問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ?    作:鴉紋to零

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魂を奏でし者は柄を切り裂くようですよ?

真side

 

「随分と派手にやったようじゃの、おんしら」

 

「ああ。ご要望通り祭りを盛り上げてやったぜ」

 

「胸を張って言わないで下さいこのお馬鹿様!!!」

 

「怪我人が出る可能性も考えてよ十六夜君!!!」

 

十六夜君の後頭部に僕らのハリセンが仲良く叩き付けられる

 

十六夜君が壊した時計塔の大きい残骸を安全のために落下中に斬って、そのまま連行されたため煉瓦の粉で少し鼻がむずむずする

 

この漫才にも似た、いや、もう漫才だな………まあさておき、この光景を見て前にいる白夜叉さんは笑いを噛み殺しているが、時より歯の付け根辺りから笑い声が出ている

 

真面目にいようとしている努力なのだろうが、悪いがとてもそのようには見えない

 

表情は隠せても雰囲気で分かるのである

 

と、その時サンドラさんとおぼしき少女の隣に立つ軍服を着た男性が見下すように、否、見下しながら此方に問う

 

「ふん!゙ノーネーム゙の分際で我々のゲームに騒ぎを持ち込むとはな!相応の厳罰は覚悟しているか!?」

 

一名全くしてないであろうというのは口にしないでおこう。確かな確証も一緒にあるが、止めておこう………

 

「これマンドラ。それを決めるのはおんしらの党首、サンドラであろ?」

 

一同が名が出てきたサンドラさんに注目した

 

視線が集まる中、サンドラさんは玉座から立ち上がり、こちらの方を向くと、こう告げた

 

「゙箱庭の貴族゙とその盟友の方。

此度ば火龍誕生祭゙に足を運んでいただきありがとうございます。

貴方達が破壊した建物の一件ですが、白夜叉様の御厚意で修繕してくださいました。

負傷者は転移関係の恩恵を持った方が怪我を負う前に助けてくださったので、この件に関して私からは不問とさせて頂きます」

 

舌打ちする音が聞こえるが気にしないでおこう

 

そんな中、十六夜君が予想外だったようで意外そうな声をあげる

 

「へえ?太っ腹だな」

 

「うむ。おんしらは私が直々に協力を要請したからの。何より怪我人が出なかったことが幸いした。よって路銀と修繕は、報酬の前金とでも思っておくが良い」

 

ほっと胸を撫で下ろす黒ウサギと僕

 

白夜叉が要求してくるものなら………少しは検討できてしまうからである………………

 

「………ふむ。いい機会だから、昼の続きを話しておこうかの」

 

白夜叉さんは目配せをして、彼等を下がらせた

 

同様にして、サンドラさんも同士にこの場から下がってもらうと、党首としての固い表情と口調を崩して玉座から飛び出した

 

向かうはジンのもと一直線である

 

年相応の愛らしい笑みを浮かべながらジンに話しかける

 

「ジン、久しぶり!コミュニティが襲われたと聞いて随分と心配していた!」

 

「ありがとう。サンドラも元気そうでよかった」

 

二人には地位も階級もないように見えた

 

「ふふ、当然。魔王に襲われたと聞いて、本当はすぐに会いに行きたかったんだ。けどお父様の急病や継承式のことでずっと会いに行けなくて」

 

「それは仕方ないよ。だけどあのサンドラがフロアマスターになっていたなんて______」

 

この時、ふと嫌な予感がしたのだが、それは的中した

 

「その様に気安く呼ぶな、名無しの小僧!!!」

 

マンドラと呼ばれていた男がいきなり、怒りをあらわにし、抜剣するように柄を握る

 

否、握ろうとした

 

「こんな予感は的中してほしくないな」

 

マンドラさんの剣の柄を斬った張本人である僕は、本音を小さな声で呟いた

 

手をかけようとした瞬間に、(ゲート)を柄の真横に展開して、腰につけていた刀を軽く抜いた

 

人ではないものに対して絶対的な切れ味を誇るこの黄泉丸は、期待通りにマンドラさんの剣の柄を斬ったというわけである

 

「血気盛んなのは分かったよ。でも、あれ。振り抜く気満々だったよね?」

 

瞳の奥深くに怒りを隠しながら、さも冷静なように見せて僕は問うた

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