ツキトside
朝5時、C.C.はまだ寝ている。
今日はオフだ。
起きてまずすることはさっさと支度をすること、すべての準備を終え、ナイトオブラウンズの正装をトランクに詰め、総督府………クロヴィスのいるところに向かう。
玄関を出る前にLサイズピザ十枚の注文とそれの受け取りを咲世子に頼むのを忘れない。
原作とは違い、ルルーシュはシンジュクゲットーでのテロに手助けをしていない、つまりクロヴィスも死んでいない、今回クロヴィスに会いに行く理由はいくつかあるが、大まかには私(ナイトオブサーティーン)の生存報告とルルーシュとナナリーの死をより正確性の高い情報にさせるためだ。
総督府が近くて助かった、まだまだ暑いからな…………ん?向こうの訓練場ではコイルガンの射撃訓練をやっているのか、覗いていくか。
「もっと脇を締めろ!コイルガンは狙った場所に正確に飛ぶ!少しでもズレれば着弾点は大幅にズレる!集中するんだ!」
おーおー、熱血軍曹様とは恐れ入る。
お、あそこにいるのはスザクか、マトの方は…………七割、といったところか、腕はいいな。
「む、そこの貴様!何者だ!ここは軍の施設だぞ!」
ん?ああ、ばれたか。
「丁度いい、クロヴィス総督の元へ案内してくれ」
「なんだと!?貴様誰に向かって口をきいているんだ!」
「エルバート元少尉に向かってだが?浮気がばれて離婚、ヤケ酒で店主に暴行を振るい降格、現在軍曹として新兵教育に励んでいる、だったかな?エルバート軍曹殿?」
「き、貴様どこでそれを!!」
騒ぎを聞きつけたのか様々な階級の兵士が集まってきた、スザクたち新米兵士たちも射撃訓練をやめこちらを見ている。
「あ!ツキトさん!」
スザクが気づいたのか私の名を呼ぶ。
「枢木一等兵!」
「ハッ!」
「こやつはお前の知り合いか?」
「?……はい、そうですが」
「こいつは何者だ?言え!」
「ハッ!彼は私の友人でツキト・アールストレイムといいます!」
「ほう、アールストレイムか…………アールストレイム!?ま、まさか!あなたは!」
「まったく、思い出すのが遅いぞ軍曹」
「し、失礼いたしました!アールストレイム卿!何卒!何卒私の無礼をお許しください!!」
なぜかブリタニア人なのに私に土下座をしてきた、エリア11(日本)にいるブリタニア人はイレブンっぽくなるのか?帝都出身の者とは違うな。
「はははっ、まあこんな格好だから仕方ないさ、それより、案内を頼めるかね?」
「ハッ!了解いたしました!」
立ち上がり歩き出した軍曹のあとをついて行く、視線が集まるが、まあ気にすることはない。
「こちらが、総督室になります」
「ごくろう、任務に戻ってくれ構わない」
「ハッ!失礼いたしました!」
軍曹は敬礼して去っていった、私は目の前の総督室の扉を叩いた。
『どうぞ』
子供の時よりも低めの声が聞こえた、ドアノブを回して扉を開け、中に入る。
「なんの要k…………」
「お久しぶりですね、クロヴィス様」
「ツキト、ツキトなのかい!?ああ、生きていたとは!」
「はい、私は、生きております………」
「そ、それではまさか…………ルルーシュとナナリーは…………」
「ブリタニア軍の爆撃でビルが崩壊し、下敷きに…………くっ」
悔しさの滲み出る顔を伏せる、握りこぶしを作り肩を震わせ体全体で主を守れなかった後悔と怒りを表す。
「そ………そんな………」
クロヴィスは放心し、椅子に背中を預け両腕を肘置きに置いてだらんとぶら下げている。
「クロヴィス総督、私はしばらくお休みをいただきます、もう七年経ちましたが、私はまだ立ち直れていないようです…………」
「…………ああ、わかった、君のことは本国に伝えておくよ、それから、一つお願いがあるんだ」
「………なんでしょうか?」
「チェスの相手をしてくれないか?」
「……私でよければ」
「それでは始めようか」
クロヴィスは白の駒を動かした。
「あはははは、やっぱりツキトは強いな、シュナイゼルもそうだったけど、ツキトが一番強いよ」
「ありがとうございます、あ、もう一つお願いが」
「なんだね?」
「KMFに乗りたいのです、久しぶりに乗ってみたいと思いまして」
「!……そうか!では今すぐに準備をさせよう!サザーランドでいいか?」
「どんな機体でも乗りこなしてみせます」
「よし!ではすぐに行こう!」
と言ってクロヴィスは立ち上がり………って待て待て!
