獣になった神父狩人が幻想入り   作:BATTU

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一つの世界は一人の狩人に力を与える

その力は狩人に何を求めるのか




獣となる者

人里 入口前

 

 

「たくっ、ちょっと慧音に用があって来たのになんてこった」

 

 

一人の女性が、両手に炎を生み出し目の前にいる異形の化け物と対峙していた

 

 

彼女は藤原妹紅、近くにある竹林に住む女性で慧音とは親友の仲だ

 

 

「グルルルル・・・」

 

 

化け物たちは喉を鳴らし、今にも飛びかかりそうな獲物を見る目で妹紅を見つめていた

 

 

(しかし、こいつらは妖怪なのか?それにしては妖力が感じられない、だが唯の獣にしては異常だ)

 

 

「ガァァァ!!」

 

 

痺れを切らしたのか黒い毛に覆われた一匹の狼の化け物が突撃した

 

 

「チッ!」

 

 

払う様に右手の爪を振るう化け物、ジャンプして回避し懐から1枚の紙を取りだし化け物に向かって投げた

 

 

紙は化け物の体にくっつき、淡い光を放つ。しかし、それだけだ。化け物はなんともなく攻撃をしかける

 

 

(妖怪退治に使っている札が効いてない。やはり、こいつらは妖怪の類じゃあない、じゃあこいつらは一体?)

 

 

「ガァァァ!!」

 

 

「ッ・・・やばいな」

 

 

残りの4匹も動き、妹紅を囲む。実際ならこの状況は最悪なものだろう、しかし彼女は動揺する事も無く打開策を考えていた

 

 

その時だった

 

 

ブンッ!!

 

 

「ギャアアアアアァァァァ!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

一匹の化け物の後ろから大柄の男、ガスコインが片手の斧を振り下ろし、血しぶきが舞った。しかしそれだけでは終わらない

 

 

ガスコインは何度も斧を上げては振り下ろし、上げては振り下ろしを繰り返し、最後は頭部を胴体から切り離した

 

 

ガスコインの体は化け物の血を浴び、黒い服と帽子も真っ赤な血で染まる

 

 

「・・・やはり、ここにも出てきたか。獣どもめ」

 

 

ゆっくりと顔を上げて残りの4匹に目を向けた

 

 

「ッ・・・(なんだコイツ?)」

 

 

妹紅は見知らぬ男から化け物たちに向けて発する尋常じゃない殺意を感じ取った。化け物たちも殺意を察したのか妹紅よりも男の方に視線を向けて向かっていく

 

 

「所詮、貴様らとは切っても切り離せぬ因果と言うわけか・・・いいだろう、残さず殺してやる獣ども」

 

 

ハァーっと息を吐きながらガスコインは斧を持ち直し、歩みを進める

 

 

「ガァァァッ!」

 

「グゥゥゥ!」

 

 

化け物たちは迫り来るガスコインに吼えたり、喉を鳴らす。そして2体が先に仕掛けたが

 

 

ブンッ!!

 

 

横に振るう斧の刃が一匹の脇腹あたりにくい込み、そのまま地面に叩きつける

 

 

ガシッ!バキッ!

 

 

「ギャ・・・」

 

 

もう一匹は喉を掴み、そのまま首の骨を潰した。普通の人間では片腕で骨を砕く事は不可能に近い。しかし、ガスコインは大柄な体だけでなく獣を狩るのに愛用していた獣狩りの斧と言う鉄の塊を片手で軽々と振るう程の筋力を持っている

 

 

ガスコインは首の骨を砕いて死んだ獣を持ったまま、地面に叩きつけた獣の頭を踏みつぶす

 

 

「あと、2匹か・・・「ッ!おい!後ろだ!」ッ!!」

 

 

踏みつぶした獣の死を確認していた途端、後ろから一匹が迫っていた。ガスコインは斧で防ごうとしたが

 

 

バキッ!

 

 

当たりどころが悪く、斧の刃の部分が折れてしまい手にはただの木の棒だけが残った

 

 

「ガアァァ!」

 

 

「くっ!」

 

 

獣の非情な爪がガスコインの右腕に3本の傷跡を残す。ガスコインは獣を蹴っ飛ばし距離を離した

 

 

「くそっ!今助けに「ガアァァ!」チッ!邪魔するんじゃねぇ!」

 

 

妹紅がガスコインを助けに向かおうとしたが、最後の一匹が立ちはだかった

 

 

「ぬぅ・・・」

 

 

ガスコインは右腕の傷跡を左手で押さえながら獣を睨みつける。せめて、道具を持っておくべきだと後悔しながらもガスコインは獣に対する殺意を止めない

 

 

獣はジリジリと近づいてくる。武器として借りた斧は壊れてしまい、道具も無い。素手で一匹は倒したはしたがまた同じようにいくとは限らない

 

 

