英心「もう限界だ!!こんなところに居られるか、ワシは家に帰らせてもらう!!」
神を召喚した余波の影響で色々荒れていた教室の片づけをしていた朝倉 英心は、我慢の限界に達していた。
英心「だいたい何故ワシらが片づけなどせにゃならんのじゃ!?元はと言えばあの貧乳部長の失態ではないかァ!!」
鈴木「いーんじゃん?これ終わらなきゃ授業も出来ないんだし。ダラダラやって先延ばそーぜ」
英心「………ダラダラと先延ばせば良いと言うものではない!!人生とは一瞬一瞬が貴重なのだ!!既に青春も未来も失われた教師陣達が教務室でコーヒー飲みながら腰を落ち着けている中、未来も希望も残されている我々若人が、馬車馬のようにこき使われる。このような事があって良いものか!?」
鈴木「おーwせーしょうねんの主張だわwwエーシン君マジで限界かwww」
英心「こんなことをしていても、我々の未来は暗いままだ!!負の連鎖は永久に断ち切れることは無い。勃てよ若人!!今こそ性戦時だあああああああぁぁぁーーー!!!」
鈴木「色々言ってたけど、途中からエッチしたいっていう欲望しか見えなくなったわ。んじゃコンビニ行くべ?袋とじでも求めてw」
英心「イく!!」
着々と生徒が逃亡して行くのだった。おそらく明日も授業は無い。
英心「………そう言えば、今日はレンもファム妹も姿を見ぬな。少し回り道して探してみるか。」
挑まれたデュエルから逃げるのはデュエリストの恥。受けないという選択肢は無い。
だが…
レン(……勝とうが負けようが、こんな狭いとこで囲みなんざ会ったら、いくらレナでも木刀振れるスペースが足りねえだろうな。かと言って、奥の皮ジャンの男の相手は俺以外じゃ荷が重いかもしれない。それじゃあ戦えねえヤツを守れねえ。つーか火責めとかされたらマジでヤバいだろうな……よし。)
レン「オイ、とりあえず表出ろ」
飛娘・ケイト「ヒィッ!?」
敵勢に言ったはずの言葉に、何故か飛娘とケイトがお互いに抱き合ってブルブル震え出した。その光景に、レンは頭を抱えて言う。
レン「……何でお前らがビビってんだよ?」
飛娘「い、いきなり何言うアルか!?怖いアル!!(ガクブル)」
レン(いや、お前さっきまでそこに転がってる不良相手に無双してたんじゃねーのかよ。何?実際に手ェ出してくる不良(ヤツ)よりただ喋ってる俺の方が怖いの?ちょっとショックだわ……)
ケイト「ま、また何かお仕置きされるのかと思ったッス……!!(ガクブル)」
レン「…そう思うなら自重しろやゴルァ!!」
レナ「にー。大声出すと、ひよのちゃん起きちゃうよ?めっ」
つい大声をだしたレンを諭すように人差し指を出して注意するレナ。
レン「………まあいい。ここじゃ狭い。場所を移すぞ。文句ねえな、チャレンジャー」
ヤブイヌ「ええ。構いませんとも。クックックックック…」
才人「え~そんな必要ないよ。何で僕達があいつらの言うこと聞いてやらなきゃいけないのさ!」
ヤブイヌ「いいではありませんか。移る移らないで時間を無駄にすることもありませんよ。それと…赤髪のレンさん。ご心配なさらずとも、そこで山積みにされている者達含め、これ以上の増員はありませんので、とりあえずはご安心を。クックックックック。」
レン(こいつ…)
ヤブイヌ「さてさて、それではご案内頂きましょうか。戦いの場へと」
レン達が店を出たころ、英心と鈴木は、買い物を済ませコンビニを出た後に河原へ向かっていた。
英心「フッフフフフ。大漁である。」
鈴木「……やっべーわ。オレまだ信じられない。エーシン君。どれも全部同じ袋とじのハズなのに…ハズなのに……」
朝倉のコンビニ袋ははちきれんばかりに大量の本が入っている。
鈴木「何で同じ雑誌買ってんの?ってか何で買占めちゃったのwww」
英心「この中の袋とじのどこかに、何かの間違いでアングルが異なる袋とじがあるかもしれぬではないか。そうなったら、ワシはこの女優のパイオツを完全に堪能したとは言い難く、またワシ以外の誰かが堪能するのが許せないからだ」
鈴木「無いわwwwその間違いは、まず無いってwwww」
英心「それならばそれで良いのだ。問題は『確かめる』ことだ。」
