”他力本願な不死”と”自由気ままな指揮者”も来るそうですよ? 作:バリアリーフ
オリジナル難しいっす
現在”ノーネーム”本拠、談話室。
逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀、仲邑祭、周防院頼華、ジン=ラッセル、黒ウサギ。
問題児たちが呼び出されたその日であるため、
リーダーがジンである。という以外の上下が存在しない。
各々が好きな位置に腰かけていた。
事の中心である、祭と飛鳥は向かい合って。
「飛鳥さん、それから皆、
今回は本当に、すみませんでした!」
九十度に腰を折った謝罪から始まった。
「冷静に振り返り、
僕の個人的な問題から来る八つ当たりだった。
過ぎた発言だった。
できることならば、許してほしい」
先制攻撃だった。
流石に予想外の対応だったのか、沈黙が室内を包んだ。
飛鳥自身、これほど全面的な謝罪を受けるとは考えていなかったのである。
何とか口にした言葉も、彼女にとって予想だにしない事だった。
「まさか、ただ謝れば解決すると思っていた、
なんて理由の謝罪は受け付けないわ」
「もちろん、理由はちゃんとある。
それでも謝罪の言葉を何より先に言わなければならない。
それが筋だと思うからね」
「それならその理由とやらを伺いましょう?」
「説明するうえで、再び性格の悪い物言いをする。
僕の言葉で話すために」
「余計な枕はいらねえ。さっさと話せ」
「・・・・・・・・・」
『ですが祭さんも『分かってほしい』と
歩み寄ろうとなさっておられました。』
「私も今度は最後までちゃんと聴くわ」
「僕は箱庭に来るまで、
死ぬためだけに生きていた」
「「「「!!」」」」
(まあそんな感じだったしね~)
(予想通りっちゃなんだが・・・)
「最初に死なないことに気付いたのは偶然。
とある事故があって、その時の生存者は僕一人。
あり得ない状況だったらしい。
世間は僕の事を、奇跡の子だとか死神だとか好き勝手言ってた。
流石に持たなくてね、首を吊ったんだ。
死ねなかった。
手を変え品を変え、いろいろと殺ってはみたけど、
みんなダメ。
ほんとにいろいろ試した。
毒から出血から、何から何まで。
笑い死に、なんて変わり種も挑戦したかな?
むしろどういった死に方があるか探すのが楽しくさえあった。
最後に残ったのが、老衰。
寿命だけだったんだ」
『老衰までの暇つぶしにはちょうど良かったし、感謝もしてる』
「予想はしてたよ。
寿命もでも無理なんじゃないかって。
それでも意地汚く夢を見てたんだ。
ギフトカードで答え合わせをするまで」
『それでおんしら、自分のギフトをどれくらい把握しとる?』
『知らなくても構いません』
「それで不機嫌になって八つ当たり。
かっこ悪いにも程がある」
「ほんと、かっこ悪いわね。
グジグジグジグジと」
「そういってやるなお嬢様。
”根暗”なんだから大目に見てやれ」
「いくらなんでもコレは酷いわ」
「でも”根暗”全開コミュ障よりマシなんじゃない?」
「うん、祭のダメなところは根っこだけ」
「ははははははは。
手厳しいなあ」
「あの祭さん、ちょっとよろしいですか?」
「構わないよ黒ウサギ、もう何でも言ってくれ」
「箱庭には、多くはないものも”不死”のギフトは存在しますし、
それに対抗する”不死殺し”もございますよ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」
頭を抱えた。顔を覆った。テーブルに突っ伏した。
恥ずかしかった。壮絶に死にたかった。
過去最高に死んでしまいたかった。
問題児たちは、気づいていた。
あるいは予想していた。箱庭でなら彼を殺せる方法があることを。
だから笑って茶化していた。
これまで死ねなかったという事実が、
祭に固定概念を生み出し、
その可能性を排除していたことも。
「・・・・少しでいいです・・・・時間を下さい・・・・」
消え入りそうな悲鳴だった。
「「「「「黒ウサギ・・・・・・」」」」」
ジンですら冷たい視線を投げかけた。
「何と言いますか・・・・・申し訳ありません」
止めだった。
*
「落ち着いたかしら?」
「ハイ」
「少し聞きたいことがあるの」
「なんですか?」
「そこまでの生き方をしていたのに、
どうして、その・・・・・」
「まとも?」
「直球~」
「春日部さん!」
「ヤハハハ、今さら取り繕っても仕方ねえ」
「う~ん、あきらめと、
死ぬために人の力が必要な時もあったからかな?」
「じゃあ俺からもだ。
話を聞く限り、他人に興味なさそうなんだが、
どうしてガルドに喧嘩を売ったんだ?」
「僕は死なないだけで、痛みも苦しみもある。
痛くて辛くて苦しくて、泣き叫びもすればのた打ち回ることもある。
そんなのホントは知らなくていい。
生きて生きて、最後にちょっとだけ・・・・・
殺される理由もいろいろあるけど、
ガルドは一番許せない理由でそれをした。
だから許さない」
「熱々だね~」
「そうか?
