最後の王様   作:souやがみん

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デバイス

「アデル兄朝やで。起きてーな。」

 

お腹の辺りに軽く重さを感じる。目を片方だけ開け確認する。起こしに来ていたのは予想通りジークだった。確認するとすぐに目を閉じる。

 

「昨日お兄さんは徹夜で遊んでたので起きれません。」

 

「昨日遊んでたんか⁉︎」

 

驚愕といった感じに目を見開くジークを見て楽しんだアデルは上半身だけ起き上がる。上に乗っていたジークを片手で持ち上げ肩に乗せながらベッドから立ち上がる。

 

「本当は普通に仕事で遅かったんだけどな。」

 

「嘘ついたんか!」

 

そう言って頭を叩いてくる。痛くないのでそのままにする。そして笑顔で言う。

 

「ジークの可愛い顔も見れてお兄さんは満足なので反省はしません。」

 

ぷくっ、と膨れるジークを肩に乗せたままリビングに入る。そこには少し眠そうにソファに座るアルフとその頭を撫でているフェイトがいた。此方を見ると微笑みながらおはよう、と挨拶したのでおう、と返す。

 

「今から朝飯作るからテレビでも見て待ってな。」

 

はーい!というジークの元気な返事を聞いてキッチンに入る。さて、今日は休みだったな。ジークの稽古がてらフェイトにも稽古してやろう。そう誓いながら朝ご飯を作り始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

美味いな〜と声を出して喜んでくれるジークを横目に見ながらアデルも食べ始める。…、うん。いい出来だなぁ、自分で言うけど。目の前のアルフもがっついている。フェイトも笑顔になっている。そんな光景を見ながら朝ご飯を食べ終える。皿の片付けをし終えるとソファに座る。その上にジークが乗ってくるが重くもないので無視する。が、こちらに顔を向けているジークは少しだけ不満そうにしていた。

 

「どうした?」

 

「美少女が乗っているのに反応しないなんて、アデル兄は女の子に興味ないんか?」

 

 

4歳児が思春期の男の子にむかって言った。この子は俺のことをどう思ってるんだろうか?とりあえず睨む。えへっ、と可愛らしい笑顔を浮かべるがもう遅い。まぁ、怒ることでもないのでそのまま明後日の方向に目をやる。見慣れた家の中。でも最近は家族が1人と居候が2人増えた。確かに楽しくはなったが、正直この膝の上にいる少女はめんどくさい。家事は少々できる。格闘もできる。ただ普段はべったりしてくる。主に仕事終わりに。電話が鳴る。取ろうと思い、ジークを肩に乗せてから立ち上がり電話を取る。

 

「はい、アデルと言う者だと思います。」

 

「君のことを本当に凄いと思うよ。」

 

その声にアデルは興奮していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究所というのは少し硬いイメージがあるかもしれないがアデルの目の前にあるグランツ研究所はそんなことなかった。中庭には花が沢山咲いている。ジークが少々騒いでいる。がこの際無視する。フェイトは落ち着いているがアルフはちょっとソワソワしている。中に入ると同時に2人の少女が現れる。

 

「お待ちしておりました!アデルさん!」

 

「待ってたわよん。」

 

おう、久しぶりだなと手を挙げる。ジーク、フェイト、アルフの3人が首を傾けているので紹介することにする。

 

「この2人はこの研究所の所長の娘で赤髪を三つ編みにして青いカチューシャをしてるのがアミティエ・フローリアン。愛称はアミタ。ピンクのロングヘアーの方がキリエ・フローリアンだ。」

 

紹介されるとアミタとキリエは少し照れたように手を振る。それに対し3人がお辞儀する。互いの自己紹介も終わり、アデルが聞く。

 

「で、グランツさんは?」

 

「はい、ご案内しますね〜。」

 

アミタとキリエの案内のもと研究所の奥へと進んでいく。研究所の作りは少々複雑なものだった。一回来ただけでは道が分からなくなってしまうほどだった。そしてとある扉の前で立ち止まる。

 

「この先は管理局の方にも見せたことがありませんので他言無用でお願いします。」

 

アミタの注意に無言で四人が頷く。それではごあんな〜い。とキリエが扉を開く。その部屋は特に研究室として珍しいものはなかった。だが、一つだけ違法とも取れるものがある。それは人体ポッドだった。中にはなかなかスタイルの良い女性が眠っている。アデルがそれを見ると同時にジークにより目を潰される。ぐぁぁぁぁ。とのたうちまわるアデルを見てポッドの隣にいた若くもなく年をとっているわけでもない、いわゆる中年ほどの白衣の男が頭を抑える。

 

「まぁ、アデル君らしいよね。」

 

アデルがのたうちまわっていることを無視してキリエが紹介を始める。

 

「この人がこのグランツ研究所の所長にて、私たちのパパでもある、グランツ・フローリアンよ。」

 

そう紹介され、ジーク、フェイト、アルフに微笑みながら手を振る。それにお辞儀で答える。するとアデルが目を押さえながら聞く。

 

「俺のデバイスができたって聞いたんだが何処にあるんだ?」

 

朝の電話はグランツのものだった。そして遂にアデルのデバイスが完成したらしい。

 

「そういえば、アデルってデバイスどころかバリアジャケットも装備したことなかったよね。」

「そういえばそうだったな。………、でそのデバイスは?」

 

さっきからアデルとジークはずっと探しているようだが見つからない。柔らかな笑みを崩さないグランツが言う。

 

「目の前にいるじゃないか。……、そう君のデバイスはユニゾンデバイスだ。」

 

パキ、ポキと骨の関節を鳴らす音が3つほど聞こえる。1人はもちろんジーク。後のはフェイトとアミタだった。グランツめどんなもの作りやがんだ。俺を殺す気かと念を送るように睨む。それが通じたのかグランツが慌て始める。

 

「彼がユニゾンデバイスを要求したんじゃないんだ。」

 

それを聞き、ジーク、フェイト、アミタは止まってくれた。そしてグランツが話を続ける。

 

「彼は成長が早い。インテリジェントデバイスではいくら改造しても間に合わないかもしれないんだ。でもユニゾンデバイスなら改造しなくても良いし、今まで使えなかった魔法も使える。」

 

それを聞いてアデルはポッドに手をついた。グランツの言う通りユニゾンデバイスの方がありがたい。もっと強くなれるし家族ができるのは嬉しいことだ。問題は後ろで殺気立っている4歳児なのだが、まぁ大丈夫だろうと判断する。

 

「彼女にはまだ何もない。名前も、魔法も、主人の登録も。主人登録は今やるとして、名前は決めれるかい?」

 

そう言ってくるグランツにサムズアップを決めながら言う。

 

「もちろんだぜ!」

 




グランツ博士とフローリアン姉妹は好きなんでこのタイミングで登場させました。


デバイスはユニゾンデバイス……、キチガイはやはり強いということですかねぇww

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