獣になった神父狩人が幻想入り   作:BATTU

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悲しき運命

「・・・うっ」

 

 

また眠っていたようだ。だが今回はちゃんと記憶がある、出来れば否定したい様な部分もあるが

 

 

ここは何処かの一室だろうか?俺は部屋の真ん中で横になっている。起き上がってすぐ横に置いてあった帽子を被り部屋を出た

 

 

「・・・」

 

 

どうやら慧音の家では無さそうだ。ではここは一体誰の家だろうか?

 

 

「あら、起きたみたいね」

 

 

「?」

 

 

後ろから声を掛けられ、振り向くとそこには赤白の色が組み合わさり何故か脇を露出している服を来た少女がいる。なんだか女性に会う事が多いな

 

 

「気分はどうかしら、ガスコインさん」

 

 

「ッ、何故俺の名を知っている?」

 

 

「慧音から聞いたわ。人里近くに現れた化け物を退治してくれたそうね」

 

 

「・・・好きでやっただけだ」

 

 

「ふーん、まあいいわ。私は博麗霊夢よ、目覚めてからすぐで悪いけどあんたに会いたいって奴がいるからついて来てくれる?」

 

 

「・・・わかった」

 

 

俺は疑いもせずにこの霊夢と言う少女の後をついて行った

 

 

ついたのは外、石で出来た道が一つの建造物に向かって伸びており、その下には箱の様な物もあった

 

 

これは神社と言い、この箱は賽銭箱と言うらしい。なんの意味があるか聞いてみたら「私の食費になる」っと言った

 

 

・・・何だか可哀想な気がしたので後で硬貨でも入れてやろう。あの人里で使えるかは知らないが

 

 

「まっ、それは置いといて。紫、起きたわよ」

 

 

霊夢は誰かを呼ぶように話始めた

 

 

「はーい♪」

 

 

「ッ!」

 

 

いきなり、宙に亀裂が入り左右に広がって一人の女性が現れた

 

 

「お初お目にかかりますわ、ガスコインさん。私は八雲紫と申します」

 

 

「八雲紫・・・で、俺に話とは何だ?」

 

 

「まぁまぁ、慌てずに順序を踏まえて話しますので・・・っと、その前にお客みたいですわ」

 

 

「「?」」

 

 

俺と霊夢がなんの事かと思っていたら

 

 

「おじさーーーん!」

 

 

「ぬおっ!」

 

 

いきなり、何かが飛びついて来た。声からしてもう察しはついている

 

 

「ルーミア?」

 

 

「良かったのだー!しんぱいしたのだ~~~」

 

 

くっついていてよく分からないが、泣いているようだ。とりあえずルーミアの頭を優しくなでた

 

 

「ガスコインどの、ご無事で何よりです」

 

 

「慧音か。心配をかけたな」

 

 

「全くですよ」

 

 

後から慧音もやってきた。俺はルーミアを下ろし話を戻すことにした

 

 

「さて八雲紫、話の続きを頼む」

 

 

「分かりましたわ。まずガスコインさん、あなたはヤーナム市街をご存知?」

 

 

「・・・・俺がこの辺りに来る前まで居た場所だ。だが、ここは知らない」

 

 

「ではまず、この世界からご説明しますね。ここは幻想郷。外の世界で忘れ去られたものが流れ着く理想郷です、私はこの幻想郷の創設者であり妖怪の賢者です」

 

 

「また妖怪か・・・それも気になるが賢者と言う程だ、俺を元の場所に戻せるか?」

 

 

「・・・残念ながらそれは無理です」

 

 

数秒黙ってから嫌な予感はしたがやはりそうか

 

 

「理由は二つ、一つは貴方が居た世界はこの幻想郷の外の世界とは違う別世界からやって来た。最後はガスコインさん、貴方はすでに死んだ人間だからです」

 

 

「!!」

 

 

嫌な予感は更に続いて居た。外の世界と違う別世界から来たならまだしも俺が死んでいるだと!ならなぜ俺は生きている!!

 

 

「この幻想郷は忘れ去られたものが流れ着く場所、それは死者の魂なども例外ではありませんわ。今のあなたの状態は魂だけでそれを受け容れる器が無い、この幻想郷に存在する霊力のおかげで貴方が生きていた姿をそのまま形にしている・・・布で隠している溶けて見えなくなった両眼が見えているのが何よりの証拠ですわ」

 

 

・・・分かっていたのか。確かに俺は両眼が見えなかった

 

 

獣の病の特徴の一つに両眼が溶けて見えなくなると言う変わった症状だ

 

 

それからは音と臭いを頼りに獣どもを狩ってきた。慣れればさほど難しい事も無かった

 

 

「つまり、俺は元の場所には帰れないのか」

 

 

「そうなりますわ」

 

 

「・・・」

 

 

もしかしたら、慧音も気づいていたかもしれない。結局、どう足掻こうと俺には選択などなかったのだ

 

 

「そこで貴方には頼みたい事があるの」

 

 

「頼み?」

 

 

「貴方が居た世界から忘れ去られてやってきた「獣」が最近、この幻想郷にやって来るものが多くなったの。貴方にはこの幻想郷で住むにあたって獣狩りをお願いしたいの」

 

 

元の居場所には帰れず、だがやることは変わらないとはなんとも皮肉だな

 

 

「当然、獣狩りには私達も助力するし報酬も払うわ・・・もし嫌ならもう一つの選択も与えるわ」

 

