”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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召喚

「彼女は”クイーン・ハロウィン”の寵愛を受けし騎士”顔亡き者(フェイス・レス)”!

親しみを込めてどうかフェイスと呼んでやってください!」

 

「よろしくね~フェイス~」

 

ジャックの紹介を受け軽く一礼をするフェイス。

さらっと気軽に挨拶しちゃう頼華、

残りのメンツは彼女の実力、そして後ろにある”クイーン”の名にためらいを見せている。

 

「なるほど彼女、”クイーン”の境界を預かる力を使ってヘッドホンを召喚するということですね」

 

「ヤホホ!その通りです。

彼女を今”ウィル・オ・ウィスプ”に客分として招いておりまして。

彼女なら代わりの品を召喚できるはずですヨ!」

 

「ありがとう・・・でも召喚ってすごく高額なんじゃ」

 

「高額なんてものじゃありません。

本来なら突っぱねて断固お断りするでしょうが、

”ノーネーム”とは今後仲良くやって行きたいですからネ!

お友達価格ということで引き受けさせていただきます」

 

「今後の日用品の発注を”ウィル・オ・ウィスプ”からということで纏まりました。

召喚ですが正確には耀さんが初めからヘッドホンを持ち込んでいた。

という形で星のめぐりを変えるという方法になります」

 

「じゃあ春日部さんがヘッドホンを持っていなかったら意味がないということ?」

 

「大丈夫、父さんが同じメーカーのを持ってたから」

 

「いいのかしら?お父様の物でしょう?」

 

「ずっと行方不明だし、いいんじゃないかな」

 

「そう、ごめんなさい」

 

「気にしないで、私も話してなかったからだし。

今度皆でそういうこと話しできたらいいね」

 

「それいいね~。

ちゃっちゃと巨人追っ払って収穫祭楽しんで皆で喋って騒いで!」

 

「そうね!

でも黒ウサギを弄り忘れてるわ」

 

「そんなもの一生必要ありません!!」

 

一同が笑いに包まれずっと待っていたフェイスが口を開く。

 

「では召喚のための魔法陣まで向かいましょう。

ついて来てください」

 

 

 

 

二一〇五三八〇外門、”ノーネーム”本拠。

収穫祭へ向かった黒ウサギ達からの速達電報が届いていた。

 

「ということだそうだ」

 

「でもどうする、戦力を送るのはいいが本拠の守りは。

その為に分けたはずだろ」

 

「マスターが戻ってきたのに私が何の手も貸せないなんていやよ!

私は行かせてもらうわ!!」

 

「待てラッテン、お前の希望も聞いてやりたいが」

 

「じゃあレティシアさん。

これを持って”サウザンドアイズ”まで行ってもらえませんか?」

 

祭がテーブルに数々のアンティーク感漂う調度品を並べる。

 

「これ全て換金すれば子供たちの旅費を賄うくらいにはなるでしょう。

ついでに白夜叉さんに敷地の防犯もお願いできればしてきてもらえると助かります」

 

「おいコラ。だったら初めからそう言いやがれ!

全員で行けたんじゃねえか!!」

 

「ゲーム前からため込んだヘソクリでもある。

こういう状況でなけりゃ出す気はなかったさ」

 

「わかった、一刻。遅くとも二刻あれば戻ってこれるだろう」

 

「頼んだぜレティシア」

 

「ラッテンは子供たちを指揮して荷造りを急がせてくれるか」

 

「レティシアが戻るまでに終わらせるわ!

年長組ー!!集合よっ!!」

 

ラッテンが広間を駆け出し去って行った。

 

「それで俺には?

”サウザンドアイズ”にはお前が行っても良かったはずだ。

人払いみたいに二人に指示したのも何か考えてなんだろ」

 

「流石は十六夜」

 

二人の間を流れる空気が変わる。

 

「僕は、十中八九魔王が現れると睨んでる。

最悪、南の”階層支配者”を討ったという魔王が」

 

「異論はねえよ、いくらなんでもできすぎてるからな。

だがチビ達まで連れて行こうってのは解せねえな」

 

「南の”階層支配者”が討たれたのは、

境界壁での”火竜誕生祭”にペストたちが現れたのとほぼ同時期だ」

 

「そうか、俺たち全員で(・・・・・・)守ってやれる方が安全って訳か」

 

「杞憂ならそれでいい、本拠が破壊されたくらいならなんとでもできるから」

 

「じゃあそろそろ本題と行こうぜ」

 

