は賭けに出る。
今回の潜水での捜索を捨て、回答への道しるべを考えることにした。
(ゲーム名の”開封厳禁”だがこれは乙姫が浦島に言った言葉が元。
だが水上は老化の効果があるであろう煙で満たされている。
これは既に玉手箱が開かれているということを意味する。
俺が浦島に相当するならいつ開けたのか?
変化が現れたのは白雪とのゲームをクリアするために湖を造ってから。
あの時に水流で偶然近くにあった玉手箱が開いたか?
その勢いで流されていれば探しようはない。
ゲームの整合性が取れていなければロジックエラーで
ゲーム自体が開催できないことがあると白夜叉が以前言ってやがったな。
一方的に不利なゲームだとしてもクリアができなければこれほど不利な条件は組み込めないはず)
浅い湖底に身を預け無駄な動きを一切そぎ落とし、
十六夜はただひたすら思考を重ねる。
(ならば少なくともそう遠くない場所に何かあるはず。
第一候補は俺が湖を造るためにぶん殴って作ったクレーター付近。
次に考えられるのは竜宮城に保管されていると考えての、竜宮城にあたるどこか。
老化の玉手箱が出てくる”竜宮伝説”は”浦島太郎”だけ。
となるとココが海中でなく淡水の湖であることが疑問となる。
”御伽草子”の”竜宮城”ならば海中でなくどこかの大陸という形で書かれていたが。
なら最悪のパターンとして勢いで排除しちまった地上という可能性。
”浦島太郎”も陸に上がってから玉手箱を開けている)
前回よりも大きく吸い込み、動くことも制限した。
だというのに息の限界が近づく。
思考を中断、息継ぎに向かう。
「ぷはぁぁ!はぁぁぁああ」
ドプンと一息だけで三度潜り込む。
(これは間違いねえ。
そう。煙は触れた部分を老いさせるという効力があった。
故に服や濡れていた肌は直接煙に触れておらず、見た目に変化が出るほどではなかった。
しかし呼吸時に煙ごと空気を吸い込んだ肺は違う。
正確には気管支も影響を受けているが肺の老化の影響は甚大だった。
(このペースだと次の息継ぎがラストになりそうだ。
もう迷ってる時間もねえ、どうする!?
こんな面倒クセぇ事考えんのは祭ぐらいだと思ってたが・・・
あいつなら、兄弟ならどう考える?)
この時十六夜はできる限り祭の思考パターンをトレースすることにした。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
(全くふざけた答えだ)
回答を絞って十六夜は泳ぎだす。
(なんでかねえ不思議と外れてる気がしないのは)
十六夜は目的の場所にたどり着く。
そしてまずはクレーターの中心へ向かった。
(ここで当たりなら四季の庭にあたる場所が近くにあるはず)
十六夜は周囲を見回す。
十六夜の言う四季の庭とは”竜宮城”にあったとされる庭園。
(
水没した2種類の冬と春に花を咲かせる樹。
最終ヒントを見つけた十六夜は最後の息継ぎをし泳ぎ進む。
(流されてきたのか、
ああ
あとはこの4種が全て見える位置に!ビンゴ!!)
遂に十六夜は見つける。
黒い漆塗りに赤い紐で封をされた正しく玉手箱であった。
残りギリギリの酸素で玉手箱まで泳ぎ、紐を引きちぎった。
十六夜に残された時間はもうない。
蓋を外すと泡と共に小さくなっていた白雪姫が現れ、元の大きさに戻った。
「っばはぁ」
苦しさから十六夜は息を吐き出してしまった。
(ッチ。クリアしても岸までは送っちゃくれねえか)
体内から空気を失い十六夜の体は沈んでゆく。
その時体に力がかかるのが分かった。
見る見るうちに水面が迫り、水上に体が出た。
「っかは、はああああぁぁ!」
飲み込んだ水を吐き出し、新鮮な空気をとりこむ。
「無事か!?」
岸に降ろされ見ると白雪姫の顔がそこにある。
「おかげさまでな」
まだ十六夜は肩で息をしているが、白雪姫は深呼吸一つで息を整えたようだ。
「隷属していきなり主を死なせたとあっては恥の上塗りだからな」
「ヤハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「なんだ!?脳がやられでもしたか」
「いや。まさか本当にすべての可能性に当てはまる場所に正解があったとは」
十六夜が作ったクレーターの付近で、
