歩いてから数時間
森を抜けてようやく人里にたどり着いた、飛んで行けば数分で着くとルーミアが言っていた。無理を言わないでくれ。いくら獣を相手にする狩人でもそんな事は出来やしない
人里には確かにたくさんの人が居た。ルーミアとは違いひらひらした服装ではなくスラッと落ち着いた服装がほとんどだ、ヤーナム市街に住む人たちと比べると随分と違いがある
「しんぷさん、何を食べさせてくれるのだ?」
「・・・そうだな。お前は何が食いたい?」
「うーん・・・なんでもいいのだ♪」
返ってきた答えに少し悩んだ
「ルーミア。こんな所で何をしているんだ?」
「あっ、けーね先生」
「?」
悩んでいた途中、見知らぬ女性がルーミアに話しかけた
変わった帽子をかぶり全体的に青色が目立つ服装を着ていた。ルーミアは先生と言っていたが
「おや?見慣れない人だな。ルーミア、この方は?」
「森でであったおじさんなのだ。これから何か食べさせてもらうのだー」
「はぁ、読めた。お腹を空かしていて、この人を食べようとしたんだな」
「ちゃんと食べていいか、わるいか聞いたのだ」
「全くお前は・・・うちの生徒が迷惑を掛けました」
女性はこちらに視線を向け、頭を下げて謝ってきた。どうやらルーミアについてよく分かっているようだ
「頭を上げてください、別に謝罪をする事はありません」
「それならいいのですが。あっ、申し遅れた。私は上白沢慧音、寺子屋の教師をしています」
「俺はガスコイン。ヤーナム市街に住む・・・神父だ」
狩人と言っても良かったが、言った所で何の事か分かる筈はないだろう
「ヤーナム市街?聞いた事が無いな」
「聞いた事が無い?ではここは何処なんだ?」
「・・・なるほど。外来人か、しかもこれは・・・」
外来人?何かを悟った様に慧音は呟いた。やはり此処に来ることは間違ってはいない、慧音は何かしらの事を知っているようだ
ぐぅ~~~・・・
「「?」」
何かを聞こうとした瞬間、妙な音がルーミアから聞こえてきた
「もう・・・お腹が空き過ぎて、だめなのだ~・・・」
しまった。ルーミアはお腹を空かしていたんだった、少し話し込んでしまったようだ
「す、すまなかったルーミア。済まない慧音、話の前に何か食べられる場所を知っているか?俺はここに来るのは初めてなんだ」
「・・・でしたら、私の家に連れて行こう。これから昼食を食べようと思っていたのでご一緒にどうだろう貴方も?」
「いいのか?ルーミアはともかく俺まで」
「構いません。二人くらいなら苦にはなりません、ルーミアの場合はよくありましたし」
「そうか・・・ではお言葉に甘えよう」
とりあえず、腹を空かせ過ぎて動けないと言ったルーミアをおぶって慧音の家に向かった
慧音の家
「ここで待っていてほしい。すぐに二人の分を作りましょう」
「申し訳ない。俺の分はいいからルーミアのを早めに頼む」
「分かった」
そう言って部屋を後にし、俺とルーミアは食事が来るのを待ち、これからどうするかを俺は考えていた
俺はヤーナムに戻り家族を守るために獣を狩り続けるのだ。役割など使命などどうでもいい。ただ家族の為だけに俺は狩りを続ける
あいつはどうなっただろう?今だに俺を探しながら獣狩りを続けているのだろうか?
「どうしたのだしんぷさん?」
「ん?いや、俺の相棒の事を思い出していてな」
「あいぼう?友達なのかー?」
「共に獣を狩っていた仲間だ。さっきも言ったが俺はある病を患っている、その病は徐々に患者の体を蝕み俺が呼ぶ獣と言う化け物になるんだ。お前が言っていた妖怪でもきっとそうなる、獣になれば誰であろうと見境なく人を殺す。俺と相棒は共にそうなった獣を殺していたんだ」
「そーなのかー」
「・・・何も思わないのか?もしかしたらお前と同じ者が獣になって俺がそいつを殺したかもしれないんだぞ?」
「よく分かんないけど、しんぷさんは守るためにあいぼうさんとたたかったのだ。だから、何も悪くないのだー」
「・・・」
なんとも純粋で無垢な子供だ。だからこそ、そう言えるのだろう。もし、年を取り俺と同じ道を進んだらどうなってしまうのだろう
・・・やめよう。少なからずここは獣の病を知らない。そんな事を考えた所で無駄な事だ
「ルーミア、ご飯ができたぞ」
丁度よく、慧音がルーミアの分の食事を持って戻ってきた
「ごはんなのだー!」
ルーミアは慧音が作ったご飯を食べ始めた
「落ち着いて食え。喉に詰まるぞ」
「もぐもぐ、はーい♪」
「やれやれ、しかしガスコインどのは子供の扱いが上手ですね」
「娘が一人居た。そのおかげかもしれない」
「なるほど、ところでガスコインどのはヤーナム市街という場所に行きたいとおっしゃっていましたね」
「あぁ、そこには俺の家族が居る。できれば早く戻りたい」
それを聞いてから何やら難しそうな表情になる慧音。何か問題でもあるのだろうか?
「・・・ガスコインどの、たぶん貴方は「慧音さん!!」っ!?どうした!」
突然、一人の男性が慧音の家に入って来た。表情からしてかなり焦っている
「よ、妖怪が人里に!今、妹紅さんが外で抑えているんですが」
「妹紅が!?分かった、すぐに守護兵を集めて」
スッ
「ッ!お、おい!あんた!」
「少し借りるぞ。終わったらすぐ返す」
護身に持っていたか、はたまた仕事の途中で慌てて持ったまま来たのかは知らないが手に持っていた片手の斧を拾い慧音の家を出る
「ま、待て!ガスコインどの!!相手は妖怪だ!人間の貴方では勝ち目が」
「・・・」
ガスコインは返事をする事も無く、斧を片手に外へ出た
次回は戦闘だ