カゲロウデイズ もう一つの夏の日々   作:劉騎913

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存在しない16日

 

 

モモside

 

ジェットコースターごときで虫の息になったお兄ちゃんを放置して、少し顔の青い団長さんとマリーちゃんと、買い替えたスマホに入って来たエネちゃんと一緒に、次のアトラクションを探しに行くことにした。

あれで虫の息になるなんて、全くお兄ちゃんは貧弱だな~……ユサさんはずっと笑顔のままだったのに。そう言えばユサさんとはまだちゃんと話せてなかったなぁ………何かお兄ちゃんがかなりお世話になったし、オルフェノクだと言ってても、紳士的で良い人だな~……だけど、何か違和感あるんだよね。あの人

 

「どうした?浮かない顔して」

 

「あっ❗いえ………お兄ちゃん大丈夫かな~と思って」

 

「豚肉の御主人なら大丈夫ですよ❗たぶん」

 

今、豚肉って言わなかった?エネちゃん……お兄ちゃんのこと…………まぁいいや

 

「そ…そうだよね❗お兄ちゃんってば、あれごときであんなに…………そう言えば、団長さん。顔色悪いですけど大丈夫ですか?」

 

「あ…あぁ❗大丈夫さ(震え声)」

 

いや、絶対大丈夫じゃないよこれ………ここまで顔が真っ青な大丈夫、始めて見たよ。そんなに苦手だったんだ……ジェットコースター。お兄ちゃんは良いとして、団長さんには悪いことしちゃったな。

 

「ねぇキド、次はあれにしようよ」

 

マリーちゃんが次に興味を持ったのは、メリーゴーランドのようだ。でも、お客さんは誰も居なくてガラガラだった。ジェットコースターばっかりにお客さんが居たから、こういうのは反動でほとんど人がいない。

 

「あぁ、あれなら」

 

「よし行きましょう❗」

 

「おい、キサラギ❗マリー❗引っ張るんじゃない❗」

 

楽しい時間…………ずっと続くと思ってた。皆と遊園地に行くのは、凄く楽しみで眠れなかった。だからこそ、ずっと続くと思ってた…………

 

 

 

ほんの五秒前までは……

 

 

「やあ、お嬢さん方」

 

「誰ですか?…キャァァァァァ❗」

 

後ろを振り返ると、蟷螂の鎌のような鋭利な両手を持つ灰色の怪物が、こちらにゆっくりと近付いてきていた。とうとう、私に、オルフェノクの人達にもファンができるなんて…………って❗冗談言ってる前に逃げないと❗だけど、体が固まって動けない❗

 

「オ…オルフェノクか⁉……また能力が効いていないのか⁉」

 

「何言ってんのか知らねぇが、久しぶりの狩りじゃ「うるせぇんだよ❗」ぐはっ❗」ゴスッ

 

襲いかかろうとしたオルフェノク

が、横から来た人物によって、与えられた衝撃に吹き飛ばされる。その衝撃を与えた人を見ると、オレンジ色の光の線が目立つ、アーマースーツを纏っていた。しかも、このスーツは…………

 

 

 

 

お兄ちゃんの変身していたカイザ

 

 

 

 

だけど、お兄ちゃんはあんな清涼感のある声じゃなかったし、それに、あんなに姿勢は良くなかったはずだった。じゃあ、あの人は誰?

 

「てめえ❗何も…うっ❗」ゴフッ

 

「汚い声を出すな………」

 

「お前…………絢瀬絵里を知っているか?」

 

「……げほっ………知っているも何も…俺が殺し…ぐあっ❗」ドガッ

 

カイザはオルフェノクが最後まで話終わるのを待たずに、胸元に重い拳を放つ

 

「やっと見つけた…………お前だけは…殺す………殺す…………殺す殺す殺す殺す殺す殺す❗」

 

「待ってくれ❗俺は…ぐはっ❗」バキッ

 

「言い訳なんて聞くわけないだろ⁉」ドガッ

 

狼狽えるオルフェノクに、カイザは間髪を入れずに、大振りの拳と蹴りを、的確にウィークポイントに当てる。

 

あの人………相手がオルフェノクとは言え、やり過ぎなくらい、殴り続けるなんて正気なの?しかも、脆そうな場所ばかり狙ってる。まるで怒りを人の形に具現化したみたいに見える。

 

「どうだ無抵抗にやられる気分は?……今までお前がしてきた行為をいざ食らう気分は」

 

「…………何で…お前の攻撃…………そんなに重たいんだよ❗ぐはっ❗」ゴフッ

 

「質問に答えろよ…お前は無視できる立場じゃないんだ………答えろ❗」

 

カイザは膝から崩れ落ちたオルフェノクの溝内や後頭部を、休むことなく殴り続ける。

 

あのカイザになってる人…………私達を助けたんじゃなくて、ただ、あのオルフェノクに恨み辛みをぶつけに来ただけみたい。だけど、あのオルフェノクも自業自得なんだろうな。

 

「待ってくれ❗これ返すから❗」シュオーン

 

オルフェノクは人間に戻って、フードのポケットから白いシュシュのようなものを取り出す。

 

その直後から、カイザの人からは凄く強烈な負の感情のようなものが溢れ出ているように感じる…………あのシュシュ…もしかして

 

「…………やはり…お前か」

 

「すまん❗だから命だ…うぐっ❗」

 

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す❗❗❗❗」

 

「やめ………」

 

カイザは男の首を掴み、一気に締め上げる。まるで、蜜柑を握り潰すかのように

 

「無事か❗モモ❗」

 

「あっ❗お兄ち……えっ?」グチャ

 

兄に会えたことで、この状況から助かると思った喜びでいっぱいになった瞬間に、顔に何か温かい液が付いた感覚を感じ、拭って見ると、それは鈍い赤色で凄く鉄臭かった。その液が飛んできた場所を恐る恐る覗くと…………

どう見ても……見間違えることはなく……いや、見間違えることはできなかった。地面に転がった,頭,と,体,を見るまでは…………

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ❗❗」

 

モモsideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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