唸れ! サイヤ人・パプリ   作:リマース

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3話

「地球か……」

「あぁ、俺の弟・カカロットがいる星だ」

「なるほどねぇ」

 

ただいまラディッツと雑談中だ。

俺は四人のサイヤ人の中でもトップでラディッツと仲が良い。

気が合うのもあるが、何と言っても語る話が一緒なのだ。

 

というか戦闘力も一緒というか近い、だからレベルが同じと言うことで組手も良くやる。

俺は徐々に、コイツに死んでほしくないと思っていた。

でもコイツが死なないと悟空は界王星には行けないし、界王拳や元気玉も出来ない。

 

だからこそラディッツには犠牲になってもらわなきゃならないのだ。

はっきり言って俺は嫌だ、死んでほしくはない。

そしてなんと俺とラディッツは3つしか年が変わらなかったのだ。

俺は多分悟空くらいの年だからラディッツは悟空の3つ上となる。

 

サイヤ人の中で年が一番近いのがラディッツだ。

ベジータは30くらいだしナッパは40後半。

おっさんだろ、最初のサイヤ人編の頃のベジータは20代かと思っていた程だしな。

 

顔はまあまあ幼かったし、背は小さいし。

あ、禁句だったか。

まあなんだかんだであれから一年程経った。

 

「ふーん、なら俺もお前と一緒に地球行くぞ」

「は? マジかよ、フリーザ様が許してくれるか……」

「そこは頼み込むんだよ」

 

ラディッツには死んで欲しくないんだ。

俺が一緒に行けば少しは違うかもしれないんだ。

自慢には出来ないが俺の戦闘力はラディッツより上だし、この一年間みっちり修行して戦闘力は1万2000まで上がった。

 

だからまぁなんとかマシにはなる筈だ。

それに欲を言えば主人公や色んな人に会いたいという下心も無くはない。

俺だって悟空たちに会いたい、フリーザなんてくそくらえだ。

こんな事言ったら殺されるけどな。

 

「俺フリーザ様のところに言って頼んでくる」

「おい本当に行くのか? 俺一人で充分だ」

「勘違いするな、俺はお前の弟を見たいだけだ」

 

なんて、嘘だけどこっちの方が格好がつくだろう?

俺は外していたスカウターを付け、フリーザの部屋に向かった。

一年も居たらフリーザの居る空気にはもう慣れてしまった。

もうオドオドしなくなったし、ガクガク震えることもない。

 

我ながら成長したと思う。

身体だけじゃなくてメンタルも鍛えられたかもな。

そう思いながら失礼します、と言いフリーザの部屋に入った。

 

「ご用件は?」

「はっ、俺もラディッツと一緒に地球に行ってもよろしいですか?」

「ほう、理由を言いなさい」

 

「カカロットははっきり言って我々の戦力には使えません、ですが調べてみたところ地球人は戦闘力を変化させるらしいのです」

 

なんて原作知識以外の何物でもないが、取り敢えず説得していかなきゃラチがあかない。

俺の発言を聞いたフリーザは少しビックリしたような顔をしていた、おー一年でフリーザのビックリした顔初めて見たかも。

そんな能天気な事を考えていると、フリーザは続けなさいと言う。

 

「はい、なので地球人相手にスカウターはもはや必要ないと思うのです。表示されている数値だけが本当だということにはならないと思い、ラディッツだけでは不安です。私もご同行をお許し願います」

 

どうだこの敬語っぷりは!

俺のサラリーマンの営業で鍛えた断りにくい敬語。

フリーザは少し考え、まぁ良いでしょうと言った。

よっし、よっしゃあこれでラディッツ死亡フラグをへし折れるかもしれないぞ!

