「で、アリサちゃんは結局どうするの?」
あの事件、プレシア・テスタロッサの頭文字をとりPT事件と呼ばれる事件から1カ月が立っていた。あれ以来アデルは何度か地球に来ている。ほとんどの時間を図書館で過ごし、約束した3時間ほどで訓練してくれている。デバイスもアリサとすずかは受け取っていた。魔法も簡単な魔法は覚えている。だが、まだそこまでだったなのはにとっては。大事なのはアリサがアデルを振り向かせること。あの馬鹿な朴念仁な王様をどうやってアリサが手に入れるかだった。
「何で好きな男の前で萎縮するかな?何時もの強気はどうしたの?」
上から目線で確実に挑発しているなのはは友達思いです。そう思っている。ただ、目の前の少女2人は
「なのはって本当にアッパーな性格になったわね。」
「なのはちゃん、一体どうしたの?」
こんなもんだ。変わってない。我慢してたものが解放されて素が出ているだけである。なんて言ってもまた心配されるだけなので話を変える。
「で、アデル君をどう落とすかだけど、いい案はないかい?」
ジト目を向けられるがめげない。だってともだちのためだもん!
「なんて話があったりしてね。アリサちゃん、本当に奥手で困っちゃうよ。あ、ゴメンね。もう時間がないみたい。それじゃあお返事待ってるね、バイバーイ。」
テレビの電源を落とす。嬉しそうに頬を赤らめ微笑む少女、フェイト・テスタロッサ、その横には使い魔のアルフがいる。
「次に地球に行けたらきっとみんな強くなってるだろうね。」
遠い目をしているフェイトが言う。笑顔で返事を返すアルフを撫で部屋を見渡す。ここは聖王教会本部の近くにある一軒家。教会の騎士長であるアデル・ツーリッドの家である。キッチンは広く数人での作業もできるほど。部屋も5つほど余っているため部屋を借りていた。親が居ないため1人で暮らしていると思っていたのだがそれは違った。コンコン、と扉をノックする音が聞こえる。どうぞ、と促すと1人の少女が入ってくる。
「お菓子持ってきたんで、一緒にどうです?」
黒く綺麗な長髪をツインテールに結っている少女、ジークリンデ・エレミヤ。愛称をジークという。
「うん。じゃあ貰おうかな。」
食べましょ食べましょ、とジークが入ってくる。わーい、と子供のような声をあげアルフがお菓子へ突進していく。ジークは数日前アデルが任務中に保護した子らしく、懐いてしまって離れてくれないらしい。
「フェイトさんは、アデル兄のことどう思っとるんですか?」
ふとそんな質問をしてくる。ジークはきっと私がアデルを奪ってしまうんじゃないかと心配してるのだろう。私がアリシアに少しだけ抱いていた感情、それと似ていた。ジュエルシードを集めだした頃からアリシアのためだということには薄々気づいていた。それでも母さんのためになのはと戦った。母さんは集めればきっと笑顔で迎えてくれると信じてた。その願いは叶わなかったが、友ができた。それだけで満たされた。
「私は色々あって両親がいなくなった。その時手を差し出してくれたのがアデルと1人の女の子なの。 嬉しかった。きっとジークもアデルに助けてもらって凄く大切な人だっていうのがわかる。私は誰かの大切な人を奪いたくない。私が感じた悲しみを誰にも味わってほしくないから。」
此方を真っ直ぐに見るジークはただ言葉の続きを待っている。だから言おう。私の気持ちを。
「私はアデルをとったりしない。ずっと友達だと思ってるから。」
笑顔で言う。ジークも嬉しそうに笑う。そんな2人を見ながらお菓子を食べているアルフが言う。
「ていうかアデルならどんな時でも一緒にいてくれるだろう?例え結婚したとしてもずっと面倒見てくれそうだけど。」
その答えにフェイトもジークも目を丸くし互いの顔を見合わせる。確かに、アデルなら一度決めたら死ぬまで続けそうだ。互いの顔を見て笑う。きっとアデルはどんな時でも私たちを守ってくれるだろうと。
短めです。
アデルのことを好きなのは現状アリサだけです。ハーレムにする気はないのでヒロインはもう増えないんじゃないかなぁ(白目)
白夜の王、黒のエレミヤを拾いました。あぁ、最強の生物が生まれる予感