艦これ 蘇る魂   作:ZekeZero

1 / 1
序章 出現

1945年8月15日 日本降伏

歴史的なターニングポイントとなった年である。

アメリカを中心とする連合国軍、日本を中心とする枢軸国軍の激突で数多くの将兵、艦船、航空機、様々なものが失われた戦争が終結した。

 

しかし第二次世界大戦という全面戦争が終わっても世界から戦争が無くなることはなかった。

 

朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、世界から戦争という2文字が無くなることはなかった。

やがて21世紀と呼ばれる新時代がやってきた。大国同士の戦争は無くなったが戦火は燻ったままで途上国での武力闘争が激しくなってきた年である。

 

人々の闘争の怨嗟はある物を生み出してしまった。

 

 

 

「第28警備隊です、瀬戸内海近海は異常無しです」

 

淡々と冷静に無線機の向こう側から聞こえるのは警備隊第28小隊の隊長の不知火だ。瀬戸内海近海の警備を担当してもらっている。僚艦には陽炎と黒潮の2人の編制だ。元々瀬戸内海は一般の船や貨物船が多く行き来する内海だ、だから小さい編制で十分だが万が一何かあっても良いように交代制で対応班を編制している。

 

「それにしても暇やなぁ、うちらも日本海か太平洋に出たいわ」

 

「そうは言っても私たちの持ち場は瀬戸内海よ、仕方ないじゃない」

 

「私は異存はない」

 

口々に意見を言ってくるのも無理がない。俺達の敵、深海棲艦は内海まで侵入はしてこない性質を持っている。

 

深海棲艦はある日突然現れた、目的は分からないが艦船を襲う習性を持っていることと大破した小型の深海棲艦を鹵獲したところ金属製の装甲と人工筋肉のようなもので構成されていることと口の中に主砲を装備している異形のものだ。まだ小型の深海棲艦しか確認されていないが大型になるとどんなものになるか予想は付かない。俺達人間が使っている火砲もある程度効果があるがもしかしたら今のうちだけなのかもしれない。その為に不知火たち「艦娘」が誕生した。だがどのように開発したかは極秘で開発部と一部の者しか知り得ないというがそんなことは関係ない、彼女たちは俺の頼もしい仲間たちだ。

 

「よし、おしゃべりはそこまでだ。予定通りのルートを巡回して帰投してくれ」

 

「了解です、いつも通りルートを巡回して帰投します」

 

そこで通信は終了した。

 

「提督…」

 

秘書艦である神通が不安な面持ちで書類を持ってきた。

 

「上層部からの命令書か」

 

それは今回の件についての命令書だった。嫌な予感しかしない。

 

「…真珠湾近海で深海棲艦の巣窟と思わしきものを発見した。偵察、分析後直ちに撃滅せよ、か」

 

真珠湾は第二次世界大戦にアメリカと日本との戦端が広げられた場所だ。そこには多くの米海軍の沈んだ艦があるという。実際に行ったことがないから何とも言えないが。

 

「易々と本拠地に入れてくれるようにも思えないがな…」

 

「提督、どうしますか?」

 

「3人が戻ってきたら第1艦隊から第3艦隊の旗艦、警備隊の旗艦を召集してブリーフィングを始めよう。神通、用意してくれ」

 

「了解しました」

 

そう言って神通は軽く敬礼をして部屋を出ていった。

 

「とんでもない事が起きそうだな」

 

神通の背中を見て、そう呟いた。何事も起こらないと良いが。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:10文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。