 

俺はるんるんとした気分のままでラディッツの居る部屋に戻った。

 

「よ、許可貰ってきた」

「おま、マジでかよ」

「大マジだって、俺も一緒に行くかんな」

「……あぁ」

 

そう言うとラディッツはそっぽを向いた。

ははーん嬉しいのか、相変わらず照れ隠しがバレバレなんだよな。

でもこういう時に顔全体を隠せるラディッツの長すぎる髪は良いかもしれない。

でも戦闘には不向きだよな、邪魔すぎだろ。

 

そしてこの惑星フリーザから地球までの距離は18日間。

暇すぎて死ぬだろう、まぁ前までの俺はそうだった。

だが今では俺は一年間眠る事が可能になった。

ナッパに長く眠れないという事を話すと相談に乗ってくれたのだ。

 

ナッパも案外仲間としてはいい奴だしなぁ。

殺されるのは惜しいとは思った。

でもザーボンたちにも勝てないもんな、まぁ俺もだけど!

 

 

「行くか」

「あぁ、目的地は地球だ。また18日後にな」

「おう」

 

そう言うと二人同時にアタックボールに乗り込む。

よし、操縦をしてから俺は安心して眠りについた。

 

 

〈ツキマシタ、ツキマシタ〉

 

「ん?」

 

眠い目を擦る、あーよく寝たぁ。

あれから18日間がとっくに経っていた。

アタックボールから出ると、やはりいつも通りクレーターが出来ている。

やっぱこれ衝撃強いんだよなー。

 

そう思いながら自然豊かな地球の空気を思いっきり吸った。

っはー、懐かしいなぁ〜地球は。

俺も元は一般人の地球人だもんなぁ。

それが今ではサイヤ人、まるで漫画の主人公の様な存在だ。

 

隣を見るともう一つのクレーターが出来ている。

……ラディッツか、起こしてやろう。

俺はバッと穴から脱出し、ラディッツのアタックボールを叩く。

 

「ラディッツぅー、弱虫ラディッツ〜」

「その名で呼ぶな!」

「おはよー」

「……おはよう」

 

なんだかんだで返事はしてくれるもんな。はは。

ラディッツは『弱虫ラディッツ』って呼ぶとすぐ反応してからかいがあるから困るんだよな。

 

「ラディッツ、着いたぞ。いこーぜ」

「あぁ、やはりこの星の奴らは生きていたのか、カカロットの奴め」

 

二人で穴を蹴り上げ地上に着地する。

ふとスカウターに映った戦闘力5の文字。

……このオッちゃんあれだ、ラディッツに最初に殺されるやつだったなぁ。

 

「なぁオッちゃん」

「わわっ、何もんだおめぇ!! よっよるんじゃない!! ぶ、ブチ殺すぞ!!」

「戦闘力たったの5か……ゴミめ……」

 

「わーっ!!」

 

気がトチ狂ったのかラディッツと俺に向けて一発ずつ弾を撃ってきた。

……俺もこの一年で短気になったぁ。

それに甘さも捨てられたつもりだ。

このオッちゃんは殺されていーや。

 

だって俺たちじゃなかったら死んでたもんなー。

気をつけろってんだ全く、これだから銃刀法違反のない国は危険だから……。

そして案の定オッちゃんはラディッツの一撃により白目をむいて倒れた。死んだか。

 

「おいパプリ、大きな気があるぞ」

「本当だ、行くぞ」

「あぁ」

 

武空術でその気を持つ人物のところに向かう。

こういう時に武空術は本当に便利だなぁ。

元々は鶴仙流の武術だが、俺は鶴仙人は嫌いだし桃白白も嫌いだ。

 

だから天津飯と餃子には縁を切ってもらって良かったと本当に安心した。

あの二人は後半の出番はかなり少ないが、好きなキャラではあるのでやはり応援はしたいのだ。

 

というか俺は原作知識で分かっているからいいのだが、これはピッコロだと思う。

実際あんなにボロクソ言っておいて結局負けるという結末を知っているこっちの身としては恥ずかしい限りである。

まぁピッコロに殺されるのだけは避けなきゃな。うん。

 

そして大きな気のところに着く。

思った通り、やっぱりピッコロだった。

俺とラディッツはスカウターで戦闘力を測る。

 

「戦闘力322かぁ……」

「だが所詮俺の敵ではない」

 

ひゃーそんな事言っちゃって俺が居なきゃ死ぬ癖にコイツは。

まぁ俺が居ても死ぬ可能性は0%じゃないしなぁ。

俺はピッコロを見る。やはりまだ改心してないんだなとつくづく思う。

 

