問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ?    作:鴉紋to零

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箱庭……恐るべし……のようですよ?

リリに飛鳥手書きの手紙を託し、俺達五人と容疑者一名は行き付けの゙六本傷゙の旗を掲げている喫茶店に入っている

 

「噴水広場の近くに来るといつも思うのだけれど…………二一○五三八○外門のあの悪趣味なコーディネートは、一体誰がしているの?」

 

俺は飛鳥の言葉が示す、悪趣味なコーディネートなるものを探し見た

 

「確かに悪趣味だな。ジン、どうしたら変更できるかわかるか?」

 

ジンは今朝のことを未だに恨めしげに思っているようで、ジトーとした目でこちらを見ながら答えた

 

「はい。箱庭の外門は権力者がフロアマスターの掲示するギフトゲームをクリアすることで、コーディネートする権利を得ます。一種の、コミュニティの広告塔の役割もあるんですよ」

 

「ああ、なるほど」

 

「そう…………それであの外道の名残が残っているの」

 

髪をかき揚げる不機嫌な飛鳥であった

 

俺は改めて此処のことを認識していた

 

此所のすべてはギフトゲーム一つで決まるのだ、権利も才能も、人権さえも

 

「それで、北側まではどうやって行けばいいのかしら?」

 

本日の飛鳥はお気に入りなのだろう、深紅のドレススカートを着用していた

 

悠雷は白地に黄色で染め抜いた陣羽織を羽織り、絶対におかしいと思うがTシャツにジーパンを着ている

 

十六夜と耀は此処に落ちてきた時のままだが

 

俺もいつも通り、黒のジーパンに中着は適当に着て、その上にワインレッドのライダースジャケットを着ていた

 

「んー…………でも北にあるっていうなら、とにかく北に歩けばいいんじゃないかな?」

 

「ハハ。耀らしい案だが、今回はダメだな」

 

「どうして?」

 

耀が可愛らしく子首をかしげた

 

個人的には写真に納めたいものだ

 

まあ、今はカメラなんて持ってないから不可能な話だが

 

「俺達は北側の都市について知らなさすぎる、もし特殊な方法じゃないと行けない場所だった場合はもう一回その道を引き返すことになるしな」

 

耀は少し考えた後、理解したようで頷いた

 

「なら、俺が雷速で!」

 

「止めろ!ここにいる全員を焦げ臭くするつもりか!」

 

ほんとにこいつは……

 

嗚呼、真を置いてきたのは間違いだったかもしれない

 

「で?我等のリーダーは何か素敵なプランは無いのか?」

 

ニヤニヤと笑みを浮かべて、ジンを見下ろす十六夜

 

ジンは溜め息を一つ吐くと

 

「予想はしてましたけど………もしかして、北側の境界門までの距離を知らないのですか?」

 

「知らねえよ。けどそんなに遠いのか?」

 

「最低でも半径1㎞圏内には無いことはわかってるが」

 

「何で分かるの?」

 

耀が唐突に疑問を持ち上げる

 

「俺のマナの感知範囲が1㎞だからさ」

 

さも当然のように答えた俺に耀は目を丸くした後、少し悲しさが混じっている笑顔で

 

「やっぱり甲は凄いな」

 

「そんなことないぞ。俺は耀の方がすごいと思う」

 

そんな笑顔は見たくない、耀にはもっと自分を誇ってほしい

 

「ほんと?」

 

自信無さげに問い直す耀に、俺は自信をもって答えた

 

「ああ。ほんとだ」

 

耀は少し考えた後、満足そうな笑みを浮かべて頷いた

 

「……分かった」

 

俺は無性に我慢できなくなり、耀の頭を優しく撫でた

 

「えぇーーと、そろそろ話を進めたいので、二人の世界から帰ってきていただけるでしょうか?」

 

「「!?//」」

 

しまった!?完全に二人しかいないのかと思った!

 

「あ、ああ。構わないぞ、進めてくれ」

 

「えっと、皆さんはこの箱庭の世界が、恒星級の表面積だという話は知っていますか?」

 

へ?今、何て?箱庭の世界が、恒星級?

 

「Wao」

 

一人、英語で返した悠雷はさておき

 

「そんなに大きいのか………」

 

通りでマナの反応がこれだけあるわけだ、普通は濃かったり薄かったりするはずなのに

 

「それなら黒ウサギから聞いた。けど箱庭の世界は殆どが野ざらしにされてるって聞いたぞ。それに大小は有っても、この箱庭以外にも町はあると」

 

「ありますよ。しかしそれを差し引いても、箱庭世界はこの世界最大規模の都市。箱庭の世界の表面積を閉める割合は他の都市とは比べ物になりません」

 

()()()

 

まてまてまて、都市の大きさを星の比率で表すとか聞いたことないぞ

 

恒星の大きさも一口に色々とあるが、知りうる限りの一番大きいものである太陽だと仮定し、比較した場合、地球の約13000倍

 

訳がわからなくなりそうだ

 

「まさか、箱庭都市は恒星の一割ぐらいを占めてます……なーんて冗談にしても有り得ないものが出てきたりはしないよな?」

 

悠雷が珍しくひきつった笑みを浮かべている

 

「そ、それは流石に有り得ませんよ。比率といってもその数字は極小になります」

 

「そ、そうよね。それで、この場所から北側の境界線まではどのくらいの距離があるの?」

 

飛鳥が焦り気味にジンに問いただす

 

ジンは天を仰ぐように視線を向けて、暫し考えたのち

 

「ここは少し北よりなので、大雑把でいいなら…………980000㎞といったところでしょうか」

 

「「「「「「うわお」」」」」」」

 

箱庭………恐るべし…………

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