遊戯王ARC-V~灼眼のガンスリンガー~   作:不知火新夜

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中篇

「平井遊香、だな。さっきのデュエル、見せて貰ったぞ」

 

私の公式デビュー戦となった、舞網チャンピオンシップジュニアユースクラス1回戦第1試合を、後攻ワンターンキルというド派手さ満開な展開で勝利して会場を後にした私を出迎えたのは、単なるファンの出待ちとは思えない、怪しさ満載な男の呼び止めだった。

青を基調とした服装の上にマントを羽織った、結構がたいの良さそうな男、年は私より少し上、といった所かな?

普通に考えればこんな男に呼び止められる理由、さっきの台詞が無ければ見当も付かないと思う。

けれど、私にはその『理由』は何となく予想出来ていて、尚且つそれは、

 

「貴様を危険分子として排除する。大人しく俺とデュエルしろ」

 

男が次に発した台詞で確信の物となった。

と、やけに私が順応していて、何が何だかと思うかもしれない。

確かに、傍から見れば、

 

公式戦でワンキル決めた→危険だから消す

 

と、余りにも現実離れした展開。

けれど、私は、いや、立ちはだかる男も含め私達は、

 

「エクシーズ次元の残党狩りって所かしら、融合次元から態々このスタンダード次元まで」

「察しが良いな、なら話は早い。俺とのデュエル、受けて貰う。そして大人しく排除されて貰おうか」

 

普通では、此処『スタンダード次元』の人間では、ない。

 

------------

 

「先攻は貰うわ」

「ほぉ、良いのか?貴様が使っていた陽炎獣と言ったか、デッキ傾向からして後攻の方が回ると思うが?」

「それを許すつもりも無い癖に、良く言うわ」

「ふふっ違いない。では、」

 

「デュエr」

「封絶」

「なっ!?なんだこれは!?」

 

デュエルの開始を告げる掛け声を上げようとした男が、目にした光景に驚愕する。

その光景、私と男以外の周囲が白くなると同時に、その動きが緩やかになり、やがて止まって行く光景に、それと同時に私の、真っ白になった髪と、黒だった筈の眼が真っ赤に染まって行く光景に。

 

「その真紅の髪と眼、まさか貴様、『炎髪灼眼の撃ち手』か!?」

「その口振り、私の事を何処かで聞いた様ね。私がその『炎髪灼眼の撃ち手』かどうか、それに関して否定するつもりは無いわ」

 

変貌した私の姿に、更なる驚愕の声を上げ、警戒の色を見せた男。

それにしてもこの赤毛を『炎髪』、赤い眼を『灼眼』とは、的を射た表現ね。

 

「丁度良い!デュエルに持ち込んだ以上、貴様お得意の卑怯な遠方砲撃も出来まい!此処で一方的に虐殺された仲間達の恨みを晴らす!」

「そっちが大挙して侵略した分際で、良く言った物ね。まあ良いわ」

 

「「デュエル!」」

 

Yuka LP 4000 VS Rei LP 4000

 

「先攻は私ね。

まずは『王家の神殿』を発動」

 

王家の神殿

永続魔法

王家の神殿の1、2の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用出来ない。

1:自分は罠カード1枚をセットしたターンに発動出来る。

2:自分フィールドの表側表示の『聖獣セルケト』1体とこのカードを墓地へ送ってこの効果を発動出来る。手札・デッキのモンスター1体またはエクストラデッキの融合モンスター1体を特殊召喚する。

 

私の今の行動に、何かして来る様子は無い、なら、これでさっさと決めるわ。

 

「カードを1枚セットして、王家の神殿の、1つ目の効果でオープン。

『ブレイズ・キャノン・マガジン』」

 

ブレイズ・キャノン・マガジン

永続罠

ブレイズ・キャノン・マガジンの2の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

1:このカードのカード名は、魔法・罠ゾーンに存在する限り『ブレイズ・キャノン―トライデント』として扱う。

2:自分及び相手メインフェイズにこの効果を発動出来る。手札の『ヴォルカニック』カード1枚を墓地へ送り、自分はデッキから1枚ドローする。

3:自分及び相手メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動出来る。デッキから『ヴォルカニック』カード1枚を墓地へ送る。

 

「ブレイズ・キャノン・マガジンだと!?それは確かヴォルカニック用のサポートカード!貴様のデッキは陽炎獣では無かったのか!?」

「あら、複数のデッキを持ってはいけないという法でもあったかしら?ともかくブレイズ・キャノン・マガジンの効果を使うわ。

手札から『ヴォルカニック・バックショット』を墓地に送り、1枚ドローするわ。

そして墓地へ送られたバックショットの(ヒュン!)効果で」

「き、消えた(ガチャリ!)なっ!?」

 

これで終わりよ、融合次元から来た、名も無き狗よ。

 

「貴方のライフに、

 

(ズダァン!)

 

500ポイントのバーンダメージを与えるわ」

「がっ!?あ…(ドサッ)」

 

私のデュエルディスクから生成された大型拳銃(・・・・)によって放たれた、バーンダメージを如実に現した銃撃によって、レイとか言っていた相手が突然寝込んでしまった。

あら、デュエル中に寝込むなんて舐めているのかしら、デュエリストなら、どんな場面でもデュエルを続けるという意志を持たないと駄目でしょう。

例え心臓が撃ち抜かれても(・・・・・・・・・・)身体が真っ二つになろうとも(・・・・・・・・・・・・・)全身が焼け焦げても(・・・・・・・・・)、デュエルに関する行為以外の干渉が無い限り、ね。

まあ良いわ、そのままでいるというなら、遅延行為で強制敗北になるだけなのだから。

 

「フィールド上でブレイズ・キャノン―トライデント扱いになっている、ブレイズ・キャノン・マガジンを墓地へ送る事で、『ヴォルカニック・デビル』を攻撃表示で特殊召喚」

 

ヴォルカニック・デビル

効果モンスター

炎属性

炎族

レベル 8

攻撃力 3000

 

「更に手札の『ヴォルカニック・カウンター』を墓地へ送って『ワン・フォー・ワン』を発動」

 

ワン・フォー・ワン(制限カード)

通常魔法

1:手札からモンスター1体を墓地へ送って発動出来る。手札・デッキからレベル1モンスターを特殊召喚する。

 

「ワン・フォー・ワンの効果で、デッキから『ヴォルカニック・バレット』を守備表示で特殊召喚」

 

ヴォルカニック・バレット

効果モンスター

炎属性

炎族

レベル 1

守備力 0

 

「これでターンエンド。さあ、貴方のターンよ」

 

Yuka

LP 4000

手札 0

モンスター ヴォルカニック・デビル(攻撃表示)

      ヴォルカニック・バレット(守備表示)

魔法・罠カード 王家の神殿

 

ターンエンドを告げ、相手にターンを明け渡したにも関わらず、相手は寝込んだまま動く気配が無い。

今はドローフェイズ、自分のデッキからカードを1枚ドローする場面なのに、相手はデッキに手を掛ける事すらしない。

そして、

 

Rei LOSE BY COMMUTTING A FOUL

 

遅延行為によって、彼は反則負けとなり、デュエルは終了した。

 

------------

 

『今日夕方、舞網市の路地にて、男性と思われる、焼け焦げた遺体が見つかりました。男性の年齢は10代後半位、焼損が激しい為衣服の特徴は分からず、胸と思われる部分に外傷が見られる事から、死因は胸に出来た傷による物と推定されています。また、左手にデュエルディスクを装着していた事から、男性はデュエル中に外部からの襲撃を受けた物として、警察は身元の確認と事件のいきさつを詳しく調べております』

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