ペルソナ3×fate 作:有里四時
突発投稿。
今手元にゲームがないので、時系列が大分怪しいです。
喚ばれた。
目を開いた。
下には見覚えのない床。桐条家のような上品さがある。
上には大きく空いた穴。人一人分はありそうだ。そして、夜空。
おかしい、とすぐに感じる。
未練は無い。後悔も無い。
あの暖かな屋上で、目を閉じて永い眠りについた――はずである。
ならばこの身体は何だろう。もしかして、自分でも知らないうちに未練を残して幽霊にでもなったのだろうか。
しかし、自分はニュクスを封印するための礎となったはず。
こうして、地に足がついているはずがないのだ。
ふと、視線を感じた。今まで気が付かなかったが、部屋の入口のところに少女が立っている。
黒い髪に、日本人の顔立ちとしては珍しい蒼い瞳。
「…何?」
とりあえず、その少女に尋ねてみる。呼ばれた気がしたから、少女は何か自分に用があるのかもしれない。
「なに、って…」
自分は何かおかしいことを言ったのだろうか。目を見開かれてしまった。
この少女に見覚えはない。生前――死んでいると仮定して――知り合った少女の誰とも違う。
年齢は同じぐらいだろう。ペルソナ使いだろうか?
少女が自分の方へと近寄ってくる。敵意は特に感じない。
「色々と言いたいことはあるけど、まあいいわ。」
少女の眦がきりりと上がる。強いて言えば、美鶴のそれに似た眼差しだろうか。
(処刑は嫌だなあ…)
あの露天風呂の出来事を思い出す。
少女のペルソナがわからない以上、身構えることも不可能だ。そもそも、今の自分にペルソナは使えるのだろうか。
さっき見上げた夜空は、影時間のそれでは無かった。
召喚銃はあるけれど、と思考を巡らせているうちに、少女の口が開いた。
「貴方が、私のサーヴァントなの?」
「えっ」
サーヴァント。召使、という意味であったはずだ。
この少女の召使になった覚えはない。
「違うと思うけど。」
「違くないわよ!」
じゃあ何で聞いたんだろう。
口には出さない。女性は怒らせるとシャドウより怖いのだ。
「パスも繋がってるじゃない!ほら!」
パス?
言われて意識すれば、確かに彼女との間に見えない糸のようなものを感じた。ペルソナとの繋がりのようなものだろうか。
「そう。それがパス。君と彼女を繋ぐ、大切な絆だよ。」
よく、知った声がした。
「…綾時?」
音もなく、隣に彼が出現した。
彼は、消えたはず。ニュクス・アバターは、あの時倒れたはずだ。
「なっ…誰よアンタ!サーヴァント…では無いわね…?」
「ええと、彼のマスター?」
そうよ、と彼女は頷く。どうやら、僕より綾時の方が状況を理解しているらしい。
「こんな状況じゃなかったお茶でも誘うところだけど…。」
そうもいかない、と眉を寄せる。本当に珍しい。
「僕は、彼のスキルが具現化したものだ。戦闘能力は無いし、そもそもサーヴァントじゃない。」
彼の所有物ではあるから、令呪の効果は受けると思うけどね。
綾時はそう付け足した。また、分からない。令呪って何だ?
僕の顔に出ていたようで、少女には呆れた顔を、綾時には申し訳なさそうな顔を向けられる。
「3回限りの君への絶対命令権だよ。」
「えっ」
聞いてない。抗議の視線を少女に向ける。
「そんな顔したいのはこっちよ!何で何も知らないわけ!?」
言われましても。綾時が知ってるし、困らないような気もする。
「何も知らないのは、異世界から召喚されたからじゃない?」
待て。
また、聞いてない。