最後の王様   作:souやがみん

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こっからが無印のクライマックスだぜ!ww


子の思い

プレシアの転移場所が特定ができたのはアリサたちを地球に帰してすぐだった。アースラで向かっている途中、フェイトが艦橋にやってくる。艦橋にいたアデルたちは不思議そうにフェイトの方を見たが、アデルとなのははフェイトに笑いかけた。安心できたのかフェイトは一息ついた。クロノがフェイトを見ずに

「今から君の母さんを捕まえに行く。」

そう言ったきりクロノは顔を明後日の方向に向けた。なのはが何か言おうと口を開くが言葉が出ない。誰もが黙ってしまった状況で王と呼ばれる赤毛の少年アデルがフェイトに笑みを浮かべる。

「フェイト、お前はどうする?お前がしたいことを言え。なのはもユーノもアルフもきっと手伝ってくれる。もちろん俺もだ。あそこにいるお堅い執務官殿はどうか分からんがな。」

その言葉にクロノがアデルを睨むがそんなことを気にせずアデルはフェイトに柔らかい笑みを浮かべながら見つめていた。俯いていたフェイトが横を見る。アルフが笑顔で頷いた。逆ではユーノが、そして何度も何度も呼びかけてくれて、友だちになりたいと言ってくれて、助けてくれた少女、高町なのはが笑顔で此方を見ていた。その隣にいる赤毛の男アデルもそんなフェイトを見て笑いかけてくれた。奥ではクロノが少し照れながらも微笑んでくれていた。

「私は母さんを助けたい。私は母さんの娘だから。」

その言葉に笑顔で応じたのは艦長のリンディだった。

「じゃあ、フェイトさんのお母様を助けに行きましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「素晴らしい。これが白夜の王のDNA。史上最強の生物を生むことができる。プレシア君、君には感謝しているよ。」

紫色の髪に白衣を着た男、トライル・スカリエッティは本当に嬉しそうな表情でプレシアに礼を言う。目を閉じ興味のないとでも言いたそうな顔にスカリエッティは残念そうな顔をする。

「君はもっと楽しみを見つけてはどうだい?そうだ!僕の計画を一緒にどうだい?……、すいません冗談です。」

余りに怖い睨みにでスカリエッティが萎縮する。はぁ、と溜息をしながら1人で笑う。プレシアは少し睨みを緩くしながら

「約束は覚えているわよね。」

「あぁ、もちろんさ。ただ此処に迫っているハエをどうにかしてほしいがね。」

無言で転移し、姿を消したプレシアに聞こえないとわかりながら言う。

「君はもう用済みだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プレシアが転移した場所の目の前でアースラを止め、アデル、なのは、フェイト、アルフ、ユーノ、クロノの6人が出てきていた。アデルを先頭に警戒しながら進む。たまにアデルが振り返り、クロノを馬鹿にしては制裁されるということを繰り返していた。一見馬鹿してるようにしか見えるがそれがなのはや、フェイトの気持ちを楽にしていた。そんな時目の前に転移の光が輝く。そこに現れたのはフェイトの母、プレシア・テスタロッサだった。その目は威圧的なのではなくどちらかといえば優しい目をしていた。

「フェイト、母さんと一緒に行きましょう。もうすぐアリシアも帰ってくる。貴方も一緒に…。」

その言葉にフェイトの顔が歪む。優しいはずの母から受けた虐待。それのせいで優しい笑顔が偽物のようにしか見えていなかった。

「そういう話はご同行頂いてから、では駄目でしょうか。」

クロノがフェイトを庇うように前に出る。それに少し遅れアルフも前に出る。その顔はクロノの諭すような顔ではなく完全に怒りの表情だった。

「捕まってくれんなら許す。なんてあたしは言わない。フェイトを傷つけたんだ。あたしはあんたを殴らなきゃ気が収まらないんだよ。」

プレシアは少し目を見開いた。が、直ぐに元の無表情に戻る。そして空を仰ぐ。

「邪魔しないで。フェイトは私の娘よ。家族のことに口を挟まないでもらえるかしら。」

アルフは怒りに表情が歪み、前へと進もうとする。が、クロノがそれを阻み自分が前に出る。いつも冷静なクロノにしては珍しく怒りの表情を浮かべていた。

「確かに家族の問題なら僕たちが手を出すのはおかしいでしょう。ですが貴女はフェイトに何をしました。道具のように扱っていたじゃないか。それは虐待だ。なら、管理局は見過ごさない。」

杖を構えるクロノは怒りに燃えていた。アデルのように自分の気持ちを優先させるなど、執務官としてはあり得ない。だがこの女はなんなんだ。自分の本当の娘のコピーだから?人間じゃないから?じゃあ今ここにフェイト・テスタロッサという少女は一体なんなんだ?自分で考え、行動する。人間となんの変わりもない。彼女は人間だ。そんな彼女を道具として見て、今は娘だと言い張る。こんな女を許したくない。そんな気持ちを持ち杖を掲げる。その隣にはアルフが立っていた。きっと彼女も同じ気持ちなのだ。自分の主人をないがしろにされたのだから。無言で頷くとチラッと後ろを見る。

「アデル、なのは、ユーノ、フェイト、君たちはスカリエッティの元へ。彼女は責任を持って僕が捕まえる。」

アデルが無言で頷く。が、他の3人は違った。なのはもユーノもフェイトも目の前の女性、フェイトの母であるプレシアを見つめていた。その目は覚悟に満ちていた。

「私も母さんを止めます。そして向き合って話をしたい。」

「フェイトちゃんと同じ考え。でも私はフェイトちゃんのお母さんのことはちゃんと知らない。でも友だちのためなら頑張れる。」

「なのはがコッチで頑張るなら大トリはやっぱり王様に任せるよ。」

とりあえず後でユーノは馬鹿を言っているのでこき使うと心に決めたクロノがアデルに言う。

「仕方ない……、おい馬鹿。さっさと決めてこい。コッチは5人だ。負けることはない。安心しろ。」

「わかったよ、堅物。後で腹パン決めてやるから絶対くたばんじゃねぇぞ。」

その言葉を最後に転移の光でアデルの姿が消える。さて、と一息つきプレシアを見る。プレシアは目を閉じていたが此方の視線に気づいたのか、目を開く。一対一ならアデルしか勝てないがコッチは5人だ。確実に倒す。

「人数は有利、確実に勝てる……。といった顔ね。そんなに甘い現実はないわよ。」

その言葉に答えたのはなのはだった。

「それでも私はフェイトちゃんのためにも貴女を捕まえて話を聞いてもらう。」

そうだな、と答えたクロノが杖を振り攻撃を始めた。

 




まさかの五対一。
書いてて自分でビックリ。
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