「クロヴィス総督!?仕事の方は…………」
「そんなものツキトのKMFの操縦を見れるのと比べたら俗事にすぎない!」
政治を俗事って、皇帝陛下のようなことを…………。
「はあ、クロヴィス総督は何も変わってはおりませんね、昔の、新しい遊びを知った子供のままです」
「うっ………あ、あははははは……ツキトに会えて舞い上がってしまってね」
ルルーシュとナナリーが死んでいるのによく言
「それに、ルルーシュもナナリーも生きているからね、舞い上がってしまっても仕方がないさ」
…………は!?
「クロヴィス総督、ルルーシュ様とナナリー様は…………」
「ツキト、君はわからないと思うけど、嘘をつく時、君は必ず左下に視線を落とすんだ」
「なっ!?」
「君がルルーシュとナナリーが死んだことにしようとしたのは、二人のためを思ってのことだと私は思っている、だって君がルルーシュとナナリーを守れないとは思えないからね」
「…………ふぅ、ばれてしまいましたか」
「騙されかけたけどね、それで、どうしてルルーシュとナナリーを死んだことにしようとしたんだい?」
「今は言えませんが、どうか秘密にしてください、二人のためにも………」
「かわいい弟と妹のためだ、誰にも言わないよ」
「ありがとうございます、クロヴィス総督」
内心、クロヴィスの株を大幅にあげた。
KMFの訓練所に来たのだが…………。
「あの、クロヴィス総督、この機体は………」
「第五世代KMF【グロースター】だ、コーネリアも使っている機体でね、特派の新型の………なんとかってやつと比べたら弱いかもしれないけど、少し前までは新型だったんだ」
まさかのコーネリアとその親衛隊、さらにグラストンナイツも使用しているグロースターが目の前にあった、ところどころにブリタニアの国旗がプリントされている、塗装は原作と同じ紫、右手に巨大なランスを持ち、直立不動なその様は地獄の番人のようだ。
「そんな機体に乗ってもよろしいのですか?」
「グロースターはサザーランドと違って接近戦が得意なんだ、ランスにMVSも積んである」
「大盤振る舞いですね、グラスゴーのトンファとは比べ物になりませんね」
「あれはサザーランドができてから作られたものだしね、さあ乗ってみてくれ」
そう言われてキーを手渡される、こちらもブリタニア国旗がプリントされている、まさかこのグロースターはクロヴィスのものなんじゃ?