全く同じ雑誌を袋一杯に買占め、英心の財布は空になった。それでもこの男の顔は、極めて満足気である。
鈴木「後悔しないん?」
そう言われた瞬間、ほんの少しだけ英心の表情が変わった。
英心「……問題無い。ヤってすぐに頭を抱えるほど、あるいは絶叫して血の涙を流すほどの後悔が無いのだから、ワシは満足しておる。」
鈴木「………。」
英心「もう二度と後悔など、しとうないからのう。」
鈴木「そっかい。んじゃそろそろ二人ってのも飽きたし、レナちゃんに連絡取ってみよっか」
英心「ほむん。一日一度はあのボインを拝まねばな」
鈴木「ハハハ。またレン君にブッ飛ばされるよw
って、アレ?エーシン君。アレ、レン君達じゃね?」
英心「…む?」
レン「……ここらでいいか」
土を踏み慣らしながら辺りの様子を確認すると、上着を地面に置き、背負ってきたひよのをそっと寝かせる。
一行が移動して来たのは、大きな川の流れる場所だった。
才人「河原って…まるで不良の喧嘩みたいじゃないか」
ヤブイヌ「フッフッフ。大変結構。モチベーションが上がる場所で戦って頂いた方が上質なデータが取れそうだ。」
レナ「それで、ルールはどうするのかな。おじさん?」
ヤブイヌ「そうですね、一対一で戦って、先に三勝した方の勝ちとしましょうか。それとおじさんでは無い!!まだ19だッッ!!」
レナ「クス‐‐先に説明してから怒るんだね~」
ヤブイヌ「クッ…ゴホン。それでは、お互いに出る選手を決めましょうか。因みに、こちらは大蔵司君が出ます。」
そう言うと、敵側の一番ガタイの良い男が前に出て来た。
王城「我が名は大蔵司 王城(だいぐうじ おうじょう)!!平中工業3年、『関所の王城』である。我が望みは真っ向からの真剣勝負。我こそはと思う者は、この挑戦を受けられよ!!」
見た目通り大きなカラダに大きな声で、対戦相手を待ち受ける。
レン「へえ…おもしろそうだな。」
王城の真っ直ぐな言葉にニヤリと笑うレン。
レナ「意外と武人気質なのかな。あの中じゃ一番いい人そう…かも?」
ケイト「真っ向勝負ッスか。レン君が一番好きそうッスね。」
レン「ああ、そうだな。」
指をバキボキと鳴らし臨戦態勢に入ろうとするレン。しかし――
飛娘「あ、あのっ!!レン…さん」
レン「あァ?」
飛娘「ひぃ!?」
そこに飛娘が異議を申し立てた。
飛娘「あ、あのっ…出来れバこのデュエル、ワタシにやらせてほしいアル」
レン「何でだ?」
飛娘「さっき攻撃防がれたのが悔しいアル」
王・飛娘。意外と負けず嫌いである。
レン「そうか。じゃあ行って来い。」
飛娘「ありがとうネ!!行ってくるアルっ」
お許しが出た飛娘は、パアッっと顔を明るくして前に出た。
レン「フン…『ありがとう』って、ガキか」
ケイト「相変わらず、素直じゃないんスね、レン君」
レン「あ?何だ急に」
ケイト「最初から、あの中国の人に闘わせるつもりだったんスよねぇ?レン君戦うって決めたら黙って相手に一発入れて速攻喧嘩するタイプだったじゃないッスか~。本当に優しいくせに素直じゃないんスから~」
レン「黙れ、ブッ飛ばすぞ」
ケイト「アハハっ。テレ隠ししてるレン君、可愛いッス♪」
レン「………。」
グリグリグリ。
拳を握って中指だけを少し尖らせて頭を挟んでグリグリする。
ケイト「うきゃああああああああーー!???痛いッス痛いっス!!これマジのやつッスよレン君っ!!」
レン「………。」
グリグリグリ。
ケイト「う…ううっ……痛いよぉ…っっ」
ボロボロと涙をこぼし始めたころに、レナが止めに入ってその場は終息した。
レナ「女の子に泣くまで暴力振るっちゃダメっ!」
レン「ちっ……」
レナ「反省の色が見えないなら、今晩もまた嫌いなおかずの反省メニュー出すからね?」
レン「だったら外で食う。」
レナ「じゃあレナさんがご飯抜きっ!」
レン・ファムグリットは、自分のせいで誰かが辛い思いをするのが許せない性分なのであった。
レン「…………。」
こうして、レンは今日もレナの反省メニューを食うことになるのだった。
飛娘「…さっきの借りを返すネ。」
王城「うむ。七皇が相手だと言うのなら不足は無い!いざ、参られよ!!」
飛娘「七皇‐‐NO.6 『剛拳』王・飛娘。推して参いる!!」
飛娘・王城「‐‐デュエル!!」