やはり赤羽業(カルマ)の悪戯はまちがっている。 作:sewashi
由比ヶ浜さんの依頼が完了して何日かたつと……
「なあ、何でお前ここにいるの?」
……由比ヶ浜さんはごく自然に部室に居座るようになった。
「だ、だってホラ、あたしって暇じゃん?」
……この自然な溶け込み具合はかつて中学三年の停学開けに登校したとき、最初からいたかのように、ごく自然にクラスに溶け込んでいた元担任の妹にも匹敵した。
あんがい由比ヶ浜さんは素質があるのかも……
ま、今はあのときみたいな警戒は皆無だけどね~……
……。
…………。
………………。
翌日。部室に行くと、雪ノ下さんと由比ヶ浜さんが部室の前でなにやら困っていた。そこへ、俺と偶然同じになった比企谷君が来た。
「何してんの?」
「ひゃうっ!」
比企谷君が由比ヶ浜さんに話しかけて由比ヶ浜さんが驚く。その悲鳴が可愛らしく、どこぞの男の娘にも見えてきた……あの二人を合わせて、あのギャル英語で割ると由比ヶ浜さん見たいになるのかな?
「比企谷君……。び、びっくりした……」
雪ノ下さんは無言で驚くからリアクションに面白さが少ない。
「あ、カルルンも来たんだ? やっはろー」
「ん、アニョンハセヨ」
「中国!?」
いや、韓国語ですが? ボケなのかツッコミなのかハッキリしてよ。そこは鷹岡もどきレベルなの?
「それはそうと、どうしたの?」
「部室に不審人物いんの」
「不審人物はお前らだ」
比企谷君ナイス。
というのは置いといて、俺は不審人物を捕まえようと、部室のドアを開けると――
汗だくで茶色いコートを着て、両手に指ぬきグローブをはめて眼鏡をかけた太っちょの男子がいた。
なんだろう……格好は面白そうなのに、悪戯を仕掛けたくないこの独特の雰囲気……
俺はとりあえず悪戯道具をつめている『そなえあればうれしいね袋』から爆竹を取り出した。
「待ちなさい。それで何をする気?」
「へ? 追い出すんだよ? これなら確実に――」
「いや、危ないよ!?」
「そうだな。部室が危ない。こげ跡がついたらどうする」
「そっか~、確かに危ないね」
「そうよ。部室が危ないわ」
「いや、あの人も危ないでしょ!? なんで誰もあの人の心配しないの!?」
心配するだけ無駄だと思うけど……すると、向こうもこっちに気づいた。
「クククッ、まさかこんなところで出会うとは驚いたな。――待ちわびたぞ。比企谷八幡」
あ、比企谷君の関係者か……
「比企谷君。あちらはあなたの事を知っているようだけど……」
俺は思い出した。ジャージ姿しか見たこと無いから忘れてた。
「そうだ。体育の時間でストレッチするとき比企谷君と組んでる奴だ。確か名前は……」
体育はサボりがちだから、覚えてない。たしか『ざ行』の名前……
「なんのようだ? 材木座」
そうだ。材木座君だ。
「むっ、わが魂に刻まれし名を口にしたか。いかにも我が剣豪将軍・材木座義輝だ」
剣豪将軍? ああ、なるほど……
「ふっふっふ、よくぞここまでたどり着いたな、剣豪将軍。我こそが七つの罪(カルマ)を宿りし魔王ヒッキーを操りし真の黒幕カルルンだ。よくぞ来た。剣豪将軍」
「いや、赤羽も乗らなくていいから。なんだよ魔王ヒッキーって、七つの罪(カルマ)って……」
「いやぁ、中学のとき『中二半』って呼ばれてたことがあってつい、ボランティア活動で演劇もやったし、そういうノリかなと」
「それ、絶対に悪口だろ……いや、材木座には乗る必要はない。んでなんのようだ?」
「え!? あ、うん、その依頼があって……」
なんか一気に迫力がなくなったな……デカイ図体して中身はびびり屋か~。
そのあと、雪ノ下さんと由比ヶ浜さんに『中二病』の説明をすることになった。
材木座の小説まで書きたかったですが、カルマの罵倒を考えたいのでここまでの投稿です。
次回はカルマがじっくりと材木座をいじります。