ツキトside
「私が、で、ございますか?」
「いかァアにもォう………そォゥであァる」
厳格な雰囲気漂う、神聖ブリタニア帝国の皇帝陛下の居られる宮殿、帝都ペンドラゴンの中心に位置する巨大な建築物がそれだ。
その内部、皇帝陛下の謁見室にて、眼前の椅子に座った、モーツァルトやバッハ等の音楽家(またはロールケーキ)を連想させる髪型をした男、すなわち神聖ブリタニア帝国第98代皇帝、シャルル・ジ・ブリタニア様だ。
なぜ番外のラウンズでしかない私が、皇帝陛下に召喚されたのか、ことの経緯を語ろう。
九州拠点奪還作戦は、スザクや藤堂率いる四聖剣、ゼロの駆るガウェインにより、中華連邦の役人数人と元日本人政府の役人澤崎、数十名の捕虜、数十機の中華連邦製KMFを鹵獲し、作戦は無事に終了した。
ブリタニア側の損失は極少数であり、KMFの18機が大破、7機が中破、65機が小破、全90機のKMFが破損したが、脱出装置のおかげで兵士の死人は出なかった、まあ多少の怪我人は出たが、腕の骨を折るなどの軽傷で、全快すれば任務に戻れる程度であった。
この一件は大々的に報道され、ブリタニアと騎士団の友好関係のさらなる発展を願うものとしてPVも制作した、なのだが………いつの間にやら私の預かり知らぬ場所で、ブリタニア軍のKMF、というか私のKMFとランスロットのPVも作られていたらしく、それを見たナナリーに心配したとものすごく怒られ………いやそれは別にいいんだ。
えっと、なぜかは知らんが、本当によくわからなくて怖いんだが、いつの間にかだな、戦闘中の私の映像を使ってPVが作られていてな?………本当誰が作ったんだよクソ…………それが本国、ここ帝都ペンドラゴンの宮殿にまで届いていたらしく、味方の鼓舞のため単騎で突撃した勇気を賞賛したいだとかなんとかで召喚されたわけだ。
召喚状が届いた時はついにルルーシュとナナリーのことがばれたか!?と焦ったが、中を見れば全く関係なくてホッとした、がすぐに別の方向で冷や汗流した。
で、ペンドラゴンに行くのはいいんだ、問題は誰を付き添いにするかで喧嘩になってしまってな、護衛の意味もあるから戦闘面で突出しているコーネリアか、ここは華やかさ重視でユーフェミアか、歴戦の将軍のダールトンか………。
宥めるのがとにかく面倒だった、コーネリアとユーフェミアの喧嘩に振り回されるスザク、忘れられがちだがスペックが高いギルフォード、2人ともすごく疲れていて見るに耐えなかった。
これを収めるためにも私がダールトンを指名すれば、とも思ったが、ただでさえストレスのかかるダールトンにこれ以上のストレスを与えれば剥げることは明白、ましてやダールトンはコーネリアがいない時の軍の総括を任される重要な人物、いかにこうした時に適任の人材とはいえ、むやみやたらストレスを与えたくはない。
誰も連れて行かないという選択肢は無いらしく、それを提案するたびに何かと理由をつけられて却下された、私が不死身の存在だと言えればどれだけ楽だろうか………。
とりあえず今回の召喚に関してはスザクを連れて行くことになった、その間のユーフェミアの護衛は私の猟犬部隊を当てることに決定した、最初から最後に至るまで一貫して一緒に行くと主張するユーフェミアの説得に時間を使ってなんとか飛行機の時間に間に合い、帝都に降り立った。
帝都に着き謁見室の前でスザクを待たせ、中に入る。
告げられたのはラウンズの称号の剥奪と、枢機卿への格上げであった。
枢機卿………それは皇帝陛下に次ぐ権限を持ち、皇族やラウンズよりも上位に位置する役職である。
前世においては教皇の次席に位置するんだったか、といっても枢機卿があるのは宗教色の強い国だけだし、日本では関係がほとんどない。