目付きがまだ悪だ、ピッコロの改心には悟飯に頑張って貰わないとな。

もしも間違って悟飯殺しちゃったらかなりヤバイから気を付けないと。

 

「くっ」

 

冷や汗が額に出るのが見え、焦るピッコロ。

やはり先制攻撃を仕掛けてくる、どちらかと言うと俺ではなくラディッツ寄りに。

……ラディッツってば煽るような事を言うからさぁ。

 

煙が口の中に入り、気管に入って凄く煙たい。

思わず盛大に咳をゴホゴホと繰り返した。

そして煙が晴れた後、そこには当然の様に立つラディッツとゴホゴホと煩い俺。

マジやばいコレ、うっ痰が……。おえー。

 

「くだらん技だな… ただホコリをまきあげるだけか」

 

格好つけると後で大変だぞ? ラディッツ。

尻拭いなんてしないからな。

大物感漂わせた感のセリフいいやがって。

 

「行こうぜラディッツ、コイツはもう良い」

「ちっ、また会ったら殺してやる」

 

お前には無理だっつの。

心の中でそうツッコミを入れた。

そんな事口が裂けても言えないけどさ。

さすがにフリーザに言われたらバラすけどね!

 

そして現れる大きな気の反応。

よーし今度こそコッチが悟空かぁ。

やっと主人公に会えるぅぅ!!

一年間ドラゴンボールの世界に居たにも関わらず、一度も主人公に会ったことないもんな。

 

せいぜい悪者だけだよ、つかフリーザ軍には悪者ばっかだし。

善人とか俺くらいしかいな……すみません。

 

ピンクの塗装の壁に赤い屋根、赤いペンキで塗られたKAME HOUSEと言う太字のロゴ。

これってカメハウスだよな、ようやく悟空や悟飯たちに会える!

あーなんかそう思うとドキドキしてきた。

噛んだらすっごいカッコ悪いからなぁ。

気を付けないと……。

 

俺はラディッツに悟られない様に胸に手を置いた。

すーはーと少しだけ深呼吸をしてカメハウスが立つ、島に降り立つ。

ラディッツは相変わらずスカウターを触っている。

アイツなんか本当にスカウター好きだなぁ。

 

俺は皆には内緒だが気を抑えたり解放したり消したり、気を探る事ができる。

目隠しをしての鬼ごっこもした、相手は人間ではなくたまたま迷い込んだネズミなどである。

まぁこれも全ては原作知識でのおかげだ、ただその原作知識も今や薄れていっている。

だが一年も読んでいないのだ、無理もないと自分でも思っていた。

 

外にはブルマ、亀仙人、悟空、悟飯、クリリンがいる。

うおー本物だ、すっげー俺の子供の頃のヒーローが目の前に……。

死んでもいいわ、死にたくないからやっぱ却下するけど。

 

「ふっふっふ..、成長したな……だが、一目で分かったぞ……カカロットよ……父親にそっくりだ……」

「へ!?」

「な、なんだよコイツ……何言ってんだ?」

 

突然喋り出すラディッツ、俺は何にも話すことがなくないか?

俺する事が全くないしつまらないのだが。

そして悟飯の子供時代はやっぱり可愛いなぁー。

俺にも息子が出来てたらこんな感じだったのだろうか。

はー茜(嫁)に会いたくなってきたぜ……。

会えないけどさぁ?

 

「カカロット、この星のありさまはなんだ! 人類を死滅させることが貴様の使命だったはずだ! 一体なにを遊んでいた!」

「ねぇ、あんた、どこの誰か知らないけど、帰って帰って! しっしっ! んもう……昼間っから酔っぱらってちゃ、ダメったら!」

 

ラディッツを酔っ払いと勘違いし、手でしっしっと追い払うように近づくクリリン。

ラディッツの気の大きさに気づいた悟空はすぐさまクリリンに向かって止めろと叫ぶ。

 

あちゃー、クリリンダメだって!

お前がまだ敵う相手じゃないんだから。

つか俺のセリフがまだ一言もないってヤダわー。

 

 

 

 

 

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