次の日
「宴会?」
「そうだ、博麗神社で幻想郷の住人たちにガスコインの紹介を兼ねた宴会をしようと思ってな。霊夢に相談したら了解を得られて、3日後からだそうだ」
昼頃に武器の調子を見ていた時、慧音から突然宴会とやらの話をきり出してきた
「幻想郷の住人と言ってもどれくらいの人数だ?」
「あぁ、住人と言ってもこの幻想郷で力を持つ勢力の者たちが来るだけだ。それほど多くは無いと思うぞ、ただ宴好きの妖怪や妖精も混ざる可能性はあるが・・・」
「構わない。要は紹介のための宴会と言うわけだろ?興味ない者は好きにさせておけばいい」
「そうだな、そこでガスコインに頼みたい事がある」
「なんだ?」
「宴会に参加をしてもらう招待状を作ったのだが、渡しに行く人手が足りなくてな。悪いのだがガスコインにある場所へ招待状を届けてもらいたい」
慧音から手渡された1枚の小さな封筒と地図の様な紙が1枚
「届けて欲しい場所はその地図に書いてある・・・霊夢の様な地図では無いから安心して欲しい」
「あぁ・・・」
霊夢が書いた地図は酷いものだったが、慧音のはしっかりと書かれている。これなら迷うことは無さそうだ
俺は封筒をしまい、地図を持ったまま立ち上がった
「おじさん、出掛けるのかー?」
「少しな、慧音の言う事を聞いていい子で待っていろ」
「じゃあ、いい子で待てたら肩車して欲しいのだー」
「いいだろう、いい子で待てたらな」
頭を撫でてやると、嬉しそうに満面の笑みを見せるルーミア
「ふふふ、まさに親子だな。見ているこちらも和んでしまうよ」
「よしてくれ、たんに懐かれているだけだ。俺から見たら慧音とルーミアの方がよほど親子に見えるがな」
「そうだろうか、私みたいな女が家庭を持つなど似合いはしないだろう」
どこか自分を卑下するかのような口調で言った慧音、ガスコインは頭を掻きながら答える
「他人の俺がこう言っているんだ。少なくともお前に家庭が似合わないと思っている奴は此処にはいない、自分に自信を持て」
「・・・ありがとう。そう言ってくれたのは貴方が初めてだ」
「ふっ。では、行ってくるとしよう」
話を終え、慧音の家を後にした
人里から少し離れた所でガスコインはもう一度地図を見て、行き場所を確認する
「届け先は・・・霧の湖の近くにある“紅魔館”か」
慧音の家
「さて、後は妹紅に渡し忘れた招待状の紙と一応の地図を渡しておけばいいな。えっと・・・あれ?確かこの上に置いてあったはず?」
「けーね先生、探し物はこれなのかー?」
ルーミアが持っていたのはガスコインに渡した物と同じような封筒と1枚の地図だった
「ありがとうルーミア。しかし、何処に置いてあったんだ?」
「机の下に落っこちてたのだー」
「そうか。風で下に落ちたかな?まぁいいか。ところでルーミア、少し出掛けるがお前はどうする?」
「今日はチルノたちと遊ぶ約束はないから暇なのだー。だから、私も行きたいのだー」
「よし。じゃあ早速行くとしよう」
迷いの竹林 妹紅の家付近
「・・・」
「おーい、妹紅」
「っ、あぁ、慧音か」
「どうしたんだ?何か見ていたようだが」
「・・・これさ」
「?・・・こ、これは」
妹紅が指さす場所に視線を向ける慧音、そこには一体の下級妖怪と3体の人間の様な死体が転がっていた
3体の死体はそれぞれ鉈、剣、斧を持っており、妖怪にはそれらの凶器によって傷付けられた後が数ヶ所もあった
「どうやら、人里近くに現れたあの化け物と同じようだ。人間の様に見えるが腕や顔には獣の様な毛が生えてる」
「賢者どのからは何も来ていないが・・・」
「だけど、こうやって現れてんだ。もう自分たちで見つけてやるしかないだろうな。とりあえずこの竹林辺りは私がなんとかするから心配するな」
「すまないな妹紅・・・こんな時に済まないが、もう一つ渡しそびれたのがあってな」
「はい、なのだー」
妹紅に渡し忘れた最後の招待状を手渡したルーミア
「これを届けてくればいいんだな。ところでガスコインって奴はどうしてんだ?あの時から会ってないし、一応感謝もしないとなんだが」
「あぁ、ガスコインも招待状渡しに行ってもらっている。今度行われる宴会で会えると思うぞ」
「宴会か・・・アイツらも来るだろうが、参加しない訳にはいかないしな。で、ガスコインは何処へ届けに行ったんだ?」
「届け先は“命蓮寺”だ。危険も無いし、そんなに遅くはならないだろう」
「・・・ん?命蓮寺?」
妹紅は招待状に書いてある宛先を見てみた
「・・・なぁ、慧音。非常に言いづらいんだけど、この招待状の宛先が命蓮寺になっているんだが」
「え?」
慧音は妹紅が指さす宛先の名を見てみると、確かにそこには命蓮寺と書かれてあった
「そ、そんな!?確か妹紅に渡そうとしたのは紅魔館宛のだったはず!・・・る、ルーミア、確かこれは机の下にあったと言っていたな?」
「うん、落ちていたのだー」
「ま、まさか・・・間違って紅魔館宛のを・・・」
「そーなのかー」
「アイツなら大丈夫な気がするが・・・ん?そういやアイツって確か神父って呼ばれて・・・・やばいかな」