「それでは失礼して…………」
面倒な思考をシャットアウトしてグロースターに乗り込み起動する、クロヴィスは軍用車両で管制塔に向かった。
軽くマニュピレーターを動かしてみる、そして今度はランスを両手に持ちクルクルと回す、おお、グラスゴー以上の性能だ、まあ当たり前か、だがこの伝達速度には驚いた。
『ツキト、実は特派の……えっと『ランスロット、です、クロヴィス総督』ああそうそう、ランスロットと模擬戦をして欲しいんだ』
「模擬戦ですか?」
いきなり入った通信は模擬戦についてだった、まさかランスロットと模擬戦とは………ロイドがクロヴィスに頼んだのか、私の操縦が見たいクロヴィスに模擬戦なんて持ちかけたらOKするのはわかりきっていてやったな。
模擬戦は嫌いじゃない、だが殺してしまわないか不安だ。
『勝敗は戦闘不能になったほうが負けだ、シンプルだろう?』
「そうですね」
『では、美しい戦いを見せてくれ』
「イエス、ユアハイネス」
通信が終わり、ランスロットが訓練所に入ってくる。
『こちらランスロットのパイロットの枢木スザクです、今回の模擬戦はデータ取得を目的としておりますので………』
ランスロットのパイロットからの通信、ってこの声は。
「その声はスザクか!?」
『ええ!?ツキトさん!?』
スザクの驚いた声に苦笑する、こいつ、手柄にしろとは言ったがまさかランスロットのパイロットになっていたとは。
原作ではシンジュクゲットーでの抗争でなんやかんやでランスロットのデヴァイサーに、そしてその性能をフルに使い新兵とは思えない操縦技術でレジスタンスたちのサザーランドを何機も撃破、その後クロヴィス暗殺の容疑にかけられるが、今回は毒ガス兵器発見によってロイドの目に止まりそのままデヴァイサーへ、って感じか、明らかに原作より恵まれているな。
「パイロットになったのか、それも新型の、やるじゃないか」
『は、はい!ありがとうございます!』
「階級は上がっていないようだが………」
『あはは、自分は新型のテストパイロットでしかありませんから、あ、でも給料は上がったんですよ』
「よかったじゃないか、今度ラーメンでも食いに行かないか?」
『いいんですか!?ありがとうございます!』
…………KMFの通信でラーメンの話をしたのは過去も未来も私とスザクだけだろうな。
「さて、それじゃあ始めるか」
『ええ、あ、自分が勝ったらトッピング全増しいいですか?』
「ああいいぞ、ただし負けたらトッピンは自腹だ」
今更だが本当酷い会話だ、模擬戦の前なのに緊張感がない。
『それでは、行かせてもらいます!』
右手を地面についてランドスピナーを回転させる、クラウチングスタートのような姿勢でこちらに突っ込んでくる。
MVSを抜き、片手で構える、ランスロットもMVSを二本抜いて向かってくる。
「こい!枢木スザク!」
『はああああああ!』
振り下ろされるMVS、速い、だが避けられないわけではない!
『ちっ!』
MVSでの攻撃をやめスラッシュハーケンを射出してきた、両腕と両脚を狙って放たれたスラッシュハーケンをマシンガンで叩き落す、スラッシュハーケンを元に戻したランスロットの頭上に向けケイオス爆雷を投擲する。
ランスロットは両腕をあげて頭上でクロスさせシールドを展開し、ケイオス爆雷の弾幕に備える。
すまんなスザク、実はそれスイッチ押してないんだ。
スラッシュハーケンを二機同時射出、一機は脚、もう一機は頭部を狙う。
ケイオス爆雷が起爆しないとわかるとスラッシュハーケンの方向に両腕を向けシールドを展開する、ケイオス爆雷が起爆しないのならその判断は正しい、ただ…………。
スイッチは押していないと言ったが、起爆しないとは言っていない。
マシンガンでケイオス爆雷を撃ち起爆させる、ランスロットの頭上から雨のように弾丸を降らせる、いち早く起爆に気づいたスザクは右腕のシールドをケイオス爆雷、左腕のシールドを前方、私の方向に向け、ケイオス爆雷の攻撃を防ぎつつ私の攻撃を防げるようにした。