「ミス一つで誰か死にかねない状況に追い込まれる気がしてね。

今現在不安を感じてるんだ。

はっきり言って初めてだ、これが直観だというなら無視できないと思う。

必要になったらとっておきを出してくれ」

 

「へえ?気づいてたのか」

 

「今まで本気で戦っていたのは疑う気はないさ。

でもまだ何かあるとは思ってた」

 

「・・・・・・」

 

「可笑しな話だが死なない僕が不安を感じている。

皆と出会って過ごして、それで僕に変化があって、

それだけだと言い切れれば楽なんだがどうにもそういった感じでなくてね」

 

「ガキなんだからその程度の不安は当然だろ」

 

年下(義弟)にそれを言われちゃ頑張るしかないな」

 

「勝手に決めてんじゃねえよ。

生まれ年ならオレが年上(義兄)だろ?」

 

「分かった。収穫祭でどっちが上か決めるか?」

 

「受けて立とうじゃねえか」

 

「また一つ楽しみができた」

 

「さっさと邪魔者ぶっとばさねえとな」

 

「ああ」

 

二人は拳をぶつけ闘志を燃やす。

 

 

 

 

「可愛い!すごくかわいいわ春日部さん!!」

 

召喚の魔法陣から放たれる光が治まったと思えばいきなり飛鳥に抱きつかれてしまい、

耀は困惑のまま飛鳥に理由を尋ねてみた。

 

「そのヘッドホンよ!

とても似合ってて可愛すぎるわ!」

 

不安を感じヘッドホンに手を掛ける。

周りのみんなも飛鳥と似たような視線を向けているのも気になった。

一人頼華は笑い転げていたが。

 

「・・・・な、に・・・・・コレ」

 

確実に別物であった。

十六夜のヘッドホンとも、父親のヘッドホンとも違うそれには、

用途不明、機能不明の二つの突起があった。

 

まあツマリは、ネコミミだ。

バンド部分が変形してネコミミ型になっているだけであるが。

 

そろそろ耀のメンタルも限界だろう。

日に三度も追い詰められれば。

表情が消えうせヘッドホンを手にしたままとぼとぼと歩いていく。

 

「アレを贈るのですか?」

 

「さあ、それは耀さんが決めることだから」

 

「ヤホホ・・・・・・意外と喜ぶのではないですか?」

 

「ちょっと待っていただけますか」

 

召喚の魔法陣を見ていたフェイスに声を掛けられて耀は立ち止まった。

 

「想定外の事です。

本来の星の巡りとは異なる結果となりました。

召喚儀式自体に異常はなかったので別の原因が考えられます。

そのギフト、貴女のペンダントを見せていただけませんか」

 

彼女としても請け負った以来である以上プライドがあるのだろう。

今回の事を良しとせず原因を知りたいようだ。

 

耀は疑問に思いながらもペンダントを渡した。

 

指でなぞるようにペンダントの模様を確認して、

 

「この螺旋は系統樹を司ったものと解釈しても?」

 

「YES!耀さんの”生命の目録”は交友を持った異種族の力を、

ギフトとして発現することができるのです。

以前白夜叉様に見ていただいたときにも同じような考察をなさっていらっしゃたのです!」

 

「そうですか」

 

考えがまとまったのかフェイスはすぐにペンダントを返した。

 

「お詫びではありませんが忠告を一つ。

そのギフトのチカラは異種族の力を借りるだけではありません。

収集した生命の欠片から独自の成長する系統樹を創造し次のプロセス、

”目録”からのサンプリング、”進化”と”合成”をするのが本来の役割のはず」

 

ハッキリ言ってしまえば耀はパンクした。

色々と重なってぐちゃぐちゃになった頭に専門的な説明による情報過多。

その結果として、

 

「・・・・・えっと・・・うん?貴女意外にしゃべる人?」

 

後々に考えればお礼を言うべきタイミングでこれはないだろうという発言に至った。

これによってさらに微妙な空気になり、

笑いのツボが決壊した頼華は黒ウサギに鼻ごと口を押さえられ窒息寸前にまで。

 

「気を付けて。

本来ならばそのギフトは、人間の力を大きく逸脱した代物ですから」

 

フェイスが去り際に言い残した言葉が耳からしばらく離れなかった。

 

結局そのままヘッドホンを贈ることも躊躇われ、

代わりの品を探すために駆けずり回ることになった。

 

「もうサラにラビットイーター作った人聞いてこよっか~?」

 