ガスコインは逃げる事も考えず、拳を握り締めて獣に向かおうとしていた・・・その時

 

 

「『月符・ムーンライトレイ』!」

 

 

いくつもの光の塊が獣に当たり、獣は一時怯んだ

 

 

「この声は!」

 

 

先ほどの声を聞いて嫌な予感が脳裏に過ぎった

 

 

「しんぷのおじさんをいじめるな!」

 

 

「ルーミア!」

 

 

慧音の家で飯を食べていた筈のルーミアがそこに居た、獣に対して怒った表情を見せている

 

 

「来るなルーミア!こいつらはただの化け物じゃ」

 

 

「ガァッ!」

 

 

ガスコインを相手にしていた獣が標的をルーミアに変え、走っていく

 

 

「くるならやってやるのだ!『夜符・ナイトバード』!」

 

 

ルーミアの全身が黒い影に包まれ丸い球体になり、そのまま獣に突撃して行った

 

 

「ギャウ!」

 

 

ブンッ!

 

 

「え?」

 

 

獣は突っ込んできたルーミアの背後に周り右腕を黒い球体ごと、叩きつける様に振り下ろした

 

 

「あぅ!」

 

 

黒い球体ごと地面に叩きつけられたルーミア、獣は息の根を止めようとルーミアに近づき左前足で踏みつける

 

 

「や、やめろ!」

 

 

叫びながらガスコインは獣に向かって走る、だが到底人間の足では間に合わない。獣にはガスコインの言葉など理解出来ない、右前足を高く上げて爪を尖らせる獣

 

 

 

「やめろーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシュ!

 

 

「ガァッ!!」

 

 

突如、獣の右前足がちぎれ血が吹き出る。踏みつけていた筈のルーミアもそこには居なかった

 

 

「よし、やっと終わったな。あっちの人間は、ッ!また化け物が・・・あ、あれは人食い妖怪?なんであいつを抱えてんだ?」

 

 

もう一匹を炎で灰にしたあと、すぐにガスコインの方に行こうとした瞬間、新たな化け物がそこに居た。しかし、先ほどの化け物とは違いが多くあった

 

 

「フー・・・フー・・・」

 

 

少し離れた場所にルーミアを抱えた一つの影が居た、その影はガスコインではない。獣と似ているが黒では無く灰色の毛を生やし、2本足で立っている。黒い服装に目隠しの布と首元にはチェーンで出来た首飾りがぶら下がっていた

 

 

獣はゆっくりとルーミアを下ろし、黒い獣の方を向く

 

 

「ガァァァァァァァッッ!!!」

 

 

「ぐっ!うるさッ!」

 

 

耳がイカレれそうな鳴き声を上げる灰色の獣、鳴き止んだあと、一直線に黒い獣に飛びかかる

 

 

「ギャウ!」

 

 

踏み潰され叫びに近い鳴き声を発した。灰色の獣は身動きがとれなくなった獣に鋭い爪を顔に振るった

 

 

「ギャウ!ギャウ!!」

 

 

「ガァァァァァァァ!!!」

 

 

それだけでは終わらない

 

 

獣の体中を非情な爪で無惨に切りつける、爪が振り下ろされるごとに獣から真っ赤な血が吹き出たり、あたりに散りばめたりする

 

 

いくら化け物どうしだとしてもその光景はあまりにも酷い。黒い獣はもう死んでいてもおかしくない、なのにまだその爪を振るう事を止めない灰色の獣

 

 

「と、とりあえず、この妖怪は慧音の生徒だった筈だ。何処か安全な場所に・・・ッ!」

 

 

ルーミアを安全な場所に移動させようと近づこうとした時、灰色の獣が妹紅の前に飛んで来たのだ

 

 

「フー!・・・フー!・・・」

 

 

息を荒くしながら妹紅を睨みつける獣。妹紅はその様子を見て悟った

 

 

「お前・・・そいつを守ってるのか(やはり、あの五匹とは何かが違う・・・まさかあの時の男と何か関係が?)」

 

 

「フー・・・フー・・・グッ」

 

 

ドサッ!

 

 

灰色の獣は途中で糸が切れたようにその場に倒れた、そして獣の体は徐々に変わっていった

 

 

全身の灰色の毛は抜け落ち、手足の爪は小さくなり、体つきもどんどん縮小し人間の姿に戻っていった

 

 

そこには先ほど化け物を斧一つで戦っていたはずのガスコインの横たわる姿だけが残った

 

 

「・・・・たくっ、何がどうなってんだ」

 

 

状況が理解出来ず、頭を掻きながらどうするか一人悩む妹紅だった

 

 

そんな妹紅とは真逆に眠っているガスコインは何かをやり遂げたように小さく笑みを見せていた

 

 

 




はい、戦闘終了

ブラッドボーンも一周目クリアしました。二週目の敵強くなりすぎじゃない?

誤字脱字があればそれらも教えてください
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