”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ?   作:バリアリーフ

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絶賛問題児行動中

 二一〇五三八〇外門。ペリベッド通り・噴水広場前。

 

 

 

「ジン坊ちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの三人が?」

 

「はいな、こちらの・・・・・・」

 

振り返る黒ウサギの目には、春日部耀、久遠飛鳥、仲邑祭の三人しか映らない。

 

「はーい、黒ウサギ先生が困惑してるので出席を取りまーす。春日部耀さん」

 

「はい」

 

「久遠飛鳥さん」

 

「はい」

 

「逆廻十六夜くん」

 

「十六夜君なら

『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』

と言って駆け出していきましたー」

 

「はーい、ありがとう。では周防院頼華君」

 

「頼華は

『なんか面白そうな生き物捕まえてくる♪』

って」

 

「ありがとう。仲邑祭、出席と。

出席三名、早退二名です先生」

 

「だれが先生ですか!

いえ、そんなことより、どうして止めてくれなかったんですか!」

 

「『止めてくれるなよ』

と言われたもの」

 

「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

「『黒ウサギには内緒♪』

と言われたから」

 

「嘘です、絶対嘘です!

実は面倒くさかっただけでしょう御三人さん!」

 

「「「うん」」」

 

orzな黒ウサギ

 

「た、大変です!”世界の果て”には

ギフトゲームのために野放しにされている幻獣が」

 

「十六夜は”世界の果て”を目指していたな」

 

「頼華君は”面白そうな生き物”を探していたわね」

 

「・・・・・・幻獣が当てはまる」

 

「じゃあ彼らはゲームオーバー?」

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー?・・・・・・斬新?」

 

「「「これは一大事」」」

 

「冗談を言っている場合じゃありません!」

 

ジンの必死の抗議も三人には馬耳東風といったところか。

そして黒ウサギがショックから立ち直り

 

「ジン坊ちゃん・・・・・・

申し訳ありませんが御三人様のご案内をお願いいたします。

黒ウサギは・・・」

 

その時、黒ウサギの髪が鮮やかな緋色に染まる。

 

「問題児様の首根っこ!捕まえてくるのですよーーーーーー!!!」

 

あっという間に見えなくなる黒ウサギの背中を、

ジンと三人の問題児は見送った。

 

「・・・・・・箱庭の兎は随分速く跳べるのね」

 

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。

力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種ですから」

 

「様々な権限ね・・・・・・

それはそうと案内よろしく頼むよ、ジン君。仲邑祭だ」

 

「私は久遠飛鳥、よろしくね。そして」

 

「春日部耀、この子は三毛猫」

 

ニャーと三毛猫も挨拶をする。

 

「コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。

齢十一になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします」

 

自己紹介と共に深くお辞儀をするジン、

飛鳥と耀は倣って一礼し、祭は握手を求める。

 

「さ、それじゃあ箱庭に入りましょう。

まずはそうね。軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ」

 

 

 

 

 

 

 

四人は賑わった街並みを進む

 

「さてジン君、早速で悪いんだが・・・」

 

「なんでしょう?」

 

「招待状には【財産を捨て】とあった。

いきなりだったから手持ちもあるが、外界(むこう)箱庭(ここ)じゃ通貨が共通してるとも思えなくてね。

僕たちの分も君が出してくれる、ということでいいのかな?」

 

三人は驚き祭の顔を見る。

飛鳥と耀は通貨という考えにスグに至ったことに。

ジンはそれに加え、動揺を見せないように努めて

 

「ええ、段取りは黒ウサギに任せていたのですが・・・・・・

よければお好きな店を選んでください」

 

「それは太っ腹なことね」

 

再び歩き出す一向

 

「でも意外だった。

祭はもう少し落ち着いた印象だった」

 

「そうね、

十六夜君ほどでないにせよ黒ウサギへの接し方や、

今の言葉にもトゲを感じたわ」

 

「二人ともよく見てるねえ。

簡単な理由だよ、これも招待状に書かれていたことだけど【その才能を試すことを望むならば、】の一文。

読み終わっていきなり空の上。

もし僕が来ることを望まなかったとしても強制転送済み。ちょっと配慮に欠けないか、

 

同士を求めて召喚する(呼ぶ)のなら。ってだけ」

 

それを聞きジンは動揺する。

 

「すみません、祭さんは外界での生活の方が・・・・・・」

 

「いやいや、老衰までの暇つぶしにはちょうど良かったし、感謝もしてる。

ただねジン君、十一歳でも君はリーダーなんだろう?