「ホントにそれしかないんですかっ!!!」

 

 

 

 

フィル・ボルグの丘陵。

ペストとヴェーザーは子供たちを含めた全員でやってくると知らせを受けて、

七七五九一七五外門の”境界門”まで出迎えに来ていた。

 

「意外だったわ、あなた達が”ノーネーム”に身を寄せていたなんて」

 

「いろいろあったんだが祭とリーダーの企みでこういう流れになった。

頼華の奴は普通に仲間にしたがってたみたいだけどな」

 

「ホント可笑しなコミュニティ。

主力は一人残らずまともじゃないじゃない」

 

「だが退屈はしねえぜ、忙しすぎるってのもあるが」

 

”境界門”が起動して光が放たれる。

 

「マスターも隷属した以上、そのままメイドとして働くことになるだろうからな。

覚悟しといたほうがいいぜ、チビどもの相手」

 

「言われなくても分かってるわ。

元魔王として子供相手に泣き言いうつもりはないわよ」

 

境界門の中から人影が現れ出す。

ペストは百二十人もの子供たちを前に緊張を見せないように気合を入れて構え、

 

「いいぃぃぃやったあああぁぁぁぁ!!

マスターーーーーーァァァ!!!」

 

ラッテンの抱きつき(腹部)(フライングボディーアタック)で吹っ飛んだ。

 

「「なんかデジャヴ」」

 

後ろに続いていた十六夜と祭は見覚えがある光景に苦笑いをしている。

違いを挙げるなら

加害者と被害者の体格差が逆。

河には落ちなかった。

加害者が変態か否か。

この三点だろう。

 

「マスターー!

お会いしたかったですよーー!♪」

 

「わかった!分かったから一度離れなさい!!

威厳も何もあったものじゃない!!」

 

「メイド服着て威厳出せたら苦労しねえよマスター・・・」

 

とにかくラッテンを引っぺがすことに成功してメイド服に着いた土を払う。

 

「お前は二人と違い正式に”ノーネーム”に隷属している。

メイドとしてもプレイヤーとしても戦力になることを期待しているぞ」

 

「ああマスター、”ノーネーム(ウチ)”の使用人頭」

 

「馴染み過ぎでしょ!」

 

「これから同僚として働くのだ。

お互い禍根は無しにして仲良くやろうじゃないか」

 

「何もかもを受け入れるわけじゃないわよ」

 

元魔王、そしてメイドの二人が握手を交わす。

 

「それでは初仕事を言い渡す。

これから”アンダーウッド”まで子供たちの引率をして無事到着させること。

まずはラッテンとヴェーザーが手本になってやれ。

主従と使用人としての序列は別物だと思え」

 

「そうだレティシア俺と祭は少し別行動させてもらうぜ?」

 

「それは構わないが?」

 

「十六夜は一足先に”アンダーウッド”。

僕は少し戦場を見て回ろうと思ってます」

 

「随分勝手だな」

 

「一応それぞれ考えがあってのことだよ。

保険レベルではあるけど」

 

「ふむ、わかった。

祭の方は単独になる以上、十分気を付けてくれ」

 

「もちろんだよ」

 

「じゃあ俺は先に行くぜ、

さっさと済ませて来いよ!」

 

「ああ。それじゃあ子供たちの事は任せたからね」

 

そうして二人はそれぞれ別方向へ。

 

「じゃあ私たちも向いましょう。

だらだらやってると着くのが遅くなっちゃうわ」

 

「その前にお前の事を子供たちに紹介しないとな。

新しく生活を共にすることになったペストだ!

元魔王であるがメイドとして皆と共に働くことも多くなるだろう」

 

レティシアの紹介を受けてペストが前に出る。

その後ろでは二人の執事が耳を塞いでいた。

 

「「「「「「「「「「よろしくお願いします!!!」」」」」」」」」」

 

子供たちの大音量挨拶(”ノーネーム”式の洗礼)によってペストがふらついた。

 

「元気なのは・・・・いいことね・・・・よろしくお願いするわ・・・」

 

その後の道中メイドの一人がジト目で執事たちを睨みつけ、

子供たちが怖がって使用人頭が拳骨を見舞ったそうな。

 

 

 

 

「土産を渡す前に少しくらいは景色を楽しんでもいいだろう」

 

十六夜は先発の三人に宝物庫からいくつかのギフトを持ってきていた。が

”アンダーウッド”その景観を前に寄り道するようだ。

 

「ヤハハハハ、これは確かに絶景だな。

新緑と深緑に清流。夜が明けたらまた一味違うんだろうな!」

 

好奇心のままに幹を駆けのぼり、最上の葉の上に立つ。

 

「魔王に襲われて此処までの復興に十年か・・・

どれほどのコミュニティが携われば行けるんだ?