私は右手にMVS、左手にランスを持ち正面から突撃する、ランスを前面に出し、シールドに当たる瞬間にケイオス爆雷が弾丸を吐き出すのをやめた、その瞬間ランスロットは鞘にしまったMVSをさっきまでケイオス爆雷の攻撃を防ぐのに使っていた右手で抜き放ちながら攻撃してきた。
それをMVSで防ぎつつランスで攻撃する、シールドに阻まれてしまい、舌打ちしながら後退………するよう見せかけてランスを投擲、MVSを振りかぶり突撃する、投擲されたランスを跳んで回避し、上空にて身動きが取れないランスロットにマシンガンを撃つ、シールドで防ごうとしているが、シールドで隠せなかった脚やランドスピナーに被弾し、着地した瞬間にランスロットの右脚が折れた。
『うわあ!?』
こけたランスロットに向けMVSを振り下ろす、ランスロットからスラッシュハーケンが射出されるが、近すぎてかするだけに留まる、MVSはランスロットの左腕を切り落とした。
そのままコックピットにマシンガンを………撃ち込もうとして脱出機能がないことに気がつき目標を頭部に変え、撃つ。
マシンガンがランスロットの頭部を凹ましていき、ついに頭部を破壊できるかというところでランスロットの右腕に殴られ、後退する、殴られたグロースターの右腕は関節部が軋み、使用不可能になっていた。
MVSを左手に持ち替え、ランスロットの右肩に突き刺し、スラッシュハーケンを射出する、ちょうどその時ランスロットのスラッシュハーケンが戻ってきてグロースターの右腕が吹っ飛んだ。
もう一度スラッシュハーケンを射出しようとした時。
『あー、二人ともそこまでー、それ以上やると僕のランスロットが壊れちゃうから中止ね、あ、ツキト君の勝ちだよー、スザク君はざぁんねんでした〜』
早口気味なロイドの声に遮られた、ふう、危なかった、次にランスロットのスラッシュハーケンを一発でも食らったら私の負けだったな。
「あっはっはっはっはっ!私をここまで追い込むとは、やるじゃないか!」
『ありがとうございます………』
「今日は良いことがたくさんあって気分が良い、トッピングも奢ってやろう」
『いいんですか!?ありがとうございます!』
同じ【ありがとうございます】でここまでテンションに差があるのは初めてだ。
ランスロットとの通信を終え、クロヴィスとの回線を開く。
『見事だったよツキト!』
「ありがとうございます」
『うん、やはりグロースターに乗せて正解だった!ツキト!そのグロースターは君に贈るよ』
「え!?」
『非常時はそのグロースターを自由に使ってもらって構わない、修理も特派に頼んでおくから、存分に乗り倒してくれ』
「い、イエス、ユアハイネス」
まさかKMFをくれるとは思わなかった、だがこれは好都合だ、いつでも自由に使えるKMF、最高のカードだ。
「チャーシューメン大盛り」
「塩ラーメントッピング全増し」
あの後一応形だけの書類を書いてスザクとともにラーメン店に来た、このラーメン店はエリア11に昔からある人気店の一つだ、店員は全員イレブン、客ももちろんイレブンだから…………。
「「「「「「…………」」」」」」
ブリタニア人の私は大注目だ。
「ツキトさんはここのこと知ってたんですか?」
「話に聞いていただけだがな、シンジュクゲットーと租界をつなぐ道端にうまいラーメン店があるという話を聞いてな」
「入るのは初めてなんですか?」
「ああ、いろいろな事情があってな…………ああそうだ、この前のこと話しておこう」
「お願いします」
「実はな…………ルルーシュ様とナナリー様は生きている」
「ルルーシュとナナリーが!」
大声を上げるスザクを落ち着かせて続ける。
「そうだ、だがお前も知っての通りルルーシュ様はブリタニアを………」
「あ、そうでしたね……」
顔を伏せるスザク、あの皇帝陛下に似た威圧感を思い出したのか。