 

「もう一つの選択?」

 

 

「人里の守護者、上白沢慧音は「歴史を食べる程度の能力」を持っているわ。その能力で狩人であることも使命も全てを忘れて生きるという手もある。獣を倒す事も幻想郷の猛者たちにとって苦にはならない・・・さぁ、どうかしら?」

 

 

「・・・」

 

 

「ガスコインどの・・・」

 

 

全てを忘れる。狩人であった事も、使命も、憎き獣も、悪夢も全て忘れ、この幻想郷で生きる・・・か

 

 

悪くもないと心の中で思った

 

 

ギュッ

 

 

「・・・」

 

 

ルーミアが腕の裾を握り締め、俺を悲しい顔で見てくる

 

 

・・・そうだ。全てを忘れれば私の妻も娘たちも相棒の事も忘れてしまう、ルーミアや慧音からの恩も返せていない

 

 

それにいくら記憶を消そうが獣どもを見るだけで全てを思い出してしまいそうだ

 

 

「いいだろう。獣狩りを引き受けてやる」

 

 

「ありがとう、そう言ってくれて安心したわ。じゃあ次、霊夢お願いね」

 

 

「分かったわ。ちょっと手を見せてくれる」

 

 

「?、あぁ」

 

 

言われた通りに右手を前に出し、霊夢は俺の手のひらを見る

 

 

「賢者どの、まさか」

 

 

「とりあえずよ、とりあえず」

 

 

慧音はまた何か察したようだが、一体なんなんだ

 

 

「・・・やっぱり、能力を持っているわ」

 

 

「やはりね」

 

 

「能力?なんの事だ?」

 

 

「この幻想郷にやってくる人間、または妖怪の一部に能力を開花するものがいるの。さっきも言った歴史を食べる程度の能力みたいに。で、なんの能力か分かった?」

 

 

「・・・ふむ簡単に言うと「獣になる程度の能力」ね。」

 

 

「・・・ハァ」

 

 

ため息が出る。やはりあの時の事は夢ではないようだ、まさか奴らみたいな存在になれるなど悲しいを通り越して呆れてくる

 

 

「安心しなさい。獣の病による獣憑きではないはずよ、少なくともね」

 

 

「・・・一ついいか」

 

 

「何かしら?」

 

 

「八雲紫、なぜお前が俺の居た世界の事を知っている?俺の事やヤーナム市街と言う名ならば慧音たちから聞けば納得はする。だが、俺は慧音たちには病の詳細も獣憑きと言う言葉も話してはいないはず」

 

 

「ゲールマンと言う狩人の助言者よ。彼には色んな狩人も聞かせて貰った、古狩人デュラ、烏羽の狩人アイリーン、貴方と貴方の戦友ヘンリック・・・そして獣になった貴方を殺した新たな狩人の事も」

 

 

「ッ・・・そういうことか」

 

 

分かってはいた。自分の体が獣の病に侵されていた事

 

 

いつから獣になったかは知らない。だが、そうなれば殺されて当たり前だっただろうな

 

 

「わかった。で、幻想郷に住むはいいが俺は何処で暮らせばいい」

 

 

「人里でお願いするわ。あそこは守護兵はいても戦えない人間が多過ぎるから」

 

 

「では、ガスコインどのの家をすぐに用意「慧音の家に住めばいいわ」なっ!」

 

 

八雲紫の突然の提案に慧音が驚く

 

 

「相手は違えど、彼は人里を守る立場の人間になるわ。だったら、一緒に住んでおけば行動も起こしやすいでしょ?」

 

 

「た、確かに彼は人里をまだ熟知はしてはいないが・・・だからと言って私の家に住むというのは」

 

 

八雲紫と慧音で話し合っている姿をガスコインはただ見ているしかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

 

「おい霊夢」

 

 

「何かしら?」

 

 

「この賽銭箱には金を入れればいいんだろう?」

 

 

「そうよ。ホント、ここに来るんだったらお賽銭くらい入れて欲しいわよ。まったく」

 

 

ガスコインの質問の後にぶつぶつと嫌味を呟く霊夢

 

 

「霊夢は大変なのかー」

 

 

「あんたたち妖怪が頻繁に来るから参拝者も来ないのよ」

 

 

「1、2・・・3枚で構わないか」

 

 

チャリン

 

 

「!」

 

 

賽銭箱から聞こえた音に素早い反応を見せた霊夢

 

 

「お賽銭!貴方がしたの!?」

 

 

「あぁ、使えるかは知らないないが」

 

 

霊夢は賽銭箱の蓋を開け、中身を確認した

 

 

「こ、これは金貨・・・しかも3枚」

 

 

狩人の道具に使われている輝く硬貨、何が起こるか分からない獣の夜では商いとしては何の価値にもならない。せいぜい道を覚えるのが苦手な者が道しるべとして使うぐらいだろう

 

 

まぁ、いつか夜が明ける事を考えて集める者も居たらしい

 

 

「ありがとうガスコインさん。これで私は10年戦えるわ」

 

 

「・・・そうか。まっ、無駄使いはするな」

 

 

そう言って腰を下ろし、まだ口論している二人の決着がつくまで持つ事になったした

 

 




主人公の名前をGilbert(ギルバート)にしたら、ヤーナム市街に住む咳き込んでいた人がまさかの同名だった

マジかよ(°д°)
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