遊戯王ARC-V~灼眼のガンスリンガー~   作:不知火新夜

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前篇

日本の何処かにある、デュエルモンスターズに関する技術が突出して進歩した都市『舞網市』、此処で今行われている大規模なデュエルモンスターズの大会『舞網チャンピオンシップ』、その部門の1つである中・高校生を対象にしたジュニアユースクラスにて、とあるデュエリストが公式戦デビューを飾ろうとしていた。

 

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『舞網チャンピオンシップ、ジュニアユースクラス1回戦、記念すべき第1試合を始めます!司会進行及び実況は私、ニコ・スマイリーでお送りします!

それでは第1試合、1人目は、LDS所属、その正確無比なプレイングで盤面を光輝くダンスホールに変えるデュエリスト、星宮(ほしみや)舞衣(まい)選手!

その対戦相手、ジュニアユース予選を全勝で突破した超新星!その実力や如何に!平井(ひらい)遊香(ゆか)選手!』

 

ニコ・スマイリーと名乗った、奇抜な服装をした司会の紹介と共に入場すると、周りの観客が熱い声援を飛ばす様、そして私の対戦相手らしき、日本人形の様な美麗さを持った少女の穏やかな顔が目に入った。

此処で、私のデビュー戦が始まる訳ね。

さあ行くわよ皆、私達の本気のデュエル、この会場の皆、テレビの向こう側の皆に見せて上げよう。

そして…

 

「遊香さん、ですね。宜しくお願いします」

「こっちこそ」

 

挨拶もそこそこに、お互いにデッキを構え、

 

『それでは始めましょう!ランダムセレクト!アクションフィールド、オン!『星の星域(コスモ・サンクチュアリ)!』

 

司会の声に応じたかの様にデュエルフィールドの中央に浮かぶ様に投影された球体が回転、それが止まってとある風景が映されると共に、私達のいたデュエルフィールドが、神殿の様な光景に変化する。

さあ、始まるわね。

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリストが」

「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!」

「フィールド内を駆け巡る」

「見よ!これぞデュエルの最終進化系!」

『アクショーン!』

「「デュエル!」」

 

Mai LP 4000 VS Yuka LP 4000

 

「私の先攻ですね。

そしたら『おろかな埋葬』を発動!」

 

おろかな埋葬(制限カード)

通常魔法

1:デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

「おろかな埋葬の効果で、デッキから『星因士(テラナイト)デネブ』を墓地に送ります。

更に手札の『星因士ベガ』を召喚!」

 

星因士ベガ

効果モンスター

光属性

戦士族

レベル 4

攻撃力 1200

 

彼女が宣言すると共にフィールドに出現したのは、薄紅色の法衣の上に黄金の装飾を散りばめた陣羽織、惑星の公転をモチーフにしたフラフープの様なリングを身に着けた女戦士。

 

「召喚したベガの効果発動!

手札から『星因士アルタイル』を攻撃表示で特殊召喚!」

 

星因士アルタイル

効果モンスター

光属性

戦士族

レベル 4

攻撃力 1700

 

更に出現したのは、青を基調とした服装、ベガの陣羽織と同じく黄金の装飾を散りばめた鎧、青い鳥をモチーフにした肩当、そしてベガと同じリングを身に着けた戦士。

 

「特殊召喚したアルタイルの効果発動!

墓地からデネブを守備表示で特殊召喚!」

 

星因士デネブ

効果モンスター

光属性

戦士族

レベル 4

守備力 1000

 

またまだ終わらないと言わんばかりに出現したのは、白を基調とし、黄金の装飾を散りばめた服装に、螺旋状の刀身を持つ剣(いや、槍かな?)、そしてベガやアルタイルと同じリングを身に着けた戦士。

 

「特殊召喚したデネブの効果発動!

デッキからベガを手札に加えます」

 

随分と早い展開ね、それでいて手札は3枚、まだまだ余裕がありそうね。

 

「更に、ベガとアルタイル、デネブでオーバーレイ!

3体のレベル4モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築します!

エクシーズ召喚!『星守の騎士(テラナイト)プトレマイオス』!」

 

星守の騎士プトレマイオス

エクシーズ・効果モンスター

光属性

戦士族

ランク 4

守備力 2650

 

エクシーズ?此処に来てその噂を聞いてはいたけど、まさか此処にも使い手がいたなんて。

3体のテラナイトたちによって開かれた、名状しがたい穴のような場所から出現したのは、ケンタウロスを模した様な外見で、手には惑星を模した杖を、周囲には3つの球体を浮かせている戦士。

 

「まだまだ行きます!

