東軍___________終了まで__________西軍
11/19参加_______27:57
武功3173842_____/____3052168武功
奥義発動まで1:41____奥義発動まで1:39
攻84コンボ________________攻78コンボ
上御料社での合戦は僅差での東軍優位で進行していた。しかし未だ落城モードへの移行はないし、勝負の行方はこの時点ではどうにも判断することはできないだろう。
「よし、今度は私の番ね。……心力解放!」
東軍の京極高次が心力を発動させる。戦場では騎馬兵が駆け回って陣形変更の指示を出し、戦闘効率を上げていた。西軍にも数秒後に同様の動きがあった。勿論こうした動きの間にも最前線では斬りつ斬られつの争いが続いている。
信長は氷との指示が出ている画面を尻目に次第に緊張を高めていた。別になんということはない。初めておみくじが切れそうな場面に遭遇したのである。残りおみくじはなし、SPは今使用したスキルによる減少により75となった。しばらく信長は苦慮し続けていたが、
「そうだ、いい考えがある」
信長はホームボタンを押し一旦マイページに戻った。
「合戦おみくじってのは進軍とかいうモードで勝利すると1回につき一枚獲得できると聞いたことがある。もし合戦中に進軍を行うことができれば……!」
信長は合戦画面を見ていない背徳感に襲われながら進軍モードに入った。ステージ名をタップし敵将選択画面に入る。
「くっ、一体どうなってんだ!もう腰兵糧も使い切っちまったし、これ以上動き回っても作戦の効率が落ちるだけだ」
前田利家が不満を口にする。
「利家よ、一旦後ろに下がって休めとの命が下されたぞ。周辺を警戒しつつ、後退を開始せよ」
利家の上官の剛力の鬼神・柴田勝家がぼやく彼に言葉をかけた。
「了解です。ふ〜、やっとのことで休めるな」
利家は馬首を返し本陣のある拝殿の方角へ向かう。他の兵士達もそれぞれの物頭から一旦後ろに下がるとの命を受け喜び勇んで後方に戻って行く。
「細川様ごめんなさーい!もうしませーん!」
退いていく信長の兵とすれ違う形で、遅刻した前衛の大友宗麟(女)隊が前線へ飛び出していった。
心力が発動終了すると両軍とも憑依の打ち合いに入る。大差はないものの東軍の優勢のまま合戦は続けられた。そのまま最後の10分へ突入。日は沈み、夜になった。細川勝元は自軍の勝利を確信しつつあった。
(相手が風を出した!これで相手は憑依を使い切ることになる……。終了時刻は…約5:05!相手はもう後がない!この次に来るのは…恐らく無限!)
対する東軍はというと三元が発動したばかりである。前線の打物を用いる兵の一部に弓矢を使わせて激しい戦闘を避けさせている。
(無限は出させない!)
勝元はチャットに打ち込む。
「苛烈または毒→奥義ストップ」
「短い奥義を入れた後……しびれを切らして使った無限に対して時忘れかRJをカチコミ!これで無限は十分にその効力を発揮できず無駄となり、私たちの勝ちとなる。負ける気がしなくなってきたよぉ〜!いけるいけるう〜!」
「ほう、やはり相手は奥義を止めた……。もう勝ったでもと言うつもりか。だが、そいつはどうかな?」
西軍の朝倉宗滴がつぶやく。
「この合戦、まだ一度も落城が起こってていない。両軍の戦力はほぼ互角であり、大差はない。まだ勝負は決まったとはいえないぜ!」
西軍の従足(かち)の兵が戦いながら横へと移動してゆく。東軍の視界の先に現れたのは一直線に整列した騎馬隊であった。騎馬隊の奥に立つ西軍の朝倉義景が、
「雑魚が……俺を誰と心得ている?名門朝倉家の当主・朝倉義景の名を聞けば、恐れずにいられまい。貴様らと俺では、この世に生まれ落ちた時から格の差が違うのだ。この不死鳥の如く煌く一撃で、貴様らの命…奪い尽くしてくれるッ!!」
と決め、
「誇り高き三盛り木瓜の御旗を天に掲げよ。行くぞ!馬系兵種最上級奥義、憑依装着・風雷魂(LV7)!!」
激しい喚声を上げ、重装の騎馬隊が襲いかかってきた。
「俺たちも続け!」
「発動と同時に一斉攻撃の命が出てる、さっ、俺らも今から戦線に復帰するぜ」
他の西軍前衛の朝倉義景と陶晴賢もそれぞれ別の場所で突撃を仕掛けていた。東軍の兵が喚く声は閧と馬蹄の音でかき消されて聞こえない。東軍も抵抗したが、じりじりと後退を強いられた。
「蘇生モードに移行させるな!ここは耐えるのです。必ず回復の方が交代要員を連れてきてくれます!」
京極高次が意気上がらない兵を勇気づけていた。
デバフ担当で相手をdisりに前線へ出ていた織田信秀は不安を抱いていた。
(おかしい…前衛のHPが回復している様子がない。よもやこのタイミングで回復がいないのか!?今は前衛が自力で起き上がって防いでるが……このままでは!)
