やはり赤羽業(カルマ)の悪戯はまちがっている。 作:sewashi
俺と比企谷君はスポルトップと野菜生活100いちごヨーグルトミックスと男のカフェオレとへっぷしコーラを買って戻る。(男のカフェオレは由比ヶ浜さんの分で奢りだが、俺のへっぷしコーラは自腹だった)
部室に戻ると、何やら家庭科室に移動するらしい。
依頼内容は料理下手な由比ヶ浜さんが手作りクッキーを食べてほしい相手がいるので上手く作れるように手伝ってほしいと言うことらしい。
数分後。木炭ができていた。いや、一応クッキーですけど……
「味見は任せたよ。比企谷君」
「いやいや、こんなときこそ悪戯心の強い赤羽の出番だろ」
「関係ないよ。炭なんて食べたくないし」
「普段、人様にからしを食わせてる酬いが来たんだ」
「酬いって……」
「どっちでもいいから食べなさい」
雪ノ下さんが言う。酷い……
「「じゃんけん、ポン!」」
いきなりの割に息があった。俺はパー。比企谷君はグー。
「おし、命拾い!」
「ちょっ、酷くない!? 見た目が悪いだけでしょ!?」
一応、比企谷君は食べたがマンガ見たいに吐いたりすることはなかった。そして対策を考える。出た結果は――
「由比ヶ浜が二度と料理をしないこと」
「全否定された!?」
「比企谷君。それは最終解決策よ」
「それで解決しちゃうんだ!?」
「超最善策。でも罰ゲームや悪戯目的で作るならこれはありだね、見た目さえ何とかすれば相手は気づかずに食べて悶える。そして周囲は食べた人を笑い者に」
「嫌だよ!? そんな目的で料理するの!?」
そして解決方法は――
「ひたすら努力」
――だった。
そして次は雪ノ下さんがお手本のクッキーを作る。
「うめぇ」
「うん、見た目よし、味よし、文句なし」
そして由比ヶ浜さんも雪ノ下さんに言われる通りに作る。が……
「なんか違う」
さっきに比べたらましにはなったけど、美味しいとは言えるレベルじゃない。村松の家の化石ラーメンレベルだな(四世代前の昭和ラーメン)。
そして比企谷君は言う。
「あのさぁ、何でさっきから上手いクッキー作ろうとしてんの?」
その言葉の意味が俺には何となくわかった。あれはたしか磯貝が手作りクッキーを後輩からもらったときだ。本人は食費が浮いて嬉しいとか言ってたけど、味は食えるものじゃなかった。らしい。つまり比企谷君の言いたいことは――
「最低限、食べられるものさえあげれば相手は喜ぶって言いたいの?」
「お、赤羽は察しがいいな、そうだよ。せっかくの手作りクッキーなんだ。男なんてほとんど単純な奴ばっかりだ。手作りの部分を強調すれば誰だって嬉しいんだよ」
なるほどね。『手作りクッキーをあげたい=美味しいクッキーをあげたい』の形に雪ノ下さんと由比ヶ浜さんは拘っていたけど、比企谷君は『手作りクッキーをもらえるのであれば、頑張った事がわかればいい』と思ってるわけか。
由比ヶ浜さんは……
「わかった。自分なりの方法でやってみる」
そう言って帰った。
翌日。部室。
「やっはろー!」
なに? その挨拶。『ヤッホー』と『ハロー』を組み合わせたの?
「自分なりにやってみました!」
そう言って、由比ヶ浜さんは少し黒いハート型のクッキーの包みを出した。
「ヒッキーとゆきのんとカルルンにはお世話になったから、お礼」
そう言われて、俺らはクッキーに手をつける。味は……やっぱり美味しいとは言えるものではなかった。
赤羽 業
12月25日
特技 挑発
趣味 悪戯
休日の過ごし方
勉強、悪戯のための香辛料の調達。