PSO2引退小説 「束の間の休息”Who nailed him?”」 作:sutegeri
「…I KILL YOU.」
その掛け声が置いていかれる程のスピードで駆け抜けたスカーフィ。
アサルトダッシュを繰り出すラムダパティルメリアが、青く光った。
光は前の二体の腕を切り落とし、三体目の関節で弾かれる。
「あー…あのクソ上司、さっきのロマン解説(笑)を止めたのをまだ根に持ってるっぽいわ。」
ボリボリと頭をかく少女とは対称的に、
(ソノ様ナ事ヨリモ…狙イハ付ケラレナイノデハ?)
思ったよりも作業が早いスカーフィに、竜族が驚いている。
少女はどう説明したものかと首をかしげる。
「ん~…死に挑戦しろ、なんて言う人だし…
命中精度なんて練習、経験量さえありゃ出来んじゃない?
…空気を読む事も練習して欲しいけど。(笑)」
(…ソウダナ。)
二人は苦笑し、各々が出来る事を始める。
竜族は、早速救出され始めた仲間達のテレポーターへの誘導。
『鬼子』の少女は彼等の回復や、腕切りの援護に回る。
そして…
「来たわねー…♪」
待ってましたと言わんばかりに舌舐めずりをする少女。
目前にはダーカーの集団。
試作段階の『爆弾』が処理できなかった分の敵が、
活気のあるフォトン反応に釣られて寄って来たのである。
武装の種類が多いスカーフィが不確定要素リスクの多い前線に立つ。
比較的防衛手段に乏しい二人は後方から叩くという流れに落ち着いた。
(ソレニシテモ、思念会話ガ追イ付カナクナル程、忙シクナルトハ。)
ただヘイトを取り、二人に乱闘を回避させるだけではなく、乱闘の中で動き回るスカーフィに竜族は心底感心していた。
グラップルチャージで前線を押し込みつつギルナスをバラす。
と、別の竜族を襲う所だったダガンを片手で引っ掻け、アザースピン。
まとまった中型ダーカー達にステップで隣接し、
ソードステアタの蹴りつけが、PPを回収する。
JAソニックアロウでギアを蓄積、
矯めを短く挟みライドスラッシャー、離れつつ止めを入れる。
防衛しきった竜族とギルナス爆弾まで戻り、
グルリと回った後には既に竜族を小脇に抱えていた。
飛んでくるブリアーダの唾液をもう片方の手に持ったパティルメリアでガード。
だが、その時点でPPは切れている。
「RaTeにクラスチェンジ要求!」
『はい、フォトン干渉実行します!』
弾幕の隙にコンバートを行い、PPの補給を行う。
敵を引き付けた状態からロデオドライブを使用。
前線を後退させない様、助けた竜族を後衛の二人に引き渡し、とんぼ返りする。
「会話が追い付かないのは雑談が多いからだ。無駄は省け。」
「あんたのソレも雑談じゃない?」
(ホゥ、流石二上手ク返スナ、優秀ナ部下ダ。)
慣れてきた三人は徐々に会話が弾むほどにリラックスしていた。
スカーフィは置き弾幕にフェィクシルエットを放ち、
追って来ているエルアーダ、プレディガーダにウィークを撃ち込む。
竜族を見送った一人と一匹が此方に戻りそうなのをサッと確認。
フォトンブラスト発動のモーションに入る。
「HuFi、スキルはソード特化ブレイブ特化で頼むぞ。」
『受理します、フォトンブラストモーション直後にスキルと装備の変更も行います?』
「あぁ、そうしてくれ。」
ケートスが光を撒き散らすのは、
身代わりが突き破られる、二人が帰ってくるのとほぼ同時だった。
スカーフィのソニックアロウ、竜族の砲撃、少女のラフォイエが乱れ飛ぶ。
ウィークの残る大型ダーカー、他の小型ダーカーも巻き込み、
大きな爆風とフォトン粒子を撒き散らしながら消失する。
あらかた消し飛んだ辺りでスカーフィはRaHuで前進。
チャージエイミングショットや前進スリラープロードを利用し、
必要最小限のダーカーを牽制、処理しながら切り込んでいく。
(…多イナ、手数ガ。)
「まぁ、切り替えなんて慣れと集中力よ?」
ニコリと少女が戦場に似合わない無邪気な笑顔を見せる。