「そうだ、もし反乱の意思ありとされれば死刑もあり得る、だから身元を隠し見つからないようにしているのだ」
「じゃあ今のルルーシュとナナリーは………」
「ああ、ルルーシュランペルージ、ナナリーランペルージを名乗っている、ナナリー様は学園内のフェンシングクラブで有名だ、新聞にも載るからすぐわかると思う、ほら、テレビにも」
店内のテレビを指差す、スザクはテレビに映るナナリーを見ている。
「あの娘がナナリー………」
「あの頃と変わらない純粋さを保ちながら、より一層お綺麗になられたであろう?」
「はい、とても可愛くなりましたね」
スザクはニコリと微笑む、原作だとルルーシュの邪魔ばかりしているから嫌われているが、中立に近い立場に立つと好青年に見えるな。
「はあ、ここだけの話、可愛くなりすぎて毎日大量に送られてくるラブレターに困ってるんだ…………」
「うわあ、ナナリーはモテるなあ」
「従僕として嬉しい限りだ、ナナリー様の美しさに惹かれるのは人として当然だ」
テレビの中のナナリーはフェンシング大会についての意気込みなどを質問されている。
『それでは、今回のフェンシング大会で優勝したら、誰に一番に伝えたいですか?』
またベターな質問を………。
「そんなもの、ルルーシュ様に決まっている、ナナリー様がもっとも敬愛する人こそ、ルルーシュ様なのだから、当然ルルーシュ様にもっとも早く伝えるに決まって」
『私のお手伝いさんです!』
「( ゚д゚)」
「ちょっ、ツキトさん!大丈夫ですか?」
「はっ!?あ、ああ、大丈夫だ、まったくナナリー様も紛らわしい言い方をなさる、もう一人のメイドの方を言ったのだな」
『それは男の人ですか?』
『はい!』
「( ° Δ ° )」
「ツキト!?ツキト!?ダメだ!息をしてないよ!」
「はっ!?私は一体何を!?」
「あ、起きたんだねツキト」
「スザク?私は一体……」
「中継テレビでナナリーに告白されて気絶したんだよ!」
「夢であって欲しかった………」
どうすればいいんだよ…………問題を先送りにした代償がこれとは………ん?
「いや待つんだスザク、ナナリーはまだ私に告白などしていないぞ」
「あ、確かに」
「はははは、スザク早とちr」
『ナナリーさんはその人のことをどう思ってますか?』
『好きです、愛してます!』
「スザク、ナイトオブラウンズの称号あげるからナナリー様をどうにかしてくれないか?」
「ツキト、それはさすがに無理だよ…………」
ああ、私はこれからどうすればいいんだ…………ズルズル、ラーメンうめえ。
クラブハウス前………。
入りにくい…………だが入らなければ、入ってちゃんと振らなけれな。
意を決し、ドアを開ける。
「ただいま戻りました……」
「へえ、C.C.さんはツキトさんのお知り合いなのですか?」モグモグ
「そうだ、ツキトとは昨日知り合ってな、話をしているうちに意気投合してな」モグモグ
「なるほど、あ、でもツキトさんは渡しませんよ」モグモグ
「ふっ、ツキトは私を選ぶ」モグモグ
「ナナリー、口にピザを入れたまま喋るのは行儀が悪いぞ」
「あ、すみませんお兄様」
「まあ確かに行儀が悪いな、ツキトも行儀が悪い女は嫌いだろうし」
「見られてなくてよかった、ツキトさんに見られたら絶対に……き……ら……わ………………」
ナナリーの顔がこちらに向き、一瞬で青ざめる。
「つ、ツキトさん、お帰りなさい………」
「はい、ただいま戻りました…………ナナリー様?」
「さ、さっきのは違うんです!あれはわざとじゃなくて………」
「あとで説教です」
「い、いやああああああああああ!!」
ナナリーの悲鳴が響いた、その声に反応した男子寮のナナリーラブな奴らがクラブハウス前に駆けつけた。
全員気絶させてホモ疑惑のある生徒の部屋に放り込んでおいた、明日はケツを抑えていることだろう。
「ナナリー様とルルーシュ様はC.C.とはもう?」