だったらもっと多くのことに気を配れなきゃいけない。

これは黒ウサギも。

何よりみんなまとめて湖に叩き落されたんだからさ」

 

「それもそうね、あれには驚かされたわ。

悪い意味で」

 

「うん、びしょ濡れになった」

 

『ワシなんか危うく死にかけたわ』

 

「それは、本当に申し訳ありません!」

 

「もしかしたら十六夜たちの単独行動もその辺が原因かもね。

というわけで、先払いになっちゃってるけど水に流してあげようか?」

 

「構わないわよ」

 

「私もそれでいい」

 

「ありがとうございます」

 

『お嬢がええんならワシもええ』

 

(((ただし黒ウサギ、お前はだめだ)))

 

 

再び和やかな雰囲気を取り戻した四人と一匹は

近くにあった【六本傷】の旗を掲げるカフェテラスに座る。

 

 

 

 

_______________________________________

 

 

 

     世界の果て付近

 

 

「さて、どうっすかなぁ~」

 

頼華は盛大に迷っていた。

無理からぬ話である。

 

気まぐれに進む。

物音がした方向に進む。

偶然にも幻獣に出会えない。

だからギフトゲームを始めたくてもできない。

再び気まぐれに進む。

 

迷わない方がおかしい。

 

「十六夜探すか、箱庭に向かうか、う~ん」

 

こうなっても深く考えないのが周防院頼華である。

彼は非常に楽天的だった。

 

そんな時、龍巻く水柱を視界の隅にとらえる。

 

「くっはっっっっっっ!

十六夜に決定ーー!」

 

見えた水柱の方に向かってまっすぐ(・・・・)走り出した。

 

 

 

 

頼華の向かう先から声が聞こえる。

 

「二百年守った貞操?

うわ、超傷つけたい」

 

「お馬鹿!?いいえ、お馬鹿!!!」

 

「じゃあオレがー」

 

「させません!」

 

「よう頼華、遅かったな」

 

「適当過ぎて迷いまくった~」

 

「ヤハハ、

それよりまた乾かしてくんねえか?」

 

「それはいいけど、

移動してからじゃないと意味なくなるよ」

 

「じゃあ行くか、

まだ”世界の果て”にある滝を見てねえんだ」

 

「ならギフトだけでも戴いておきましょう。

ゲームの内容はどうあれ、十六夜さんは勝者です。

蛇神様も文句はないでしょうから」

 

「十六夜、ギフトいるー?」

 

「俺にのされるような奴のギフトだからな~」

 

「戴けるものは戴くに限ります!

それに十六夜さんがデタラメなだけで、

あの蛇神様は神格をお持ちですからギフトも期待できますよ!」

 

黒ウサギが小躍りでもしそうな足取りで大蛇に近寄る。

 

「なあ、頼華」

 

「う~ん、間違いないんじゃない」

 

「だろうな」

 

これだけで通じるのは、それぞれの経験値からなるものである。

 

「ね~ね~黒ウサギ~、

オレたち質問があるんだけどいい?」

 

「はいな!何なりとこの黒ウサギに聞いてください」

 

「オマエ、

 

なにか決定的な事をずっとかくしてるよな?」

 

「・・・・・・・・・なんのことです?