四季の樹が見える”竜宮城”の代わりとなる場所で
水没する前は陸地であった場所。
そこに玉手箱はあった。
「私もゲームの”契約書類”を読むことはできたが」
「こんなところにいらっしゃったのですか十六夜さん!」
黒ウサギが突然やってくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・今まで何してたんだ」
「見てください!こんなにたくさん獲れたのですよ!!」
黒ウサギは十六夜と白雪姫に大量の魚を見せる。
十六夜が晩飯にと注文した魚だ。
「なかなか捕まえるのに苦労したのですが、
十六夜さんが川の流れを変えて干潟のなった所に取り残されたのを一生懸命集めました!!」
満面の笑みで胸を張り、よく見ればちょっとドヤ顔。
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7「 」L
7「
二人の怒りが頂点となった。
「黒ウサギ」
チョイチョイと手招きする十六夜。
「なんですか?」
ぽやあっと場の空気を読み損ねた黒ウサギは素直に十六夜に近づき、
ウサ耳を鷲掴みにされ
「この駄ウサギがああああぁぁぁぁ!!」
湖に投擲される。
さながら海神ポセイドンが三叉の矛を振るったかのようであった。
確かに十六夜のオーダーした魚を獲るのは分かるが、
審判としてすぐに勝利宣言をしに来れば、
魔王のゲームの開催に気付くことができ、
いらぬリスクを負う必要もなかった。
白雪姫もまた玉手箱の中で限られた酸素で死の危険を味わわされた。
だから水流の渦で黒ウサギをぶん回して岸に叩きつけても悪くないだろう。
「きゅう~~」
完全にノビてしまった黒ウサギ。
「隷属はお前個人と勝手に結んだ契約だからな。
正規の報酬は白夜叉からになる。
「承知した」
白雪姫はウサ耳を引っ掴んで引き摺ってゆく。
十六夜は置いていたヘッドホンを取りに行き一度本拠に戻ることにした。
*
十六夜はシャツのボタンを大きく開け、上着を担ぐようにして本拠までの道を歩く。
「いい天気だから乾くまでそんなにかからないだろうが。
魔王のゲームも戦果に含めれば十分だろうな。
そう考えりゃあツイてた方なのかな」
本拠に戻るまでのんびりと考え事もせず、
穏やかながらも活気を見せる街並みを眺め進む。
屋敷に着いた十六夜は最初に簡単に着替えを済ませ、大広間に向かった。
そこには既に他の四人が座って待っており、審判役のジンとレティシアもいる。
「すまねえな。思ったより戦果が上がって遅れちまった」
「やっぱりか~」
「流石に十六夜が戦果無しのまま終わるはずないよ」
十六夜の席のまえには昼食であろうおにぎりが置かれている。
「早速で悪いけど十六夜君も返ってきたし結果発表といきましょう」
「構わねえが俺は先にコイツを食わせてもらうぞ」
「では十六夜さんの戦果報告は最後に回して他の皆さんの戦果から」
「うむ細かい戦果は置いておきたいがライカの戦果がその細かい戦果の積み重ねでな。
皆も期間中多くの資材食材などが運び込まれているのは知っているだろう」
「うん私も時々搬入を手伝ってたから」
「あと大きいのは金貨710枚かな~」
「へえ~かなり稼いだじゃねえか!」
十六夜がおにぎりを齧りながらも感心する。
「次に飛鳥さんですが牧畜を飼育する土地の整備と、
山羊を十頭手に入れたそうです」
「子供たちも『山羊が来る!』『乳がいっぱい来た!』『これでチーズが作れる!』と喜んでいた。
派手な戦果や功績ではないがコミュニティとしては大きな進展だと思うぞ」
「乳が採れるメスの方が価値が高いですしね」
「次に耀の戦果だが・・・・・・これは凄いな。
”ウィル・オ・ウィスプ”から耀と再戦のための挑戦状が届いてな」
「再戦に勝利した耀さんは、ジャック・オー・ランタンが製作する、
|炎を蓄積できるキャンドルホルダーを無償発注したそうです」
「これによって本拠と別館にある”ウィル・オ・ウィスプ”製の備品に炎を同調、供給できる」
このために頼華の戦果とは別に多くの”ウィル・オ・ウィスプ”製品、
竈やランプなどが運び込まれていた。
「まとめ買いになってしまいましたが、
頼華さんが期間中の早い段階で金貨を稼いで下さったので一括購入できました」