「しかし陛下、枢機卿の席にはすでに誰かが………」
「たしぃかにぃ、お主の前任はおったぁ」
「ならば………」
「しかぁしぃ!その者はぁ………第5皇妃であるマリアンヌ・ヴィ・ブリタニア暗殺未遂事件の犯人としてぇ、お主によって処刑されたのだぁ………」
私が処刑、ということはV.V.が枢機卿?あいつはギアス教団の教主だったはず………とにかくここは驚いておくほうがいいか。
「あ、彼奴が前枢機卿だったと仰られるのですか!?」
「そうだぁ………彼奴の後釜が見つからずぅ、困窮していたところに、貴様のエリア11での活躍がぁ、ワシにとどぉいたのだぁ」
なるほど、役職というのはあるだけで厄介なもの、枢機卿という巨大な権力という席をめぐって争いが起こるのを危惧しておられたのだろう。
競い争い進化する、強者だけが生き残る、それが陛下の目指すブリタニアであるが、その火の粉が自分にも飛び火しているのだろう、見かねて丁度いい人間を配置しようという考えか………気持ちは理解できるな。
だがそこに要塞に向かって単騎突撃かました脳筋をブチ込むのはどうかと思う。
「シャルル・ジ・ブリタニアが命ずるぅ………ツキト・アールストレイム、貴様をを枢機卿に任命するぅ、そしてぇえ!!エリア11総督に就任するのだぁ」
「イエス!ユアマジェスティ!」
そ、総督だと!?エリアの総督は原則として皇族しかできないのでは無いのかっ!?いや原作でもわりとどうでも良い名前の貴族が総督だったけどな!?皇帝陛下の権限ならなんでもありなのかぁ!?
総督なら動きやすいこともあるが、それではユーフェミアを総督にする計画が台無しじゃ無いか!そもそもコーネリアが総督を降ろされたらギルフォードとダールトンまでいなくなるわけだろう?………軍事面ガッバガバじゃないか!そんなことしたらいかに雑魚とはいえ中華連邦の攻撃を凌ぐのは面倒くさいぞ!
ユーフェミアは残ってくれるかもしれんが、別にいたところで軍事面はパッパラパーではどの道使えないし………。
練り直す必要が………いやもういっそのこと計画自体を見直す必要もあるじゃないか。
権限は増えたが、逆に自由が利かなくなっただけか!
「ふぅむ………これからぁ、貴様に質問をするぅ、すぅべて正直に応えよ」
「ハッ!」
いきなりなんだ?質問?
「ルルーシュとナナリーはぁ………生きておるかぁ?」
!!…………………………くっ!嘘をつきたいが…………くぅっ!
「…………はい、私が現在保護をしております」
「……………ルルーシュとぉナナリーはぁ………元気かぁ?」
「はっ?………あ、いえ、お2人共健康そのものでございます」
「今ぁ2人は何をしておるのだぁ?」
「ルルーシュ様とナナリー様は、偽名を使い進学されています」
「うぅむ………ルルーシュが高校生でぇ、ナナリーが中学生かぁ………」
な、なんだこの皇帝陛下、まるで父親のような目を…………ってか父親だったなそういえば。
「よろしぃ、ではもうひとつ命ずる」
「はい」
「これよりぃ、マリアンヌの所へ行くぅ……………ルルーシュとナナリーの話を聞かせろぉ」
「イエス!ユアマジェスティ!」
ただの良いお父さんだこれ!?めっさやっさしい顔してるで!?皇帝陛下の顔やないで!息子と娘を心配する、えぇお父さんの顔や!!(乱心)
退出を命じられて謁見室を出ると、扉の前を見張っていたスザクがギョッとした顔になった。
「ツキト!ど、どうしたんだい!?顔が真っ青じゃないか!?」
「ふぇっ……?」
言われて壁に埋め込まれた装飾いっぱいの鏡を見た、なるほどスザクの言う通りだ、もともと白い肌だが、たしかに青い、真っ青というのがよくわか………。
