やはり赤羽業(カルマ)の悪戯はまちがっている。 作:sewashi
難しいです。
投稿します。
材木座君の依頼内容は、自作小説の感想が欲しいとのことだ。比企谷君は投稿サイトに出せとかいっているけど、材木座君はそういうサイトは容赦がないから嫌だとわがままを言う。なので明日までに呼んで感想を言うこととなってしまった。
……。
…………。
………………。
翌日。材木座君の小説は一言で言うと、面白くない。
中学の発表会でやった狭間さん作の『重い桃太郎』の方がまだ面白みがあった。
部室に行くと、眠そうな比企谷君と雪ノ下さん。どうやら徹夜して読んだらしい。無駄に長かったからね、この小説。そしていつも通り元気な由比ヶ浜さん。どうやら読んでないようだ。
そして材木座君も部室に来た。
雪ノ下さんから感想を言う。
「つまらなかった。読むのが苦痛ですらあったわ。想像を絶するつまらなさ」
「げふぅっ!」
材木座君は死んだ。いや、倒れた。
「まず、文法が滅茶苦茶ね。なぜいつも倒置法なの? 『てにをは』の使い方知ってる? 小学校で習わなかった?」
うわぁ、雪ノ下さん、容赦無い。俺はそのくらいはラノベの事情とか思って流すけど……
「それに誤字が多すぎるわ『能力』で『ちから』なんて読みはないのだけれど……それにこの『幻紅刃閃』で『ブラッディナイトメアスラッシャー』てなに?ナイトメアは何処からきたの?」
「ぐっふ、それはそういう流れによる」
「いやいや、それならせめて関係のある単語繋げなきゃ……紅色ならブラッディじゃなくてスカーレットにするかもしくは血色にするか……」
「貴様が言うでない! 赤羽カルマァ!」
「俺? 俺の名前はサンスクリット語なだけだし……」
由比ヶ浜さんは『算数……栗語?』とわかっていなかった。
そして雪ノ下さんのとどめばり。
「というか完結していないものを人に読ませないでくれるかしら?」
そう、この小説は完結していない。そこが俺も最大の問題だと思う。
続いて由比ヶ浜さんも……
「む、難しい言葉たくさん知ってるね」
追い討ちを掛けて、比企谷君は――
「で、これなんのパクり?」
――と言って、更なる追い討ち。
「あっはは、雪ノ下さんの小キックハメ殺しで、大技でとどめ指して更に追い討ち二発で、材木座君はライフが0どころかマイナスだねぇ、俺もとっておきの文句があったのに……」
「もう、やめてぇ!?」
材木座君にとめられた。しかし俺は――
「俺は面白いと思ったよ~ ……絵があればね」
「ぎゃわん!?」
材木座君はぶっ倒れた。
材木座君の小説を四人掛かりで散々に文句を言ってやり、材木座君は――
「また、読んでくれるか?」
え? また持ってくるの?
全員、不満顔だった。
「ドMなの?」
「赤羽、ストレート過ぎるぞ、少し濁せ」
材木座君の反応は……
「いや、正直死のうかと思った、むしろ我以外みんな死ねと思った」
「殺そうとしたことなんて、ないくせに」
「だまれ、赤羽カルマァ! まあ、しかしそれでも嬉しかったのだ。自分が好きで書いたものを誰かに読んでもらえて……読んでもらえるのは嬉しいよ」
そういうもんかな? 狭間さんもそうだったのかな?
「あ、そうだ。材木座君、これ中学の時の発表会でクラスメイトが考えた脚本なんだけど、読んでみてよ」
そう言って俺は『重い桃太郎』の脚本を渡した。
そして材木座君の反応は……
「……重い!? 重すぎる!? しかし、見入ってしまう!?」
という反応。比企谷君や雪ノ下さんにも読ませたが……
「……人間の本性が滲み出てるな……材木座のよりも面白い」
「……本当にね。これを書いた人の顔を見てみたいものだわ。妙に重い話なのに、リアルだもの……」
そう言って、俺に脚本を返す。こっちは絶賛だ。ちなみに由比ヶ浜さんはよくわかっていなかった。
「し、新作が出来たらまた持ってくる、去らばだ」
そう言って材木座君は妙に自信をなくして部室を出ていったのだった。
やっぱり材木座君は面白さが足りない。
次回は戸塚編です。
「とるならはやい方がいいらしいよ?」
「とらないよ!?」