・・・・・・三年は流石に無謀か」

 

「何が無謀なのでございますか」

 

「黒ウサギか、せっかく一人星空を独占していたというのに。

空気の読めない奴め」

 

「なら十六夜さんは礼儀として主催者への挨拶をすっぽかさないでください。

到着したなら私かジン坊ちゃんと共にサラ様のところへ行くのが普通です!」

 

「『人に物語、景色に浪漫あり』。

こんな興味惹かれる対象を目の前にしたら仕方ねえだろ。

俺達は明日の朝にでも挨拶させてもらうさ」

 

「俺達って祭さんもですか!?」

 

「戦場を少し調べておきたいってよ」

 

「ハァ。本当に仕方のない方たちです。

それで先ほどおっしゃっていたのはいったい?」

 

「留守番中に祭と再興計画の草案でも考えておこうかってなってな。

”名”と”旗印”はカタキの魔王を見つけなきゃならねえからスケジューリングできないが、

他は上手くやれば三年頑張れば何とかなりそうだって結論になったんだが・・・」

 

「三年!!確かに皆さんの実力であれば予想以上の復興速度にはなるでしょうが、

ありがたいことに”ノーネーム”は軌道に乗る秒読み状態でございますよ?」

 

「”東区画最強”だったんだろ。

それに見合ったものにするには最低でも三年と考えてたが、

此処を見て変わった。

三年は無理だ、でも七年でなんとかする!」

 

「十六夜さん・・・」

 

「手始めとしてこの収穫祭で荒稼ぎだ。

その為にも邪魔な巨人どもには早々にお引き取り願わないとな!」

 

「そうでございますね!

ゲームでない以上黒ウサギも全力で戦いますとも!!」

 

「それに春日部達に土産を持って来たからな。

純粋な攻撃力アップとはいかねえが楽に戦えるようになるはずだ」

 

「新しいギフトですか?」

 

「宝物庫で埃かぶってたやつだよ。

祭が見つけて、ジットに書庫を漁らせて使えるものを持って来た」

 

「この短時間でそんなに!

流石は祭さんです!」

 

「馬鹿か、前々から少しずつやってたんだと。

『ギフトカードにしまうだけしまってギフトネームを知れば後は簡単』だそうだ。

それでだ黒ウサギ、つられて長話に付き合ってたわけだ。

挨拶が遅れたのはお前も同罪ってことでいいな」

 

「いやっ!・・・・・うぅ。

今回ばかりは反論できないのです・・・」

 

してやったり顔の十六夜はそのまま葉の上に寝転がった。

 

「ついでだ黒ウサギ、一つ聞きたいことがある」

 

「え?あの、もしかしてヘッドホンの件ですか?

それでしたら」

 

「三毛猫。

よく知らんが暴走してやったんだろ?

俺は気にしてねえ、もっと言えば証拠を残さない工夫をしろって叱りたい位だ」

 

制服のポケットから三毛猫の毛が入れられた小瓶を投げて渡した。

 

「俺が聞きたいのは”クイーン・ハロウィン”の騎士様の方だ。

そいつは強いのか?」

 

「十六夜さんに先に出会っていなければ彼女を純粋な人間(・・・・・)であることを信じなかったでしょう。

収穫祭で十六夜さんに打ち勝つ相手がいるとするならば間違いなく彼女です」

 

「ソイツは嬉しい誤算だな!

俺とやりあえる奴がただの人間だと!?随分楽しめそうじゃねえか!!」

 

「『戦いもまた娯楽』。

感動を求めてなのはよろしいですが、メインは戦果であることを忘れないでくださいね」

 

「!!

面白そうな言葉だな。自前の格言か?」

 

「いえいえ、同志の受け売りです。

先ほど十六夜さんがおっしゃった『人に物語、景色に浪漫あり』という言葉と、

同じことをおっしゃっていた方で黒ウサギの恩人でもあります」

 

「そいつは、是非とも会ってみたいもんだ」

 

「残念ながらその方も。

不思議なことですが祭さんや、

特に十六夜さんを見ているとその方を思い出すことがあります」

 

「どこが似てるんだ?」

 

「魂が」

 

「へえ?」

 

「祭さんの場合は行動が、でしょうか?