「あっ………」
「ツキト!?」
血の気が引いたせいか、フラついてスザクに寄りかかってしまった。
「ツキト!!……誰か!誰か!!………っ!君!保健室はどこか知らないか!?」
「あ、あちらです………」
「ありがとう!それじゃあ!!」
掃除中のメイドに保健室の場所を聞くと、私を抱え上げて走り出した、小さい身長がここにきて役に立ったな……。
というかスザク、ここ、走るの禁止………だぞ……………………。
「はっ!?…………痛っ」
「動かないほうが良いよツキト」
「スザク?ここは………」
「保健室だよ、謁見室から出ていきなり倒れたんだ」
コード保持者でも疲労は溜まるというのはわかってはいたが、根拠も無く大丈夫だろうと高を括るのはバカすぎた。
「過労とストレスによる貧血だろうって」
「過労とストレス、か………スザク、このことはナナリー様には」
「言わないよ、けど、働きすぎていたら口が滑っちゃうかもね」
「くっ………善処する」
歯噛みしつつお前が言えたことかと脳内で叫ぶ。
「長居はできん、すぐにマリアンヌ様の元へ行かねば」
「どうかしたのかい?」
「あぁ、実はな………」
スザクに謁見室での経緯を説明した。
「………つまり、ツキトはラウンズやユフィより上の、枢機卿っていう役職になるんだね」
「そうだ、親しい者がいる時はいつも通りでいいが、公の場で呼ぶ時は枢機卿猊下と統一してくれ」
「パーティーとかで、呼び捨てで呼んだら問題だもんね」
「その通りだな」
「それで、皇帝陛下の命令でルルーシュとナナリー………あ、様をつけたほうがいいかな?」
「お2人の存在はまだ陛下とマリアンヌ様以外には秘密だ、だから様付けは入らないが、極力本国で名前は出さないようにしてくれ」
とくにギネヴィアとかいう阿婆擦れに聞かれたら…………徹夜して穴を掘らなきゃいけないからな、ついでに墓石も作っとかなきゃいけないしな。
「わかったよ」
「それじゃあマリアンヌ様の居られるアリエス宮へ行こうか」
「僕も言っていいのかい?」
「私の護衛だと言えば通せる、それに、まだ発表されていないが、私は皇帝陛下の次に偉い天下の枢機卿猊下様だ、ある程度のワガママは通せる」
「それは職権乱用になるんじゃないのかな?」
「フッ、バレなきゃいいのさ」
他愛のない話をしながら保健室を出る………普通宮殿に保健室は作らないと思うんだが………陛下の威圧で気絶した者用の部屋なんだろうか?
実際ありえる、というかあったしな、そんな事例が……。
「どうやって移動する?運転手呼んでこようか?」
「あぁ、そうし…………ちょっと待て、あれはなんだ?」
窓から見えた車を指差す、車………というにはデカイ図体の機械の塊、なんというか、オープントップの戦車、に見えるんだが。
「そこにぃおったかぁ、ツキト・アールストレイムぅ……」
「こ、皇帝陛下!」
乗ってたのか!?この馬鹿でかい戦車みたいな乗り物に!
「さっさと乗れぃ!マリアンヌのもぉとぉへ、行くゾォ!」
「イエス!ユアマジェスティ!……ほら、スザク行くぞ!」
「う、うん……(え?本気でこれで行くの?)」
窓から跳び乗って皇帝陛下の対面の座席に座る、スザクは私の隣に座った、え?飛び乗るのは行儀が悪い?わざわざ玄関口から走って乗り込むまで皇帝陛下を待たせられるか!
揺られる、いやまったく揺れない快適な車に乗ること数十分、懐かしいアリエス宮が見えてきた。
アリエス宮の前で止まると自動でドアが開いた、今更だがこの車に運転手が乗っていない、まさかの自動運転なのか!?すごいぞブリタニアの技術力!変態兵器だけじゃないんだな!
