魔法科高校と"調整者"   作:ヤーンスポナー

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オリ主襲撃の影響は大きい。

後は、logを話数分けて同時投稿しました。見ても見なくても問題はない。


第二章六話~穴熊~

【Saturday ,July 21 2096

 Person:@;g>.=er[ "Tatsuya,S" 】

 

 

 

 

 

 リニアを降りた後に八雲と分かれ、ホテルへと向かう。

 

 

 七月も下旬に入り、幾らか身動きが取れる様にはなった。しかし最初は、今回の様に第九研の調査に行こうとは思っていなかった。

 

 何せ既に"彼"(借哉)から纏まった情報は手に入れている。兵器の詳細は伏せられているものの、恐らくはピクシーと同じ様に何がしかに寄生させた物だと推測出来る。その時点で、特に行動を起こす価値は無いと見ていた。

 

 

 しかし、七月十日の"謎の車両爆発事故"が全ての流れを変えた。

 この事故が起こった直後に九島家が態度を硬化させると共に内部抗争らしき影も見え始める。それと時を同じくして、中華系アングラ組織の活発化。一部"九島と中華系アングラ組織との間で抗争が発生している"との噂まで出て来ている。

 

 一部過激な情報も有るが、何が起こっているのか確かめる必要がある。結論として、こうして状況の確認の為発生現場である奈良市に来たのだ。

 

 

 

 そしてホテルにチェックインした後、深雪を置いて事故発生現場へと向かう。

 

 そして、その判断が正しかった事を確信した。

 

 事故から既に10日程経過していて、警察などは既に調査を終えている。その為、確かに警察官や捜査の為の人員が居る訳では無い。

 

 しかし、その代わりと言うべきか見えるのは第九研を中心として事故現場の距離までを半径とした一帯の厳重な警戒態勢だった。

 それも、私兵のみと言った構成では無い。恐らくは九島傘下の国防軍部隊まで警戒に当たっていると思われる。

 

 はっきり言えば、異常。

 正に形振り構わずと言った状態だった。

 

(九島をして此処まで警戒させる勢力がいるのか・・・?)

 

 真っ先に思い付く勢力は、"彼"(借哉)の所。

 しかし、彼自身は第九研への襲撃を計画していた。それなのに、態々相手を警戒させる様な事をするだろうか。

 別に可能性が無い訳では無い。しかし、恐らくはそれに足る理由が無ければ有り得ない。

 

 彼が一番忌避するとしたら、"予測が不可能な物"。

 それを基に、既に得ている情報と照らし合わせて考えると、結論は一つ。

 

 事故車両は"彼"(借哉)にとってのイレギュラーで、その正体は中華系アングラ組織に関係する者。

 恐らく別行動を希望した八雲の目的は、これを確認する為か。

 

 

 そう当たりを付けると、不意に緊急メールの着信を告げる音が鳴る。

 

 素早くメッセージを開くと、発信元が書かれていないメールにはこの様に書かれていた。

 

 

 

『今すぐこの場を離れなさい』

 

 

 

 瞬間、各種魔法の兆候が「眼」に映る。

 完全に不意を打たれた。迎撃は間に合わないと判断し、想子を宿した両手を勢い良く打ち鳴らす。

 これにより魔法式を吹き飛ばし、同時に高濃度の想子の煙幕が形成される。

 

 飛び乗る様にしてバイクに跨り、悪路から発進する。

 その直後、後方で大きく爆発。

 

 理由は単純。駆け付けた九島傘下と思われる部隊が装備する、無誘導式のロケットランチャー。

 相手は既に手段を選んでいない。今此処で全力をもって振り切らなければ、恐らく彼らは最後まで追撃してくると思える程形振り構わず撃ってきた。

 

 時折直撃する可能性のある弾頭を"分解"しつつ、限界まで速度を出してその場から退避する。

 

 

 そして、攻撃が止んで暫くしてやっと速度を落とす。

 行きの時とは正反対にライディングスーツは土埃で塗れ、バイクは一部が変形している。レンタルバイクである以上、修理費を弁償する必要があるだろう。

 

 幸いにして振り切れたのか、「眼」を通して見ても敵の反応は視えない。

 

 しかし、事故からそれなりに日が経っているのにも関わらずあそこまで神経質に守りを固める理由は何故か。

  "彼"(借哉)を警戒しているのは分かる。しかし、あそこまでの警戒態勢は逆に九島にとって不利益にしかならない筈だ。

 

  "彼"(借哉)はP兵器を目的としていると言った。九島が守ろうとするのも、恐らくはそれだ。

 

 つまり、九島にとってP兵器とはそれ程まで重要な物なのか。九島はP兵器に、どの様な役割を持たせようとしているのか。

 

 この一件、最初はP兵器を火種とした十師族同士の抗争だと考えていた。無論、その性質も有るのだろう。

 

 しかし、もっと根本的な、自分達ではどうしようもない次元での事柄になっているのではないか。

 

 そうなると、四葉に対するポーズなどを考えている余裕など無い。

 何よりもまず、深雪の安全を第一にして動かなくてはならないだろう。その為には、何処であろうとも利用する。

 

 そう決意して、ホテルへと戻っていく。

 

 

 

 尚、ホテルへ戻ると深雪は最初どうも気落ちした様子を見せていた。しかし、戦闘してきたであろう格好を見てかなり心配して来ていた。

 何が起こったかを話して、怪我はしていない旨を伝えて宥める事で安心させた。その時には既に気落ちした様子はなく、その気持ちなど吹き飛んでしまった様だった。

 

 心配させしまった事に罪悪感は抱く物の、その一点に関してのみ言えば攻撃された事で得た唯一の物と言えるのかも知れない。

 

 




と言う事で達也視点での九島家の様子。
簡潔に言うと完全に穴熊決め込んでいる状態。今作でのパラサイドールの立ち位置と九島烈の思惑から考えると当たり前の流れですけどね。

四葉が一筋縄では行かないように、九島も、そして七草さえ一筋縄では行きません。この敵の敵は敵で味方も敵でみたいなドロドロとした冷戦。果たして最後に立っているのは何処なのか。

次回、再びlog。同時刻の深雪様。同時投稿です。

後、段落の修正終わりました。見辛かったかも知れませんがもう大丈夫だと思う。
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