モナカの中身はバナナアイスで、最近、新発売したバナナモナカだった。少し食べてみたいと思っていたから、これはありがたい。正直、アイス貰ったし人探しなんかどうでもよくなってきたな。
「実は僕も、同じ説明を受けただけなんだよね。だから、ちょっとわからなくて」
「何だそりゃ?意味無いじゃん………」
今ここにいる時間が無駄に感じた俺は、足早に立ち去ろうとしたその時、キラは言い訳をほざこうとしている子供のように言葉を発した。
「でも、途中でそれっぽい子達を見つけて、発信器を着けたんだよ」
「なら俺と話している場合じゃないんじゃないか?てゆうか、発信器?」
「それがね……」
キラは鞄からノートパソコンを取りだし、この町らしきマップが映っている画面をこちらに見せる。
こいつ、実は町一つをひっくり返す程のウィザードハッカーじゃねぇの?ブラインドタッチの速度は異常だし、発信器何て物使う時点で何か裏の顔がありそうだ。
「発信が途切れたんだよ。壊れたのかな?」
「何⁉…………また面倒なことに」
全くもってついてねぇな、俺もこいつらも。尋ね人の場所がわからなくなるのは、最悪、事故にあったか誘拐されたか、もしくは殺されたか、考えたくはないがそんな所だろう。
「警察に届けようぜ…………ってどんなガキかわかんねぇんだった」
「とりあえず、このアイスを食べ終わったら…………って、何を見てるの?コノハ君」
「いたよ。あの子達」
コノハの指差す方向に目をやると、そこには小学6年か5年くらいの男女二人がいた。それだけならまだ良かった。
だが、全身灰色のカエルの頭が付いた化け物に、首を捕まれ殺されかけている光景は、誰が見ても異常な光景だ。
それなのに、コノハは顔色一つ変えない。自分たちの尋ね人……いや、子供が殺されかけている光景を見て何とも思わないのか?ただ指を差しているだけで、それ以外は何も言わないし、ゲームのNPCのキャラみたいに見えてきた。
「ヤバい❗早くいかないと❗」ガチャ
「あの人は何をしてるの?」
冗談か……?オルフェノクがガキの首に手をかけているのを見ても何をやっているかわからないなんて言わないよな?
「はぁ⁉わかんねぇのか⁉ガキ共殺されかけてんだろうが❗」
「殺す……?殺すこと……それは酷いこと。それは許さない」ズダン
「えっ⁉」
「ぐえっ❗」ガン
コノハの瞳が赤く変色した途端に、人間業では到底不可能な跳躍で飛び掛かり、オルフェノクの頭に蹴りを入れる。
蹴りを受けたオルフェノクは吹っ飛んだが、子供たちは軽くその場に打ち付けられただけで済んだ。
だが、コノハは一応生身だし、いくら強くても四徒再生を受ければ終わりだ。ここは俺がやるしかない。
「ちょっと、シンタロー君」
「なんだ?」
「カイザギア…………それをどこで?」
予想通り知ってたか。ならこのベルトやオルフェノクについて、ユサ並みには知っているかもしれないな。だが、話は後だ。
913ENTER
Standing by
「話は後だ…って離せ❗」
「駄目だよ❗それを使えば死ぬかもしれない❗」
「俺は大丈夫なんだよ❗離せ❗」
「何故わかるんだ❗…うわっ❗」
「変身❗」
Complete
俺が死なないように変身を妨害していたキラを振り払い、カイザに変身した。こいつの判断は正しいかもしれない、だけど、それは偽善だ。俺が戦わずに逃げたら、あいつら三人は死ぬかもしれない。俺が加勢すれば助かる確率は上がる。
ずいぶんとこいつがあるだけで勇敢になれるもんだ。カイザギア……いや、オルフェノクじゃなかったら逃げてるだろう。だから俺もキラを責められない。全く嫌になる、自分の弱さを無かったようにする自分が…………。
「行くぞ❗両生類がぁ❗」
Ready
ブレイガンを手に取り、グリップにメモリを挿し込み、フォトンブラッドの剣を生成する。