プトレマイオスのオーバーレイ・ユニットを3つ消費して、オーバーレイ・ネットワークを再構築!

エクシーズ召喚!『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

エクシーズ・効果モンスター

光属性

機械族

ランク 5

攻撃力 2100

 

まだ終わらないと言わんばかりにプトレマイオスが、周囲を漂っていた3つの球体によってさっきの穴を開き、其処から機械で武装された龍の様なモンスターが出現した。

 

「そして、サイバー・ドラゴン・ノヴァのオーバーレイ・ネットワークを再構築!

エクシーズ召喚!『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

エクシーズ・効果モンスター

光属性

機械族

ランク 6

攻撃力 2100→2500

ORU 2

 

『おおっとぉ!先攻1ターン目から、舞衣選手の切り札であるサイバー・ドラゴン・インフィニティの登場だ!その制圧力は驚異の一言!これは決まったか!?』

 

これがとっておきと言わんばかりに機械の龍がさっきの穴をまた開き、其処から今の龍を更に強化した様な姿のモンスターが出現した。

実況のコメントから、これが彼女のフェイバリットって訳ね。

 

「カードを1枚セットしてターンエンドです」

 

Mai

LP 4000

手札 2

モンスター サイバー・ドラゴン・インフィニティ(攻撃表示)

魔法・罠カード セット

 

随分と展開して来たけど、私には及ばないわ。

 

「私のターン、ドロー。

まず、貴方のフィールドにのみモンスターが存在するから、『炎王の急襲』を発動するわ」

「させませんよ!サイバー・ドラゴン・インフィニティのオーバーレイ・ユニットを1つ消費して、発動を無効にします!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ ORU 2→1

攻撃力 2500→2300

 

「あら、残念。ならもう1枚使わせて貰うわ」

「え!?」

 

炎王の急襲

通常魔法

相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動出来る。

デッキから炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズ時に破壊される。

 

「炎王の急襲の効果で、『陽炎獣(ヘイズビースト)メコレオス』を攻撃表示で特殊召喚」

 

陽炎獣メコレオス

効果モンスター

炎属性

鳥獣族

レベル 6

攻撃力 2200

 

私のフィールドから炎が発生したかと思ったら、それが獣の様な形となり、それはやがて、ライオンの様な真紅の体躯、炎によって出来た鬣、鳥の様な翼、蛇の様な尻尾を持ったモンスター、メコレオスとなった。

 

「更に、メコレオスをリリースして、『陽炎獣ペリュトン』をアドバンス召喚」

 

陽炎獣ペリュトン

効果モンスター

炎属性

炎族

レベル 6

攻撃力 1600

 

メコレオスの鬣が激しく燃え上がってメコレオスを巻き込むと、其処から炎を纏った鹿の様なモンスター、ペリュトンが出現した。

 

「更に更に、手札の『陽炎獣ヒッポグリフォ』を捨て、ペリュトンをリリースする事でペリュトン自身の効果発動。

デッキから2体の『陽炎獣』を特殊召喚するわ。現れなさい、『陽炎獣ヒュドラー』、『陽炎獣スピンクス』」

 

陽炎獣ヒュドラー

効果モンスター

炎属性

恐竜族

レベル 6

攻撃力 2300

 

陽炎獣スピンクス

効果モンスター

炎属性

獣戦士族

レベル 6

攻撃力 1900

 

更に、ペリュトンが纏っていた炎が勢いを増して、ペリュトン自信をも飲み込むと、更に其処から8の頭をもった真紅の大蛇、ヒュドラーと、赤毛の女性らしき顔をしたライオン、スピンクスが出現した。

 

「これでは終わらないわよ。今出したスピンクスの効果発動。カードの種類はモンスターカードよ。

私のデッキの、一番上のカードを墓地へ送って、あらモンスターカード、当たりね。

私の宣言と、墓地へ送ったカードの種類が一致した事で、墓地にいるヒッポグリフォを蘇生するわ」

 

陽炎獣ヒッポグリフォ

効果モンスター

炎属性

炎族

レベル 6

攻撃力 2100

 

私の展開はまだまだ続く、そう言わんばかりにスピンクスが口から炎を吐くと、それが体躯を形成し、炎の翼をもったモンスター、ヒッポグリフォとなった。

 

