問題児たちと地球の理が異世界から来るそうですよ? 作:鴉紋to零
「当たり前だ!サンドラはもう北のマスターになったのだぞ!誕生祭も兼ねたこの共同祭典に゙名無じ風情を招き入れ、恩情を掛けた挙げ句、馴れ馴れしく接っされたのでばサラマンドラ゙の威厳に関わるわ!この゙名無じのク……」
言葉はそれ以上続かなかった
首筋に刃を当てられ、軽く血を流せば勢いだっていても止まるというものだ
「なんだ、サラマンドラってその程度なのか」
側近のマンドラさんの態度を見て、僕はサラマンドラの身の程を知った
これは………先はない。進化することはまずないだろう
威厳を語る。それはいい。それで命を取っていいのか?否、
「し、真さん!お、落ち着いて下さい!」
我に帰った黒ウサギが、慌てて僕を止めに入る
「大丈夫。これ以上はやらないよ」
僕はそう言うと刃を首から外し、納刀する
納刀したとき、軽く手が痺れた
マンドラさんは腰が抜けたように地べたにへたり込んだ
白夜叉はこの時、驚愕に包まれていた
白夜叉はその剣を知っていた
いや、この言葉には少々の語弊が含まれる
剣ではなく、刀身。刃の方についてのみ白夜叉は知っていた
そしてそれを恐れていた
まさか、まさかこの様なところでこの者に会う等と考えても見なかったからである
あれは既に滅んだはずである。そう思っていた
故に恐れる。その龍を………………
「白夜叉さん?白夜叉さん、大丈夫ですか?」
白夜叉さんはずっと信じられないものを見る目でずっと僕の刀を見ていた
マンドラさんの件は、サンドラさんが無礼が過ぎたということでまたしても不問としてもらった
そして、流石にずっと白夜叉さんに固まられても話が進まないので、戻ってきてもらおうと声をかけるのだが………
「う、うむ。すまん。少し考え事をしておった。どうかしたのか?」
返答があったことに軽く安堵して、聞きたいことを告げる
「十六夜君と黒ウサギのギフトゲームの被害を抑えているときに、少し噂を耳にしたんだけど聞いてもいいですか?」
白夜叉さんは少しばかり思考を走らせ、思い出したように懐を漁る
「ああ。その話か、丁度よい。おんしらに関係のある話じゃ」
懐から一枚の封書を取り出した
「この封書に、おんしらを呼び出した理由が書いてある。………己の目で確かめるがいい」
怪訝そうな顔で十六夜君がそれを受け取り、封を切る
目が動いて、それに書かれた内容を読み進む度に笑みが消え。読み終わると何時もの軽薄そうな笑みは完全に消えていた
不信感を覚えた僕と黒ウサギは同時に肩越しにその中身を見ようとする
だが、ちゃんと見ることは出来なかった
「十六夜さん………?何が書かれているのです?」
「僕も気になります」
疑問符を出して問う僕らに、抑揚のない声色で返答が帰ってきた
「自分達で確めな」
そう言うと、十六夜君は背中越しに黒ウサギに手紙を渡す
僕は黒ウサギの横に立って、中の文章を除き込んだ
其処には、一行だけ。書かれていた
それが祝いの文ならどれ程良かったことだろう
其処には、こう書かれていた
『火龍誕生祭にて、゙魔王襲来゙の兆しあり』
絶望的な一言が、淡々と連ねられていた