ごちゃ混ぜデッキの信長が結晶化を使う。
前田利家ら少数の兵が味方の救援のため前線に現れた。馬上の利家の槍がうなりを上げて敵の1人を突き伏せる。
「前田利家推参、槍を振るえば天下一!」
鼻先から後頭部にかけて貫通。もはや反撃はないだろう。利家は槍を相手の頭から抜くと下馬して首をはね、腰にくくりつけた。その時、近くの味方が一人横向きに一刀両断にされた。倒れた死骸から胃液と血にまみれた小さい粒が大量に飛び出して積み重なっている。米だ。後ろからこちらに来ようとしていた兵の1人がその光景のためか戦闘自体への恐怖のためか戦闘不能になり立ちすくむ。
「オイお前何やってる!早くこっち来て戦えー!」
利家が後ろを向いて少々激しい形相で叫ぶ。その兵士は逃げ出した。それを見て近くにいたもう一人も逃げた。
そこに突如として100程の敵が大挙して押し寄せる。西軍に前衛の姉小路良頼が参戦したのである。彼は約300戦で比較的初心者に近いがこの状況では脅威だ。
「ア……」
利家は本能的に危険を覚え急いで騎乗した。
じきに細川隊も京極隊も崩れ立ってしまった。大友・今川はオミ取りで後ろに下がっている。東の攻め口は鳥居の所まで押し込まれてしまった。蘇生モードである。拝殿の細川勝元は乱闘の騒音がごく近くになったので顔面蒼白になっていた。
「ほっ、他の兵を全部回して前衛部隊を立て直して!……早くしなさい!」
しかし押し込まれた時点で時既に遅く、次の瞬間画面に落城と写った。
「えええええええええええええ!!ら、ら、ら、らららららららくじょうらくじょうらくじょう…………………………落城。らぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「殿、じきにここにも敵がやって参ります。お逃げあれ!」
矢が背中に刺さっている伝令が息も絶え絶えになってやってきて、
「お逃げあれ……」
用件を伝えると倒れた。この時回復はこの接戦で相手奥義を見ずにオミ取りに向かって全員後方で補給を行っている最中であった。
「分かった。みんな、ここは逃げよう!」
東軍は無限を放って捨て身の攻撃を行いつつ西側の藪をくぐって上御料社から落ちていった。無限が功を奏する事はなく、東軍は城を落とし返せずに終わった。
敗北…
東軍_______vs_______西軍
18,359,254______64,572,359
「くそっ、回復の奴ら……中途半端に参戦してるんじゃねえよ」
信長も藪の中をかきわけかきわけ道へと出る最中であった。負けの要因の話は城が落ちる前に会った柴田勝家から聞いた。連れているのは十数人のみである。ふと右を見ると遠くにボロボロになった丸の内に二つ引の旗が見える。
「あれっ、細川家の軍旗じゃねえか。管令殿があそこにいるのか」
よく観察してみると華美な服装の武者が1人いる。
「あそこの旗は大将旗だ。近くに旗持ち1人しかいねえ。お前達、護衛しに行くぞ」
「おっ、おおっ……」
疲れ切って弱々しい声で家臣達が閧を上げる。信長達は勝元の元に向かった。信長はここ数時間の間交換していない馬をいたわってゆっくり進んだ。
「ええっと、すいません。大将っすか?」
信長が疲れた顔で尋ねた。数十秒前に味方の旗と確認している勝元は目をきらめかせて
「はい!私が勝元。守りに来てくれたの?あ〜り〜が〜と〜っ!今敵や落ち武者狩りにあったらヤバイと思ってたんだ」
「はい、ここから館までお守り致す所存です」
信長が返答する。その時、前の方から声がした。
「俺は中納言!誰が何と言おうと中納言なのだッ…!」
いつの間にか前方に軍兵の影が現れている。信長が驚いて声を発する。
「なっ、何者だ!?」
軍勢が勝元一行に近付いた。
「俺は中納言!誰が何と言おうと中納言なのだッ…!」
彼の名は姉小路良頼。これは名を名乗ったのである。
勝元、
「中納言って……」
信長、
「絶対ウソだと思います」
2人が小さい声で話す。
「さあ、もう逃げられねえぜ!」
信長は絶望感を覚える。
(ダメだ……これで終わりだ……!)
勝元は、
「分かった。是非もなしだ。今から私腹かっさばく。首でもなんでも持っていきなさい。でも今私以外は誰もエライ人いないから代わりに他の子たちは見逃してあげて!」
勝元は諦めてそう言うと下馬して正座し、目を閉じるとゆっくり鞘から刀を抜いた。抜刀時特有の荘厳な音が深夜の竹藪に響き渡る。
良頼、
「フン、いい覚悟だ。分かった。まあ他の奴らは許してやってもいい」
勝元は刀を自分に向け、腹部の目の前に持って行き構えた。
「みんな、ありがとう」
その瞬間である。
「待って勝元。まだ死んじゃう時じゃないよ!」
どこからか声が聞こえた。その場の誰の声でもない。その場にいる全員が驚きを隠せないでいると、みるみるうちに辺りが昼のように明るくなっていった。
(輝いている…!?あれは一体!)
次の瞬間、目の前に銀髪の若干露出多めの巫女服の少女が現れた。
「そんな、何が起きているの!?」
勝元も驚きを隠せない。辺りを覆っていた光が消えた。少女が閉じていた眼を開ける。
「さぁ、始めましょっか!キミとワタシの天下取り♪」
「ごめん、ちょっとサムキン軍配貸して!」
「へっ?はっ、はい!」
信長は手を震わせてサムキンを渡した。何だかとても恐れ多い感覚を覚える……。
「馬鹿な、一体何が起こっているのだぁーー!?」
良頼が叫ぶ。ミカは彼に語りかける。
「姉小路さん、あなたは招待コードを掲示板に書いている」
「何っ!?フッ、フン。それがどうしたのだ。何なら今度招待キャンペーンがあった時にお前に俺のコードを入れさせてやってもいいぜ」
良頼が慌てながら答える。ミカは右手でサムキンを持ち、左手を腰に当てて自信有り気に答えた。
「残念だけどその時は来ないよ。招待コードさえあれば、やれるから!!」
恐
々
謹
言
次回『甲斐の虎』