「まだまだ行くわよ。貴方のフィールドにモンスターが存在し、私のフィールド・墓地に炎属性以外のモンスターが存在しないから、『陽炎獣グリプス』を守備表示で特殊召喚」

 

陽炎獣グリプス

効果モンスター

炎属性

鳥獣族

レベル 6

守備力 2100

 

トドメと言わんばかりに、随所に炎をまとったグリフォンの様なモンスター、グリプスが出現。

これで準備万端ね。

 

「此処からが本番よ。ヒュドラーとスピンクス、ヒッポグリフォとグリプスでオーバーレイ」

「まさか貴方もエクシーズを!?」

「ええ。4体のレベル6・炎属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。

エクシーズ召喚、『陽炎獣バジリコック』」

 

陽炎獣バジリコック

エクシーズ・効果モンスター

炎属性

炎族

ランク 6

攻撃力 2500→3300

ORU 4

 

私の場にいる4体の陽炎獣達、それが穴、もういちいち面倒くさいからオーバーレイ・ネットワークで良いか、それを形作り、其処から極彩色の羽毛や炎で覆われた鶏の様なモンスター、私のフェイバリット、バジリコックが姿を現した。

 

『おおっとぉ!遊香選手もエクシーズモンスターを召喚して来たぁ!しかもランクがインフィニティと互角ながら、攻撃力はそれを大幅に上回る3300!これは強烈です!』

「これ以上はやらせません!

セットカードオープ、あ、あれ!?バジリコックを対象指定出来ない!?」

「オーバーレイ・ユニットを4つ以上持ったバジリコックは、貴方のカードの効果対象にならないわ」

「そ、そんな!」

『しかも効果対象に選べないモンスターですか!これ程の大型モンスターでありながら除去手段が大きく限られるというのは、厳しい物があります』

「あと、オーバーレイ・ユニットになったヒュドラーの効果で、墓地にいるペリュトンをバジリコックのオーバーレイ・ユニットにするわ」

 

陽炎獣バジリコック ORU 4→5

攻撃力 3300→3500

 

「更にバジリコックのオーバーレイ・ユニットを1つ消費して効果発動。

バジリコックは、オーバーレイ・ユニットを1つ消費する事で、貴方のフィールドか墓地にいるモンスター1体を除外するわ。これは発動時に対象を取らない効果よ」

 

陽炎獣バジリコック ORU 5→4

攻撃力 3500→3300

 

「なっ!?ならばセットカードオープン!『強制脱出装置』!対象はサイバー・ドラゴン・インフィニティです!」

 

強制脱出装置

通常罠

 

『あぁっとぉ、舞衣選手!インフィニティを自ら戻した!除去される位なら戻して後々に繋げるという事でしょうか?』

「強制脱出装置の効果で、サイバー・ドラゴン・インフィニティをエクストラデッキに戻します!」

「ならバジリコックの効果で、墓地のサイバー・ドラゴン・ノヴァを除外するわ。

消え去りなさい、『消却の炎』。

そして、『死者蘇生』発動。対象はメコレオスよ」

『おぉっとぉ!遊香選手が最後に握っていたカードは『死者蘇生』だったぁ!今、遊香選手の墓地にいるのは攻撃力2200のメコレオス!これは舞衣選手、万事休すか!』

 

死者蘇生(制限カード)

通常魔法

1:自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

これで決まり、ね。

 

「こ、攻撃力3300と、2200…」

「バトルフェイズに入るわ。

バジリコックでダイレクトアタック。『破滅の炎』」

「きゃぁぁぁぁぁぁ!?」

 

Mai LP 4000→700

 

「そしてメコレオスでトドメよ」

「くっ負けました…」

 

Mai LP 700→-1500 LOSE

 

WINNER Yuka

 

『決まったぁ!第1試合、勝者は、陽炎獣達の結束によって無限の機械龍を打ち破った、遊香選手!掛かったターンは僅か2ターンながら、両者激しく立ち回った2ターンでした!』

 

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「あの女、この街で見かけない顔だったが、エクシーズ召喚を使っていた。という事は、エクシーズ次元の生き残りか。此処で見つけられるとはなぁ」

 

遊香の圧倒的なプレイングに歓声が沸く中、観客席にいた男がぽつりとつぶやきながら、席を立った。

この選択が、男にとって生死を分ける事になるとは知らずに…

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