問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ? 作:鴉紋to零
甲side
「いくらなんでも遠すぎるでしょう!?」
「これはこれで冗談じゃないな!?」
ガラスのテーブルを叩いて抗議する飛鳥と、日頃のキャラをかなぐり捨てた悠雷の声が響く
ジンも負けじと声を張り上げた
「ええ、遠いですよ!!箱庭の都市は、中心を見上げたときの遠近感を狂わせるように出来ているため、肉眼で見た縮尺との差異が非常に大きいんです。あの中心を貫ぐ世界軸゙までの実質的な距離は、目に見えている距離よりも遥かに遠いんですよ!!」
痛切的な叫び声で締め上げたジンの心の訴えは問題児達の心に響くことはなかった
「…………そうか。箱庭に呼び出されたとき、箱庭の向こうに水平線が見えたのは、縮尺そのものを誤解させるようなトリックがあったわけか」
十六夜が一人納得している横で飛鳥が足を組み替えて、再度、案を出す
「そう、なら仕方ないわ。゙ペルセウズに向かった時のように、外門と外門を繋いでもらいましょう」
「………それはもしかしで|境界門<アストラルゲート>゙を起動して貰うということですか?」
ジンが苦々しい表情で問い返す
飛鳥や悠雷を含め、その場にいる全員が肯定の意思として首を縦に振る
その反応にジンは鬼気とした顔で叫んだ
「゙境界門゙の起動をすると言うのなら、断固却下です!
外門同士を繋ぐ゙境界門゙を起動させるには凄くお金がかかります!
゙サウザンドアイズ゙発行の金貨で一人一枚!四人で四枚!
これはコミュニティのほぼ全財産と同額です!」
黒ウサギと真の悲痛な声が何処からか聞こえた気がした
ジンに全力で反論されて、勢いが無くなる飛鳥
「………………980000㎞か。流石にちょっと遠いな」
「確かに境界門の起動に金がかかるわけだ」
軽薄な笑みを浮かべる十六夜の隣で俺は、起動の際にかかる金額の高さの理由が分かった
これだけの距離を歩こうものならいったい何万年、いや、何億年かかることやら
ジンは怒鳴り散らして疲れたのか、呼吸を軽く整えながら落ち着きを取り戻した口調で諭す
「今なら笑い話ですみますから………………皆さんも、もう戻りませんか?」
ジンの申し出に、俺達は
「断固拒否」
「右に同じ」
「以下同文」
「同様」
「(ry 」
むしろ指揮が高まったのであった
十六夜、飛鳥、耀、俺、悠雷の順に拒絶の意を示し、新たにやる気が沸く事となった
予想したりアクションと真逆、もしくは既に分かっていたのかも知れないが、その反応にジンは肩を落とし溜め息をついた
こちらにも意地があるのである
今更あの様な手紙を残して、帰るわけにもいかないのだ
俺達は勢いよろしく立ち上がりながらすかさず悠雷がジンのローブを掴み、走り出した
「黒ウサギ達にあんな手紙を残して引けるものですか!行くわよ四人とも!」
「おう!こうなったら駄目で元々!゙サウザンドアイズ゙へ交渉に行くぞゴラァ!」
「よっしゃ!派手に行くぞ!!」
目的地はたった一つ、サウザンドアイズ支店だった
俺はこれ大丈夫なのかと考えて
「まあ、今に始まったことじゃないか」
「うん。行こう、甲」
「ああ」
考えることを諦めた