天界から落ち、現在落下中のヘンリックと黒い獣
ヘンリックは腰にあったノコギリ鉈を持ち、垂直になって獣に急接近する
「・・・」
獣が振るう腕をかわしながらヘンリックは獣の頭にたどり着きノコギリ鉈を容赦なく顔に振るった
「ウオオォォ!」
顔に鉈がくいこみ、血を流す獣
その血はヘンリックの黄味がかった狩装束にベッタリと付着するがヘンリックは気にすることもなくもっと鉈をくい込ませるように足で鉈を踏みつけ押し込もうとする
「ウオオォォォォォォ!」
「黙れ獣が」カチャ
痛みに叫ぶ獣にヘンリックは冷酷な眼差しで見下しながら左手に持つ短銃を獣の額に向け、容赦なく引き金を引く
引き金を引くごとに獣の額に弾丸がねじり込み、血を流す
「ウオオォォ!!」バチバチッ
「ッ!」
しかし、獣もやられるだけではなかった
また雷を放出し始め、ヘンリックに反撃をする
雷が放出される時の波動にバランスを崩し、ノコギリ鉈を離してしまいヘンリックは獣から離されてしまった
「くっ!まだだ!」
ヘンリックはもう一度垂直になり獣に近づくが今度は雷を纏っている状態
ヘンリックの狩装束には雷に対する耐性があるため、多少の電撃を食らっても耐える事は出来るが今雷を纏っている状態の獣に近づくのは簡単ではない
しかも、地面に衝突するまで時間がない
しかし、今のヘンリックはこの状況でもただ獣を狩る事しか頭にない
懐から愛用の道具スローイングナイフを手に取りもう一度顔に接近しノコギリ鉈の柄を掴む
「いい加減に死ね獣が!」
スローイングナイフを顔に突き刺し、抜いてはまた突き刺しを繰り返すヘンリック
そしてもう一度ナイフを突き刺そうとした瞬間
ドゴンッ!!!
「ぐぁっ!」
獣は地面に落下し、ヘンリックは衝突した時の反動で獣から吹き飛ばされ地面に強く衝突した
(ぐっ!あばらを二本やったか・・・)
ゆっくりと立ち上がり、折れたであろうあばら骨の部分を左手で押さえながら獣が落ちた方を見る
獣は砂煙で見えないがまだ死んではいないとヘンリックは予想していた
「ヘンリック!」
「天子・・か」
落ちていったヘンリックを追いかけてきた天子と衣玖
そばに駆け寄りふらつくヘンリックを衣玖が支える
「離れていろ・・・奴はまだ死んでいない」
「駄目です!今の状態では勝ち目なんてありません!」
「それでも、獣は、奴は殺さなければ・・・友に約束したのだ、戦えないあいつの代わりに俺が終わらせてやると、約束したのだ」
ヘンリックは衣玖を突き放し、ノコギリ鉈を持ち直す
「ウオオォォォォォォ!」
砂煙が晴れ、雷を纏った獣が姿を現した
「待っていろ、すぐに殺して、やる!」
「ヘンリック!」
傷ついた体で走り、獣に向かっていくヘンリック
獣はそんなヘンリックに腕で薙ぎ払おうとした
「くっ・・・!」
避けられない、当たるのを覚悟していたヘンリックだが
「ふんッ!!」
「ウオオォォ!」
突如、獣の足に斧で力一杯叩き込まれ獣はバランスを崩して倒れ込んだ
「?」
「勝手に変な約束をして勝手に死んでもらっては困るぞ相棒」
「お、お前は!」
ヘンリックの前に立つのは黒い服装に身に纏い、首にはチェーンでできた首飾りと両目を布で隠した、ヘンリックにとって忘れても忘れられない男、かつて共に戦った相棒の姿がそこにあった
「ガスコイン!!」
久々の投稿
遂にこのコンビが揃った!
次回は黒い獣との戦いに決着をつけます