”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ? 作:バリアリーフ
”世界の果て”に行っていた三人と
”六本傷”のカフェテラスで揉めていた四人は無事合流できました。
話を聞いた黒ウサギは激怒!
「な、なんであの短時間に”フォレス・ガロ”のリーダーと接触して
しかも喧嘩を売る状況になったんですか!?」
「向こうから絡んできたんだからしょうがないよ」
「あんな外道を放っておけと?」
「しかもゲームの日取りは明日!?」
「ぐずぐずしてたら逃げられる」
「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」
「罠や待ち伏せくらいならなんとでもなる」
「準備している時間もお金もありません!」
「今すぐ叩きのめしても構わないわよ?」
「一体どういう
「「「勝つつもり」」」
「聞いているのですか三人とも!」
「「「ムシャクシャしてやった。反省の必要は無い」」」
「黙らっしゃい!!!」
彼らが取り決めたギフトゲームは、
言ってしまえば大したメリットもない自己満足のためのもの。
勝てばガルドは、裁きをしっかり受ける。
負ければ祭たちは罪についてとやかく言わない。
そんなチップに同士が命を懸けて挑むのである。
黒ウサギの怒りも最もである。
「不倶戴天、あの外道を僕たちは許せないだけだよ。
それにリーダーであるジン君も同意した。」
「僕も彼のような悪人を野放しにしちゃいけないと思ってる」
同士たちの覚悟に触れ、黒ウサギは諦めたように頷いた。
「仕方のない人たちです。
腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。
”フォレス・ガロ”程度なら十六夜さんひとりでも
「オレは参加しねえよ?」
「どういうことですか!?」
「いいか?
この喧嘩はコイツらが
そしてヤツらが
なのに俺が手を出すのは
無粋だって言ってるんだよ」
「あら、分かっているじゃない」
「・・・・・・・・。
ああもう、好きにしてください」
*
「ジンを返したはいいけどさ~、
どこに寄り道~?」
「はい。
”サウザンドアイズ”で皆様のギフトを鑑定していただこうかと」
「・・・・・それもコミュニティ?」
「YES.”サウザンドアイズ”は
特殊な”瞳”のギフトを持つ者達の群体コミュニティで、
箱庭の東西南北、上層下層の全てに精通する
超巨大商業コミュニティなのです」
「一応聞くけど、
ギフトの鑑定っていうのは?」
「勿論、ギフトの秘めた力や、起源などを鑑定することです。
自分の力の正しい形を把握していた方が、
引き出せる力はより大きくなります。
皆さんも自分の力の出所は気になるでしょう?」
「やっぱり・・・・・・」
「・・・・・・祭、
どうかした?」
「なんでもありません」
それぞれ思うところがあるのか、
複雑な表情の問題児たち。
ただ、まあ、一人を除いて。
「ねえ、これって桜?
オレ向こうじゃ見たことなかったんだよね~
綺麗だな~」
「そうかしら?
花弁の形も違うし、
真夏になっても咲き続けているはずがないもの」
「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。
気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ」
「・・・・・・?今は秋だったと思うけど」
「「「「ん?」」」どゆこと?」
「おそらく僕たちは、
別の世界、別の時代、別の季節の住人だったんじゃないかな?」
「YES。
元いた時間軸以外にも
歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずですよ」
「へぇ?パラレルワールドってやつか?」
「正しくは立体交差平行世界論というものですが・・・・・・
説明しだすと一日二日かかってしまいますのでまたの機会に」
どうやら到着したようである。
一同の目の前には”双女神”の旗印を掲げる店があり、
ちょうどそれをしまう女性店員が映った。
「まっ」
「待ったは無しです御客様。
うちは時間外営業はやっていません」
「なんて商売っ気のない店なのかしら」
「ま、全くです。
閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」
(締め出すのはともかく、
閉店五分前に飛び込んでくるのは
良い客じゃあないよな~)
意外と常識的なことも考えていた頼華であった。
「なるほど、
”箱庭の貴族”であるウサギのお客様を無下にするのは失礼ですね。
中で入店許可を伺いますので、
コミュニティの名前をよろしいですか?」
「・・・・・・・・・・・・う」
言葉に詰まる黒ウサギ。
しかし十六夜はためらうことなく名乗る。
「俺達は”ノーネーム”ってコミュニティなんだが」
「ではどこの”ノーネーム”様でしょう。
よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
名と旗印がないというハンデを、
甘く見ていた問題児たち。
さらに黒ウサギは勢いを失い
「その・・・・・・あの・・・・・・
私たちに、旗印はありま
「いぃぃぃぃぃやほおぉぉぉぉぉ!
久しぶりだ黒ウサギィィィィ!」
黒ウサギは突然現れた少女に
近くの水路まで吹き飛んだ。
「・・・・・・・おい店員。
この店にはドッキリサービスがあるのか?
なら俺も別バージョンで是非」
「ありません」
「なんなら有料でも」
「やりません」
「ならオレが逆ドッキ
り!
跳び付こうとした頼華を
女性店員は箒で叩き落とした。
飛鳥と耀、女性店員の冷たい視線が突き刺さる。
「白夜叉様!?
どうして貴女がこんな下層に!?」
「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろに!
ほれ、ここが良いかここが良いか!」
スリスリスリスリスリスリスリ
「し、白夜叉様!
ちょ、ちょっと離れてください!」
白夜叉をひっぺがし、投げつける黒ウサギ。
足で受け止める十六夜。
女性店員の箒で空振りする頼華。
「ストラーイク」
「いつの間に!?」
女性店員も箒を取られたことに気付かなかったようだ。
「ゴプぁ!お、おんし、
飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ!」
「「四番キャッチャー」十六夜様だぜ。っておいコラ」
「くっはっっっ。
ありがとー」
遊び終わって満足したのか、
箒を返す頼華。
「頼華君の考えが理解できないのは私だけかしら?」
「大丈夫、私も」
「二人に僕の世界の格言を送るよ」
「なにかしら?」
「『気にしたら負け』」
「覚えておくわ。
それで、貴女はこの店の人?」
「おお、そうだとも。
この【サウザンドアイズ】の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。
仕事の依頼ならおんしのその年齢のわりに発育が良い胸を
ワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」
「オーナー。
それでは売り上げが伸びません。
ボスが怒ります」
「うう・・・・・・
まさか私まで濡れることになるなんて」
「ご愁傷様」
「因果応報・・・・・・かな」
『お嬢の言う通りや』
そんな一同を見回して白夜叉はニヤリと笑った。
「お前たちが黒ウサギの新しい同士か。
異世界の同士が私の元に来たということは・・・・・・
遂に黒ウサギが私のペットに」
「なりません!
どういう起承転結があってそんなことになるんですか!」
「まあいい。
話があるなら店内で聞こう」
「よろしいのですか?
彼らは旗も持たない”ノーネーム”のはず。規定では」
「【ノーネーム】だと分かっていながら名を尋ねる、
性悪店員に対する詫びだ。
身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。
いいから入れてやれ」
そうして白夜叉に続く一同
「からかってごめんね~」
最後に手をヒラヒラと振り、謝りながら頼華が店に入る。
ひとり女性店員だけが残される形となった。
「しょうわるってゆわれた・・・・・・・スンッ」
頼華の暴走が止まりません。止められません。
次は最初の山です。
契約書類です。それと二人にギフトゲームをどうからませるか悩みどころ。
そしてギフトの正体も発覚?
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