参謀としてコミュニティの為にいろいろと動いていらっしゃいましたから」

 

「そうか」

 

そのまま十六夜は夜空を見上げている。

そのどこか焦点の定まらないような瞳は珍しかった。

 

「今、星が・・・!?」

 

 

 

 

     《 目覚めよ、林檎の如き黄金の囁きよ 》

 

 

 

 

不意に響く不吉な声そして続けざまに竪琴の音が響く。

 

 

 

     《 目覚めよ、四つの角ある調和の枠よ

 

       竪琴よりは夏も冬も聞こえ来たる

 

       笛の音より疾く目覚めよ、黄金の竪琴よ ! 》

 

 

 

「この詩は・・・マズイ黒ウサギ!”黄金の竪琴”はどこだ!?」

 

「それならサラ様に管理を任せているはずですが

「すぐに破壊しろ!!あれは

 

『如何にも。

”来寇の書”より召喚されたトゥアハ・デ・ダナンの神格武具。

敵地に在って尚、目覚めの歌で音色を奏でる神の楽器だ』

 

晴れ渡った空に雷鳴がとどろき、昏く染まってゆく。

その空が割れ、裂け目より出で来たる巨躯に十六夜たちは驚愕した。

 

 

「GYEEEEEEEEEEEEEEEEEYAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaayyeeeeeeEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」

 

 

『あれこそが神話にのみ息衝く最強の生命体

 

龍の純血種だ!!!』

 

確認できたのは頭部のみで、その全容はうかがい知れない。

その時戦場であった平原より炎を纏った熱柱が巨龍に向け撃たれた。

 

「祭か!?」

 

立ち昇る熱柱により戦場が明るくなりそこにいてはならぬ敵の姿も確認できる。

 

「巨人族!?こんな時に」

 

 

「GGYYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaYEEEEAAAAAAAAAAAaaa!!!」

 

 

「あんまり効いてねえ!それより有象無象をどうにかしないと龍退治の前にやられるぞ!!」

 

十六夜が黒ウサギに言った通り、巨龍がまき散らす鱗より巨亀や大蛇、

様々な化生が生み出されて街や戦場に降り注いでいる。

 

「どうした黒ウサギ!行くぞ!?」

 

「待ってくださいレティシア様が!!?」

 

黒ウサギが指し示した方向にはローブに身を包んだ何者かにレティシアが抱えられ、

空を昇って行く姿が見受けられた。

 

「レティシア!!」

 

「十三番目だ・・・・・」

 

「何!?」

 

十三番目の太陽を撃て(・・・・・・・・・・)・・・・・・・!

それが私のゲームをクリアする唯一の鍵だ!!!」

 

レティシアが自由の効かぬままありったけの力を振り絞って叫んだ。

そのままレティシアの体は掲げられ、巨龍に飲み込まれて光となった。

 

その光が弾け、黒い封書が降り注ぐ。

 

 

 

 

 

『ギフトゲーム名  ”SUN SYNCHRONOUS ORBIT in VAMPIRE KING”

 

 

プレイヤー一覧

  ・獣の帯に巻かれた全ての生命体。

  ※但し獣の帯が消失した場合、無制限でゲームを一時中断とする。

 

 

プレイヤー側敗北条件

  ・なし(死亡も敗北と認めず)

 

 

プレイヤー側禁止事項

  ・なし

 

 

プレイヤー側ペナルティ条項

  ・ゲームマスターと交戦した全プレイヤーは時間制限を設ける。

  ・時間制限は十日毎にリセットされ繰り返される。

  ・ペナルティは“串刺し刑”“磔刑”“焚刑”からランダムに選出。

  ・解除方法はゲームクリア及び中断された際にのみ適用。

  ※プレイヤーの死亡は解除条件に含まず、永続的にペナルティが課せられる。

 

 

ホストマスター側 勝利条件

  ・なし

 

 

プレイヤー側 勝利条件

  一、ゲームマスター・“魔王ドラキュラ”の殺害。

  二、ゲームマスター・“レティシア=ドラクレイア”の殺害。

  三、砕かれた星空を集め、獣の帯を玉座に捧げよ。

  四、玉座に正された獣の帯を導に、鎖に繋がれた革命主導者の心臓を撃て。

 

 

 

宣誓

 

上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

”       ”印』




遂に巨龍召喚まで来ました。

おふざけ抜きにしてそのまま次は”十三番目の太陽を撃て”に入ります
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