「そのキャンドルホルダーの火を絶やさなければもう薪や蝋燭を買う必要もないか。
かなりやるじゃねえか春日部」
「今回は本当に頑張った!」
得意げに笑う耀からは自身が伺える。
自分の戦果が一番だという自信が。
「祭君は?十六夜君共々ゲームに参加できていなかったでしょう」
「今朝やっと一つ参加できました。
以前話した呉服コミュニティ”
”ノーネーム”全員分の服を一着ずつですが無償発注できます」
「それだけか?」
十六夜が意外そうに尋ねる。
それは他の全員が同じ意見のようだ。
「あとは一人に付き一着までなら無料で旗印の
二着目以降は《衣・飾・充》の服に限り無料という契約を」
「まあ大きな戦果でないが旗印を取り戻すモチベーションとして素晴らしいものだ」
実質最下位の戦果であり、これ以外の細かな戦果がない祭。
レティシアが上手くフォローしたおかげで空気が悪くなることもなかった
「最後に十六夜さん、戦果報告をお願いします」
ちょうど食べ終わったことを確認したジンが十六夜を促す。
「それじゃあ今から受け取りに行きますか」
「受け取りに行く?」
「”サウザンドアイズ”にさ。黒ウサギもそっちにいる」
「はあ」
もったいぶっているのか十六夜はここで話す気が無いようで、
一同もそれを理解し素直に”サウザンドアイズ”の支店に向かうことにした。
*
支店の前までやってきた一同を翠が出迎えた。
相変わらず店先の掃除をしている。
「白雪姫様たちがいらしてからだいぶ経ちます。
オーナーも中でお待ちですよ」
「おう。俺達も俺達で忙しいんだ」
「全部十六夜待ちだったんですけど~」
「待っているというには、少し騒がしすぎるんじゃないかしら?」
飛鳥の指摘通り、店内が騒がしい。
ススっと目をそらす翠。
彼女がこう言った反応を示すのも大変珍しい。
「どうされたんですか?」
「なんでも、早く中へ行ってあげてください」
「入店を進められたの初めて」
違和感を感じつつも中へ入る一同。
流石に知る由もない、大惨事になっているなど。
危機回避のために翠が少し長めに掃除をしていたなど。
「「黙れこの駄神ッ!!!」」
いつもの白夜叉の私室に向かう途中、聞こえてきた声。
そして障子ごと水流と轟雷に吹き飛ばされてきた白夜叉。
初対面の時同様に足で受け止める十六夜。
「てい」
「ゴバァ!!」
「今度はなにやらかしたの~?」
「一体何が・・・・・・?」
前に進み出ようとした祭が突然目隠しされる。
「なんで目隠しすんのレティシア~?」
頼華もまた目隠しをされている。
「目をつぶって後ろを向いて!」
「なんで~?」
「いいから言うとおりにしてくれ!!」
飛鳥とレティシアがここまで必死になること。
吹き飛んできた白夜叉。
だいたい予想がついたので二人は素直に後ろを向いた。
「でも十六夜はいいの~?」
「良くない」
「つってももう見ちまったしな」
「十六夜」
「へいへい」
耀に言われ十六夜も後ろを向く。
ジンは始めから痛む頭を抱えて下を向いていたのでこの限りではない。
レティシアが進み出て黒ウサギと白雪姫の前に立つ。
「二人とも早く着替えなさい。
特に黒ウサギ。そんな全身濡らした格好では、「黒ウサギが濡れ濡れだとぉ!!!?」
言うまでもなく金剛杵の追撃があった。
そして男性陣はもれなく視線を外している。
つまりは巻き込まれた。
「「「この駄ウサギーーーッ!!!」」」
焦げたジンが転がっている。
*
『私は救いようのない馬鹿ウサギです』
というプレートを首から下げて黒ウサギは正座させられている。
ボロボロになったジンは白夜叉に治療ギフトを使わせて回復した。
とりあえず白夜叉にもとばっちりを食らった三人が一発ずつ入れることで話がつき、
それなりのこぶ(もちろん十六夜の一撃)をさすりながら話を進めている。
今回の五人でのゲームよりも前に十六夜、祭のそれぞれから、
水道の代わりとなる施設を造ることを提案されていた。
そしてその施設に使う水源となるギフトを取ってくるのが十六夜が白雪姫と行ったゲームらしい。
「じゃがまさか、そこで”The Monster Box”のゲームに出会うとはの」
十六夜が今朝の時間だけで魔王のゲームを攻略していたことを知り一同は驚愕を見せた。
「何だ白夜叉、有名なのか?」