結構無気力に生きてきたはずなんだけど」
「だったらどうしてあんなことをしたんですか!!」
沈黙を守ってきたジンが叫んだ。
突然のことに女性陣は目を丸くするばかりである。
十六夜の目は厳しく、ライカの目は冷めたものに変わり、
祭は真っ直ぐジンを見据えた。
「なぜノーネームに危険にさらすような真似をしたんですか!!
十六夜さんも頼華さんもです。
”ノーネーム”は今日から魔王を倒すためのコミュニティ?
ふざけないでください!!」
「何よそれ聞いてないわよ!?」
「・・・・・・どういうこと?」
「言いだしっぺは十六夜~」
「後で話すつもりだったんだが、
御チビにバラされちゃ仕方ねえな。
俺達は魔王を倒す、そのまんまだ」
「本気ですか!?
確かに私たちの目標は、”名”と”旗印”を取り戻すことです。
しかしそれでは他の魔王とも戦わなければなりません」
「ね~黒ウサギ?
魔王ってさ~こっちが選んで戦えるの?
白夜叉みたいに親切さんばっかり?」
「それは、無理でしょうね」
「それにジン君、三年前まで君たちは
東区画最強と謳われるコミュニティだったんだよね?
そんなコミュニティを一夜で滅ぼした魔王に、
君は勝つと言ったんだ」
「もう一度最強と呼ばれるくらいじゃなきゃ、
向こうは仕掛けてこないかも」
「そゆこと~」
ジンも黒ウサギも茨の道をゆく覚悟はあった。
だが険しさを正しく認識できてはいなかった。
「だとしても俺たちは”ノーネーム”。
そこらのコミュニティにすら相手にされない底辺だ。
名も旗もない俺たちはどうやってアピールすればいい?」
「どうやって・・・・・・」
「いっそプラカードでも掲げて練り歩く~?」
「頼華君、今は黙ってて」
「イェッサー」
「ジン坊ちゃん・・・・・・」
黒ウサギは答えにたどり着いた。
他のみんなも口を閉ざした。
この幼くも前を向くリーダーのために。
(ジン=ラッセルの”ノーネーム”は
今日から魔王を倒すためのコミュニティとなった!!)
「僕・・・・・・僕の名前を”名”の代わりにして
魔王を倒すという姿勢が”旗印”となれば」
「満点だぜ御チビ様!」
「他にも魔王にケンカ売りたい人が訪ねてくるかもね~」
「それに倒した魔王は、条件次第で隷属させられるんだろ黒ウサギ」
「大変難しいそうですが可能です」
「魔王すら取り込むコミュニティ、
いいんじゃないかしら」
「魔王の躾はお任せ下さい、とか?」
「春日部ナイスだ。そのフレーズいただきだ!」
「私も気に入った」
「ちょっと待って黒ウサギ。
さっきの言い方、もしかして”ノーネーム”には魔王がいたの?」
「はい。元・魔王ですが・・・・・・
ジン坊ちゃん」
「今度開かれる”サウザンドアイズ”のゲームに、
その元・魔王である仲間が景品として出品されます」
「「「「「!!」」」」」」
「唯一掴んだ仲間のゆくえでございます」
「それは取り返すっきゃないね~」
「もちろんよ」
「いえ、そのゲームの参加はコミュニティの代表一名。
なので十六夜さん、あなたに参加してもらってもいいですか?」
「しゃーねえな、任された」
「なら明日は前哨戦!」
「ガルドには悪いが”ノーネーム”復活の生け贄になってもらいますか」
「キャー、祭クン、こーわーいー♪」
「仕方ないだろう?
僕は
「「「「本来性格が悪いんだ」」」」
「・・・・・・はははははは。
人のセリフを取らないでほしいな」
「ごめんなさい、一度言ってみたかったの」
「オレも決め台詞考える~」
「・・・・・・本来性格が悪いんだ(ドヤ」
「ヤハハハハハハハ
やめろ春日部殺す気か!」
(雨降って地固まる、といったところでしょうか。
皆様は問題児かも知れません。
けれど来て下さったのが皆様でよかったと、
黒ウサギは心からそう思うのです)
ハチャメチャでも和気あいあいとさせたくてこんな感じになりました。
次回はギフトゲーム”ハンティング”
戦闘描写、頑張ります!