皇帝陛下に続いて車を降り、アリエス宮に入る、実に8年ぶりほどの再会であるメイドや執事たちに軽い会釈を送りつつ、皇帝陛下の一歩後ろをスザクと歩調を合わせて歩く。
突然の来訪でこの対応力、しっかりと躾されているようだ、アールストレイム家の支援は継続されているようでなにより、枢機卿になったらもっと増やそう、マリアンヌに気に入られれば軍の大半を手中に収められるからな、できるだけ楽にいきたいしな。
マリアンヌの居る部屋に入ると、椅子に座り窓から外を眺めるマリアンヌがいた。
8年前と寸分違わぬ美しい姿に目を奪われる、同時に、ナナリーが成長すればあれほどに美しい女性になるのかと少し興奮してしまう。
ついでに私の初恋の人。
「久しいなぁあ、マリアンヌよ」
「あら、シャルルじゃない、一週間ぶりかしら?背後にいるのは………ツキトね?」
「正解でございますマリアンヌ様、お変わりないようで」
目が見えずともわかるのか………原作のナナリーも目が見えずとも接触すれば相手の思考が読めるチートキャラだったしな、歴戦の猛者たるマリアンヌならば、これくらいは当然といったところか。
「それで、そっちにいるのは誰なの?」
「枢木スザクといいます、ツキトの護衛です」
「そうなの…………なるほどね、ツキト、あなたいい友達を持ったようね」
「ありがとうございます、友であるスザクは私の誇りです」
柔らかい笑みを浮かべてそう言うマリアンヌ、私の心の底を読もうとしているのか、単なる世間話なのか、まったくつかめない。
「本題に入るぅ、マリアンヌよぅ、我らが息子と娘、ルルーシュとナナリーのことだぁ」
「っ…………あの子達のことは、残念に思ってるわ………ツキトもきっと負い目を感じてると思うの、でも………」
「あの、その件なのですが」
「なに?」
「…………私、実は、嘘をついておりました」
「なんですって?」
マリアンヌがものすごい怒ってるんだが………怖くてちびりそう。
「ルルーシュ様とナナリー様がお亡くなりなったという報は嘘です、お2人は生きていますし、学校にも元気に通っておられます」
「…………本当なの?シャルル?」
「誠であるぅ………アーカーシャの剣にてぇ、何度もルルーシュとナナリーの姿を見たぁ………真実で、あぁる」
「そうなの…………(やった♬)」ガッツポ
あ、小さくガッツポーズした…………ああいう可愛いところは遺伝だったか………人妻に可愛いという表現は適切なんだろうか?
(適切だルォウ!?当たり前だよなぁ?可愛い!ビューティ!エロイ!可愛い!ビューティ!エロイ!って感じで…………やっぱりムッチリ系人妻を………最高やな!!! by作者)
「いつ頃会えるかしら?」ワクワク
「現時点ではまだなんとも………というのも、マリアンヌ様の暗殺未遂の一件が相当ショックだったようでして、精神的に成熟してからの方が良いだろうと思いまして………申し訳ございませんが、もうしばらくご辛抱を」
「そうなの………わかったわ」シュン
女神級に可愛いらしい仕草も遺伝だったのかっ!(戦慄)
こんな美女惚れない男がいないはずないんだよなぁ。
「代わりと言ってはなんですが、今日までのお2人の話でも如何でしょうか?」
「面白そうね、聞かせてちょうだい」フムフム
「ワシもぉ、聴かせてもらうぞぉ」
「では………まずは、お2人が日本の小学校に入学した時の話をいたしましょうか………」
【2時間後……】
「…………そうしてルルーシュ様は、学園の生徒会に入会し、日々勉学に励みつつ学園の行事の運行や書類仕事等を行っております、ルルーシュ様が生徒会に入会した後から効率が段違いに良くなったという声をよく聞きます」
「さすがは私たちの息子ね、シャルル」
「うむ」
「ナナリー様はフェンシング部に入部し、エリア11のフェンシング大会において見事に優勝を勝ち取りました、中等部ですので今はまだエリア内の大会ですが、高等部になれば世界大会への出場は間違いないでしょう」
「お前に似たなぁあマァリアンヌよぉ」
「ふふっ、閃光の名前を引き継ぐ気かしらね?」
「本人にその気は無いようですが、無自覚とはいえ剣の道に行かれるその勇ましさはさすがはマリアンヌ様のご子女でございます」
並んでソファに座る皇帝陛下とマリアンヌにひたすら話題を出し続ける私、その隣ですでに空気と化してしまっているスザク。
「あら、もう日がくれてきたわね」
「随分と長い時間話し込んでぇいたよぅだなぁ」
「そのようですね………どうでしょうか?一旦お開きになされるというのは?」
「いいわ、でもその前にひとつ」
「なんなりと」
「ツキト、あなた、隠してること、あるでしょ」
思わずマリアンヌの顔を見る、一瞬ナナリーに良く似たその優しそうな目で鋭く睨まれた錯覚に陥る、うまく動揺が隠せない、くっ、やはりマリアンヌだけは別格か!