「少し複雑なコミュニティで”恩恵を込めた箱”のコミュニティなのだ」
「箱のコミュニティ?」
「ああ、どれもが”主催者権限”によるゲームを開催できてな。
小僧が出会った”浦島の玉手箱”の他にもいろいろある。
有名どころでは”パンドラの箱”や”すずめのつづら”などかのう」
白夜叉の言葉にレティシアが続く。
「私も少し聞いたことがある。
元はギフトとしての箱を得るための
難解で被害が多く出たために魔王として扱われるようになったと」
「まさか老化で死にそうになるとは思わなかったぜ」
「まあゲームをクリアしたおんしにはその報酬を渡さねばならんのだが、
これも”The Monster Box”関連の決まりでの、
報酬はゲームに使われた箱だと決められておる」
そう言い白夜叉は自分のギフトカードに仕舞われていた”浦島の玉手箱”を出した。
「ゲームでは白雪のヤツが閉じ込められてたんだがな」
「これがどれだけの被害者の霊格をため込んでおるかは使わねば分からんが、
一つは老いを閉じ込めるというモノ。
もう一つは対象の年齢を閉じ込めるというモノ」
「一つ目は分かるけど、年齢を閉じ込めるって?」
耀の質問に答えたのは以外にもジンだった。
「この箱庭における霊格の計算には時間密度というモノが関わってきます。
つまりどれだけ生きているかと言い換えるのが分かりやすいでしょうか。
そして年齢を閉じ込めるとはそれを奪うことに繋がるのです」
「修行した十年間が無駄に~みたいな?」
「言いえて妙じゃの、そんな感じじゃな」
「まあ貰えるなら貰っとくか」
「ああ小僧、一つ制約があっての。
その”浦島の玉手箱”じゃが持ち主が近くにおらねば封が勝手に解かれてしまうのだ」
「それで乙姫が浦島太郎にわざわざ渡したのですね」
「ずっと疑問だったのよ。
なんでそんな玉手箱をお土産に渡しておいて、
『絶対に開けないでください』なんて言ったのか」
「それで白夜叉様。
私とのゲームでは何を賭けられていたのですか?」
白雪姫の質問で白夜叉が思い出したように柏手を打った。
そして一枚の羊皮紙が現れた。
そして白夜叉はそこに何かのサインを施す。
「では”ノーネーム”リーダー、ジン=ラッセルよ。
これはおんしに預けるぞ」
「僕ですか?」
十六夜の戦果であるのになぜ先に自分に渡されるのか分からず、
戸惑いの表情で十六夜に振り向く。
「いいからさっさと受け取れ御チビ!」
悪戯をする時の笑みを見せる十六夜に不安を感じつつも、
ジンは白夜叉から羊皮紙を受け取り文面を呼んで、
驚愕に固まった。
「ジン坊ちゃん?」
あまりにもジンが反応を示さないので、ずっと黙って正座していた黒ウサギが羊皮紙を覗き込んだ。
『 - 二一○五三八○外門 利権証 -
*階層支配者は本書類が外門利権証であることを保証します。
*外門利権証の発行に伴い、外門の外装をコミュニティの広報に使用することを許可します。
*外門利権証の所有コミュニティに右記の”境界門”使用量の八○%を納めます。
*外門利権証の所有コミュニティに右記の”境界門”を無償で使用することを許可します。
*外門利権証は以後” ”のコミュニティが地域支配者であることを認めます。
”サウザンドアイズ”印』
ジン同様に黒ウサギも硬直した。
「・・・・・・”地域支配者”・・・・・・」
ジンが零した言葉を聞きレティシアが驚いたように立ち上がり羊皮紙を見る。
「まさか本当に外門利権証なのか!?
主たちが召喚されてこれ程の短期間で取り戻せるなんて!!」
レティシアも興奮したように声に熱を込め語る。
ジンは放心しポロポロと泣き出した。
そして黒ウサギは突然十六夜に抱きついた。
「凄いのです・・・・・・・・・・・!
凄いのです、凄いのです!!凄すぎるのです十六夜さんっ!!」
黒ウサギは興奮し我を忘れ十六夜に抱きついたまま喜び続ける。
その様子をただ温かく見守るしかない者達は静かに敗北を受け入れた。
「・・・・・・大丈夫、春日部さん?」
「・・・・・・うん、ごめんね飛鳥」
「・・・・・・いいのよ」
「負けちゃったか~」
「・・・そうですね」
耀だけは特に落ち込んで、いや辛そうだった。
なんとか書き終えた~。
かなり走ったゲーム展開でしたがお許しくださいませ!