箱庭の話ならお答えすると約束しましたし、ゲームの事も」

 

「綺麗にとぼけてるとこ悪いね、

必死過ぎ。

ちゃんと話して」

 

「俺もコイツも、

他の三人は知らねえが、気づいてるぜ。

黒ウサギのコミュニティは弱小のチームか、

もしくは訳あって衰退しているチームかなんかだろ?」

 

黒ウサギの表情が動揺に染まる。

血の気が引いてゆくのを黒ウサギは感じた。

 

「五人呼び出されて、全員が全員普通じゃない。

単純に戦力強化目的でしょ。」

 

「んで、この事実を隠していたってことはだ。

俺たちにはまだ他のコミュニティを選ぶ権利があると判断できるんだが、

その辺どうよ?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「沈黙は是なり、だぜ黒ウサギ。

この状況で黙り込んでも状況は悪化するだけだぞ。

それとも他のコミュニティに行ってもいいのか?」

 

「や、だ、駄目です!いえ、待ってください!」

 

「だからコイツも言ってるだろ『ちゃんと話して』ってな」

 

「・・・・・・・・・わかりました。

ここまでくれば黒ウサギ、包み隠さずオモシロオカシク話して

お二人にコミュニティに入っていただくのです。」

 

 

_______________________________________

 

 

 

「おやおや誰かと思えば

旗も名も失った”名無し”のコミュニティのジン君じゃありませんか。」

 

「僕らのコミュニティは”ノーネーム”です。

”フォレス・ガロ”のガルド=ガスパー」

 

そうして二人は睨み合う。

 

「失礼ですけど、

同席を求めるならばまず氏名を名乗ったのちに

一言添えるのが礼儀ではないかしら?」

 

「おっと失礼。

私は箱庭上層に陣取るコミュニティ【六百六十六の獣】の傘下である

「烏合の衆の」

コミュニティのリーダーをしている、

ってマテやゴラァ!!誰が烏合の衆だ小僧オォ!!!」

 

祭はそんなやり取りに辟易し、ため息を漏らす。

 

「はいはいはいはい、

そこまでにしてくれ話が進まない。

喧嘩を見せたい訳じゃないだろうジン君もガルドさんも」

 

「ええ」

 

「失礼」

 

「それに僕はガルドさんの『旗も名も失った』という言葉が気になる。

説明してくれるか?ジン」

 

「そ、それは」

 

「なるほどね。

ジン君、貴方はコミュニティのリーダーと私たちに名乗った以上、

黒ウサギ同様コミュニティについて説明する義務があるはずよね?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「お二人の言う通りだ。

新たな同士に箱庭の世界のルールを教えるのは当然の事。

コミュニティのリーダーならばなおさらだ。

しかし彼はそれをしたがらないでしょうから

、この私、”フォレス・ガロ”のリーダーであるガルド=ガスパーがお話いたします。」

 

「お願いします」

 

「まず、コミュニティとは読んで字のごとく

複数名で作られる組織の総称です。

受け取り方は様々、国から家族、幻獣などでは群れと称するでしょう。」

 

「それぐらいわかるわ」

 

「確認までに。

そして箱庭で活動するコミュニティは、

”名”と”旗印”を申告しなければなりません。」

 

「この世界の身分証、

といったところですか?」

 

「ええ、二つともコミュニティにとっての誇りでもあり、

特に旗は縄張りを主張するうえでも大事なもの」

 

「縄張りねえ」

 

「この店に掲げられた”六本傷”の旗もそうです。」

 

「となるとこの辺りは

貴方のコミュニティが支配しているということでいいのかしら」

 

「はい。私のコミュニティは旗をかけたゲームで連戦連勝。

この区画を治めるまでになりました。

そしてここからが

皆さんの入ろうとしたコミュニティ”ノーネーム”についてです」

 

 

 

 

_______________________________________

 

 

 

 

 

「私たちのコミュニティは

三年前まで東区画最強と言われるコミュニティでした。」

 

「その時事件があったと」

 

「YES。

私たちは一夜にして滅ぼされたのです。

箱庭を襲う最悪の天災【魔王】によって」

 

「「ま・・・・・・・・・マオウ!?」

 

十六夜、頼華、ともに瞳を輝かせ

 

「強い!?魔王って強いの!?」

 

「箱庭にはそんな素敵ネーミングで呼ばれる奴がいるのか!?」

 

「お二人が想像する魔王とは差異があると・・・・・・」

 

「でもなんてったって魔王なんだし、

ぶっ倒しても文句ないでしょ!!」

 

「倒したら各方面から感謝される可能性はございます。

条件次第では隷属させることも可能ですし」

 

「へえ?」

 

「魔王の恐ろしさは、

その強大な力以上に【主催者権限(ホストマスター)】と呼ばれる特権にあります。

これにより挑まれたものはゲームに強制的に参加させられるのです。」

 

「な~るほど。

東最強でも問答無用のゲームじゃ辛いよねえ」

 

「それで黒ウサギたちのコミュニティは壊滅したわけか」

 

「名を旗印を奪われ、

コミュニティの中核である同士たちも失いました」

 

「再建するぐらいはできただろう?」

 

「はい。名と旗印を改めれば。

しかし、それは別のコミュニティでございます。

それでは仲間たちが返ってくる場所を失うことになります。

茨の道であることは重々承知しております。

それでも私たちはコミュニティを再建したいのです!