ここは、正直に行こう、最悪処刑ものだが、致し方無い!
「………言うべきか迷っておりましたが、マリアンヌ様にはお見通しだったようですね」
「話してくれるわよね?」
「はい……………実は、私、ツキト・アールストレイムは……………ナナリー様と婚約させていただいております」
「ぬっ!!」クワッ
ヒィッ!?皇帝陛下の顔が一気に険しくなる、処刑か!?
「…………そう、告白したのはナナリーかしら?」
「はい、従者であり続けるほうがよかったのかもしれません…………しかし、ナナリー様の悲しむ顔は見たくなかったのです…………マリアンヌ様が命じられるなら、ナナリー様との婚約は………」
まずいな、もうシャツぐっしょりだと思う、ラウンズの称号剥奪だとか死刑だとか人権剥奪だとか、そんな生易しい死に方ができなくなる、生きるのも死ぬのも嫌になるようなことをさせる、絶対そうだ、だってマリアンヌだし………。
「あっ、別に結婚してもいいわよ」
「…………はい?」
「ナナリーがツキトのこと好きそうなのはあの子達がここを出る前から知ってたし、ツキトなら良いかなって思ってから」
そ、そんなに前から………。
「よ、よろしいのですか?こう言ってはなんですが…………その、初夜を経験済みでして………」
「どうせあの子が襲ってきて無理やりってところでしょ?」
「あの、そ、そう、なの、ですが………よく、お分かりになりましたね………」
「ふふっ、あの子は私の娘よ?」ドヤッ
「う、うぅむ………////」テレテレ
え?それはつまりマリアンヌは皇帝陛下を……………………うっそだろオイぃぃいい!?
「は、ははは…………」
おいスザク、なんだその乾いた笑い………ってその憐れみの目をやめろぉ!!私をマリアンヌの被害者2号みたいに見るなぁ!!!
ガニメデに乗せて的にしてやろうか!
…………でもスザクならガニメデでもひょいひょい避けそう。
「ま、何はともあれあの子達が元気そうでよかったわ、ツキト、ナナリーは頼んだわよ」
「イエス、ユアh……」
「最初は女の子でお願いね」
「来年中にぃ、できるかぁ?」
「いえナナリー様の体が持ちませんから、どこぞの三流小説の『お子さんの命は助かりますがお母さんは死んでしまいます』みたくバッドエンド直行ですから」
「そこは愛の力でなんとかなるでしょ」
「精神論では勝てませんよ………」
「そこはほら………私の娘だし」ニコッ
う〜〜んこの笑顔と説得力………プライスレス。
「それ以前に、子を産み育てるには私はまだまだ未熟です、せめてナナリー様が皇族に復帰して数年経ったくらいでないと………」
「今すぐ復帰するのはどうかしら?ナナリーは皇位継承権は低いけど、ルルーシュなら良いとこ行くんじゃない?」
「うぅむ、ルルゥーシュはシュナイゼルに並ぶキレ者、第1皇子のオデュッセウス以上の才能よ……それにあやつ以上に『飢え』ておるしのぅ……」
哀れ癒し系善人のオデュッセウス・ウ・ブリタニア殿下…………原作ではリヴァルの次くらいに好きだった。
「ならば、皇族復帰後は是非ともルルーシュ様を後継に」
「あらツキト、ナナリーは押さないのかしら?」
「ナナリー様は…………聡いお方ではありますが、ルルーシュ様ほど非道にはなりきれません、そのうえ欲が薄いのです、次期皇帝陛下に押すには、優しいだけではいけないのです」
「…………頭がカチカチなところは変わってないわねツキト、シャルルは少しは柔らかくなったというのに」
「古き良き騎士道精神でございます」
忠義とナナリーの笑顔をエネルギーに動く電動機だから………信頼されてなんぼだし、そもそも信頼がなきゃブリタニアと騎士団のパイプ役なんてやってられん。
