やはり赤羽業(カルマ)の悪戯はまちがっている。 作:sewashi
あれは去年の春。部活動仮入部期間。俺はとりあえず適当に片っ端から仮入部してみた。
「テニス部は体力が命だ! なので一年時はとにかく体力作りが基本練習だ!」
仮入部早々にテニス部部長が言う。
何となくだが、態度が中学時代のクラスメイトのバカに似ていて命令されるのがムカついた。
俺は先輩に挑発するように言う。
「先輩。俺と勝負しませんか? 先輩が勝ったら俺は先輩に服従します。先輩が負けたら罰ゲーム。どうですか? あ、勝つ自信ないんですか? 部長なのに情けないですねぇ」
「んだとコラッ!? いいだろう、先輩の威厳を見せてやる!」
テニス部部長は思った以上に単純だった。
周りの連中は俺の事を『バカなやつ』と蔑んでいたが、俺は中学時代の訓練内容の技術をいかして、最初のワンゲームをあっさりと勝たせた。そして次のゲームから一点も与えずに勝ち続けた。結果6-1で勝った。
「……ば、バカな……俺が……こんな奴に……」
そのあと俺はテニス素人といってさらに落ち込み……
「むごぉぉぉぉ!?」
鼻の穴の中にわさびとカラシをねじ込んでやった。この事件で俺はテニス部顧問から本入部拒否を言い渡された。
そして翌日から、テニス部に仮入部していた一年は、一人だけになったらしい……
そんな事を色々な部活で行って、時は過ぎて現在。
「あのときテニス部に残った奴が戸塚君だったんだねぇ」
「お前のせいなのかよ……」
今はテニスコートの見える校舎入口前(比企谷君のベストプレイスらしい)で俺は比企谷君と話している。
昼休みにいないと思ったらここでお昼を食べてるらしい。
聞いたところ、比企谷君は戸塚君にテニス部に誘われたらしい。
「無理でしょ。たぶん三日くらいで奉仕部室にいるときみたいにぼっち化するよ?」
「うるせぇ」
「授業覗いたけど比企谷君はテニスが上手いんじゃなくて壁打ちが上手いんじゃないの? 長いことぼっち生活してきた賜物で、たぶんテニスはうまくはないと思うけど」
「いや、その通りだけどもう少しオブラートに包んでいってくれない」
「その通りなんだねぇ、んで由比ヶ浜さんとは昨日は何を話してたの?」
「ああ、あいつは雪ノ下との罰ゲームで来てたんだよ」
「比企谷君と会話するのが罰ゲーム?」
「ナチュラルに酷くね? ジュースのパシりの帰りに見つけられたんだよ。まあ、俺も最初はそうかと思ったけど……」
あっはは、思ったんだ……
「でもテニス部に入部はやめなよ。助っ人ならともかく本入部となるとまず比企谷君には無理だから。雪ノ下さんにも一応聞いてみるといいよ」
「赤羽。お前、俺に遠回しに傷付いてこいっていってんの?」
「じゃあ、ストレートに『雪ノ下さんに罵倒されてこい』」
「ストレートに言うな、グレるぞ」
「グレてなかったの?」
「どこをどう見たら俺がグレてるように見えんだよ」
どこを? そんなの決まってんじゃん
「目」
比企谷君は黙ってしまった。
次回は戸塚君の助っ人編。
比企谷&雪ノ下対葉山&三浦