ですからお二人や皆さんのお力が必要なのです。

我々【ノーネーム】にお力を貸していただけないでしょうか・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・ふぅん。魔王から誇りと仲間をねえ」

 

(ここで断られたら・・・・・・私たちのコミュニティはもう・・・・・・)

 

 

黒ウサギにっとて何よりも辛い沈黙。

気怠そうな十六夜の姿と、

目を閉じた頼華の何も読めない表情が、

黒ウサギの心臓を一層締め付けた。

 

 

 

「いいな、それ」「面白そうだね」

 

「______・・・・・・は?」

 

「HA?じゃねえよ。

協力するって言ってんだ。もっと喜べ黒ウサギ」

 

「え・・・・・・・あ、あれれ?

今の流れってそんな流れでございました?」

 

「そんな流れでございましたですことよ?

黒ウサギ~ボケたんじゃないの~?」

 

「そりゃマズイな。余所(よそ)行くぞ頼華!」

 

「だ、駄目です駄目です!

ボケてなんかおりませんし、お二人の力が必要です。

言質もとりました!」

 

「うんうん。

そんじゃ”世界の果て”見学して帰ろっか(・・・・)!」

 

「~~~~~YES!!」

 

「それで黒ウサギ、あの蛇は何をくれたんだ?」

 

「そうでございます!なんと!

こんな大きな水樹の苗を戴いたのですよ♪

これでもうお水には困らないのです♪」

 

そう言って水樹の苗に頬ずりしだす黒ウサギ。

 

「なんか力抜けるな~」

 

「ヤハハハ、んで頼華。

お前足は速いのか?」

 

「ん~頑張って音速くらい?

十六夜や黒ウサギには敵わないんじゃないかな?」

 

「いえいえ、十分過ぎるくらいなのです」

 

「よし。黒ウサギ、案内頼む」

 

「任されたのですよ」

 

そうして二人は駆け出し

 

「オレも『通過加速』」

 

腕を一振りし走り出す。

 

「ちょ、頼華さん!前!前!」

 

彼の眼前に大木が迫り

 

 

通り抜けた(・・・・・)

 

 

「はえ?」

 

「なるほど、それがお前のギフトってわけか」

 

「そゆこと~」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・黒ウサギからも

お二人にお聞きしたいことがございます。

お二人はどうして黒ウサギ達に協力してくださるのです?」

 

「オレは面白そうだから」

 

「端折り過ぎだろ」

 

「ん~~、黒ウサギの話を聞いてる感じ、

一番取り戻したいのが仲間ってのが分かったでしょ。

そういうのいいなあって。

それにそんな風に思われる人たちに会いたいって思ったから?」

 

「う~、なんというか照れくさいのです」

 

「十六夜は?」

 

「俺か?・・・・・・

じゃあ二人はなんで俺が”世界の果て”を見たいかわかるか?」

 

「質問に質問でかえすのは良くないよ~?」

 

「やはり面白そうだから、

ではないでしょうか。

十六夜さんは自称快楽主義者ですから」

 

「絶景マニア!!」

 

「ヤハハハハ!