「相手を挑発するのが騎士道精神なのかしら?」
「礼を失した相手に情けはいらぬと考えておりますゆえ」
ここから剣の話に入った………。
「ナナリーだけど、あなたから見てどんな感じかしら?」
「基礎に忠実、基本を守って堅実に闘う…………試合ではそのように見えました」
「ナナリーらしいわね」
「うむ」
原作でもそうだが、ナナリーは本当に優等生だからな、ルルーシュのサボり癖もあってなお引き立つその優等生っぷりだったな。
こっちではルルーシュも勉強に力を入れているようだ、敵(シュナイゼル)を倒すのに必要なのは知識だと考えているのだろう、脳筋でシュナイゼルに勝てたら苦労しないだろうし、当たり前のことだと思うが。
「それじゃあツキト、あなたが闘った感想を聞かせてくれる?」
「はい、私が試合をさせていただいた時のことですが…………フェンシング大会で見たナナリー様とは違う、攻めの姿勢でした、退路を確保しつつ怒涛の攻めで一点突破を図ろうとしておりました」
「ふーん、ナナリーらしいと言ったらナナリーらしいわね、あの子聡いけど猪突猛進なところもあるから」
「お前に似たなぁ、マリアンヌぅ」
「私はそこまで猪じゃないわよ」ぷりぷり
なにこの可愛い人妻………スザクもさっきからものすごい驚いている顔だ、教科書に載るほどの有名人、剣の達人でただの庶民からまさかの第5皇妃(およそ100人ほどの貴族出身の妻がいる中で、ただの庶民でしかなかったはずのマリアンヌが上から5番目、しかも皇帝陛下にタメ口)にまでのし上がってビスマルクに自爆技かけて不意打ちで暗殺されかけたブリタニア人女性の憧れ的存在の超凛々しい人物が、絶対他人には見せないような人懐っこい笑い方するなんて思わないしな。
私も思わない、というか1ミリも思わなかった。
だがナナリーの優しいところとかルルーシュの甘いところとか、よくよく考えるとそこもマリアンヌの遺伝だったりするのか?目が見えなくても気配で人がいるかわかる人が、不意打ち食らうってのもなんか可笑しな話だしな。
まあ深夜だったし、眠かったんだろうきっと、そういうことで納得しとこう。
「ひとつぅ言い忘れたことがあったぁ………先ほどツキト・アールストレイムを枢機卿に任命したのだぁ」
「良いんじゃないかしら?V.V.の後釜を狙う奴らもこれでおとなしくなりそうだしね」
息の合う夫婦、自分の考えを理解できるマリアンヌに惚れるのもわかる。
気さくで話し上手な世界一の剣士とか憧れないほうが無理だ。
「でもすぐに任命するのはやめたほうが良いわ、まだうっとおしいのが片付いたら………半年後でどうかしら?」
「分かった………ツキト・アールストレイムよ、半年後までお主はラウンズ続行だぁ………よいな?」
「イエス、ユアマジェスティ」
返事を聞いた皇帝陛下は部屋を出て行った、きっと宮殿に戻るのだろう。
「ツキトと枢木スザクはここに泊まっていきなさい、部屋を用意させるわ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます………(ねえツキト、本当に部屋を借りて良いのかな?)」
「(せっかくの好意を無下にはできん、それにここが1番安全だからな)」
「(そういうことか……わかったよ)」
マリアンヌのお膝元であるアリエス宮に入りたがる命知らずはいないからな、いるとしたらよほどの馬鹿くらいだ。
スザクとともに部屋から出て、割り当てられた部屋に入る、なかは整理されてはいたが、紛れもなく私がいたころに使っていた部屋だった。
「さて、これからのことを考えねばならんな」
「これからのこと?」
