最後の王様   作:souやがみん

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こっからがAsのスタートです


As
出会い


「ディオーネ!行くぞ〜」

 

アデルが呼ぶと彼女が姿をあらわす。ディオーネと呼ばれた女の子は綺麗な青髪をショートカットしている。服装は白いジャケットにピンクのミニスカート、黒いニーハイソックスを履いている。

 

「あぁ、今行くよ。アデル。」

 

ユニゾンデバイスである彼女とは基本的に一緒にいる。それについてジークが文句を言っているが仕方がない、としか言えない。まぁ、ジークもなんだかんだでディオーネとは一緒に遊んでるし嫌っているわけではない。あとはディオーネがセメントにならないことを祈るだけである。家を出てアースラに向かう長距離転送には時間も労力もかかる。聖王教会は基本的にベルカ生まれの人以外の事件には関わらないため転送装置を持っていない。なのでクロノに毎回借りている。という状況だ。アースラの艦内を歩いていると見慣れた顔を見かける。

 

「エイミィじゃねぇか。久しぶりだな。」

 

よっ、と手を挙げるとエイミィも同じように手を挙げる。そしてアデルの隣にいるディオーネを見て目を丸くしてアデルに聞く。

 

「アデル君。隣の人はまさか彼女?」

 

ワナワナしながら聞くエイミィにため息をつきながら答える。

 

「違う。俺のデバイス、ユニゾンデバイスのディオーネだ。まぁ、普通の人間として接してやってくれ。」

 

そう言うとエイミィが納得したように頷く。ユニゾンデバイスは高価なため手を出す人は少ないただアデルは聖王教会の騎士長。金は有り余っている。買ったわけではないが。ただ隣のディオーネは先ほどの言葉を聞いてか、少しだけ肩を落としていた。

 

「ディオーネ・ツーリッドだ。よろしく頼む。」

 

いえいえご丁寧に、とエイミィとディオーネの自己紹介が終わったところでじゃあ、と言って別れようとした時エイミィがあっ、と口を開く。

 

「地球に行くなら気をつけてね。最近地球に調査に出た魔術師たちがやられる事件が増えてるから。」

 

「なんじゃそりゃ。地球は本当に修羅の世界かよ。」

 

そう冗談めかしに言うとディオーネに注意される。嘘でもそう言うことを言うのはやめた方が良いと。母性が強いディオーネだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球に着いてまず図書館へと向かう。この図書館というのはなかなかに良いところである。まず、無限図書と違い未開拓という地域がないこと。あとは本がとても丁寧に直されていることである。格闘技の本を読んでいる間、ディオーネは魔法のヒントにと北欧神話の伝記を読んでいた。本を探しに立ち上がると1人の少女が目に入った。その少女は車椅子に乗っているため上の方の本に手が届かないようだ。ここは男として助けるとこだなと少し張り切り少女が手にしようしていたであろう本を取り言う。

 

「取ろうとしていたのはこの本だろう?」

 

「いや、その隣なんよ。」

 

冷や汗が流れる。精一杯カッコつけて言った上に、ポーズもとっている。ディオーネから念話で馬鹿だなという追い討ちがかけられ頭を押さえながら本を変える。

 

「ふふ。ありがとうなぁ。」

 

笑顔でお礼を言われしたことは間違いではなかったことが証明された。おう、と返事し自分の本探しを始めるが少女が服の裾を掴みコッチを見ている。

 

「うちは八神はやてや。兄さんの名前は?」

 

「俺はアデル・ツーリッドだ。はやてちゃんよ、簡単に名前は教えない方が良いぞ。もしかしたらこの兄さんははやてちゃんを狙ってるかもだぞ。」

 

クスッと笑うはやて。それを見て笑うアデル。後ろから感じる殺気はこの際無視する。はやてと名乗った少女は覗き込むように此方を見る。その仕草にドキッとする。

 

「はやてちゃーん!何処ですか?」

 

図書館の中ということで声は控えめだがはやてを探す声がする。はやてはここやよー、と返事をし此方を見る。

 

「アデル君。また今度一緒にご飯でもどーや。もちろん向こうの彼女さんも。」

 

「良いぜー。喜んで行かせてもらうわ。……、あと1人増えて良い?」

 

ジークを忘れるところだった。はやてはもちろんやよー、と言いながら車椅子を動かそうとする。

 

「わわっ!ええよ、そんなことせんでも。」

 

アデルが明後日の方向に目を向けながら口笛を吹き、車椅子を押す。ディオーネもやれやれといった表情だ。そしてはやてを探す人物を見つけた。声で理解はしていたが女性、それも年は此方よりも上でショートカットに切りそろえた金髪が綺麗だった。

 

「ありがとうございます〜。はやてちゃん、勝手に移動したら駄目ですよ。」

 

ゴメンな、シャマル。と謝るはやてにじゃあなと声をかけ立ち去ることにする。背中の向こうから声がする。

 

「今日はありがとうなぁ!ご飯の約束忘れんといてや〜!」

 

手を振って答える。ただその顔は深刻だった。まさかあの子が、いやそれよりも隣の女はいったい……。そのアデルの手をディオーネが掴んでいた。1人ではないと言うように。ああ、そうだったな。俺にはディオーネとジークっていう守らなきゃいけないものができたんだったな。簡単に死ねないなぁ。そういう考えになっていたアデルは笑顔になっていた。




ディオーネという名前はギリシャの神で、天空の女神です
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