まあ半分正解だがタイムリミットだ」

 

 

走り続けた三人は”世界の果て”トリトニスの滝にたどり着く。

 

 

「答えは簡単だ。ロマンがある」

 

「綺麗だね」

 

「YES]

 

「言葉なんか必要ねえ感動がある。

充分だろ」

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、それじゃ行きますか」

 

「だね」

 

「それと黒ウサギ」

 

「なんでしょう?」

 

「コミュニティには力を貸すが、残りの連中の説得は別だ。

騙すも誑かすも自由だが、後腐れ無いように頼むぜ。

同じチームでやっていくなら尚更な」

 

「流石に向こうもバレてるんじゃな~い?」

 

「しっかりと誤って、ちゃんと話します。

だから大丈夫です」

 

「ヤハハハハ、そうか」

 

「くっはっっっっ」

 

皆笑顔になり、仲間のもとへ駆け出した。

 

 

_______________________________________

 

 

 

    少し時を戻し、【六本傷】のカフェテラス

 

 

 

「そして残すは黒ウサギとジンをはじめとした子供たちだけ、ですか」

 

「そうです。

いくらコミュニティの再建を掲げようと、

実態は黒ウサギの寄生虫」

 

「・・・・・・・・・・・・・っ」

 

「黒ウサギが不憫でならないのです。

ましてや皆さんが同じ目に会うと考えただけで私は・・・

ですからいかがでしょう?

黒ウサギ共々、私のコミュニティに来ませんか?」

 

「な、何を言い出すんですガルド=ガスパー!?」

 

「黙れ、ジン=ラッセル。そもそも」

 

「そこまで、

同じこと繰り返すのはさすがに嫌なんだけど」

 

「・・・・・・・・・・・で、どうですか皆さん。

返事はすぐでなくても、三十日間の自由が約束され

「その必要はないわ。

ジン君のコミュニティで私は間に合ってるもの。

春日部さんは今の話どう思う?」

 

「別に、どっちでも。

私はこの世界に友達を作りに来ただけだもの」

 

「あら以外、じゃあ私が友達一号に立候補していいかしら?

私達って正反対だけど、意外に仲良くやっていけそうな気がするの」

 

「じゃあ僕も便乗させて貰おうかな」

 

「・・・・・・うん。

二人は私の知ってる子たちとちょっと違うから大丈夫かも」

 

「ありがとう。

ついでにあとの二人も予約という形でいいかな?」

 

「問題ない」

 

「オホンッ!

失礼ですが、理由を教えてもらっても?」

 

「だから、間に合ってるのよ。

春日部さんは聞いての通り友達を作りに来ただけだから、

ジン君でもガルドさんでもどちらでも構わない。

そうよね?」

 

「うん」

 

「僕もどちらでも構わなかったんだけど、

強いて言えば先に声をかけられたから。

他の基準が存在しなければこういったものは早い者勝ちですから」

 

「だそうよ。

そして私、久遠飛鳥は___

裕福だった家も、約束された将来も、

おおよそ人が望みうる人生の全てを支払って、この箱庭に来たのよ。

それを小さな小さな一地域を支配しているだけの

組織の末端として迎え入れてやる、

などと慇懃無礼に言われて魅力的に感じるとでも思ったのかしら。

だとしたら身の丈を思い知った上で出直して欲しいものね、

このエセ虎紳士」

 

「お・・・・・・お言葉ですがレデ

「『黙りなさい(・・・・・)

 

(おそらくだが・・・それに)

 

「・・・・・・・!?・・・・・・・・・・・・・!??」

 

「私の話はまだ終わってないわ。

「せっかくのところごめんね飛鳥さん。

質問、僕がしても構わない?

僕は本来性格が悪いんだ」

 

「分かったわ・・・・・・

そこに座って(・・・・・・)彼の質問に答え続けなさい(・・・・・・・・・・・・)』」

 

「ありがとう。

それでは皆様方。

これより【フォレス・ガロ】のリーダー、ガルドさんに

連戦連勝の秘密をインタビューしたいと思います。

せっかくですので皆様もぜひお聞きになって、

コミュニティ成長の助けとしてください」

 

(そういうこと。祭君もやるわね)

 

「早速、と行きたいところですがワタクシも緊張しておりますので、

ジン君に緊張をほぐしていただきましょう」

 

「!僕ですか!?」

 

「ええ、質問の練習といったところですから。

この箱庭での災厄【魔王】。

ジン君のコミュニティはその魔王に名と旗印を奪われた。

間違いありませんね」

 

「っ!・・・・・・はい」

 

「ガルドさんは魔王でもないのにかかわらず、

ギフトゲームで勝利し支配を広げています。

こんなことは可能なのでしょうか?」

 