「あぁ、半年後には私が枢機卿になり、エリア11の総督に就任することになる」
「ツキトなら政治も大丈夫だよ」
「そっちは問題じゃない、軍事面の問題だ」
「軍事面?あ、そうか、今の総督のコーネリア様がいなくなったら………」
「さらにギルフォード卿やダールトン将軍もいなくなるだろう、指揮官がいない軍隊など烏合の衆、半年後までに彼らの後を任せられるほどの優秀な指揮官を見つけなければならない」
「候補とか、いないのかい?」
「いないことはないが、いかんせんバランスが取れないんだ…………優秀という面だけで考えれば純血派とかにいくらでもいる、だが日本人で構成される猟犬部隊について絶対にネチネチ言ってくるだろうから意地でも選びたくない」
「でも他に優秀な指揮官向きの軍人はいない………ユフィは論外だし」
「ユーフェミア様を前線になんか出したら足手まといも良いところだ」
「ずいぶんと辛辣だねツキト」
「ユーフェミア様のせ………お陰で初の戦闘任務が移動拠点に篭って待機なんだぞ?本来なら、スザク達とともに空中投下して勇猛果敢に闘ってもらって、それをPVにするつもりだったのに!!」ダン!
「さすがに初の戦闘で敵中ど真ん中に空中投下は危ないんじゃないかな………包囲部隊と連携するならともかく、危険すぎるよ」
「たしかにそうだ、だが戦果無しの状態が長引けば、うるさいのが湧くんだ、現に『寄せ集めハリボテ部隊』なんて一部で言われてるんだぞ?」
「それは、さすがに酷いね……」
「大袈裟かもしれんが、戦果無しのままでは必要性を疑われてしまう、予算もタダではない、人は生きてるだけでカネを使う…………防衛の主戦力と銘打って作った部隊なのに、肝心の防衛戦での活躍は移動拠点の防衛…………フッ、こんな稚拙な指揮、ルルーシュ様に笑われてしまう」
「でもさツキト、今考えてみてよ、半年後にはコーネリア様がいなくなって手薄になる、そこを猟犬部隊で埋めるんだよ」
「だが、今の戦力では………」
「ツキト、猟犬部隊っていう数の単位で考えちゃダメだ…………1個の軍隊と考えれば良いんだよ!」
「…………なに?」
1個の軍隊………!!
「コーネリア様と一緒に兵が減るなら、増員すれば良いんだよ!少なくとも今の3倍から4倍に増員すれば十分活躍できる戦力になる!」
「そうか………『部隊』という枠組みにとらわれていた………防衛用の『軍隊』として再度設立すればっ!」
「主戦力になる、それに、自分たちで日本を守っているっていう自覚も現れてくる」
「………日本に帰ったらPVを作らねば、猟犬部隊……いや、日本エリア防衛軍の設立と宣伝だ!インスピレーションが湧いてきた!帰ったらすぐにやろう!」
「僕も手伝うよ!」
「設立後は、大幅な装備の補充が必要になる………だがそんなもの予算調整をすれば問題などない、いける、いけるぞスザク!」
もうなにも怖くな…………だめだマリアンヌとナナリーはやっぱり怖い。
枢機卿就任までの半年間、やり遂げてみせる。
まさかの【†枢機卿†】
スピンオフ作品並みの優しいお父さんとお母さん。
やはり、子供思いのマリアンヌを………最高やな!
作者「あ、そうだ、帝都ペンドラゴンにぃ、人間の屑(ギネヴィア)、生きてるらしいっすよ、じゃけん殺しましょうね!」
ツキト「お、良いっすねぇ、ルルーシュ様とナナリー様の敵は、2度とこの世界にいられないようにしてやる………(ヤンデレ)」
作者「忠義!謀略!騎士道!忠義!謀略!騎士道!って感じでぇ……礼儀正しくさっさと殺そうぜ!」
ツキト「人間の屑に礼儀は無用だって、それ1番言われてるから(ニッコリ)」
作者「お、そうだな(恐怖)」ガクブル