「はい、C.C.さんとはさっき知り合いました」
「俺もさっきな」
「そうでしたか(特に嫌ってもいないようだ、このまま事を運ぶか)……ルルーシュ様、実はお耳に入れたい情報が」
「なんだ?」
「公にはできない情報なので…………」
ちらりとナナリーを見る。
「わかった、咲世子さんナナリーは任せます」
視線で気付いたルルーシュはそういった。
「はい」
「お兄様!私も」
ナナリーはルルーシュに近づこうとする。
「ナナリー様」
「………わかりました」
だが咲世子に捕まってしまい、素直に自分の部屋に戻った。
ルルーシュとC.C.と私の三人でルルーシュの自室に入り、鍵をかける。
「それで、どんな情報だ?」
「まず一つ目、今日総督府に生存報告をしてきました、その時クロヴィス様に喜ばれ、グロースターの使用許可を頂きました」
「グロースターを………」
「二つ目ですが、クロヴィス様にルルーシュ様とナナリー様が生きている事がばれました」
「なに!?」
ルルーシュは驚きのあまり目を見開ききってしまっている。
「ですがご安心を、クロヴィス様は黙っていると約束してくれました」
「信用に足るものなのか?」
「ルルーシュ様とナナリー様はクロヴィス様と幼き頃より共に過ごした仲です、嘘をつくような人ではございません」
「………確かに、クロヴィスはそこまで頭が回るほうではなかったな」
「そこで、です…………ルルーシュ様の執拗に隠したがっていた計画を実行に移しては?」
「な!?ツキト!お前いったいいつ……」
「咲世子も知っております」
「なん…………だと…………」
がくりとうなだれ膝をつく。
「ルルーシュ様、詰めが甘いのですよ」
「くっ……それで、お前はどうするつもりだ?反乱分子として俺を捕らえるか?」
「いえ、私はその計画を利用しようと思っただけです」
「利用?ブリタニアに忠誠を誓ったお前が、ブリタニアに反乱を起こす気か!?」
「忠誠がゆえに、でございます、ルルーシュ様は今のブリタニアをどうお思いですか?」
「…………各エリアでの虐殺が増えた、属領が増えたから当然とは思うがな…………だが昔はもっと仲が良かった、日本だってそうだった、ブリタニアの友好国として付き合ってくれていた、なのに!なのにサクラダイトがあると知れば、手のひらを返して侵略を開始した!たくさんの人の命を無尽蔵に刈り取っていった!……………あんな事が起きないよう、ブリタニアを、シャルルを殺さなくてはいけない!ナナリーのためにもだ!!」
ナナリーのため、というのが九割を占めるのでしょうけどね。
「お前はどう思っているんだツキト?ブリタニアのこの業に!」
「ルルーシュ様、ブリタニアの国是は弱肉強食、ルルーシュ様の言う業というのは当たり前のことです」
「だが!!「しかし」
「しかし、皇帝陛下はこのような虐殺や侵略は望んではいません」
「どういう、ことだ?」
陛下が虐殺や侵略を望んでいないことを聞き狼狽えるルルーシュ、弱肉強食を国是にしておきながらそういうことは本望ではないというのだから。
「皇帝陛下の唱える弱肉強食の意味、ルルーシュ様はご存知ですか?」
「強者が弱者を思うままに滅ぼし、繁栄していく、という意味だな」
「それは辞書に載っている意味です、皇帝陛下は【戦えぬ弱者から奪うことこそ真の弱者である】、そう言っておりました」
「シャルルがそんなことを!?では、今までの虐殺は!?」
「虐殺は各エリアの総督の命令であって皇帝陛下の指示ではありません」
「なんてことだ………」
「皇帝陛下はおっしゃっていました、【人は差別されるためにある、だからこそ競争が生まれる】と、陛下は人々に競争を強いることによってより強い存在へと昇華させようと考えていらっしゃるのです、では、ここで問題です」
「問題?」
「【皇帝陛下、シャルル・ジ・ブリタニアの定めた国是、『弱肉強食』を曲解し、虐殺を行っているのは誰か?】」
「…………ヒントは?」