「え?はい。可能です。

ですがかなり稀なケースです。」

 

「なるほど、ありがとうございました。

それではメインゲストのガルドさん。張り切ってお答えください。

稀なケースである旗印を賭けたギフトゲームに、

どうして対戦相手はのってくれたんですか?」

 

「手段はさまざま・・・・

相手コミュニティの女子供を攫い脅迫する。

周りからの圧力を使う。

関わるコミュニティを先に潰しもした」

 

「下衆な回答いただきましたー。

なるほど。続いての質問です。

負けた人たちは、そんな勝ち方をしたあなたを恨むと思うんです。

ちゃんと働いてくれない時はどうするんですか?」

 

「それぞれのコミュニティから人質をとってある」

 

「下衆から外道にランクアップ!

皆様不愉快極まりないでしょうが、今しばらくお付き合い下さいませ。

ではガルドさん。

その人質の方々はいまどこにいらっしゃいますか?」

 

 

 

「もう殺した」

 

 

 

空気が凍った

祭の、飛鳥の、耀の、ジンの、店員たち、客たち、通行人の思考が凍りついた

なおもガルドは

 

「初めてガキを連れてきた日、

泣きわめいてムカつくから殺した。

それからもイラついて殺した。

面倒になって連れて来たら殺す。

証拠が残らない用に腹心たちに食「飛す

 

 

「『黙れ(・・)』」

 

 

「すまない・・・・・・

皆さんも、申し訳ありません」

 

 

 

人が散ってゆく

 

 

店員たちも店の中に引っ込んでしまった

 

 

もう飛鳥たちしかいない

 

 

「ジン君・・・・・・

箱庭の法で外道を裁けるのかしら」

 

「厳しいです。

証拠を集めるまでに箱庭の外に逃げられれば、

それまでです」

 

「・・・・・・そう」

 

 

飛鳥が指を鳴らすと、ガルドに自由が戻る。

怒り狂うガルドは

 

「この餓鬼がああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

自身のワータイガーのギフトを顕現させ、祭を殴りつけた。

 

「「「祭(君)(さん)」」」

 

「・・・・・・・・・・・・・・大丈夫」

 

「おい餓鬼!

本気の俺様に殴られてなぜ生きてやがる」

 

「猫畜生にじゃれ付かれて死ねるなら、

そもそも箱庭に呼ばれてないよ」

 

「糞がああぁぁぁ!!!!」

 

再び殴りかかるガルド、

それ以上に耀は速かった。

 

「これ以上させない」

 

「・・・ゥグガ!?」

 

ワータイガーのギフトを用いていても耀の拘束を解けない。

純粋なまでに力の差が見えた。

 

「テメェラどういうつもりだコラァ!!・・・・・

俺に手を出せば箱庭第六六六外門を守る魔王が黙っちゃいねえぞ!!!」

 

「虎のくせして、

他人様の威を借りてるようじゃ世話がないな。

魔王が黙っちゃいない?

 

それがどうした!!」

 

「まったくね。

私も春日部さんも、ジン君だってそんなこと気にしないわ。

だって彼の最終目標は、コミュニティを潰した『打倒魔王』だもの」

 

「・・・・・・はい。

僕たちの最終目標は魔王を倒し誇りと仲間達をとりもどすこと。

今さらそんな脅しには屈しません」

 

「十一でリーダーやって、

お前みたいなのに怯むことなく喧嘩する時点でモノ(・・)が違うんだよ、ガルド。

でだ

「祭君」

 

「ああ、さっきはすまなかった。

言いたいことは同じだろう。

飛鳥さん、最高に決めちゃってください」

 

「もちろんよ。

貴方にはもう破滅しか残っていない。

だからって箱庭の外であろうと生き延び、

貴方のコミュニティが存在することも認める気はないの。

 

だから」

 

 

 

 

「私たちと『ギフトゲーム』をしましょう。

あなたの【フォレス・ガロ】存続と【ノーネーム】の誇りと魂を賭けて、ね」

 

 

 




恐ろしく書いた。自分史上最高量を書いた。

次は白夜叉登場か~
荒れるぞ~♪


誤字脱字はおしらせください。
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