「皇帝陛下にもっとも近しい人物です」
「まさか!」
「正解です、ルルーシュ様」
「くそがっ!おのれ………………シュナイゼル!!!」
皇帝陛下が望んだ世界、それが実現できないともなればもうアーカーシャの剣もただの大掛かりな嘘発見器程度の能力しかない、計画は振り出しに戻ったわけだ、おそらく陛下は私がコードを持っていることを知っている、だが私にナイトオブラウンズの称号を与え、泳がせておくということは、もう計画などどうでもよくなったということだろう。
陛下にはまだ皇帝でいてもらわなくては、そのためにシュナイゼル、貴様には生贄になってもらおう、原作のルルーシュがゼロ・レイクエムによって成し遂げた【優しい世界】を作るために。
そのためには仕込みをしておく必要があるな。
「ツキト、計画を変更する、最終目標はシュナイゼルを倒すことだ!」
「イエス、ユアハイネス!」
これでいい、これですべての駒が揃う、レジスタンスはルルーシュが自分一人で丸め込むだろう。
「なあ、私はなぜここにいるんだ?私に用はないのか?」
長らく待たされたせいか不貞腐れた様子でルルーシュのベッドに寝転がっている。
「いや、C.C.にはやってほしいことがあってな」
「なんだ?」
「(ルルーシュ様にギアスを伝えずに、お前を不老不死の存在だとわからせる)」
「そうか、よし、どんとこい」
「なんの話をしているんだ?」
「ルルーシュ様、クラブハウスの裏に林がございます、そこでお話しいたします」
「?……わかった」
少年・少女(?)移動中…
「では、始めましょう」
スラァ………
マリアンヌのレイピアを抜き放ち、引き絞る。
「!?……おいツキト!お前一体何を………」
「ふん」
ザクッ
C.C.の心臓に突き刺し、抜く。
「ぐほっ……」
C.C.は痙攣しながら倒れこんだ。
「な、何を考えているんだツキト!?」
ルルーシュは慌てふためきオロオロと狼狽え、恐怖で震えて血に染まったC.C.から目をそらす。
「まったく、痛いじゃないか」
C.C.が悪態をつきながら起き上がる。
「早いな、一分はかかると思っていたんだがな」
「この体にも随分と慣れてしまってな、回復は得意なんだ」
「つ、ツキト……これは……」
ルルーシュが視線を戻しC.C.を化け物を見る目で見る。
「見ての通りC.C.は不死身の肉体を持っています、この情報もルルーシュ様の計画に役に立つ日がくるかと」
「不死身の肉体…………そんなものがあったとは………」
「回復に時間がかかること以外は弱点はない、戻るぞ、さっきの悲鳴で人が来るやもしれん」
「そうだな………」
クラブハウスのルルーシュの部屋に戻る。
「ルルーシュ様、単刀直入に聞きます、計画はいかがなされますか?」
「決まっている…………ツキト、C.C.、お前たちは俺の計画に協力しろ!」
「イエス、ユアハイネス!」
「いいぞ、なかなか面白そうだ」
「俺は明後日の第二次シンジュクゲットー掃討作戦でレジスタンスに接触する、お前たちは衣装を作ってくれ」
「わかりました、デザインの方は?」
「ツキトに一任する、俺はやるぞ、ブリタニアを、シュナイゼルを殺す!」
ルルーシュのやる気は十分、これであとはレジスタンスに接触してうまくやる、第二次シンジュクゲットー掃討作戦でクロヴィスを追い出しコーネリアを呼ぶだろう、そうなれば…………ん?そういえばクロヴィスはルルーシュに殺されるはずだったんだよな?じゃあここで殺さなかった場合どうなるんだ?
…………試してみる価値はあるか。
「フフフフフ…………フハハハハ…………フッハハハハハハハハハハハ!フッハハハハハハハハハハハ!フッハハハハハハハハハハハ!!」
さて、ようやく始動か、長かった、実に長かった…………。
さあ、私主演・私脚本による物語の始まりだ!拍手を送るがいい!
題名は【すべてはブリタニアのために】だ!大ヒット間違いなしだ!
オール・ハイル・ブリタニア!!